JPS5841075Y2 - ねじ切機におけるねじ切長さ調節装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はねじ側根のチェザーによるねじ切り長さを自由
に調節するようにした装置に係るものである。

数個のチェザー挿入溝を半径方向に設けたダイヘッド本
体と、各チェザーに係合する数個の渦形カムを有するリ
ング形カム板とからなるダイヘッドを備えるねじ側根に
おいて、ダイヘッド本体の背部に、チェザーによってね
じを切られながら後側に移動するパイプの先端によって
押圧される感知レバーを軸支し、リング形カム板をパイ
プの外径に合わせるため発条力に抗して回転しそれによ
って各チェザーを半径方向内方のねじ切位置に移動する
と同時に感知レバーを該リング形カム板に係合して発条
による戻し回転を不能にするねじ切りセットを施し、先
端部外周にチェザーによってねじ切を施されながら後側
に移動するパイプを前記感知レバーの先端部に衝き当て
て後側に押圧し、最後には該レバーをリング形カム板の
係合から外し、それによって該カム板を発条の弾力で戻
り回転させてチェザーを半径方向外方に急速に移動し、
それによってねじ切りの仕上げを生じさせるようにした
装置は種々の型式で公知であるが、ねじ切長さを調節す
ることができないか、できても調節操作が煩わしくかつ
不正確な欠陥がある。

本考案は前記に鑑み、局面に入部を備えさせた調節円板
を、操作の容易な調節固定部材により前記入部の角度を
可変にして感知レバーに固定し、リング形カム板側には
周面に入部を設けた調節円板の前側部分を嵌込んで該円
板の感知レバーと共にする回転を許容しつつ係合し、前
記入部に対しては嵌込み係合を不能にする係合部を設け
、調節円板がパイプにより押圧される感知レバーと共に
回転して入部を係合部に対応させると同時にリング形カ
ム板の発条による戻し回転と、チェザーの逃げ移動によ
るねじ切りの切上げとを生じさせる構成としたものであ
って、調節円板の調節固定部材による角度変更の範囲が
大きいから、従ってねじ切り長さの調節範囲を大きくす
ることができると同時にかかるねじ切長さの調節を正確
にできる進歩性をもつ。

本考案の一実施例を添付図面について説明する。

半径方向のチェザー挿入溝９を一定角間隔で数個形成し
たダイヘッド本体１には上側へ一体突出する扇形突部２
の背部に縦方向の一対の軸支片３゜３ａを縦長に設げ、
その軸支片３，３ａ間の上方部分に空間４を形成し、さ
らに該空間４を含む前側に小扇形案内突片５を設けてそ
の上側背部に円弧形の欠溝６を設け、かつ第１図の右方
部に於て欠溝６内に突出するばね受ピン７を設ける。

また軸支片３，３ａのすぐ上部に円孤形窓孔８を透設し
てその一部を前記の空間４に連通させる。

各チェザー挿入溝９の側壁の大部１０において前記挿入
溝９の前側部を横切る方向に突成した数個の渦形カム１
４を有するリング形カム板１３は公知のように中心孔１
５に通してダイヘッド本体１に前面に固定した押えリン
グ１２０周りを回転するものであって、前記の扇形突部
２の前に対応する扇形板１６を突出し、これに小扇形案
内突部５を嵌める円方向の摺動溝１７を設け、そのすぐ
上側に円弧長孔１８を透設し、さらに外周縁に操作ハン
ドル１９の突出と係止レバー２０の軸２１による支持と
を施す。

また、扇形板１６の扇形突部２に対面する後面に後側面
の大部を扇形突部２の前面に設けた扇形溝１１に移動自
在に係合して一部を前記の空間４に現し、かつ下面前側
を小扇形案内突部５に係合した扇面桟板２２を配置して
円弧長孔１８に移動可能に通した固定ねじ２３を螺合す
る。

又、扇面桟板２２の前面には係合レバー２０の後面の係
止突起２０ａに対応させた円方向の欠溝２４を設け、そ
の欠溝２４内にねじ切パイプａの数種の外径に対応させ
た数個の係合駒２５ａ〜２５ｄを嵌めて背部の長孔２２
ａから通したねじ２７によりそれぞれを所要位置に固定
する。

ねじ２１の回転操作はダイヘッド本体１０円弧形窓孔８
内で行う。

各係合駒２５ａ〜２５ｄには係止レバー２０の係止突起
２０ａが嵌まる係止溝２６を夫々設ける。

なおリング形カム板１３側の扇面桟板２２の後側面には
下面から切込んだ係合溝２８を本考案の係合部の一例と
して設け、さらに小扇形案内突部５の欠溝６と扇面桟板
２２の下面と扇形突部２の前面とにより囲んだ円方向の
ばね嵌め孔３０を設け、一端をばね受ピン７にかげて該
ばね孔め孔３０内に配置した戻し発条３１の他の一端を
扇面桟板２２からばね嵌め孔３０内の第１図左方部に垂
下したばね掛突起２９に掛ける。

軸支片３，３ａ間には支持軸３２を通し、その軸にダイ
ヘッド本体１の背面に配置した感知レバー３５の上端部
を嵌めて軸支する。

一方の軸支片３ａの内側には欠所３３を形成し、支持軸
３２に遊嵌したトーションばね３４の一端を欠所３３の
壁部に係止し、他の一端を感知レバー３５に係止し、そ
のばね３４の弾力によってパイプａに対応する接触部３
６を前側に移動する弾力を与える。

感知レバー３５の上端は二叉状に形成して支持軸３２に
中心を嵌めた調節円板３７を該二叉部に嵌合する。

調節円板３１は、感知レバー３５の支持軸３２に嵌めた
上端より径を大きくシ、その局面に中心方向に縮径した
大部３８を設けるとともにその大部３８を除く全周面に
細かいピッチの歯３９を形成したもので係合溝２８が空
間４に合致しているとき円周部分の前側を政情２８に第
３図のとおりに嵌める。

