JP3665519B2 - コントロール弁および流体圧制御装置 - Google Patents

コントロール弁および流体圧制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプールを用いたコントロール弁および流体圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来の例えば油圧ショベルなどの建設機械の油圧シリンダ、油圧モータなどのアクチュエータ11を制御するためのコントロール弁を示す。
【0003】
このコントロール弁は、操作弁(以下、この操作弁を「リモコン弁」という)12から出力されたパイロット油圧信号によりストロークするスプール13を備え、そのスプール13の作動方向および作動ストロークにより、アクチュエータ11の作動方向および作動速度を制御する。
【0004】
このコントロール弁は、ポンプ14からアクチュエータ11へ作動油を供給するメータイン回路の開度と、アクチュエータ11からタンク15へ作動油を排出するメータアウト回路の開度とを、1本のスプール13で制御している。
【0005】
例えば、図4において、リモコン弁12の操作レバーを一側に操作して、そのリモコン弁12から右側のポート16にパイロット油が供給されると、スプール13は、コイルスプリング17を圧縮しながら左方へ移動し、ポンプ14・タンク15間の通路18が閉じるとともに、ポンプ14からアクチュエータ11のロッド側室11rへの通路19が開き、同時に、アクチュエータ11のヘッド側室11hからタンク15への通路20が開く。
【0006】
この場合は、ポンプ14から通路21を経て通路22内に供給された作動油が、ロードホールドチェック弁23を通過して、通路24および通路19を経て通路25に流れ、アクチュエータ11のロッド側室11rに供給され、一方、ヘッド側室11hの油は、通路26から通路20を経て戻し通路27に入り、タンク15に排出される。なお、通路25からアクチュエータ11に供給される作動油は、リリーフ弁28により設定された圧力より上昇しない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のコントロール弁は、ポンプ14からアクチュエータ11へのメータイン回路の開度と、アクチュエータ11からタンク15へのメータアウト回路の開度とを、一体化された1本のスプール13で制御しているから、メータイン開度およびメータアウト開度は相互に一定の関係しか取り得なかった。
【0008】
そのため、例えば油圧ショベルのバケットを駆動するバケットシリンダを制御するコントロール弁の場合、エンジン低速時でもボイディングを生じないようにメータアウト開度を絞っているため、エンジン高速時では過剰背圧となってしまい、ポンプ圧を上昇させ、スピードの低下および効率の低下を招いている。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、スプールのメータイン開度とメータアウト開度との関係が一定に固定された場合の不都合を解消することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
求項に記載された発明は、バルブボディと、バルブボディに変位自在に嵌合されメータイン開度およびメータアウト開度の一方を制御する一方のスプールと、バルブボディに変位自在に嵌合されメータイン開度およびメータアウト開度の他方を制御する他方のスプールと、一方のスプールおよび他方のスプールのそれぞれの変位方向および変位量を制御するスプール制御手段とを備え、スプール制御手段、一方のスプールを他方のスプール側へ押圧するパイロット操作圧が導入される一方の圧力室と、一方のスプールと他方のスプールとの間に設けられパイロット操作圧が導入される中間の圧力室と、他方のスプールを一方のスプール側へ押圧するパイロット操作圧が導入される他方の圧力室と、一方のスプールに対して設けられた一方のスプリングと、一方のスプールと他方のスプールとの間に設けられた中間のスプリングと、他方のスプールに対して設けられた他方のスプリングとを具備したコントロール弁である。
