JPS5842421Y2 - コ−クス炉炭化室壁煉瓦補修時の壁煉瓦保護カバ−装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コークス炉内補修時に炉内煉瓦を外気から保
護するための保護カバー装置に関するものである。

コークス炉の寿命は、主として炭化室壁煉瓦の寿命によ
り決まるが、近年その延命対策として損傷個所に耐火材
を吹付は肉盛補修することが行われている。

この補修は、通常窯出後に行なうが、その間炭化室壁煉
瓦は大気に曝される。

その際炭化室壁煉瓦は珪石煉瓦であるから急冷されると
スポーリング現象による亀裂が発生しやすく、操業時数
に発生している亀裂に加え更に新たな亀裂が加わること
になり、壁煉瓦の劣化につながる。

また、炭化室壁煉瓦は操業中できる煉瓦間の目地隙間及
び煉瓦の亀裂に、モルタルあるいは石炭ガスから遊離し
たカーボンが詰っていてシール効果を果しているが、大
気と接すると高温条件と相俟ってカーボンが燃焼しその
隙間及び亀裂を拡大してしまい、これも壁煉瓦の劣化に
つながる。

本考案は、上記炭化室壁煉瓦補修時の劣化防止を目的と
するもので゛ある。

以下本考案を図面とともに詳細に説明する。

図面はコークス炉１において、炭化室１１のコークス窯
出後、炭化室壁煉瓦の損傷部を吹付補修装置１２により
補修すべく炭化室１１の窯ロア前方に吹付補修装置１２
が配置された状態を示している。

吹付補修装置１２は窯ロアの前方の昇降装置４上に、先
端部に肉盛補修の必要な損傷個所に耐火材を吹付ける吹
付ノズル例えば溶射バーナー３を設けた吹付アーム２を
前後進可能に設けて、吹付アーム２及びバーナー３が炭
化室１１内で昇降並びに前後進可能になしている。

そして図面では、アーム２及びバーナー３か゛炭化室１
２内に配置された状態を示している。

昇降装置４はコークス炉に付属する押出機、ガイド車（
図示せず）に載設する。

又図示していないが、別に支台を設け、載設することも
できる。

本考案は肉盛補修時に開放された窯ロアからの外気の侵
入を極力減らすことを目的とするものである。

５は上記アーム２上方の窯ロア部を外気と略遮蔽する上
部カバーであり、このカバー５の下端がアーム２と炭化
室内監視開口１３形成用設定間隙ｇ５を存してアーム２
の昇降に連動して昇降するように、例えば図示するよう
にカバー５の上端を窯ロアの直上に設けた係止具８に係
止し、カバー５の下端を、昇降装置４の架台９を基点と
するワイヤーシーブ機構を介して吊支してカバー５を昇
降装置に連結する。

しかして、窯内のバーナー３の高さ位置に追従した状態
で窯ロアの主として上部を覆うことができる。

この窯ロア上部をカバー５で覆うことによって窯内の熱
気の流出を制限することができるので、外気の侵入は避
けられないが、外気侵入深さを制限でき窯内を高温に維
持できる。

そして窯内のバーナー３の高さ位置に追従した状態でカ
バー５の下端部が吊上げられているので吹付補修装置１
２の操作、即ち吹付は補修作業を正確に監視しながら実
施できるのである。

又、アーム２下方の窯ロア部から窯内への外気侵入を更
に制限し、かつ吹付作業性を確保するためにアーム２下
方の窯ロア部を外気と略遮蔽する下部カバー６の上端が
、アーム２と炭化室内監視用開口１３形成用設定間隙ｇ
６を存してアーム２の昇降に連動して昇降するように、
下部カバー６を昇降装置４に連結、例えば図示したよう
に昇降装置４に固設した支持部材１０にカバー６を吊支
し、吹付アーム２の下方、即ち窯ロアの下方を覆うもの
である。

これらの結果アーム２の昇降に連動して吹付補修装置１
２の操作を円滑に実施するに充分な開口１３を形成した
状態で窯ロアを覆うことができるので外気の侵入を更に
制限できる。

上記カバー５，６は耐熱・耐火性で、可撓性のあるアス
ベスト製の布状物であり、特に上記カバー５は図示例で
はアスベスト製の板と布を組合せた折たたみ式のものが
好ましい。

以上のように吹付アーム上方の窯口部を外気と略遮蔽す
る上部カバーの下端及びアーム下方の窯口部を外気と略
遮蔽する下部カバーの上端が、アームと炭化室内監視用
開口形成用設定間隙を存してアームの昇降に連動して昇
降するように上、下部カバーを吹付補修装置の昇降装置
に連結したから、吹付補修作業を円滑に実施しながら窯
内への外気の侵入を効果的に抑制できる。

従って炭化室煉瓦と外気の接触は極めて少なくなるので
所期の目的を達成できる。

【図面の簡単な説明】

図面はコークス窯出後損傷部を吹付補修装置により補修
すべく、窯口部分に吹付補修装置を配置した状態を示す
説明図である。 １・・・・・・コークス炉、２・・・・・・吹付アーム
、３・・・・・・吹付ノズル例えば溶射バーナー、４・
・・・・・昇降装置、５゜６・・・・・・上、下部カバ
ー、７・・・・・・窯口、８・・・・・・係止具、９・
・・・・・架台、１０・・・・・・支持部材、１１・・
・・・・炭化室、１２・・・・・・吹付補修装置、１３
・・・・・・開口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コークス炉炭化室の窯口前方に、昇降装置を設け、この
   装置に先端部に吹付ノズルを設けた吹付アームを前後進
   可能に設けて吹付アーム及びノズルが炭化室内で昇降並
   びに前後進可能としたコークス炉炭化室壁煉瓦吹付補修
   装置において、上記アーム上方の窯口部を外気と略遮蔽
   する上部カバーの下端及びアーム下方の窯口部を外気と
   略遮蔽する下部カバーの上端が、各々アームと炭化室内
   監視開口形成用設定間隙を存して、アームの昇降に連動
   して昇降するように上、下部カバーを昇降装置に連結し
   たことを特徴とするコークス炉炭化室壁煉瓦補修時の壁
   煉瓦保護カバー装置。