JPS5842770B2 - 石膏鋳型の製造法

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【発明の詳細な説明】本発明は石膏鋳型の製造法に関する。

石膏鋳型は、従来一般にα型半水石膏と水とを混合し、
スラリー状にして型に流し込んでから、乾燥および焼成
して製造されてきた。

この石膏鋳型は乾燥温度５０℃で最大強度を示すが、１
００°Ｃ以上に加熱されると強度が著しく低下する欠点
があった。

特に精密鋳造用石膏鋳型の焼成温度は約７００℃にも達
するので、従来の石膏鋳型は強度的に不満足なものであ
った。

石膏鋳型の強度低下を防ぐために、石膏の粒子径を調整
したり、石膏の中にファイバ、ンリカ粒、シャモット粒
などを加えることが行なわれているが、いずれも満足す
る結果は得られていない。

本発明の目的は、石膏鋳型の乾燥および焼成時における
強度低下を抑制することのできる製造法を提供するにあ
る。

本発明はα型半水石膏に酸性コロイダルシリカを混合し
たスラリーを、型に流し込んで乾燥、焼成して製造する
ものである。

酸性コロイダルシリカは、α型半水石膏１００部に対し
て４５〜５０部混合することが必要である。

４５部以下であるとスラリーの流動性が悪くなり、鋳型
が製造できない。

一方、５０部以上になると石膏が酸性コロイダルシリカ
に濡れにくくなり、早く濡れた部分と遅く濡れた部分と
の間に凝結むらが生じ、鋳型の強度が低下する。

酸性コロイダルシリカはまたＰＨが３〜４であることが
必要である。

ＰＨがこの範囲をずれるとコロイド状に保持できなくな
り、粘結剤として作用しなくなる。

酸性コロイダルシリカは、シリカ固形分と水分とからな
る。

市場に出ているものは、シリカ固形力が２０部以下のも
のがほとんどであり、本発明においてもこれが顕著な効
果をもたらす。

実施例表に示す配合割合のものを、円板状の回転子をもつ撹拌
器でｉｏｏｏｒｐｍの回転速度で撹拌し、生成したスラ
リーを試験片作製用金型に流し込んだ。

／１６１はα型半水石膏に水分を４３．５部混合した従
来のものであるが、便宜上、酸化コロイダルシリカ但し
シリカ固形分０部として表した。

シリカ固形分は酸性コロイダルシリカ中に占める割合を
表している。

試験片は２４時間以上自然放置してから、１００℃、５
００℃および７００℃の各温度に１００〜２００ °Ｃ
／時の昇温速度で昇温した。

そして、４時間保持後炉冷し、圧縮強さを測定した。

なお酸性コロイダルシリカのＰＨは３である。

図は圧縮強さと酸性コロイダルシリカ中に占めるシリカ
固形分の割合との関係を示している。

符号は１が１００°Ｃ，２が５００℃、３が７００’Ｃ
である。

シリカ固形分が増加することによって、圧縮強さが高ま
ることが明らかである。

また、シリカ固形分が６部以上になると圧縮強さは急激
に増大していくことが明らかである。

以上の実施例から明らかなように、本発明によれば乾燥
、焼成時における強変低下を著しく抑制することができ
る。

また本発明に基く石膏鋳型を使用することによって、下
記する効果を得ることもできる。

（１）精密鋳造に使用する場合、石膏鋳型の模型に使用
しているワックスレジンを除去する必要があるが、その
ときの割れが少なくなる。

（２）石膏鋳型の肉厚を薄くすることが可能となり、鋳
物の冷却速度を犬にできる。

（３）通気度を犬にできる。

（４）大物および肉厚品の鋳物が鋳造できる。

【図面の簡単な説明】

図は石膏鋳型の圧縮強さと酸性コロイダルシリカ中のシ
リカ固形分の割合との関係を示す特性図である。