係合溝２８は大部３８が嵌まらないように浅く形成され
る。

感知レバー３５の背面には調節円板３７の歯３９に係合
する歯４１を上方部前側に設けた調節固定部材４０を数
個のねじ４２により固定する。

本実施例は固定ねじ２３を少し緩め、戻し発条３１が作
用している扇面桟板２２を戻り位置にしたままリング形
カム板１３だげを単独回転させてねじ切を捲すパイプａ
の外径に合わせた係合駒２５ａ〜２５ｄの伺れかの係止
溝２６に係止しレバー２０の係止突起２０ａを嵌め、こ
の調節中に、円弧長孔１８内を移動する固定ねじ２３を
締めて扇面桟板２２をリング形カム板１３に固定する。

ねじ切りの深さを調節するには係合駒２５ａ〜２５ｄを
欠溝２４内で予め微移動する。

リング形カム板１３を戻し発条３１によりねじ切上げの
角度に回転しているときは、チェザー４３が渦形カム１
４によりチェザー挿入溝９内で半径方向外方に退避する
通常作動をする。

また係合溝２８は扇面桟板２２と共に移動して空間４か
ら側方に外れているので、感知レバτ３５と共ニ回転す
る調節円板３７は大部３８の一端３８ａをトーションば
ね３４の作用で扇面桟板２２の下面に弾接すると共に感
知レバー３５の接触部３６を後方に退けている。

こ〜でねじ切りセットのためリング形カム板１３及び一
体結合を生じている扇面桟板２２を戻し発条３１０弾力
に抗する方向（第１図矢線の方向）に回転すると、その
回転移動と共に移動する係合溝２８が空間４に合致する
と同時に調節円板３Ｔが該係合溝２８を探り当て、トー
ションばね３４の弾力で円形部分の前側を第３図のとお
りに係合溝２８に嵌まり込んで係合し、時計方向の回転
を生じて、リング形カム板１３を戻し発条３１により戻
らないように係止する。

また同時に感知レバー３５の接触部３６も図示のとおり
にストッパＳに突き当るまで前方に回転移動する。

チェザー４３によりねじ切りが進んでパイプａが後方に
移動すると接触部３６を第３図矢線方向に押して感知レ
バー３５と調節円板３７とを支持軸３２０周りで反時計
方向に回転させるが、係合溝２Ｂには調節円板３７０円
周部分が嵌まっている限りはねじ切を進め、天部３８の
回転方向の一端３８ａが係合溝２８の下端から外れた瞬
間に、リング形カム板１３と扇面桟板２２の前記係合が
外れて戻し発条３１０弾力でこれらがねじ切上方向に回
転しチェザー４３を半径方向外方に退かせてねじ切を切
上げる。

ねじ切りの長さは調節円板３７を第３図の反時計方向に
回転調節して入部３８を係合溝２８から遠ざけることに
より長くなり、反対にすれば短かくなる。

かかる天部３８の角度の調節はねじ４２を緩め、固定調
節部材４０を接触から外して行い、調節が終れば再び前
記部材４０を介して調節円板３８を感知レバー３５に固
定する。

本考案は前記実施例の説明により明らかなようニ、感知
レバー３５のリング形カム板１３側へのねじ切セット時
の係合を、感知レバー３５の軸に嵌めた調節円板３Ｔと
、その調節円板３７の外周に設けた天部３８の係合を不
能にする係合溝２８などの係合部とによって生じさせ、
調節円板３Ｔは天部３８の角度を可変に調節した上で固
定調節部材４０により感知レバー３５に同転して該レバ
ーと共に回転する構成にしたもので、前記天部３８の角
度を広範囲に調節してねじ切りの長さを任意に加減調節
できるすぐれた効果をもつ。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の一実施例を示し、第１図はダイヘッ
ドの一部切欠背面図、第２図は同正面図、第３図は第１
図Ａ−Ａ線切断側面図、第４図は扇面桟板２２の後面図
、第５図は調節円板３７の側面図である。 １→ダイヘッド本体、２→扇形突部、３，３ａ→軸支片
、４→空間、９→チエザー挿入溝、１３→リング形カム
板、１４→渦形カム、１６→扇形板、２２→扇面形板、
２３→固定ねじ、２８→係合溝、３１→戻し発条、３２
→支持軸、３５→感知レバー、３６→接触部、３７→調
節円板、３８→欠部、４０→固定調節部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 数個のチェザー挿入溝を半径方向に設けたタイヘッド本
   体と、各チェザーに係合する数個の渦形カムを有し、発
   条の弾力で回転してチェザーを半径方向外方に自動的に
   移動するリング形カム板とからなるダイヘッドを備える
   ねじ側根において、前記ダイヘッド本体の背部にチェザ
   ーによりねじを切られたパイプの先端によって押圧され
   る感知レバーを軸支し、その支持軸に、周面に縮径され
   た入部を設けたねじ切長さ調節の調節円板を回転可能に
   嵌め、さらに前記感知レバーには前記調節円板の回転角
   度を任意に可変にして固定する調節固定部材を取付け、
   リング形カム板側には、チェザーを中心方向に突出する
   回転とともに前記回転円板の前側部分を嵌まり込ませて
   係合し、かつパイプ先端により感知レバーが押されて回
   転するときその回転に連動する回転円板の前記入部の回
   転方向の一端が前記の嵌まり込みから外れると同時に係
   合を外す回転円板の入部より浅い係合部を設けたことを
   特徴とするねじ側根におけるねじ切長さ調節装置。