JPS5844298Y2 - 吸収式ヒ−トポンプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、加熱器に供給する熱運搬流体を温媒蒸気によ
って加熱する凝縮器、その凝縮器がらの温媒液を熱回収
対象によって蒸発させる蒸発器、その蒸発器からの温媒
蒸気を吸収液に吸収させる吸収器、並びに、その吸収器
がらの吸収液を加熱して前記凝縮器に供給する温媒蒸気
を発生させる発生器を設け、前記凝縮器に供給する熱運
搬流体を前記吸収器において予熱し、暖房等のための加
熱器に供給する熱運搬流体の温度を極力高くして、加熱
能力が大に、かつ、温度調節範囲が広くなるように構成
した加熱のための吸収式ヒートポンプに関する。

本考案の目的は、例えば始動時や厳寒時等において、吸
収液の結晶析出や蒸発器での凍結等のトラブルを、加熱
器に供給する熱運搬流体の温度低下を可及的に抑制しな
がら防止できるようにする点にある。

本考案による吸収式ヒートポンプの特徴構成は、発生器
により得られる高温の温媒蒸気あるいは吸収液を吸収器
に直送するバイパス流路に、流量を変更設定する弁機構
を設け、吸収器に供給される熱運搬流体の温度を検出す
る装置、並びに、その温度検出装置からの情報に基いて
、吸収器における吸収液の温度が結晶析出温度以上に維
持されるように弁機構を自動調節する制御機構を設けた
ことにあり、その作用効果は次の通りである。

つまり、自動制御器を適当にプログラムしておき、弁機
構の自動調節により高温の温媒蒸気あるいは吸収液を発
生器から吸収器に必要な時にだけ適量づつ供給されるよ
うにしておけば、加熱器に供給する熱運搬流体の凝縮器
による加熱能力を極力大に維持しながら、吸収液の結晶
析出や蒸発器の凍結を確実に防止できるのである。

さらに詳述すると、通常時には弁機構を閉じて、発生器
から凝縮器に全加熱エネルギーを与えて、加熱器による
暖房等のための加熱能力が大で、かつ、温度調節範囲が
広い優れた加熱機能を備えさせることができる。

他方、吸収剤として一般に数十℃以下になると結晶を析
出するものが利用されており、始運転時や厳寒時等のよ
うに、吸収器に供給される熱運搬流体が低温であったり
、あるいは、熱回収対象である外気等が低温である場合
、上述のように弁機構が閉じられているとミ吸収器と発
生器とにわたる吸収剤循環に詰り等のトラブルを生じ、
また蒸発器において蒸気圧が下って凍結を起こし、安定
した運転を継続できなくなる危険性があるが、前述のよ
うに、弁機構の自動調節によって、吸収器に供給する熱
運搬流体の検出温度に見合った適量のかつ高温の温媒蒸
気あるいは吸収液を冷却することなく発生器から吸収器
に直送させるから、確実に吸収液を結晶析出が抑制でき
る温度に維持する事ができると共に、蒸発器での蒸気圧
を大に維持して凍結を抑制でき、また、可及的に高温の
熱運搬流体を加熱器に供給でき、全体として、可及的に
高温加熱能力を発揮させながら、安定した運転を確実に
継続させられるようになり、優れた加熱設備を提供でき
るようになった。

次に例示図により本考案の実施例を説明する。

室内暖房用等の加熱器１に供給する水等の熱運搬流体を
アルコールや水等の温媒蒸気によって加熱すべく構成し
た凝縮器２を設け、凝縮器２から供給される低温の温媒
液を大気等の熱回収対象によって蒸発させるべく構成し
た蒸発器３を設け、蒸発器３から供給される温媒蒸気を
臭化、塩化あるいはヨウ化リチウム等の吸収液に吸収さ
せるべく構成した吸収器４を設け、吸収器４からの吸収
液をガスバーナ等の適宜加熱装置５によって加熱して温
媒蒸気を発生させるべく構成した高圧発生器６ａを設け
、高圧発生器６ａからの吸収液を高圧発生器６ａで得ら
れた高温の温媒蒸気で加熱して温媒蒸気を発生させるべ
く構成した低圧発生器６ｂを設け、それら両発生器６ａ
、６ｂで得られた高温の温媒蒸気を前記凝縮器２に供給
すべく、また、低圧発生器６ｂから吸収液を前記吸収器
４に戻すべく構成しである。

