JPS5843537B2 - 油圧シヨベルの油圧制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は可変吐出量油圧ポンプから吐出される圧油によ
り油圧シリンダ、油圧モータ等のアクチュエータを制御
する油圧ショベルの油圧制御装置に関するものである。

第１図に示すように、油圧ショベルは、旋回体５の機械
室１に設けた原動機および油圧ポンプにより油圧を発生
させ、その油圧により、ブームシリンダ２、アームシリ
ンダ３、パケットシリンダ４、旋回体５に設置されてい
る旋回モータを駆動して掘削作業を行うものである。

一般に油圧ショベルは、油圧ポンプと多連切替弁と多数
のアクチュエータとの組合せを２組そなえている。

たとえば、第２図に示す油圧系統は、油圧ポンプ６、切
替弁８、ブームシリンダ１１、パケットシリンダ１２の
組合せと、油圧ポンプ７、切替弁９、アームシリンダ１
３、旋回油圧モータ１４の組合せとからなり、さらに、
切替弁９からの圧油をブームシリンダ１１にも供給でき
るようになっている。

なお、油圧ポンプ６．７は原動機１０で駆動される。

油圧ポンプ６．７は定吐出量形のものと可変吐出量形の
ものとがあるが、本発明は後者に関するものである。

従来の油圧制御装置における可変吐出量ポンプは、馬カ
一定曲線に沿って吐出圧力の変化によりポンプ吐出量が
変化するようになっている。

一般の油圧ショベルでは上記のように二つの油圧ポンプ
が設定されているが、両方が常に同一吐出量を持つもの
と各々独立に制御されるものとの二通りがある。

上述のような構成の一般の油圧ショベルにおける油圧制
御装置では、切替弁８あるいは９のスプールを操作し、
油圧ポンプの全吐出量のうちタンクへ逃げる流量を絞り
部で制御（ブリードオフ制御）してアクチュエータの速
度制御を行っている。

その目的に使用される切替弁をそなえた油圧系統の例を
第３図に示す。

切替弁１５の弁本体１６には絞り部１７ａを形成したス
プール１１が軸方向に摺動できるようにおさめられてい
る。

弁本体１６にはポートＰ１Ａ１Ｂ１Ｒが形成されており
、ポ−トＰは可変油量油圧ポンプ１８の吐出側に、ポー
トＡ、Ｂは油圧シリンダ１９の反ロンド側の室、ロッド
側の室に、ポートＲは油タンク２０に接続されている。

油圧ポンプ１８の吐出系路にはＩＪ ＩＪ−フ弁２１が
設けられている。

スプール１７を切替えることにより、油圧ポンプ１８か
らの圧油がポートＡまたはＢを経て油圧シリンダ１９に
供給される。

この制御装置では、ポンプ吐出圧は負荷を駆動するのに
必要な圧力までしか上がらないので、効率は比較的すぐ
れているが、絞りの開度を一定にしておいても、負荷圧
力、ポンプ吐出量などの変動により、油タンク２０へ逃
げる流量が大巾に変動し、したがって、油圧シリンダ１
９への流量も大巾に変動する欠点がある。

上記の欠点をさらに第４図について説明する。

同図において、横軸は切替弁のスプールのストロークを
表わし、縦軸は負荷側へ流れる流量を表わす。

ある特定のポンプ吐出量および負荷圧力のもとで、油圧
シリンダ（アクチュエータ）に流れる油量を最も円滑に
、かつ、切替弁のスプールのストロークのうち広い範囲
で制御できるようにし、図のＣの特性を得たとする。

ここで、負荷圧力が減少すると、図のＤのように小流量
の範囲の勾配が急になる。

また、負荷圧力が増大すると図のＥのように勾配が急に
なるとともに全体の制御範囲が狭くなる。

すなわち、いずれの場合も円滑な速度制御を行うことが
困難となる。

本発明の目的は、負荷圧の変動による影響が小さく、必
要とされる最適の流量制御を効率良く行うことができる
油圧制御装置を提供するにある。

可変吐出量油圧ポンプを使用する場合には、切替弁によ
りブリードオフ絞りを全閉してポンプ吐出量が全量アク
チュエータに送られるように構成し、油圧ポンプの吐出
量を指令量に応じて（必要があれば切替弁のストローク
と連動させて）零から最大流量まで変化させれば、負荷
の変動による影響を受りない制御特性を得ることができ
る。

しかし、回路全体の冷却、あるいは油圧ポンプ自体の冷
却、潤滑の問題からある一定の最小吐出量を確保する必
要がある。

そこで、本発明は、油圧ポンプの最小吐出量の範囲では
切替弁のブリードオフ制御により、また、ポンプ吐出量
の可変域ではポンプ吐出量自体の制御により、アクチュ
エータの速度制御を行うようにしたものである。

