JPS5840155B2 - デンシドケイ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は時間基準信号周波数の温度による変化を補償す
ることの出来る電子時計に関する。

一般に高精度の電子時計の時間基準信号発生源としては
水晶発振器が用いられているが、この水晶発振器も周囲
の温度変化によりその発振周波数が変化する。

従って電子時計を高精度に保つためには、温度変化があ
っても水晶発振器の発振周波数又はその分周出力周波数
を一定に保持するように補償する必要がある。

従来は水晶振動子の温度特性を相殺するような温度−容
量特性を有する感温素子等を水晶発振回路に組込むこと
によってその補償を行なっていた。

しかしながらこの場合には水晶振動子の温度−周波数特
性と補償素子との特性とが全く逆に対応するものでなけ
ればならないが、実際には水晶振動子の複雑な特性曲線
に追従するように補償素子を組合せることは困難であっ
た。

又補償素子は経年変化の大きなものが多く、補償安定性
において劣るという欠点を有しでいた。

本発明の目的はこれら従来の欠点を除去し、時間基準信
号発生源としての水晶発振器の発振周波数又はその分周
出力周波数を周囲の温度変化があっても長期間安定して
一定に保つことの出来る温度補償機能を有する電子時計
を得ることにある。

上記目的を達成するための本発明による電子時計は時間
基準信号発生源としての水晶発振器と、前記水晶発振器
の水晶振動子とは温度−周波数特性が異なる水晶振動子
を用いた温度補償用の水晶発振器を有することを特徴と
する。

以下図面に基すいて本発明を実施例につき説明する。

第１図に於て、１は時間基準信号発生源としての水晶発
振器、２は温度補償用としての水晶発振器で、水晶発振
器１の水晶振動子２とは温度−周波数特性が異なる水晶
振動子４が使用されており、後記する計時回路１２の出
力信号により制御されて間欠的に発振する。

このように間欠的に発振させるのは消費電流を少なくす
るためであり、消費電流が問題とならない場合には連続
的に発振させてもかまわない。

５は水晶発振器２の発振周波数を分周するための分周器
で、省略することも出来る。

６は温度補償信号作成装置で、計数器７、記憶回路８、
信号変換器９により構成されている。

計数器７は後記する計時回路１２の出力信号と分局器５
の出力信号（分周器５を省略した場合は水晶発振器２の
出力信号）とを比較、例えば計時回路１２の出力信号が
送出される一定時間内に分周器５の出力信号を計数する
。

このように周波数の差をとる方法がとられる。

その計数結果は記憶回路８に記憶されるが、この記憶回
路８に記憶された情報は温度変化によって変化する情報
であるので、温度情報として記憶されたことになる。

記憶回路８は後記する計時回路１２の出力信号によって
制御され、次に新しい温度情報が入るまではそれ以前の
温度情報を記憶している。

信号変換器９は水晶発振器１の温度周波数特性に応じて
その内容が定めてあり、記憶回路８からの入力信号に応
じて温度補償信号を発生する。

ここで該信号変換器９は該記憶回路８から入力信号を受
けているが、逆に該計数器７からの出力信号を該信号変
換器９に送出し、該温度補償信号を記憶回路８に送出し
ても同様の動作をする。

１０はＥＸＯＬＵＳ Ｉ ＶＥ−ＯＲ回路からなる周波
数制御回路で、水晶発振器１の出力信号と信号変換器９
の出力信号とを加算する。

１１は計時単位信号作成回路で、周波数制御回路１０か
らの出力信号を分周し、計時単位信号を作成する。

１２は計時回路で、計時単位信号作成回路１１の出力信
号により、例えば分、時の時刻を表示するのに必要な信
号を作成する。

１３は計時回路１２の出力信号により時刻を表示するこ
との出来る表示機構である。

上記構成に於て、周囲の温度が変化したとすると、時間
基準信号発生源としての水晶発振器１の発振周波数は変
化し、その変化した発振周波数が周波数制御回路１０に
印加される。

一方、周囲の温度が変化すると、温度補償用としての水
晶発振器２の発振周波数も変化するので、計数器７の出
力信号は温度変化がある前とは異なったものとなり、記
憶回路８の出力信号が変化する。

従って信号変換器９の出力信号も変化し、この信号が周
波数制御回路１０に印加され、この信号変換器９からの
出力信号により水晶発振器１の温度変化にり変化した発
振周波数が補償されることになる。

即ち計時単位信号作成回路１１からは温度変化があって
も、はシ一定の周波数出力信号が送出される。

尚上記実施例では信号変換器９からの信号を、水晶発振
器１からの信号と共に周波数制御回路１０に印加するこ
とにより水晶発振器１の温度変化による周波数変化を補
償するように構成しであるが、信号変換器９からの信号
を水晶発振器１に印加し、温度変化があっても水晶発振
器１の発振周波数を一定に保持するように構成すること
も可能である。

本発明に於ては水晶発振器１の水晶振動子３と水晶発振
器２の水晶振動子４との同一のケース１４に封入したこ
とも特徴の１つである。

このように構成すると水晶振動子３の周囲温度と水晶振
動子４の周囲温度とはほとんど同一となり、一層安定し
て温度補償することが出来る。

更に水晶振動子を封入するケースは１つで良いので小型
化出来、経済的にも有利である。

以上の説明で明らかな様に本発明によれば、温度変化に
よる時間基準信号周波数の変化を長期間安定して補償す
ることが出来、精度の優れた電子時計を得ることが出来
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は電子時計の概
略構成を示すブロック図、第２図は２つの水晶振動子を
同一ケースに封入した状態の斜視図である。 １・・・・・・時間基準信号発生源としての水晶発振器
、２・・・・・・温度補償用の水晶発振器、３・・・・
・・水晶発振器１の水晶振動子、４・・・・・・水晶発
振器２の水晶振動子、６・・・・・・温度補償信号作成
装置、１１・・・・・・計時単位信号作成回路、１２・
・・・・・計時回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 時間基準信号発生源と、該時間基準信号発生源出力
   から計時単位信号を作成する計時単位信号作成回路と、
   該計時単位信号作成回路からの計時単位信号を用いて時
   刻を保持する計時手段と、該保持時刻を表示する表示手
   段とを有する電子時計に於いて、該時間基準信号発生源
   は水晶発振器からなり、該水晶発振器の水晶振動子とは
   温度−周波数特性の異なる水晶振動子を用いた温度補償
   用の水晶発振器と、該温度補償用の水晶発振器の出力信
   号を計数する計数器、該計数器から得られる温度情報に
   応じて該時間基準信号発生源の温度周波数特性を補償す
   る補償量を予め設定した温度補償信号に変換して送出す
   る信号変換器とからなる温度補償信号作成装置と、該信
   号変換器の出力信号と前記時間基準信号発生源出力信号
   とを加算する周波数制御回路とを備え、温度−周波数特
   性を補償することを特徴とする電子時計。 ２、特許請求の範囲第１項記載の電子時計に於いて、該
   時間基準信号発生源としての水晶発振器に用いた水晶振
   動子と、該温度補償用の発振器に用いた水晶振動子とを
   同一ケースに封入したことを特徴とする電子時計。 ３ 特許請求の範囲第１項記載の電子時計に於いて、温
   度補償用の水晶発振器は時間基準信号又はその分周出力
   信号により制御され、間欠的に発振動作をすることを特
   徴とする電子時計。