前記加熱器１に供給される熱運搬流体の供給流路７を形
成するに、前記凝縮器２に供給するに先立って予熱すべ
く前記吸収器４に熱運搬流体を通すように構威し、他方
、加熱器１から低温になった熱運搬流体を戻り流路９を
介して供給流路７に還流させるべく構威しである。

前記高圧発生器６ａから前記吸収器４に高温の温媒蒸気
を直送するバイパス流路１２を設けると共に、そのバイ
パス流路１２に可変設定型流量調整弁８を設け、かつ、
前記熱運搬流体供給路７に、前記吸収器４よりも上流側
に位置させて、熱運搬流体の温度を検出する装置１０を
設けると共に、その装置１０からの情報に基いて前記弁
８を自動調節する制御機構１１を設けて、前記吸収器４
における吸収液の温度が結晶析出温度以上に、例えば臭
化ノチウムの場合には４０℃以上に、維持されるように
、かつ、可及的に大量の温媒蒸気が低圧発生器６ｂを経
て凝縮器２に送られるように、自動的にバイパス流路１
２の流量制御が行われるべく構成しである。

前記熱運搬流体供給路７に、前記凝縮器２と加熱器１の
間に位置させて、熱運搬流体の温度を検出する装置１３
を設けると共に、その装置１３からの情報に基いて、そ
の検出値を設定範囲に維持すべく前記加熱装置５の発熱
量を自動的に制御する機構１４を設けて、十分な熱運搬
流体の温度維持を極力図りながら、可及的に省エネルギ
ーを行わせるべく構威しである。

尚、本考案によるヒートポンプは、室内暖房以外の各種
加熱用途に適用でき、また、熱運搬流体を蒸発器３で冷
却する構成を備えさせて冷却手段に兼用させる事もでき
る。

前記高圧及び低圧発生器６ ａ 、６ ｂに代えて、１
個あるいは３個の発生器を設けてもよく、それら構成を
単に発生器６と総称する。

前記バイパス流路１２の入口側の接続位置は、前記発生
器６に対する場合、複数並設タイプではいずれの発生器
でもかつそれらを接続する流路でも、さらに、吸収液を
流入させるレベルであってもよく、また、前記発生器６
から前記凝縮器２への温媒蒸気供給路、あるいは、凝縮
器２であってもよく、要するに発生器６によって得られ
る高温の温媒蒸気あるいは吸収液が流入する位置であれ
ばよい。

前記バイパス流路１２の出口側の接続位置は、前記蒸発
器３から吸収器４への温媒蒸気供給路であってもよい。

前記流量調整弁８に代えて各種のバイパス流路２に対す
る流量設定手段を利用でき、それらを弁機構８と総称す
る。

そして、その弁機構８を人為的に操作させるように構成
してあってもよい。

前記弁機構８操作のために熱運搬流体の温度を検出する
に、前記雨検出装置１０．１３からの情報に基かせるよ
うに構成してもよく、さらには、それらの温度検出手段
に代えて前記吸収器４内あるいは前記高圧発生器６ａへ
の供給路において吸収液の温度を検出する装置を備えさ
せてもよく、その他必要温度検出の手段は各種変更可能
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る吸収式ヒートポンプの実施例を示す
フローシートである。 １・・・・・・加熱器、２・・・・・・凝縮器、３・・
・・・・蒸発器、４・・・・・・吸収器、６・・・・・
・発生器、８・・・・・・弁機構、１０・・・・・・温
度検出装置、１１・・・・・・制御機構、１２・・・・
・・バイパス流路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱器１に供給する熱運搬流体を温媒蒸気によって加熱
   する凝縮器２、その凝縮器２がらの温媒液を熱回収対象
   によって蒸発させる蒸発器３、その蒸発器３からの温媒
   蒸気を吸収液に吸収させる吸収器４、並びに、その吸収
   器４がらの吸収液を加熱して前記凝縮器２に供給する温
   媒蒸気を発生させる発生器６を設け、前記凝縮器２に供
   給する熱運搬流体を前記吸収器４において予熱すべく構
   成した吸収式ヒートポンプであって、前記発生器６によ
   って得られる高温の温媒蒸気あるいは吸収液を前記吸収
   器４に直送するバイパス流路１２を設けると共に、その
   バイパス流路１２の流量を変更設定する弁機構８を設け
   、前記吸収器４に供給される熱運搬流体の温度を検出す
   る装置１０を設けると共に、その温度検出装置１０がら
   の情報に基いて、前記吸収器４における吸収液の温度が
   結晶析出温度以上に維持されるように前記弁機構８を自
   動調節する制御機構１１を設けである事を特徴とする吸
   収式ヒートポンプ。