すなわち、従来は第５図に直線Ｆ′で示すようにスプー
ルのストロークに関係なくポンプ吐出量を一定に保持し
、切替弁のブリードオフ絞りの開口面積を斜線Ｇ′で示
すように変化させて、アクチュエータへの流量を制御す
るのであるが、本発明では同図に線Ｆで示すようにポン
プ吐出量を切替弁のストロークに連動させて設定し、斜
線Ｇで示すように切替弁のブリードオフ絞りを、油圧ポ
ンプの最小吐出量の範囲で変化させ、かつ、ポンプ吐出
量の可変範囲では全閉してポンプ吐出量を全量アクチュ
エータに送るように構成されている。

なお、切換弁のブリードオフ絞りの制御は、たとえば、
第３図に示すスプール１７の絞り部１７ａの間隙がスプ
ールストロークが小さいうちに全閉するように形成する
か、切換弁の戻しばねの設定圧を下げて絞り間隙をはや
く全閉させるか、油圧ポンプの傾転角を変える装置のば
ねの設定圧を高くしてポンプ吐出量の最小流量区間を絞
り間隙が全閉するまで延長するなどにより行うことがで
きる。

つぎに、本発明による油圧系統の一実施態様を第７図に
より説明する。

可変吐出量油圧ポンプ２２と補助回路用油圧ポンプ２３
とは原動機Ｍにより駆動される。

油圧ポンプ２２の吐出側は本発明による切替弁１５に連
結され、油圧ポンプ２３の吐出側は遠隔制御弁２４．２
５に連結されている。

遠隔制御弁２４，２５はレバー２６により切替えられる
ようになっており、その二次圧側は破線で示す回路によ
り切替弁１５、シャトル弁２７に接続されている。

シャトル弁２７は油圧ポンプ２２の傾転角を制御するシ
リンダ（吐出量可変装置）２８に接続されている。

アクチュエータとして示したシリンダ２９は切替弁１５
のポーｍＡ、Ｂに接続されている。

油圧ポンプ２２．２３の吐出側にはそれぞれＩＪ ＩＪ
−フ弁３０，３１が設けられている。

レバー２６により遠隔制御弁２４あるいは２５を操作す
ると、油圧ポンプ２３からの一次圧が操作に応じた二次
圧に制御され、その二次圧油が切替弁１５に供給される
とともに、シャトル弁２７を介してシリンダ２８に供給
される。

これにより、切替弁１５のスプールのストローク、油圧
ポンプ２２の吐出量が制御される。

第６図は本発明による制御特性を示す線図で、横軸には
スプールのストローク、縦軸には負荷側へ流れる圧油の
流量をとっである。

本発明によれば、アクチュエータに流れる流量は、同図
の点Ｈから右側では負荷の大小に関係なく一定に制御さ
れ、点Ｈから左側では線Ｉ 、Ｊ 、にで示すように負
荷により変動する。

しかし、点Ｈから左側の範囲は従来のものにくらべて小
さいので、操作能力に与える影響ははるかに小さくなる
。

第６図の点Ｈから左側の制御は切替弁１５によるブリー
ドオフ制御であり、点Ｈから右側では油圧ポンプの全吐
出量がアクチュエータに送られるので、ポンプ吐出量は
負荷を駆動するために必要な圧力にまでしか上昇しない
。

したがって、効率が良い。本発明の他の実施態様は、指
令量に応じて通過流量を変え得る圧力補償付流量調整弁
により、第８図に示すように油圧ポンプの最小吐出量の
範囲Ｓでは所要量以外を油タンクへ逃がし、油圧ポンプ
のポンプ吐出量が変る範囲■では、圧力補償付流量調整
弁の油タンクへの通路を全閉して油圧ポンプの全吐出量
がアクチュエータに流れるようにし、かつ、ポンプ吐出
量を第８図の線Ｉのように設定したものである。

なお、第８図において、横軸は指令量を表わし、縦軸は
負荷側へ流れる流量を表わす。

このようにすることにより、アクチュエータへの流量は
第８図における線■のようになる。

上記の圧力補償付流量調整弁とそれを用いた油圧回路の
例を第９図により説明する。

圧力補償付流量調整弁３２の弁本体３３には流量設定用
スプール３４が軸方向に摺動できるように挿入されてお
り、スプール３４内には圧力補償用スプール３５、はね
３６がおさめられている。

ばね３６はスプール３５の一端面とスプール３４にねじ
はめさせたばね受け３７との間に設けられている。

スプール３４の周壁には絞り用穴３４ａ１３４ｂおよび
その他の穴が図示のように設けられ、弁本体３３にはポ
ートＡ、Ｂおよびその他の穴が設けられている。

可変容量油圧ポンプ２２の吐出側はポートＢおよび切替
弁１５に連結されている。

また、油圧ポンプ２２の吐出側にはリリーフ弁３０が設
けられている。

切替弁１５は、二つの入力ポートの一方が前述した油圧
ポンプ２２に、他方がタンク及び前記弁本体３３のポー
トＡに連結され、二つの出力ポート油圧シリンダ２９の
二つの室ににそれぞれ連結されている。

