JPS5841031Y2 - 被覆鋼管溶接継手部の外面ライニング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は鋼管の外面または内外両面に防錆用のライニ
ング加工が施された被覆鋼管の溶接継手物の外面未ライ
ニング部を自動的にライニングし得る装置に関する。

鋼管の外面または内外両面に防錆用のライニング加工が
施された被覆鋼管の管端部は、溶接を考慮して未ライニ
ング部となしており、この部分は溶接後に現地でライニ
ングする。

このライニング加工は鋼管の大きさ、被覆層の種類等に
よってその加工方法は多少異なるが、熱収縮チューブ（
通称シュリンクチューブ）を用いて行う場合は、数人の
作業者が該チューブをバーナで加熱収縮させてライニン
グする。

しかしかかる方法では、加熱むらが生じ均一ライニング
が施し難い欠点がある上作業能率も悪く、かつ大径管に
なる程多大な労力と時間を要し非能率的であった。

この考案は上記した従来の欠点を除去するために考案し
たもので、熱収縮チューブを自動的に加熱収縮させてラ
イニングし得る現地ライニング装置を提供するものであ
る。

以下、この考案を図面について説明すると、この考案は
第１図、第２図に示すごとく、被覆鋼管１の溶接継手部
の上方に跨設して管軸方向に往復動する鞍形治具２と、
該治具に懸架されて管円周方向に一定角度往復回動する
加熱器装着リング３を有し、前記鞍形治具２は下部を逆
凹形に形成した２枚１対の側板２−１に管軸方向に相平
行して延びる各２本の支軸２−２を管軸と平行に突設し
、被覆鋼管１の上面に載置し得る支持脚２−３の上部に
固設した支軸受け２−４に前記鞍形治具の支軸２−２を
摺動可能に支持し、支持脚２−３に固設した可逆モータ
２−５によりピニオン２−６および同側の支軸２−２に
設けたラック２−７を介して鞍形治具２を管軸方向に往
復動させる仕組みとなす。

前記両側の支持脚２−３は連結杆２−８にて一体構造と
なす。

加熱器装着リング３ば、例えば２本の２つ割円形パイプ
３−１を加熱器の大きさに合わせて所要の間隔を隔てて
一体化し、一方の継目部に対称的に相対設したブラケッ
ト３−９の上部に軸ピン３３を緩貫通し、蝶番と同様に
軸ビン３−３を支点にして左右に開閉し得るように設け
、また該リングの他端はその突合せ部に設けた連結板３
−４を締結ボルト３−５にて締結する構造となす。

なお、この締結手段としてはこの方式のみに限るもので
はない。

３−２は熱収縮チューブ４を加熱収縮させるための加熱
器を示し、ここでは該リングの円周４個所に等間隔に配
置した場合を例示する。

この加熱器は一般に使用されているプロパンガスバーナ
であるから、その構造については説明を省略する。

この加熱器装着リングは鞍形治具の側板２−１の下部に
管軸と平行に横設した２本の吊り杆２−９に円周方向に
回動可能に懸架する。

この場合該リングは被覆鋼管と同心となるように懸架す
る。

この加熱器装着リングを円周方向に往復回動させる方法
として、この考案では図示のごとく該リングと同心円弧
の２つ割円弧状ラック３−６を同心円上に脚柱３−７を
介して取付け、前記鞍形治具の側板２−１に設けた可逆
モータ３−８によりラック・ピニオン機構により往復回
動させる仕組みとなす。

前記円弧状ラック３−６はリング３と同様中央から２つ
に折曲できるようにつくられ、取付けに際しては該ラッ
クを前記ブラケット３−９の間に嵌め、リング３と一体
に開閉できるように該リングの軸ピン３−３をラックの
中央接合部に緩貫通して取付ける。

この円弧状ラックの長さは４個の加熱器３−２により熱
収縮チューブ４を全周にわたって均一に加熱できるよう
に該加熱器を左右４５度回動できる長さに設定する。

この加熱器の回転角度は特に限定するものではないが、
ガスコードの関係で４５度が好ましい。

また可逆モータ３−８の正逆転を自動的に切換える方法
として、鞍形治具の側板２−１の内面中央に切換用リミ
ットスイッチＳを突設し、円弧状ラック３−６が左右４
５度回動した位置で該リミットスイッチを作動させるご
とく該ラック両端部に切換用突片Ｓ−１を設ける。

