JPS5843152Y2 - 真空しや断器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、特に多重シールド形超高電圧用の真空しゃ断
器の改良に係り、電気的に安定した電界を作るとともに
機械的強度のすぐれたシールドを構成することを目的と
している。

超高電圧用真空しゃ断器は、耐電圧の厳しさのみならず
、長ストローク、高速動作を伴うため、構成物の機械的
ストレスも過大となることが知られている。

第１図に多重シールド形真空しゃ断器の一例を示したの
で、以下これについて説明する。

第１図Ａにおいて、１は固定側フランジ、２は可動側フ
ランジ、３は絶縁筒であり、これらにより構成された真
空容器の中で、固定リード棒４の内端に固着された電極
５と、可動リード棒６の内端に固着された電極７とが可
動リード棒６の操作により接触され若しくは離間される
。

上記２個の電極５と７は、主シールド８により包囲され
ている。

又、固定側並びに可動側フランジ１と２に取付けられた
シールド支持絶縁筒９，９′にて支持される内シールド
１０．１０’によっても包囲されている。

固定側並びに可動側フランジ１と２には、外シールド１
１．１１’が取付けられ、前記シールド支持絶縁筒９，
９′には、中間シールド１２．１２’が取付けられてい
る。

固定リード棒４には軸シールド１３が取付けられ、可動
側フランジ２と可動リード棒６とを気密に接続するベロ
ーズ１４は、ベローズシ−ルド１５にて包囲されている
。

第１図Ｂには、第１図Ａの■部を拡大して詳細を示す。

即ち、シールド支持絶縁筒９′に埋込んだ封着金、具１
６の水平部１６ａ上に、内シールド１０’下端の水平部
１０ａ′を載置して重合し、また、円筒形をなす中間シ
ールド１２′の上端を前記水平部１６ ａの下面に当接
し、これら三者を一括して０点を溶接した構成を示す。

この溶接構造の場合、特に中間シールド１２′を下方か
ら支えて均質一様に溶接することが実際上困難で、品質
保証がむすがしいので、一般的には第２図の溶接構造が
採用実施されている。

第２図は、まず封着金具１６の水平部上に、内シールド
１０′の下端、却ち外方へフランジ状に屈曲してなる水
平部を載置して重合し、両者を０点、即ち外径縁部を全
周にわたり溶接し、次いで弁間シールド１２′の上端、
即ち内方へフランジ状に屈曲してなる水平部を上記溶接
部みの内シールド１０′水平部上に覆いかぶせるが如く
に載置して重合せしめ、０点即ち中間シールド１２′の
上端水平部内径縁部と内シールド１０′水平部とを全周
にわたり溶接した構成を示す。

この溶接構造は、上記第１図Ｂの溶接構造よりは溶接し
やすいが、実際上完全に全円周にわたり均質一様に溶接
することは困難である。

仮に、全円周の完全な溶接ができていないときは、その
非溶接部が切欠きとなり、その個所がらひび割れが生ず
るなど機械的衝撃に弱いという欠点がある。

なお、第１図Ｂの溶接構造のように、溶接部■が絶縁筒
３と対向する位置にあるときは、そこの耐電圧が特に低
下する欠点がある。

すなわち、溶接部における表面はガタガタで突起物が多
いが、開極時においては、高電圧か゛主シールドと内シ
ールド間に作用しているため、このような強電界中に突
起物が存在すると、１次電子の放出が生じやすく、一方
、絶縁筒３がガラスから戊る場合、吸蔵ガスが多く、２
次電子を放出しやすいものであり、従がって、前記内シ
ールドの溶接部がら１次電子が放出されると、これによ
って近傍の主シールドとの間で閃絡事故となる。