流量調整用スプール３４を操作レバーによる指令量に応
じて摺動させると、たとえば絞り用穴３４ａの開度が変
る。

絞り用穴３４ａのある一定の開度に対して、負荷圧の増
減などにより通過流量が増減しようとすると、絞り用穴
３４ａの前後の差圧が増減する。

その一方の圧力は圧力室３４ｃに導かれ、他方の圧力は
ばね室３４ｄに導かれ、差圧の大きさとばね３６のばね
力とがつり合う位置までスプール３５が摺動する。

すなわち、流量が増大して絞り用穴３４ａの前後の差圧
が増し、スプール３５が絞り用穴３４ｄの開度を小さく
する方に摺動し、その結果通過量は元の大きさまで戻ろ
うとする。

反対に、流量が減少しようとすればスプール３５が絞り
用穴３４ｄの開度を大きくする方に摺動し、流量を増そ
うとする。

上記のような作動により、圧力補償付流量調整弁３２は
、通過流量を流量設定絞り用穴３４ａの開度によって定
まる一定値に保持する機能を持つ。

したがって、絞り用穴３４ａの開度を指令量に対して適
宜に与えれば、所望の流量制御特性を得ることができ、
かつ、その特性は負荷の変動に大きく影響されない。

第１０図はさきに説明した圧力補償付流量調整弁３２を
組込んだ本発明による油圧制御装置の系統を示し、同図
中第７図と同じものには同じ符号をつけである。

なお、切替弁１５ａ、１５ｂは図示していない別のレバ
ーおよび遠隔制御弁により操作されるようになっている
。

レバー２６により遠隔制御弁２４あるいは２５を操作す
ると、油圧ポンプ２３からの一次圧が操作に応じた二次
圧に制御され、その二次圧が切替弁１５に導かれるとと
もに、シャトル弁２７を介して圧力補償付流量調整弁３
２とシリンダ２８に導かれる。

それにより、切替弁１５のスプールのストローク、流量
調整弁３２のスプールのストローク、油圧ポンプ２２の
吐出量が連動して制御される。

この実施態様によれば、下記の効果が得られる。

負荷の変動に大きく影響されない速度制御をすることが
できる。

また、可変油量油圧ポンプの最小吐出量の範囲では、油
タンクへ逃げる流量を制御するフリートオフ制御であり
、それ以外の範囲ではポンプ吐出量がそのままアクチュ
エータに流れるので、ポンプ吐出圧は負荷を駆動するた
めに必要な圧力までしか上昇しないので、損失が少く、
効率が良い。

実際の操作において特に必要とされる微小流量の制御は
、圧力補償付流量制御弁の特性により、すなわち、流量
設定用の絞り開度をストロークに対して適宜に設定する
ことにより、任意に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施する油圧ショベルを示す斜視図、
第２図は従来の油圧ショベルの油圧制御装置の一例を示
す系統図、第３図は油圧ショベルに一般に使用されてい
る流量調整機能付切替弁の一例とその弁を組込んだ油圧
回路を示す図、第４図は第３図の切替弁の流量制御性能
の例を示す図、第５図は切替弁のストロークに対する油
圧ポンプの吐出量と切替弁が油タンクへ逃がす流量を制
御する絞りの開口面積との関係を示す図、第６図は本発
明による油圧ショベルの流量制御性能を示す図、第７図
は本発明による油圧制御装置の一実施態様を示す系統図
、第８図は本発明にかかわる流量制御特性ならびに可変
吐出量油圧ポンプの吐出量を示す図、第９図は本発明に
よる圧力補償付流量調整弁を組込んだ油圧回路の一例を
示す系統図、第１０図は本発明による油圧制御装置の他
の実施態様を示す系統図である。 １５・・・・・・切替弁、１６・・・・・・弁本体、１
７・・・・・・スプール、２２・・・・・・可変吐出量
油圧ポンプ、２３・・・・・・補助回路用油圧ポンプ、
２４ 、２５・・・・・・遠隔制御弁、２６・・・・・
・レバー、２７・・・・・・シャトル弁、２８・・・・
・・シリンダ、２９・・・・・・シリンダ、３２・・・
・・・圧力補償付流量調整弁、３３・・・・・・弁本体
、３４・・・・・・流量設定用スプール、３４ａ 、３
４ｂ・・・・・・絞り用穴、３４ｃ・・・・・・圧力室
、３４ｄ・・・・・・ばね室、３５・・・・・・圧力補
償用スプール、３６・・・・・・ばね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ レバーの操作によって連動する可変吐出量油圧ポン
   プの吐出量可変装置及び切換弁を備え、前記切換弁の切
   換えによって前記可変吐出量油圧ポンプからの圧油をア
   クチュエータに供給する回路を備えている油圧ショベル
   の油圧制御装置において、前記切換弁における圧油をタ
   ンクへ逃がす絞り部の開口面積が、ポンプ吐出量が一定
   である範囲では漸減して最終的には全閉され、ポンプ吐
   出量が変わる範囲では全閉状態を保持するように構成し
   たことを特徴とする油圧制御装置。 ２ 切替弁への給油系路に、可変吐出量油圧ポンプの最
   小吐出量の範囲ではタンクに通じる絞り部の開きを調整
   し、ポンプ吐出量が変わる範囲ではタンクに通じる絞り
   部を全閉するように構成した圧力補償付流量調整弁を設
   置した特許請求の範囲１に記載の油圧制御装置。