上記装置によりライニングを施す場合は、熱収縮チュー
ブ４を第１図に示すごとく溶接継手部に位置させた後、
該装置を加熱器装着リング３を開いた状態でクレーン（
図面省略）で吊り加熱器装着リング３が熱収縮チューブ
４の上に位置するごとく支持脚２−３を被覆鋼管１の上
に載置する。

この装置設置に際しては、第２図に示すごとく被覆鋼管
１の垂直中心線上に鞍形治具２の支軸２２が位置するご
とく載置する。

なか、この時円弧状ラック３−６も第２図に示すごとく
中央に位置させておく。

鞍形治具を所定の位置に載置すると、加熱器装着リング
３を閉じその末端を締結ボルト３−５で締結して装置の
セットを終える。

次に、加熱器を働かせると同時に該加熱器装着リング３
の可逆モータ３−８を起動して加熱器３−２を円周方向
に往復回動させる。

この暗線リングは鞍形治具２の側板下部に横設した吊り
杆２−９に被覆鋼管１と同心に懸架された状態で、最初
は４５度回動し、その後は円弧状ラック３−６の両端部
に設けた突片Ｓ−１によりリミットスイッチＳが切換え
られて９０度ずつ往復回動する。

そして、適当な時間的間隔をかいて支持脚２−３に設け
た可逆モータ２−５を駆動せしめて鞍形治具２を熱収縮
チューブ４の長さに応じて軸方向にも往復移動させる。

この軸方向の移動制御すなわち可逆モータ２−５の正逆
切換えは手動で操作する。

なお、との正逆切換えは加熱器装着リング３と同様リミ
ットスイッチ等を使って自動化することもできるが、熱
収縮チューブ４に対する加熱器３−２の管軸方向位置、
すなわち加熱スタート位置をその都度定位置に合わせる
手間を考えると、加熱器３２の管軸方向往復移動は加熱
器の位置、すなわち加熱範囲を確認しながら可逆モータ
２−５を手動で制御する方がよい。

熱収縮チューブ４は加熱時間が経過するにつれて次第に
収縮し、最終的には第１図に鎖線で示すごとく溶接継手
部に密着してライニングが施される。

しかる後、装置を取外す際は、加熱器装着リング３の締
結ボルト３−５を外して該リングを左右に開き、クレー
ンで装置を吊上げて被覆鋼管１より離脱せしめる。

この考案は上記のごとく、熱収縮チューブを自動的に加
熱することができるので、従来の手作業に比ベライニン
グの作業能率を著しく向上させることができる上、加熱
むらがなく均一ライニングが施される効果がある○また
装置自体構造が比較的簡単である上、加熱器は市販のも
のを使用することができ、また駆動モータも小型のもの
で十分であるのでコスト的にも安価につぐ。

また該装置は鞍形治具と加熱器装着リングの分離が可能
であるとともに、それらをさらに分解することも可能で
あるから持ち運びが便利であり、かつ現地で組立てて使
用することができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施態様を示す一部破断正面図、
第２図は同上一部破断側面図である。 図中１・・・・・・被覆鋼管、２・・・・・・鞍形治具
、２−１・・・・・・側板、２−２・・・・・・支軸、
２−３・・・・・・支持脚、２−４・・・・・・支軸受
け、２−５・・・・・・可逆モータ、２６・・・・・・
ピニオン、２−７・・・・・・ラック、２−８・・・・
・・連結杆、２−９・・・・・届す杆、３・・・・・・
加熱器装着リング、３−１・・・・・・円形パイプ、３
−２・・・・・・加熱器、３−３・・・・・・軸ピン、
３−４・・・・・・連結板、３５・・・・・・締結ポル
）、３−６・・・・・・円弧状ラック、３−７・・・・
・・脚柱、３−８・・・・・・可逆モータ、３−９・・
・・・・ブラケット、４・・・・・・熱収縮チューナ、
Ｓ・・・・・・リミットスイッチ、Ｓ−１・・・・・・
突片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被覆鋼管上面に載置し得る支持脚に、ラック・ピニオン
   機構を介してモータにより管軸方向に摺動可能に支持さ
   れる鞍形治具と、該治具に管軸と同心に管円周方向に摺
   動可能に懸架される加熱器装着リングを備え、加熱器装
   着リングは該加熱器が熱収縮チューブと所望の間隔を隔
   つ径を有する２つ割円形リングで構成するとともに蝶番
   方式にて左右に開閉可能となし、かつ該リングと一体に
   中央から折曲するごとく設けた円弧状ラックを介してモ
   ータにより管円周方向に一定角度往復回動する仕組みと
   なした被覆鋼管溶接継手部の外面ライニング装置。