【0011】
そして、スプール制御手段により一方のスプールと他方のスプールとをそれぞれ制御して、メータイン開度とメータアウト開度とを分離制御することにより、これらの開度間の関係を変更できるようにする。一方のスプールおよび他方のスプールの各変位量は、一方の圧力室、中間の圧力室および他方の圧力室に導入されるパイロット操作圧と、一方のスプリング、中間のスプリングおよび他方のスプリングのばね定数と、スプール断面積とによりそれぞれ決まるから、各圧力室のパイロット操作圧または各スプリングのばね定数により、一方のスプールの変位量と他方のスプールの変位量とをそれぞれ制御して、メータイン開度とメータアウト開度とを分離制御し、これらの開度間の関係を変更できるようにする。
【0012】
請求項に記載された発明は、請求項記載のコントロール弁と、コントロール弁の作動流体の供給を受ける通路に接続されたポンプと、コントロール弁の作動流体を出力する通路に接続された流体圧アクチュエータと、コントロール弁の作動流体を排出する通路に接続されたタンクと、一方の圧力室、中間の圧力室および他方の圧力室に導入されるそれぞれのパイロット操作圧を制御するパイロット操作圧制御手段とを具備した流体圧制御装置である。
【0013】
そして、パイロット操作圧制御手段により一方の圧力室、中間の圧力室および他方の圧力室に導入される各パイロット操作圧をそれぞれ制御することにより、一方のスプールおよび他方のスプールの変位方向および変位量をそれぞれ制御して、ポンプから流体圧アクチュエータへ作動流体を供給するメータイン回路の開度と、流体圧アクチュエータからタンクへ作動流体を排出するメータアウト回路の開度とを分離制御し、これらの開度間の関係を変更できるようにする。
【0014】
請求項に記載された発明は、請求項記載のパイロット操作圧制御手段が、一方の圧力室および他方の圧力室に供給されるパイロット操作圧を手動制御する操作弁と、手動制御されたパイロット操作圧に応じて中間の圧力室に供給されるパイロット操作圧を自動調整する中間圧力調整手段とを具備した流体圧制御装置である。
【0015】
そして、操作弁により一方の圧力室または他方の圧力室のパイロット操作圧を手動制御すると、中間の圧力室のパイロット操作圧も中間圧力調整手段により自動調整されるから、中間の圧力室を個別に制御する必要がなく、メータイン回路およびメータアウト回路の各開度の分離制御が容易になり、これらの開度間の関係を変更することが容易になる。
【0016】
請求項に記載された発明は、請求項記載の中間圧力調整手段が、一方の圧力室および他方の圧力室に供給されたパイロット操作圧の高圧側を選択する選択手段と、選択手段に接続された固定絞りと、固定絞りよりタンク側に接続された可変絞り弁と、固定絞りと可変絞り弁との間から引出されて中間の圧力室に連通された中間圧力通路とを具備した流体圧制御装置である。
【0017】
そして、操作弁により一方の圧力室または他方の圧力室へのパイロット操作圧を手動制御すると、その高圧側を選択手段により選択され、さらに固定絞りと可変絞り弁との相対的関係により自動調整されたパイロット操作圧が、中間圧力通路を経て中間の圧力室へ供給されるから、可変絞り弁の絞りを可変調整することにより、メータイン開度とメータアウト開度との関係は任意に調整される。
【0018】
請求項に記載された発明は、請求項乃至のいずれかに記載の流体圧制御装置が建設機械に装着され、ポンプは、建設機械に搭載されたエンジンにより駆動され、パイロット操作圧制御手段は、中間の圧力室に導入されるパイロット操作圧をエンジン低速時に比較的低圧に制御し、エンジン高速時に比較的高圧に制御する流体圧制御装置である。
【0019】
