JPS584229B2 - 安全弁 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、閉じられた室を保護するため、例えば内燃機
関のクランクケースを爆発行程に際して保護するための
安全弁であって、保護しようとする室の制限壁にねじボ
ルトで取付けられる弁座と、弁座の弁開口を閉鎖するば
ね負荷された閉鎖板と、弁座から間隔をおいて配置され
た受けとを有し、前記制限壁に弁座を取付けるねじボル
トが受けに設けられた孔を通って、弁座に設けられた孔
を貫き、前記制限壁に設けられたねじ孔にねじ込まれる
ようになっている形式のものに関する。

このような構成形式の安全弁は爆発の生じることのある
閉じられた室が爆発圧力によって損傷するか又は破壊さ
れることを防止する。

特にこのような弁は船舶機関等の２サイクルディーゼル
機関のクランクケース壁に組込んで、油霧の爆発に際し
て迅速な圧力負荷軽減を行ない、危険な過圧を回避する
ために用いられる。

又、他の使用分野としてはガスタンク、大型の導管系、
爆発性の物質が貯えられているか又は発火しやすいガス
の生じる惧れのある室等が考えられる。

通常は、安全性の理由から高い要求が課される安全弁は
特殊工場で製造され、保護しようとする装置、例えば船
舶機械に後から取付けられる。

従ってこれらの安全弁は構造の点からも迅速でかつ確実
な取付けを可能にするものでなければならない。

公知の構造の安全弁に於ては弁構成部分は一端で弁座に
ねじ込まれ、他端に受けを支える段部を有する複数の控
えボルトで互いに結合されている。

控えボルトの段部に支えられた受けは控えボルトに螺合
するナットによって緊締される。

この安全弁を内燃機関のクランクケース壁に取付けるた
めには、外部から弁座を貫いてクランクケース壁に設け
られた雌ねじに係合するか又はクランクケースの内室か
らクランクケースの壁を貫いて弁座にねじ込まれる固有
のねじが必要である。

他の公知の安全弁に於ては受けを保持する控えボルトは
安全弁をクランクケース壁に固定するためにも用いられ
ている。

この場合には控えボルトの端部が延長され、クランクケ
ース内に突入しており、そこで固定ナットが控えボルト
の端部に螺合させられる。

さらに別の公知の安全弁に於では控えボルトが弁座を通
してクランクケースの内部に配置されたリングにねじ込
まれ、弁座がクランクケース壁に固定されるようになっ
ている。

これらの公知の安全弁は取付けが困難でかつ面倒である
。

すなわち安全弁に於ては固有の固定ねじのために必要な
スペースが十分に与えられないことが屡々あり、従って
固定ねじが操作しにくい場所に配置され、安全弁を取付
けるときに安全弁を部分的に解体することが必要である
。

又、控えボルト自体をクランクケース壁に弁を固定する
ためにも使用する場合には、弁は取付け後にはじめて完
全に組立てられることになる。

すなわち、弁が組立てられてはじめて受けは控えボルト
の段部に載設されナットで控えボルトに固定される。

又多くの公知の構造の安全弁に於てはクランクケース内
での取付け作業が必要である。

これは極めて面倒で、小さな機関の場合には安全弁の閉
鎖板を取除いてクランクケースの内室に手が届くように
しなければ不可能である。

本発明の課題はこのような安全弁を、保護しようとする
室の制限壁に取付けることを容易にすることである。

この場合には組立済みの弁が迅速にかつ確実に外部から
制限壁に固定され得るようになっていなければならない
。

本発明によれば前記課題は冒頭に述べた形式の安全弁に
於て、ねじボルト、有利には頭付きねじが、弁座と受け
との間で閉鎖板の周囲に配置されたスペーサスリーブを
貫いて制限壁のねじ孔にねじ込み可能であり、弁座と受
けとの間に前記ねじボルトに加えて、少なくとも２つの
、前記受けに係合し、この受けを弁座に達するまで自由
に貫き弁座のねじ孔にねじ込まれる保持ねし、有利には
頭付きねじが互いに直径方向で向き合って配置されてい
ることによって解決された。

本発明のように構成されていることによって、保持ねじ
は安全弁の取付け前と取付け作業の間、安全弁の構成部
材をまとめて保持するので安全弁の取扱いは極めて容易
になる。

又、弁座から受けを正しい間隔に保つこさがスペーサス
リーブによって行なわれ、このスペーサスリーブを通し
てねじボルトが、保護しようとする閉じられた室の壁、
例えばクランクケース壁のねじ孔にねじ込み可能である
ことによって安全弁の取付けは極めて容易に行なわれる
。

又、安全弁が開く場合に閉鎖板から受けに生せしめられ
る衝撃力は保護しようとする室の制限壁に直接的に拘着
されているねじボルトに全部支えられるので弁座は比較
的に僅かな負荷しか受けなくなる。

