JPS5845214Y2 - 紙缶

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【考案の詳細な説明】この考案は紙罐の補強を目的とするものである。

従来、紙罐胴の重ね継ぎ部を特に補強した紙罐は知られ
ていなかった。

そのため内容物の注入により円周方向の張力が働くと重
ね継ぎ部の接合が弱くなるおそれがあり、また垂直方向
の力が働くと挫屈を生じ易いという問題点があった。

しかるにこの考案によれば、紙罐胴の重ね継ぎ部に二本
の凹入条を縦に並設することにより、紙罐の円周方向及
び垂直方向の力に対する補強がなされることになり、前
記従来の問題点を解決したものである。

以下この考案を図面に示す実施例に基づいて説明するに
、紙罐胴１の重ね継ぎ部２に上下に亙り二本の凹入条３
，３を並設し、上下に端板を固着した紙罐である。

上記実施例によれば、凹入条３，３を紙罐胴１の外側に
設けたが、凹入条を紙罐胴１の内側に設けても補強効果
を得られること同様である。

なお、凹入条を紙罐胴１の内側に設けた場合には、紙罐
胴１の外側に前記凹入条に対応して凸条ができるが、該
凸条の突出高さを、紙罐の巻締部４の突出幅Ｗと同等又
はＷよりも低くすることが取扱上望ましい。

この考案における凹入条３，３は、紙罐胴１を形成する
際に重ね継ぎ部２の加熱接着と同時にプレス成形し、又
は紙罐胴１を形成した後にプレス成形して構成するもの
である。

すなわちこの考案によれば、紙罐胴の重ね継ぎ部に二本
の凹入条を縦に並設したので、接着剤のみにより接合し
た場合に比較して重ね継ぎ部の接合状態が強固になる。

そのため、紙罐内に液体等を注入した際に生じる紙罐胴
の円周方向の張力に対応する力が強くなり、以って紙罐
胴の重ね継ぎ部が弱くなることを防止することができる
効果がある。

また凹入条を紙罐胴の上下に亙って設けたので、紙罐の
垂直方向の力に対する耐久力が向上し、紙缶の挫屈を防
止することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案実施例の正面図、第２図は同じく第１
図中Ａ−Ａ断面図である。１・・・・・・紙罐胴、２・・・・・・重ね継ぎ部、３
・・・・・・凸条、４・・・・・・巻締部。

【実用新案登録請求の範囲】１０紙罐胴の重ね継ぎ部に上下に亙り二本の凹人条が並
設された紙罐。２、凹人条は紙罐胴の内側又は外側に設けられた実用新
案登録請求の範囲第１項記載の紙罐。