そして、エンジン低速時は、中間の圧力室に導入されるパイロット操作圧を比較的低圧に自動制御することにより、メータイン開度に対するメータアウト開度を絞って、ボイディングの発生を防止し、また、エンジン高速時は、中間の圧力室に導入されるパイロット操作圧を比較的高圧に自動制御することにより、メータイン開度に対するメータアウト開度を拡大して、過剰背圧の発生を防止する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1乃至図3を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、油圧ショベルなどの建設機械に装着された流体圧制御装置としての油圧制御装置を示し、そのコントロール弁31は、バルブボディとしてのマニホールドブロック32に、分離構成された一方のスプール33および他方のスプール34がそれぞれ変位自在に嵌合され、これらの一方のスプール33および他方のスプール34に対して、それぞれの変位方向および変位量を制御するスプール制御手段35が設けられている。
【0022】
一方のスプール33は、メータイン開度およびメータアウト開度の一方を制御し、他方のスプール34は、メータイン開度およびメータアウト開度の他方を制御するものである。
【0023】
メータイン開度は、建設機械に搭載されたエンジン36により駆動されるポンプ37から油圧シリンダなどの流体圧アクチュエータ38へ作動流体(作動油)を供給するメータイン回路中のスプール開度(以下、「P−C開度」という)であり、メータアウト開度は、油圧シリンダなどの流体圧アクチュエータ38からタンク39へ作動流体を排出するメータアウト回路中のスプール開度(以下、「C−T開度」という)である。
【0024】
メータイン回路は、ポンプ37の吐出通路41に接続された作動流体の供給を受ける中央の通路42に、ロードホールドチェック弁43を介して左右対称の通路44がそれぞれ連通可能に設けられ、これらの各通路44の先端に、それぞれ環状溝45を介して、各スプール33,34の嵌合された作動流体供給用の通路46が連通され、さらに作動流体を出力する一対の通路47がそれぞれ連通可能に設けられ、これらの通路47の先端に開口されたポート48より管路49を介して前記流体圧アクチュエータ38が接続されている。
【0025】
また、メータアウト回路は、前記作動流体を出力する一対の管路49および通路47が流体圧アクチュエータ38から作動流体を戻すための戻し通路でもあり、さらに、各通路47に各スプール33,34の嵌合された作動流体排出用の通路55がそれぞれ連通され、この各通路55に環状溝56を介して戻し通路57がそれぞれ連通され、これらの戻し通路57はそれぞれの排出通路58を介してタンク39に連通されている。
【0026】
さらに、前記作動流体を出力する通路47には、マニホールドブロック32の左右両側部にそれぞれ組込まれたリリーフ弁61の入口62が臨み、これらのリリーフ弁61の出口63が前記戻し通路57にそれぞれ連通されている。
【0027】
一方のスプール33および他方のスプール34には、P−C開度制御用のランド部71およびノッチ72と、メータアウト制御用のランド部73およびノッチ74とが、小径溝部75を介してそれぞれ形成され、さらに、各スプール33,34の相互に対向する内端側にはランド部76が小径溝部77を介してそれぞれ形成されている。
【0028】
これらの各スプール33,34にて各小径溝部77を介して位置するランド部71,76は、ポンプ37からの吐出通路41が接続された環状溝78と、タンク39に連通された環状溝79との間を絞り制御する。これらの環状溝78,79は、図1に示されたスプール中立位置では小径溝部77を介して連通しているが、非中立状態ではランド部71またはランド部76により絞られるか閉じられる。
【0029】
前記スプール制御手段35は、マニホールドブロック32の一側部に、キャップ状部材82によって、一方のスプール33を他方のスプール34側へ押圧するパイロット操作圧を導入するための一方の圧力室84が形成され、また、マニホールドブロック32の内部に、一方のスプール33と他方のスプール34との対向面間にパイロット操作圧を導入するための中間の圧力室85が形成され、さらに、マニホールドブロック32の他側部に、キャップ状部材87によって、他方のスプール34を一方のスプール33側へ押圧するパイロット操作圧を導入するための他方の圧力室89が形成されている。
【0030】
