JPS5840012B2 - 内燃機関 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は排気系にサーマルリアクターを有する内燃機関
に関するもので、単気筒の場合であっても充分な排気ガ
ス浄化性能が得られるようにすることを目的としている
。

排気ガス浄化に有効な手段の一つとしてリーン・リッチ
法と呼ばれる方法があり、これは多気筒エンジンの半数
の気筒では濃混合気燃焼を、他の気筒では希薄混合気燃
焼を行わせ、夫々の気筒から排出される排気ガスをサー
マルリアクターに導入し、濃混合気燃焼によって排出さ
れる高濃度の未燃焼ガスと、希薄燃焼によって排出され
る余剰酸素との効果的な熱反応によってＣＯ，ＨＣを低
減し、また濃薄混合気の燃焼によってＮＯＸの低減を図
るものである。

この方法は再燃焼用二次空気が不要であり、サーマルリ
アクターに於ける熱反応も効果的で、排気ガス環流法（
Ｅ、Ｇ、Ｒ）も必要としない利点を有する。

しかし上記リーン・リッチ法は、構造上単気筒エンジン
への適用が不可能であり、単気筒エンジンを搭載する場
合の多いオートバイ等に使用できないという欠点がある
。

リーン・リッチ法を単気筒エンジンに適用できるように
するため、濃混合気供給用気化器に連通した吸気弁と、
希薄混合気供給用気化器に連通した吸気弁の合計２個の
吸気弁を設け、上記２個の吸気弁を交互に開閉させるこ
とも考えられるが、その場合は各吸気弁が小さくなり、
高出力が得難くなる。

又各吸気弁を交互に開閉させる必要上、カムシャフトを
１／４減速させねばならないので、動弁機構がむずかし
くなり、バルブタイミング精度が半分に低下する。

本発明は１気筒内の吸気弁の数をふやすことなく、リー
ン・リッチ法を単気筒エンジンにも適用できるようにし
たもので、次に図面により説明する。

第２図中１はシリンダーヘッド、２はシリンダー、３は
ピストン、４，５は夫々１個の吸気弁と排気弁である。

カム軸６はシリンダーヘッド１に設けた軸受（図示せず
）に支持されており、ウオーム１５を有する。

ウオーム１５と噛み合うウオーム歯車２０の軸２１は、
軸６と同様にシリンダーヘッド１に設けた軸受に支持さ
れており、その他端にはプーリー１７が取付けである。

プーリー１７はタイミングベルト１８を介してプーリー
２２に連結されている。

プーリー２２の固定されている軸２３は、吸気管７に設
けた軸受部に支持され、他端にロータリーディスク型の
吸気制御弁１６を有する。

弁１６はシリンダーヘッド１と吸気管７の合せ面に形成
された薄い弁室２４に回転自在に適合している。

なお第２図中２５は吸気ポ−ト合流部、１４は燃焼室、
２６は排気ポート、８は排気管、９はサーマルリアクタ
ーである。

第２図のＩ−Ｉ断面の一部を含む第１図に於て、リッチ
（濃）セット気化器１０はリッチ側吸気ポート１２をへ
て吸気弁４に連通している。

１１はリーン（希薄）セット気化器で、リーン側吸気ポ
ート１３をへて同一の吸気弁４を連通している。

両吸気ポート１２，１３は部分２５に於てＹ形に合流し
ている。

吸気制御弁１６は第３図のように半円形で、弁室２４内
で回転することにより吸気ポート１２゜１３の一方が全
開時他方を全開に保つことができ、吸気弁４との作動関
係は第４図の通りである。

第４図中、点線は開弁期間、実線は閉弁期間、吸、圧、
膨、排は夫々吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程
を示している。

そして吸気弁４の開放期間ａ−ｂには、ａ−ｂを含むよ
り広い期間ａ／ Ｂ／に於てリーン側吸気ポート１３
が開き、次に吸気弁４がｃ −ｄ間で開く時にはｃ −
ｄを含むより広い期間ｃ／ ６／に於てリッチ側吸気
ポート１２が開くように、吸気制御弁１６の開閉タイミ
ングが定められている。

