JPS583943B2 - 巻取機の帯状物切断装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は合成樹脂フイルム、金属箔などの帯状物を連続
的速行の下で巻取り・巻替えを行わせて、所定長の帯状
物が巻装されたロール物品を得るための巻取機に係り、
特に巻替え時の空巻芯への巻付けを確実ならしめるとと
もに、切断による製品ロスの発生量を可及的に少くする
ことが可能な帯状物切断装置に関する。

ドラムに密着して走行中のフイルムに切断刃を接当させ
、フイルムの走行方向に対し直交して走らせてフイルム
を切断し、あらかじめ用意していた空巻芯に切断先端部
を巻付かせるフイルム自動切断巻取機は既に多く使用さ
れている。

この場合、フイルム切断部は走行中に横断させる切断形
態であるために、当然フイルム巾方向に対して交叉する
バイアス状になり、このバイアス角度α（切断線がフイ
ルムの巾方向に対する交叉角を云う）はフイルムの走行
速度を■ｆ、切断刃の走行速度を■。

と７と、第６図々示のように、α＝ａｒｃ ｔａｎＶｆ
／■ｃ となるが、該角度（ハ）が鈍角になるとこの切断線を斜
辺とする直角三角形の部分がフイルムロス部であるため
にロス量が多くなり、一方、鋭角に過ぎると、巻付始端
が空巻芯の巾に亘って略々同時的に当るために正常な巻
付けが出来難くなり、その結果、芯のゆるみやしわを生
じ、極端な場合は巻付け不能に陥る。

一般には、切断刃を走行するための駆動装置としてはエ
アシリンダーが用いられ、その速度制御により走行速度
が調整されているが、エアシリンダーは機構上、速度調
整巾が挾くて一旦速度比を設定すると調整が難しいもの
であり、しかもフイルムの走行速度に対する有機的な関
連が成されない固定的なものであるので、確実な切断巻
付けを可能ならしめるための適正なバイアス角度を得よ
うとすれば、必然的に巻取速度が遅速域に限定される問
題があるし、さらに巻取速度の変更の都度、切断刃の走
行速度を調整し直さねばならないなと煩雑な作業を必要
とする欠点は避け得なかった。

本発明はかかる従来装置の欠陥を排除し得る切断装置を
提供するべく成されたものであって、特に帯状物切断刃
の走行速度を帯状物走行速度と相関連づけて制御するよ
うにし、かつその速度を２段階に変速することにより、
切断開始時には低速側の第１段速度でバイアス角度が鈍
角になるようにして空巻芯への巻付けを確実・容易なら
しめるとともに、その後の切断には高速側の第２段速度
でベイアス角度が鋭角になるようにして実質的に帯状物
の切断ロス量を軽減するようにしたことを特徴とする。

以下、本発明を添付図面に示す１実施例にもとづいて説
明する。

第１図、第２図において、１は帯状物例えば合成樹脂製
のフイルムであり、該フイルム１はガイドローラ２を通
り、ドラム３に密着した状態で走行し、ロール４に巻き
取られている。

５は空巻芯であり、巻き替え位置でドラム３上に載せら
れ、該ドラム３からの回転力を受けてフイルム１を挾在
しつつ従動回転させられている。

６はカッターレールであって、ドラム３の上方に該ドラ
ムと平行を保持して横設され走行体７を支持している。

前記走行体Ｔは無端チェーン８に連結されて、該チェー
ン８が往復的に曳引することによってレール６に沿い往
復動し、走行フイルム１に対し巾方向にトラバース運動
する。

上記チェーン８の走行は適宜の動力伝達機構１１（第３
図参照）を介して可変速モータＭに連絡されている。

前記走行体７の下面部にはカッター装置９が固定されて
いて、その下端部には切断刃例えば円盤カツター１０を
固着させている。

上記カッター１０はドラム３に対し圧接可能な適宜の昇
降機構例えばスプリングの弾力をベルクランクを介しカ
ッター１０に付与することによりドラム３にカッター１
０を押圧させる機構を備えており、かくして、カッター
１０はフイルム１の走行方向を基準とした空巻芯５より
も稍々下流位置においてドラム３に圧接した状態を保持
しながらフイルム１巾方向に横移動せしめられる。

−なお、フイルム１が空巻芯５を約半周取り巻いて反転
したところでロール４に巻き取られる如き巻取形態を採
る場合にはカッター１０を空巻芯５上に圧接するように
設けても良い。