その上、一方のスプール33に対して一方のスプリング91が設けられ、一方のスプール33と他方のスプール34との間に中間のスプリング92が設けられ、他方のスプール34に対して他方のスプリング93が設けられている。
【0031】
一方のスプリング91および他方のスプリング93は、一方のスプール33および他方のスプール34からそれぞれ一体的に突設された各ロッド94にそれぞれ一対のカラー95,96を介して嵌着されたコイルスプリングであり、各カラー95,96は、各スプール33,34の端面と各ロッド94の先端の係止板97とにより係止されるとともに、マニホールドブロック32の側面とキャップ状部材82,87の内側係止部98とにより係止されているため、各スプリング91,93は、これらのカラー95,96を介して各スプール33,34をそれぞれ中立位置に保っている。また、中間のスプリング92は、両方のスプール33,34の対向面に直接当接されたコイルスプリングである。
【0032】
次に、このコントロール弁31に対して、一方の圧力室84、中間の圧力室85および他方の圧力室89に導入されるそれぞれのパイロット操作圧を制御する外部のパイロット操作圧制御手段101が設けられている。
【0033】
このパイロット操作圧制御手段101は、一方の圧力室84および他方の圧力室89に供給されるパイロット操作圧をレバー操作により手動制御する「リモコン弁」などと呼ばれている操作弁102と、この手動制御されたパイロット操作圧に応じて中間の圧力室85に供給されるパイロット操作圧を自動調整する中間圧力調整手段103とを具備している。
【0034】
前記操作弁102は、前記ポンプ37とともにエンジン36により駆動されるパイロットポンプ(図示せず)からパイロット油の供給を受ける一対の減圧弁を有し、それぞれのパイロット操作圧通路104,105を介して、操作弁102のレバー操作量に応じたパイロット操作圧が一方の圧力室84または他方の圧力室89に供給される。
【0035】
さらに、前記中間圧力調整手段103は、一方の圧力室84および他方の圧力室89に供給されたパイロット操作圧を引出すための管路111,112に、これらのパイロット操作圧の高圧側を選択する選択手段としての一対のチェック弁113,114(または1つのシャトル弁)が設けられ、これらのチェック弁113,114間(またはシャトル弁の出口)に固定絞り115が接続され、この固定絞り115とタンク39との間の通路中に可変絞り弁116が設けられ、これらの固定絞り115と可変絞り弁116との間から引出された中間圧力通路117が中間の圧力室85に連通されている。
【0036】
前記可変絞り弁116は、コントローラ118からの出力信号により制御される電磁比例弁などであり、コントローラ118は、前記エンジン36に設けられたエンジン回転数センサ119で検出されたエンジン回転数信号を受けて、例えば、エンジン低速時に中間の圧力室85に導入されるパイロット操作圧を比較的低圧に制御し、またエンジン高速時に比較的高圧に制御するように、可変絞り弁116の開度を自動制御する。
【0037】
次に、この実施形態の作用を説明する。
【0038】
操作弁102をレバー操作して、例えばパイロット操作圧通路104にパイロット操作圧を出力すると、そのパイロット操作圧は、一方の圧力室84に導入されるとともに、チェック弁113および固定絞り115を経て、可変絞り弁116の開度に応じて減圧されたパイロット操作圧が中間圧力通路117を経て中間の圧力室85に導入され、これらのパイロット操作圧により、一方のスプール33および他方のスプール34は、共に図1において右方へ変位する。
【0039】
これにより、ポンプ37から吐出された作動流体(作動油)は、通路42からロードホールドチェック弁43を経て左側の通路44に入り、さらに、一方のスプール33のノッチ72および小径溝部75を経て、左側の通路47および管路49より流体圧アクチュエータ38のシリンダヘッド側室に供給され、流体圧アクチュエータ38を伸張動作させる。
【0040】
一方、流体圧アクチュエータ38のロッド側室から押出された作動流体は、右側の管路49および通路47に流出し、さらに他方のスプール34の小径溝部75およびノッチ74を経て、戻し通路57からタンク39に排出される。