また近傍に絶縁筒があると１次電子がこれに衝突し、多
量の２次電子及び吸蔵ガスが放出され、これによってガ
スがイオン化されシールド間が閃絡する等の欠点か′あ
る。

本考案は、こうした欠点を解決するためのもので以下に
一実施例を説明する。

第３図は本考案の第１実施例を示す。

第３図Ａに示す真空しゃ断器の構造の大部分は、第１図
Ａに示すものと同様であり、共通の番号を付している通
りで゛あるか゛、内シールド１０．１０’と中間シール
ド１２．１２’の取付構造を第３図Ｂの通りに改良した
ものである。

即ち、略円筒形状の内シールド１０′の下端部を、全体
として筒状をなし、下端の外向きフランジ状の水平部１
７ ａの内端縁に短い筒状の内側垂直部１７ ｂを設け
、中間の外向き水平段部の外縁に大径の外側垂直部１７
Ｃを設けた形状のシールドホルダ１７の内側垂直部１
７ｂ内に密接に嵌合し、内シールド１０’の下端と内側
垂直部１７ ｂの下端とを揃えてその境界部０点を全周
にわたり溶接し、脱ガス処理を行なっている。

次に前記環状のシールドホルダ１７下端の外方へフラン
ジ状に屈曲した水平部１７ ａを、全体として短い円筒
体をなし一端（第１図Ｂ中の上端）に略直角外向きに突
出するフランジ状に水平部１６ ａを設けた形状とされ
ており、シールド支持絶縁筒９′上端に埋込み固着しで
ある封着金具１６の水平部１６ａ上に同心に載置して重
合し、かくして揃えた両者の外径縁部■点を全周にわた
り溶接している。

最後に、全体として円筒状をなし一端（第３図Ｂ中の上
端）を内向きにサインカーブに近い波形状に絞り込み成
形してあって、特にその頂部１２ｂ′に対し内端部１２
ａ′の上縁を適当寸法りだけ低く形成した中間シールド
１２′を、その内端部１２ａ′を上記シールドホルダ１
７の外側垂直部１７ Ｃ外面に密接に嵌合して同内端部
１２ａ′の下端屈曲部を同シールドホルダ１７の水平部
１７ ａ上に当接せしめ、かくして揃えたシールドホル
ダ１７の外側垂直部１７ Ｃ上端と中間シールド１２′
の内端部１２ａ′上縁との境界部０点を全周にわたり溶
接した構成になっている。

本実施例の場合、シールドリング１７の水平部１７ａと
封着金具１６の水平部１６ ａとの溶接部■点は中間シ
ールド１２′によりその外周を完全にシールドされ、ま
た、シールドホルダ１７の外側垂直部１７ Ｃと中間シ
ールド１２′の内端部１２ａ′との溶接部６点は中間シ
ールド１２′の頂部１２ｂ′よりも寸法りだけ低く同電
位の中におがれた構成であるから、当該溶接部０点には
電気的ストレスは一切かからず、従って、耐電圧向上に
非常に優れてぃる。

しかも、溶接部０点は内シールド１０’をシールドホル
ダ１７の内側垂直部１７ａ内に密接に嵌合して溶接する
のであり、溶接部の点はシールドリング１７の水平部１
７ ａと封着金具１６の水平部１６ａとを重合して溶接
するのであり、溶接部０点はシールドホルダ１７の外側
垂直部１７ Ｃの外面に中間シールド１２′の内端部１
２ａ′を密接に嵌合して溶接するから、各々機械的に安
定な構造として溶接でき、その溶接は容易であり、全周
にわたり均質一様に溶接することができ、機械的衝撃に
強い構成とすることができる。

次に、第４図Ａは本考案の第２実施例を示す。

その詳細は第４図Ｂに示すとおりである。

即ち、略円筒形状で下端部を外方へ略し形状に屈曲して
深いＵ字形折返し部１０ｂ′を形成した内シールド１０
′の水平部１０ａ′上に、断面路り形状で環状をなすシ
ールドホルダ１７′の水平部を同心配置に載置して重合
し、シールドホルダ１７の水平部外後縁部■点を全周に
わたり内シールド１０’の水平部１０ａ′に溶接し、脱
ガス処理を行なっている。