しかして、カッター１０が可変速モータＭの正逆転によ
って往復動ずる場合、切断を行うための往行時には、ベ
ルクランクによりカッター１０はドラム３に圧接しつつ
走行し、一方切断完了後の復行時には、カッター１０は
ベルクランクによってはね上げられ、第１図において一
点鎖線示の如くドラム３面から離間した位置で走行する
ようになっている。

前記可変速モータＭを速度制御するための電気回路例を
第４図によって説明すると、該回路はフイルム１の走行
速度を検出する回転発電機１２と、低速側第１段速度設
定器１４および高速側第２段速度設定器１５を備えた速
度比例制御用制御盤１３とからなっていて、回転発電機
１２からのフイルム速度信号に第１段速度設定器１４で
設定した係数を乗じた出力で先ずモータＭを正転し、次
いで所定時間経過後第２段速度設定器１５で設定した係
数を乗じた出力でモークＭを正転して、所謂２段モーシ
ョン下にてカッター１０を往走行させる。

但し、第１段速度設定器１４で設定した速度でカッター
１０を走行させる時間は瞬間的な微小時間であればよく
、ＣＲ回路を利用した電子的タイマーによって計時を行
うとともに、該タイマーで第２段速度への切換えを併せ
て行うことが可能である。

なお、カッターを復帰するためにモータＭを逆転するに
は、適当な一定速度で行わせればよい。

以上述べた構成になる切断装置は巻替えの際のフイルム
切断に際して、切断開始時の極く短い時間はカッター１
０を低速側第１段速度で走行することにより、第５図に
例示する如く切断線のバイアス角度（α１）が鈍角とな
り、その後の切断はカッター１０を高速側第２段速度で
走行することによりバイアス角度（α２）が鋭角となる
。

従ってフイルム１の切断端は最初の切断部が走行方向に
稍々長い尖鋭片となっているので、この部分で空巻芯５
に対し確実に巻付けを行わせることができ、残りの切断
部が殆んど同時的に空巻芯５に接触しても、前記尖鋭片
によって巻付けが成されていることからたるみなどの不
都合な現象を全然生ぜしめなく、フイルム全中にわたっ
て安定した巻付けが果される。

なお、第１段速度で切断する領域はフイルム１の全中に
対してｌ／１０〜１／５程度あればよく、フイルム１の
走行速度と巾とによって決定されるが極く短い時間で第
２段速度に切り換えることによって所望の切断部が得ら
れる。

本発明は叙上の如く帯状物１を巻替えの際に切断刃１０
により横切断した後、空巻芯５に巻付かせる巻取機にお
いて、前記切断刃１０を空巻芯５上に、あるいは帯状物
１の走行方向を基準とじた空巻芯５よりも稍々下流位置
に横方向の往復動可能に配設して、２段速度が得られる
駆動装置により切断刃１０を往動せしめ、切断開始時に
は切断線のバイアス角度が鈍角となる第１段速度で、爾
後は該第１段速度に比して速く切断線のバイアス角度が
鋭角となる第２段速度で前記切断刃１０を往動し得る如
くしたから、第１段速度の下で切断した部分が空巻芯５
への巻付けに有効に働く一方、第２段速咋の下で切断し
た部分が帯状物１の長手方向の長さを可及的に短くする
上に有効に作用するので、綜合的にみて巻付けの確実さ
と、斜め切りによる製品ロス量の軽減とを併せてはかる
ことが可能となり、従来装置が有していた欠陥を排除し
て能率面、経済面の両面にわたってすぐれた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の１実施例に係る巻取機の略示正面
図、第２図は同じく略示左側面図、第３図は第１図にお
ける切断刃走行機構の動力伝導系統図、第４図は同じく
電気制御系統図、第５図は本発明装置によって得られた
帯状物切断部の略示平面図、第６図は従来の切断装置に
よって得られた帯状物切断部の略示平面図である。 １・・・・・・帯状物、５・・・・・・空巻芯、１０・
・・・・・切断刃。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 帯状物１を巻替えの際に巻取位置の空巻芯５に接触
   させた状態となして横移動する切断刃１０により空巻芯
   ５の近くで横切断した後、前記空巻芯５に巻付かせる巻
   取機において、前記切断刃Ｗを空巻芯５上に、あるいは
   帯状物１の走行方向を基準とした空巻芯５よりも稍々下
   流位置に横方向の往復動可能に配設して、２段速度が得
   られる駆動装置により切断刃１０を往動せしめ、切断開
   始時には切断線のバイアス角度が鈍角となる第１段速度
   で、爾後は該第１段速度に比して速く切断線のバイアス
   角度が鋭角となる第２段速度で前記切断刃１０を往動し
   得る如くしたことを特徴とする巻取機の帯状物切断装置
   。