【0041】
このとき、可変絞り弁116が全閉状態にあると、一方の圧力室84に導入されたパイロット操作圧と、中間の圧力室85に導入されたパイロット操作圧とが等しくなり、その場合、後で説明するように一方のスプール33の変位量よりも、他方のスプール34の変位量の方が大きくなり、一方のスプール33のノッチ72によるP−C開度よりも、他方のスプール34のノッチ74によるC−T開度の方が大きくなる。
【0042】
また、可変絞り弁116の開口度が拡大するほど、一方の圧力室84のパイロット操作圧に対して、中間の圧力室85のパイロット操作圧が低下し、一方のスプール33のP−C開度よりも、他方のスプール34のC−T開度は小さくなる。
【0043】
このような点を、図1の実施形態をモデル化した図2とともに、図3を用いてさらに詳細に説明する。
【0044】
すなわち、図2に示されるように、一方の圧力室84、中間の圧力室85および他方の圧力室89の各圧力をそれぞれP1、P2、P3とし、一方のスプリング91、中間のスプリング92および他方のスプリング93の各ばね定数をそれぞれK1、K2、K3とし、一方のスプール33および他方のスプール34の変位量をそれぞれX1、X2とし、各スプール33,34の断面積をそれぞれAとすると、次の式を得る。
【0045】
X1=A{(K2+K3)P1−K3・P2−K2・P3}/{(K1+K2)(K2+K3)−K2
X2=A{K2・P1+K1・P2−(K1+K2)P3}/{(K1+K2)(K2+K3)−K2
このように、一方のスプール33および他方のスプール34の各変位量X1、X2は、一方の圧力室84、中間の圧力室85および他方の圧力室89に導入されるパイロット操作圧P1,P2,P3と、一方のスプリング91、中間のスプリング92および他方のスプリング93のばね定数K1,K2,K3と、スプール断面積Aとによりそれぞれ決まるから、各圧力室84,85,89のパイロット操作圧P1,P2,P3を可変制御することにより、一方のスプール33の変位量X1と他方のスプール34の変位量X2とをそれぞれ可変制御でき、すなわち、P−C開度とC−T開度とを分離制御でき、これらの開度間の関係を変更できる。
【0046】
その際、操作弁102により一方の圧力室84および他方の圧力室89へ導入されるパイロット操作圧P1,P3を手動制御すると、中間の圧力室85のパイロット操作圧P2も中間圧力調整手段103により自動調整される。
【0047】
すなわち、前記両方の圧力室84,89へ供給されるパイロット操作圧P1,P3の高圧側がチェック弁113,114により選択され、さらに固定絞り115と可変絞り弁116との相対的関係により自動調整されたパイロット操作圧P2が、中間圧力通路117を経て中間の圧力室85へ供給されるから、可変絞り弁116の絞りをコントローラ118で可変調整することにより、P−C開度とC−T開度との関係を任意に調整できる。
【0048】
ここで、例えば、K1=K2=K3=Kとし、右方向の動作を考え、P3=0とおき、P2=(1/5)P1、P2=(1/2)P1、P2=P1と、P2を3段階に調整すると、図3に示されたような一方のスプール33の変位量X1と他方のスプール34の変位量X2との関係を得る。
【0049】
このように、圧力P2を(1/5〜1)P1の間で調整することにより、一方のスプール33の変位量X1と他方のスプール34の変位量X2との関係、すなわち、作動流体供給側のP−C開度と、作動流体排出側のC−T開度との駆動関係を調整できる。
【0050】
この圧力の調整は、図1に示された可変絞り弁116の開度を、全閉状態から固定絞り115の2倍の開口まで変化させることにより得られる。可変絞り弁116が全閉状態ではP2=P1となり、可変絞り弁116が固定絞り115の2倍の開口ではP2=(1/5)P1となる。
【0051】
そして、例えば油圧ショベルのバケットを駆動するバケットシリンダの油圧回路において、エンジン低速時は、エンジン回転数センサ119からの低速検出信号を受けたコントローラ118が可変絞り弁116を開き方向に制御して、中間の圧力室85に導入されるパイロット操作圧P2を、例えばP2=(1/5)P1のように比較的低圧に自動制御することにより、図3に示されるようにP−C開度に対するC−T開度を絞って、ボイディングの発生を防止する。
