JPS5840835B2 - 誘導加熱装置の温度制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は誘導加熱装置の被加熱物である鍋の温度制御装
置に関するもので、特に精密な温度制御をすることを目
的とするものである。

従来、誘導加熱装置の温度制御において、非接触で被加
熱物の温度を検知することは非常に困難であった。

従来は赤外線検知素子の如き、高価な部品を用いており
、しかも輻射係数が異なるため制御が複雑になる欠点が
あった。

また、誘導加熱調理器においては被加熱物である金属製
鋼の温度を非接触で検知する方法は非常にむつかしく、
鍋の種類あるいは雰囲気温度により大きく変化する欠点
があった。

本発明は以上の欠点を除き、被加熱物である鍋に非接触
でしかも安価な温度制御装置を提供するものである。

以下図面に従かい本発明の一実施例について詳細な説明
を行なう。

第１図において、商用周波数の低周波交流電源１より周
波数変換装置２に交流電圧を加え、周波数変換回路２は
低周波交流電力を高周波交流電力に変換し、加熱コイル
３に高周波電流を供給する。

加熱コイル３は高周波磁束により、加熱コイル３の上部
に設置された非金属の鍋保持板４の上に置かれた金属製
鋼５に渦電流を発生させて誘導加熱する。

そして鍋保持板４の下部には、面状の第１の温度検出素
子６ａを設置し、鍋保持板４、および鍋５からの輻射熱
を検知する。

また、もう１つの第２の温度検出素子６ｂは鍋保持板４
あるいは鍋５からの輻射熱を受けない位置に設置して、
周囲温度が上った場合、温度検出素子６ａ自体の温度が
上った場合の検出温度誤差をなくするために設置する。

すなわち通常、加熱コイル３の近傍は、冷却ファンなど
により冷却風が通っており、温度検出素子６ａの温度は
輻射熱により上昇するが、冷却風により冷却されて周囲
温度の影響を大きく受ける。

そこで、周囲温度の補正を行なう必要がある。

第２図は本発明による温度検出素子６ａあるいは６ｂの
一実施例であり、非金属の輻射熱受熱板６０の表面に面
状の抵抗膜６１を塗布し、両端に端子６２ａ ｌ ６２
ｂを設は両端子抵抗値の変化により、温度を制御するも
のである。

なお抵抗膜６１はカーボンとプラスチックの混合材料で
構戒され、通常温度が上がると抵抗値の上がるＰＴＣ特
性を示す。

また抵抗膜６１はカーボン系で表面は黒色のため、輻射
熱を吸収し易く非接触の表面温度制御に非常に適してい
る。

また、カーボンは抵抗値が高く、２０ＫＨ２近辺ではほ
とんど渦電流が流れないので誘導加熱されないものであ
る。

第３図は、周波数変換装置２の内部に含まれる制御装置
の一実施例を示し、温度検出素子６ａの抵抗値が設定レ
ベル以上になると周波数変換装置２の変換動作を停止さ
せるとともに誘導加熱を一時停止させ、温度検出素子６
ａの抵抗値が設定レベル以下になると、再び誘導加熱さ
せるものである。

すなわち、比較回路２０１は抵抗２０２と温度検出素子
６ａの抵抗６００ａの分割電圧Ｖｔと、温度設定ボリュ
ーム２０３と抵抗２０４および雰囲気温度検出素子６ｂ
の抵抗６００ｂの分割された設定電圧Ｖｓの電圧差を比
較し、出力抵抗２０５をトランジスタ２０６のベースに
接続して、トランジスタ２０６のオンオフにより、加熱
コイル３の電流を制御する。

設定電圧Ｖｓは雰囲気温度の変化により微少変化し、雰
囲気温度が変化しても鍋５の鍋底温度はほとんど一定に
保たれる。

次に本発明による温度制御特性の一例を第４図に示すが
、これはぐつぐつ煮の如き、鍋温度を９５°一定にする
もので、従来できなかった良好な調理を実現することが
できる。

またぐつぐつ煮に限らず、天ブラのように油温度を１８
０°Ｃ〜１９０℃に制御する場合にも非常に良好な制御
ができ、従来、使用者が手動で温度制御していたわずら
れしさを省くことができる。

また、鍋底が均一に平らな鍋ではほぼ一定の温度制御が
可能となり、誘導加熱調理器の特長を高めることができ
る。

また本発明は誘導加熱の温度制御だけに限らず、他への
応用も可能であることは明らかである。

このように本発明によれば赤外線温度検出器等の高価で
複雑な手段によらず面状の抵抗体よりなる温度検出素子
によって鍋底面全体の温度を高精度に検出できるととも
に、この温度検出素子の雰囲気温度による影響を他の部
位に設けた他の温度検出素子により補い、この結果、鍋
温度を高精度に制御できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例による誘導加熱装置の温度
制御装置の概略図、第２図は同要部温度検出素子の平面
図、第３図は本発明による温度制御装置の要部の回路図
、第４図は同温度制御装置を誘導加熱調理器に応用した
制御特性を示す図である。 １・・・・・・低周波交流電源、２・・・・・・周波数
変換装置、３・・・・・・加熱コイル、４・・・・・・
鍋保持板、６ａｔ６ｂ・・・・・・温度検出素子、６０
・・・・・・輻射熱受熱板、６１・・・・・・抵抗膜。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 面状の抵抗体よりなる第１の温度検出素子と、この
   第１の温度検出素子の近傍の雰囲気温度あるいは第１の
   温度検出素子が検出する輻射熱が影響しない雰囲気温度
   を検出する第２の温度検出素子と、前記第１の温度検出
   素子と第２の温度検出素子の抵抗値に応じて出力を制御
   する誘導加熱コイルを含む温度制御装置を設け、前記第
   １の温度検出素子は鍋保持板の下部に位置し、この鍋保
   持板を介して被加熱物である鍋の底面に対向して設置し
   て鍋とは非接触で鍋の温度を検出し、この検出信号と第
   ２の温度検出素子により設定される基準信号とを比較し
   て出力制御を行う誘導加熱装置の温度制御装置。