JPS5845464Y2 - ガス絶縁電気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ＳＦ６ガス等の絶縁ガスが充填されている
タンク内に導電体や各種電気機器を絶縁支持したガス絶
縁電気装置の改良に関するものである。

この種のガス絶縁電気装置においては、（’Ｑらかの原
因でタンク内に異物が混入したり、生成したりする場合
がある。

この時、タンク内の異物には電界強度による静電力によ
って浮上刃が働き、この力が異物自身の重力を上回った
場合に異物は浮−ヒし、浮上した異物を介して閃絡する
現象が生じ、装置の絶縁剛力を低下させる原因となる。

従って、タンク内にトラップ装置を設けて異物を捕捉し
なければならない。

第１図〜第４図はそのための従来のトラップ装置を示す
もので、トラップ装置４，４は絶縁ガス３が封入された
タンク１内に高電位導体２と共に配置されている。

トラップ装置４，４はスリット５の形成方向が異なるほ
かは同じであるから、第１図及び第２図のトラップ装置
４についてだけ説明すると、これは、タンク１内の所定
位置にふ−いて内周面１ａに沿って湾曲した本体部４ａ
と、この本体部４ａのタンク軸心方向に延びる縁部から
タンク内周面１ａまで延びて本体部４ａを支持する二つ
の脚部４ｂとを有する。

タンク円周方向に延びる本体部４ａの縁部とタンク内周
面１ａとの間は開放している。

即ち、タンク円周方向に延びる本体部４ａの縁部とタン
ク内周面１ａとの間には、タンク半径方向に高度差があ
る。

電圧印加中、タンク１内でランダムな運動をして（・る
異物は、トラップ装置４内部の弱電界部にスリット５を
経て導かれ、捕捉される。

しかし、上述した通り、タンク円周方向に延びる本体部
４ａの縁部とタンり内周面１ａとの間に高度差があるた
めに、この縁部近傍のタンク内周面部分上にも弱電界部
が生じ、異物がこの部分に到達した時、その動きが止ま
り、該部分に異物が貯溜堆積する傾向があった。

従って、従来のトラップ装置では、異物を完全にトラッ
プ装置内部に捕捉できないばかりでなく、上記縁部近傍
はトラップ装置内部に比較して完全な弱電界部にはなり
えないために、サージ状の電圧が現われた場合など異物
が再び浮上する欠点があった。

従って、この考案は上記の欠点に着目しなされたもので
、電気機器の絶縁低下を招く異物の捕捉を効率よく行な
うことができるトラップ装置の提供を目的とするもので
ある。

次にこの考案の実施例を添付図面について説明する。

なお、図中、同一符号は同−又は相当部分を示す。

第５図及び第６図において、この考案によるトラップ装
置４は、第１図のトラップ本体４ａと同様のトラップ本
体のほかに、タンク１の軸方向にある二つの端部、即ち
端縁が円周方向に延びる二つの端部にそれぞれ傾斜部４
ｃを備える。

傾斜部４ｃは、異物を不完全に捕捉する弱電界部が実質
的に生じないように、トラップ本体４ａに関して下方に
傾斜しながらタンク内周面１ａまで延びている。

これ等の傾斜部４ｃにも、トラップ本体４ａと同様に複
数のスリット５を備えることができる。

また、トラップ装置４は、タンク１の円周方向に在る二
つの端部において脚部４ｂによりタンク内周面１ａ上に
支持されるが、脚部４ｂをなくし、代りに傾斜部４ｃの
先端で支持するようにしてもよい。

また、脚部４ｂを外側へ傾斜させると共に、そこにも同
様のスリットを設けることもできる。

第７図及び第８図の実施例は、前述の実施例のスリット
５がタンク軸方向に延びているのに対し、この実施例の
スリットがタンク円周方向に延びている点で前述の実施
例と異なるだけである。

第９図及び第１０図は、トラップ本体４ａと傾斜部４ｃ
とを別体に形成した場合の該傾斜部を拡大して示してむ
り、スリット５は第９図の実施例においてはタンク軸方
向に、第１０図の実施例においてはタンク円周方向に設
けられている。

第９図及び第１０図にお′いて、トラップ本体（図示し
ない）側の端部４ｄはトラップ本体と同一の半径方向高
さを有し、反対側の端部４ｅは下方に傾斜してむり、設
置した場合、タンク内周面と係合する。

第９図及び第１０図の実施例においては、トラップ本体
として従来のものを使用可能である。

以上のように横取したので、タンク軸方向に在るトラッ
プ装置の端部とタンク内周面との間に高低差が実質的に
生じない。

従って、異物がこの部分にきても何ら動きに変化を与え
られることがなく、しかも、傾斜部分にもスリットを設
けることができるため異物がトラップ内部に非常に入り
易くなり、捕捉率が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のトラップ装置を備えたガス絶縁電気装置
の部分断面図、第２図は第１図の■−ｌ線断面図、第３
図は従来の別のトラップ装置を備えたガス絶縁電気装置
の部分断面図、第４図は第３図のｒＶ−ｒＶ線断面図、
第５図及び第６図はこの考案のトラップ装置を備えたガ
ス絶縁電気装置の第１図及び第２図に対応する図、第７
図及び第８図はこの考案の別のトラップ装置を備えたガ
ス絶縁電気装置の第３図及び第４図に対応する図、第９
図及び第１０図はこの考案によるトラップ装置のそれぞ
れ別の実施例を示す斜視図である。 図中、１はタンク、１ａはタンク内周面、３は絶縁ガス
、４はトラップ装置、４ａはトラップ本体、４ｃは傾斜
部、５はスリットである。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）絶縁ガスが封入されたタンクと、このタンク内の
   所定位置に支持されて同タンク内の異物を捕捉するトラ
   ップ装置とを備えるガス絶縁電気装置にむいて、上記ト
   ラップ装置は、少なくとも、上記タンクの軸方向にある
   二つの端部のそれぞれに、トラップ本体に関して下方に
   傾斜しながら上記タンクの内周面まで延びる傾斜部を有
   することを特徴とするガス絶縁電気装置。
2. （２）この二つの傾斜部に異物捕捉スリットが形成され
   ていることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のガス絶縁電気装置。
3. （３）トラップ本体及び二つの傾斜部がそれぞれ別体に
   形成されていることを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項又は第２項記載のガス絶縁電気装置。