即ち吸気制御弁１６はクランク軸４回転に１回の割で各
吸気ポート１２．１３を交互に開閉し、しかも少なくと
も吸気弁４の開放中、吸気ポート１２．１３の何れかを
全開に保つ開閉タイミングを備えている。

エンジン運転中、吸気弁４が開放する吸気行程中には、
予め吸気制御弁１６により例えばリッチ側吸気ポート１
２が全開とされており、従ってリッチセット気化器１０
から濃混合気が吸気ポート１２、合流部２５、吸気弁４
をへて燃焼室１４内に供給される。

次に吸気弁４が開く吸気行程に於ては、吸気制御弁１６
によりリーン側吸気ポート１３のみが全開状態とされて
いるためリーンセット気化器１１から希薄混合気が吸気
ポート１３、合流部２５、吸気弁４をへて燃焼室１４に
供給される。

これにより排気ポート２６からは濃混合気燃焼によって
排出される高濃度の未燃焼ガスと、希薄混合気の燃焼に
よって排出される余剰酸素を含む燃焼ガスが、交互にサ
ーマルリアクター９に供給されることになり、サーマル
リアクター９内に於て未燃焼ガスと余剰酸素が効果的に
反応してＣＯ，ＨＣが酸化される。

又濃薄混合気の燃焼によって燃焼室１４内の反応温度が
低下し、ＮＯｘが低減する。

以上説明したように本発明によると、リッチセット気化
器１０に連通した吸気ポート１２と、リーンセット気化
器１１に連通した吸気ポート１３を部分２５で合流した
後１個の吸気弁４に連通させ、吸気制御弁１６により、
吸気弁４の開放時、吸気ポート１２，１３の一方が交互
に全開するように構成したので、リーン・リッチ法を単
気筒エンジンに適用できるようになるばかりでなく、吸
気弁４を１気筒に２個設ける必要がなくなるため、吸気
弁４部分の通路面積を充分とることができ、高出力が得
やすくなる。

又吸気制御弁１６はクランク軸に対し１／４減速を要す
るが、２個の吸気弁をクランク軸４回転に１回ずつ交互
に開閉させる場合に比べて機構が大巾に簡素化する利点
がある。

本発明の吸気制御弁１６は吸気ポート１２゜１３内に配
置され、しかも吸気弁４の開放期間より充分広い範囲で
吸気ポート１２．１３の一方を全開に保持すればよいた
め、ガスシール性、耐熱性、タイミング精度、開閉速度
等にきびしい性能は要求されない。

従って簡単な構造ですみ、低コストで実用し得る利点が
ある。

なお本発明に於て、吸気制御弁としては図示のロータリ
ーディスク型の他、揺動弁、ロータリードラム弁等を使
用することもできる。

又本発明は多気筒エンジンの個々の気筒についても同様
に適用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部断面で示す平面略図、第２図は第１図の■
−■断面図、第３図は第１図のＩＩＩ−Ｉ断面図、第４
図はバルブタイミングを示す線図である。 ４・・・・・・吸気弁、５・・・・・・排気弁、６・・
・・・・カム軸、７・・・・・・吸気管、９・・・・・
・サーマルリアクター、１０・・・・・・リッチセット
気化器、１１・・・・・・リーンセット気化器、１２，
１３・・・・・・吸気ポート、１６・・・・・・吸気制
御弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １１気筒に１個の吸気弁と１個の排気弁を備え、上記排
   気弁がサーマルリアクターに連通した内燃機関に於て、
   濃混合気供給用気化器に連通した吸気ポートと、希薄混
   合気供給用気化器に連通した吸気ポートが、上記気筒中
   の同一吸気弁に連通し、夫々の吸気ポート内にクランク
   軸４回転に１回開閉する吸気制御弁を備え、上記吸気制
   御弁が各吸気ポートを交互に開閉し、しかも少なくとも
   吸気弁開放生全開となる開閉タイミングを有することを
   特徴とする構造。