この結果、弁座は比較的に薄く構成することができる。

又、本発明の安全弁ではねじボルトにも保持ねじにも市
販されている簡単な固定ねじを使用することができる。

次に図面について本発明を説明する： 第１図は本発明が改良しようとする公知の安全弁を示す
ものである。

この安全弁は爆発が生じたぱあいにクランクケースの損
傷を避けるためにクランクケース壁に組込まれている。

安全弁はクランクケース壁１５の開口の外側にねじ１３
で固定されたリング状の弁座１を有している。

この弁座１の弁開口は閉鎖板２によって覆われている。

この閉鎖板２は弁座１の溝に嵌め込まれたシールリング
３に接している。

閉鎖板２は円錐状に巻かれたコイルばね４によって負荷
されている。

コイルはね４自体は流出するガスの案内板として構成さ
れた受け５に支えられている。

さらに弁座１には閉鎖板２を取り巻いて控えボルト１４
がねじ込まれている。

これらの控えボルト１４は受け５と弁座１との間に間隔
を保ちかつ閉鎖板２の側方案内として役立つ。

受け５にはコイルばね４が支えられている。

安全弁は遮炎部材１６を備えている。この遮炎部材１６
は重ねられた金属薄板ストリツプ１７から成っている。

金属薄板ストリツプ１７はその幅の１部分に亘って波が
つけられており、弁座１と受け７との間にゆるく固定さ
れている。

このような安全弁を内燃機関のクランクケース壁に取付
けるためにはクランクケースの内室からクランクケース
壁を貫いて井座１にねじ込まれる固有のねじ１３が必要
である。

しかしながら多くの場合には固有の固定ねじのために必
要なスペースが十分に与えられず、固定ねじが操作しに
くい場所に配置されなければならないために、安全弁を
取付けるために安全弁を部分的に解体することが必要に
なる。

これに対して第２図に示された本発明の安全弁に於ては
受け５はスペー廿スリーブ６によって弁座１から間隔を
おいて保たれている。

スペーサスリーブ６の下端部は弁座１に設けられた凹所
７に保持されている。

スペーサスリーブ６には簡単なねじボルト８が通されて
いる。

このねじボルト８は弁座１の滑らかな孔を貫き、弁座１
から突出する端部９にねじ山を備えている。

さらに弁座１には保持ねじ１１がねじ込まれるねじ孔１
０が設けられている。

この保持ねじ１１は頭１２で受け５に係合している。

保持ねじ１１はスペーサスリーブ６を弁座１と受け５と
の間に締込み、保護しようとする室の制限壁、例えばデ
ィーゼル機関のクランクケース壁に弁を取付ける前に弁
構成部分をまとめて保持する。

保護しようとする室の制限壁、例えばクランクケース壁
に弁を取付けることは、制限壁に設けられた負荷軽減開
口を取囲むように制限壁に安全弁を載せ、次いで制限壁
の負荷軽減開口の周囲、例えば制限壁に溶接された固定
リングに設けられたねじ孔内にねじボルト８をねじ込む
ことによって行なわれる。

しかしながらこの場合にはねじボルト８のために他のナ
ットを固定しておくことも出来る。

例えば頭付きねじとして構成されたねじボルト８の頭は
、受け５の外側に接し、容易に操作可能であるので、取
付け作業は簡単なねじスパナを用いて迅速にかつ困難を
伴うことなしに行なわれる。

ねじボルト８を締めることによって弁座１もスペーサス
リーブ６を介して、保護しようとする室の制限壁にしっ
かりと圧着される。

従って安全弁には十分な気密性が保証される。

この場合には保持ねじ１１の頭１２もねじボルト８も安
全弁の外側に容易に操作できるように位置しているので
、安全弁自体の組立に際しても、又は使用個所における
安全弁の取付けに際しても操作しにくい場所にあるねじ
又はその他の固定ねじを操作する必要はなくなる。

スペーサスリーブ６の端部は弁座１と受け５とに固定、
例えば溶接されていてもよい。

この場合には安全弁が開く場合に閉鎖板２から受け５に
生ぜしめられる衝撃力はねじボルト８によって全部吸収
され、弁座１は僅かにしか負荷されない。

従って弁座１はそれ相応に薄く構成することができる。

これによって弁座の製作は著しく簡易化される。

本発明の安全弁は取付けが容易であるという他に構造が
簡単であるという利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は公知の安全弁の軸方向断面図、第２図は本発明
の安全弁の軸方向断面図である。 １・・・弁座、２・・・閉鎖板、３・・・シールリング
、４・・・コイルばね、５・・・受け、６・・・スペー
サスリーブ、７・・・凹所、８・・・ねじボルト、９・
・・端部、１０・・・ねじ孔、１１・・・保持ねじ、１
２・・・頭、１３・・・ねじ、１４・・・控えボルト、
１５・・・クランクケース壁、１６・・・遮炎部材、１
７・・・金属薄板ストリップ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 閉じられた室を保護するため、例えば内燃機関のク
   ランクケースを爆発行程に際して保護するための安全弁
   であって、保護しようとする室の制限壁にねじボルトで
   取付けられる弁座と、弁座の弁開口を閉鎖するはね負荷
   された閉鎖板と、弁座から間隔をおいて配置された受け
   とを有し、前記制限壁に弁座を取付けるねじボルトが受
   けに設けられた孔を通って、弁座に設けられた孔を貫き
   、前記制限壁に設けられたねじ孔にねじ込まれるように
   なっている形式のものに於て、ねじボルト８が、弁座１
   と受け５との間で閉鎖板２の周囲に配置されたスペーサ
   スリーブ６を貫いて前記制限壁のねじ孔にねじ込み可能
   であり、弁座１と受け５との間に前記ねじボルト８に加
   えて、少なくとも２つの、受け５に係合し、この受け５
   を弁座１に達するまで自由に貫き、弁座１のねじ孔１０
   にねじ込まれる保持ねじ１１が互いに直径方向で向き合
   って配置されていることを特徴とする安全弁。