【0052】
また、エンジン高速時は、エンジン回転数センサ119からの高速検出信号を受けたコントローラ118が可変絞り弁116を閉じ方向に制御して、中間の圧力室85に導入されるパイロット操作圧P2を、例えばP2=P1のように比較的高圧に自動制御することにより、図3に示されるようにC−T開度を拡大して、これにより過剰背圧の発生を防止する。
【0053】
以上のように、流体圧アクチュエータ38に対する作動流体の給排およびその流量を制御するコントロール弁31において、従来1本であったメータインおよびメータアウト制御用のスプールを一方のスプール33と他方のスプール34とに分離し、これらのスプール33,34を3本のスプリング91,92,93で支持する構造とし、これらのスプリング91,92,93の強さ(ばね定数K1,K2,K3)、または各圧力室84,85,89のパイロット操作圧P1,P2,P3を調整することで、一方のスプール33と他方のスプール34とを分離制御して、P−C開度と、C−T開度の作動関係を任意に調整できるから、建設機械の性能向上を図れる。
【0054】
特に、前記圧力の調整は、一対のスプール33,34の中間に位置する共通の圧力室85のパイロット操作圧P2を中間圧力調整手段103の固定絞り115および可変絞り弁116により制御することで、容易にできる。
【0055】
【発明の効果】
求項記載の発明によれば、メータイン開度およびメータアウト開度の一方を制御する一方のスプールと、メータイン開度およびメータアウト開度の他方を制御する他方のスプールとを、スプール制御手段によりそれぞれ制御して、メータイン開度とメータアウト開度とを分離制御するから、メータイン開度とメータアウト開度との関係を変更でき、その関係が一定に固定された場合の不都合を解消できる。一方、中間および他方の各圧力室に導入されるパイロット操作圧、または一方、中間および他方の各スプリングのばね定数により、一方のスプールの変位量と他方のスプールの変位量とをそれぞれ制御して、メータイン開度とメータアウト開度とを分離制御でき、メータイン開度とメータアウト開度との関係を変更でき、その関係が一定に固定された場合の不都合を解消できる。
【0056】
請求項記載の発明によれば、パイロット操作圧制御手段により一方の圧力室、中間の圧力室および他方の圧力室に導入される各パイロット操作圧をそれぞれ制御することにより、一方のスプールと他方のスプールの変位方向および変位量をそれぞれ制御して、ポンプから流体圧アクチュエータへ作動流体を供給するメータイン回路の開度と、流体圧アクチュエータからタンクへ作動流体を排出するメータアウト回路の開度とを分離制御でき、メータイン開度とメータアウト開度との関係を変更して、その関係が一定に固定された場合の不都合を解消できる。
【0057】
請求項記載の発明によれば、操作弁により一方の圧力室または他方の圧力室のパイロット操作圧を手動制御すると、中間の圧力室のパイロット操作圧も中間圧力調整手段により自動調整されるから、中間の圧力室を個別に制御する必要がなく、メータイン回路およびメータアウト回路の各開度を容易に分離制御でき、メータイン開度およびメータアウト開度の関係を容易に変更できる。
【0058】
請求項記載の発明によれば、操作弁により一方の圧力室または他方の圧力室へのパイロット操作圧を手動制御すると、その高圧側を選択手段により選択され、さらに固定絞りと可変絞り弁との相対的関係により自動調整されたパイロット操作圧が、中間圧力通路を経て中間の圧力室へ供給されるので、可変絞り弁の絞りを可変調整することにより、メータイン開度とメータアウト開度との関係を任意に変更調整できる。
【0059】