次に、内シールド１０′の水平部１０ａ′を断面路「形
状で環状をなす封着金具１６、水平部１６ａ上に同心配
置に載置して重合し、かくして揃えた雨水平部の外径縁
部０点を全周にわたり溶接している。

最後に、略円筒形状でその上端部を内方へ略つ形状に屈
曲し特にその頂部１２ｂに対し内端部の上縁を適当寸法
りだけ低く形成した中間シールド１２′を、その内端部
をばシールドホルダ１７′の垂直部外面に密接に嵌合し
て同内端部の下端屈曲部を同シールドホルダ１７′の水
平部上に当接せしめ、かくして揃えたシールドホルダ１
７′の垂直部上端と中間シールド１２の内端部上縁との
境界部０点を全周にわたり溶接した構成になっている。

本実施例の場合、封着金具１６上端を、内側からは内シ
ールド１０′のＵ字形折返し部１０ｂ′でシールドし、
外側は中間シールド１２′でシールドし、もってその電
界緩和を行なう構成としたことを特徴とするものである
。

以上に実施例で説明した通りであって、溶接部Ｏ９■は
完全に脱ガス処理を行うことができ、脱ガス処理をでき
ない溶接部■、■は中間シールド１２．１２’でシール
ドされる。

そして、溶接部ｅ、■は電気的に同電位の中に置かれる
ため、電気的スｌ〜レスを受けることはない。

従って、本考案は、シールドの溶接が容易で、全周の均
質一様な溶接ができ、故に機械的衝撃に強い構成であり
、また、耐電圧向上に非常に優れた構造の多重シールド
形超高電圧用の真空しゃ断器を提供できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは従来の真空しゃ断器の断面図、第１図Ｂは第
１図Ａの■部詳細図である。 第２図は従来の異なる実施例の部分図、第３図Ａは本考
案の第１実施例を示す断面図、第３図Ｂは第３図ＡのＩ
ＩＩＩＶ部詳細図４図Ａは第２実施例の部分図、第４図
Ｂは第４図ＡのＩＶ部詳細図である。 ３・・・・・・絶縁筒、８・・・・・・主シールド、９
，９′・・・・・・シールド支持絶縁筒、１０．１０’
・・・・・・内シールド、１１．１１’・・・・・・外
シールド、１２，１２′・・・・・・中間シールド、１
６・・・・・・封着金具、１７．１７’・・・・・・シ
ールドホルダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定側及び可動側フランジ１，２にシールド支持絶縁筒
   ９，９′を取付け、該シールド支持絶縁筒９，９′の内
   端に埋込んだ封着金具１６に内シールド１０゜１０’及
   び中間シールド１２．１２’を取付けてなる多重シール
   ド形超高電圧用真空しゃ断器において、封着金具１６は
   短い筒体の一端に略直角外向きのフランジ状に水平部１
   ６ ａを設けた形状とし、その水平部１６ ａ上に内シ
   ールド１０．１０’を直接若しくはシールドホルダ１７
   を介して間接に重合し溶接してあり、シールドホルダ１
   ７は筒状とし、封着金具１６に直接若しくは内シールド
   １０．１０’を介して間接に載置し溶接してあり、該シ
   ールドホルダ１７の垂直部外面に筒状の中間シールド１
   ２．１２’の一端を当接し溶接して該中間シールド１２
   ．１２’で前記封着金具１６とシールドホルダ１７、内
   シールド１０．１０’との溶接部外周をシールドせしめ
   てあり、中間シールド１２．１２’は前記一端を内向き
   の波形状に絞り込み成形してあってその頂部１２ｂ′に
   対し内端部１２ａ′を所定寸法りだけ低く形威し、その
   内端部１２ａ′を前記シールドホルダ１７の垂直部外側
   に密接に嵌合しそれぞれの端部を揃えて溶接していると
   共に同内端部１２ａ′につづく波形屈曲部をシールドホ
   ルダ１７の水平部１７ ａに当接せしめていることを特
   徴とする真空しゃ断器。