請求項記載の発明によれば、エンジン低速時は、中間の圧力室に導入されるパイロット操作圧を比較的低圧に自動制御することにより、メータイン開度に対するメータアウト開度を絞って、ボイディングの発生を防止でき、また、エンジン高速時は、中間の圧力室に導入されるパイロット操作圧を比較的高圧に自動制御することにより、メータイン開度に対するメータアウト開度を拡大して、過剰背圧の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るコントロール弁の一実施の形態を示す断面図および流体圧制御装置の一実施の形態を示す回路図である。
【図2】 同上コントロール弁をモデル化した説明図である。
【図3】 同上コントロール弁のメータイン開度とメータアウト開度との関係を示す特性図である。
【図4】 従来のコントロール弁を示す断面図である。
【符号の説明】
31 コントロール弁
32 バルブボディとしてのマニホールドブロック
33 一方のスプール
34 他方のスプール
35 スプール制御手段
36 エンジン
37 ポンプ
38 流体圧アクチュエータ
39 タンク
42,47,57 通路
84 一方の圧力室
85 中間の圧力室
89 他方の圧力室
91 一方のスプリング
92 中間のスプリング
93 他方のスプリング
101 パイロット操作圧制御手段
102 操作弁
103 中間圧力調整手段
113,114 選択手段としてのチェック弁
115 固定絞り
116 可変絞り弁
117 中間圧力通路

Claims (5)

  1. バルブボディと、
    バルブボディに変位自在に嵌合されメータイン開度およびメータアウト開度の一方を制御する一方のスプールと、
    バルブボディに変位自在に嵌合されメータイン開度およびメータアウト開度の他方を制御する他方のスプールと、
    一方のスプールおよび他方のスプールのそれぞれの変位方向および変位量を制御するスプール制御手段とを備え、
    スプール制御手段は、
    一方のスプールを他方のスプール側へ押圧するパイロット操作圧が導入される一方の圧力室と、
    一方のスプールと他方のスプールとの間に設けられパイロット操作圧が導入される中間の圧力室と、
    他方のスプールを一方のスプール側へ押圧するパイロット操作圧が導入される他方の圧力室と、
    一方のスプールに対して設けられた一方のスプリングと、
    一方のスプールと他方のスプールとの間に設けられた中間のスプリングと、
    他方のスプールに対して設けられた他方のスプリングと
    を具備したことを特徴とするコントロール弁。
  2. 請求項記載のコントロール弁と、
    コントロール弁の作動流体の供給を受ける通路に接続されたポンプと、
    コントロール弁の作動流体を出力する通路に接続された流体圧アクチュエータと、
    コントロール弁の作動流体を排出する通路に接続されたタンクと、
    一方の圧力室、中間の圧力室および他方の圧力室に導入されるそれぞれのパイロット操作圧を制御するパイロット操作圧制御手段と
    を具備したことを特徴とする流体圧制御装置。
  3. パイロット操作圧制御手段は、
    一方の圧力室および他方の圧力室に供給されるパイロット操作圧を手動制御する操作弁と、
    手動制御されたパイロット操作圧に応じて中間の圧力室に供給されるパイロット操作圧を自動調整する中間圧力調整手段と
    を具備したことを特徴とする請求項記載の流体圧制御装置。
  4. 中間圧力調整手段は、
    一方の圧力室および他方の圧力室に供給されたパイロット操作圧の高圧側を選択する選択手段と、
    選択手段に接続された固定絞りと、
    固定絞りよりタンク側に接続された可変絞り弁と、
    固定絞りと可変絞り弁との間から引出されて中間の圧力室に連通された中間圧力通路と
    を具備したことを特徴とする請求項記載の流体圧制御装置。
  5. 請求項乃至のいずれかに記載の流体圧制御装置は建設機械に装着され、
    ポンプは、建設機械に搭載されたエンジンにより駆動され、
    パイロット操作圧制御手段は、中間の圧力室に導入されるパイロット操作圧をエンジン低速時に比較的低圧に制御し、エンジン高速時に比較的高圧に制御する
    ことを特徴とする流体圧制御装置。
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