JPS5839233B2 - 水中の鋼材表面の防食方法 - Google Patents
水中の鋼材表面の防食方法Info
- Publication number
- JPS5839233B2 JPS5839233B2 JP13267776A JP13267776A JPS5839233B2 JP S5839233 B2 JPS5839233 B2 JP S5839233B2 JP 13267776 A JP13267776 A JP 13267776A JP 13267776 A JP13267776 A JP 13267776A JP S5839233 B2 JPS5839233 B2 JP S5839233B2
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- Japan
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- water
- corrosion
- steel
- copper ions
- prevention method
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Description
【発明の詳細な説明】
この発明は水中の鋼材、とくに循環水系の鋼材に適用さ
れる防食方法に関し、さらに詳しくは、特定のホスホン
酸と銅イオンを水中に共存させて、鋼材の腐食を防止す
る方法に関する。
れる防食方法に関し、さらに詳しくは、特定のホスホン
酸と銅イオンを水中に共存させて、鋼材の腐食を防止す
る方法に関する。
用水を循環使用することは、冷却や洗浄操作を挙げるま
でもなく、大量の水を使用する工程に広く普及しており
、とくに、用水源の確保が困難化しかつ環境保全の必要
が強調される最近では、その重要性が高まっている。
でもなく、大量の水を使用する工程に広く普及しており
、とくに、用水源の確保が困難化しかつ環境保全の必要
が強調される最近では、その重要性が高まっている。
用水循環系は一般に貯水タンク、熱交換器、水処理機、
ポンプ、バルブ、配管類等で構成され、設備が大型化す
る例が多い。
ポンプ、バルブ、配管類等で構成され、設備が大型化す
る例が多い。
そして、その構成材料としては、安価で構造強度にすぐ
れる鋼材が、大量に使用されている。
れる鋼材が、大量に使用されている。
しかし、鋼材は周知の如く水中で腐食し易く、腐食によ
って設備が損傷するばかりか、発生した鉄錆がしばしば
用水を汚染し、水質を劣化させる(赤水等)。
って設備が損傷するばかりか、発生した鉄錆がしばしば
用水を汚染し、水質を劣化させる(赤水等)。
鋼の腐食の要因や条件は多種多様であるが、通常のpH
条件(pH4〜12)では、溶存酸素が腐食反応に主導
的な役割を果し、激しい腐食をもたらす。
条件(pH4〜12)では、溶存酸素が腐食反応に主導
的な役割を果し、激しい腐食をもたらす。
しかし、溶存酸素が不足した条件下でも腐食は起り、た
とえばある種の嫌気性微生物が鋼の腐食を起す多くの例
が知られている。
とえばある種の嫌気性微生物が鋼の腐食を起す多くの例
が知られている。
その場合は、とくに循環水系に必然的に水資劣化をもた
らし、有機質や無機質の蓄積によって、腐食条件は一層
厳しいものとなる。
らし、有機質や無機質の蓄積によって、腐食条件は一層
厳しいものとなる。
したがって循環水系の鋼材の防食は、きわめて重要な問
題である。
題である。
従来の防食方法としては、一部で物理的な脱酸方法が工
業化されているが、脱酸度に限界があり、かつ特殊な設
備を必要とするので、普遍的な防食方法とは言えない。
業化されているが、脱酸度に限界があり、かつ特殊な設
備を必要とするので、普遍的な防食方法とは言えない。
それより実用的な防食方法が少量の薬剤を水中に注入す
る方法、たとえばクロム酸塩、亜硝酸塩、モリブデン酸
塩、ポリりん酸塩、アミン類などを注入する方法である
。
る方法、たとえばクロム酸塩、亜硝酸塩、モリブデン酸
塩、ポリりん酸塩、アミン類などを注入する方法である
。
このうち、クロム酸塩や亜硝酸塩は安価な薬剤であり、
かつては広く使用されていたが、とくに有毒物質である
ので、最近では使用されなくなった。
かつては広く使用されていたが、とくに有毒物質である
ので、最近では使用されなくなった。
それに替って、現在では低毒性のポノりん酸塩やアミン
類が使用されているが、防食効果が必ずしも十分ではな
い。
類が使用されているが、防食効果が必ずしも十分ではな
い。
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、循環用
水系等の鋼材の防食を行なうに際し、低毒性で防食効果
にすぐれた薬剤を使用する実用的な防食方法を提供する
。
水系等の鋼材の防食を行なうに際し、低毒性で防食効果
にすぐれた薬剤を使用する実用的な防食方法を提供する
。
すなわちこの発明の防食方法は、水中に特定のホスホン
酸と銅イオンを溶存せしめ、かつ水のpHを4以上に保
持することを特徴とする。
酸と銅イオンを溶存せしめ、かつ水のpHを4以上に保
持することを特徴とする。
この発明において第1成分であるホスホン酸またはその
塩は、下記の一般式で示される。
塩は、下記の一般式で示される。
ただし上式において、Xは水素または炭素数1〜5のア
ルキル基、Yは水酸基か水素かまたは炭素数1〜5のア
ルキル基、Z1〜Z4は水素かアルカリ金属かまたはア
ンモニア基を示す。
ルキル基、Yは水酸基か水素かまたは炭素数1〜5のア
ルキル基、Z1〜Z4は水素かアルカリ金属かまたはア
ンモニア基を示す。
具体的な例を挙げると、たとえば1−ヒドロキシエタン
−1,1−2リン酸、1−ヒドロキシプロパン−1,1
−2リン酸、プロパン−1,1−2リン酸、およびこれ
らのナトリウム、カリウム、アンモニウム、リチウム、
の各項がある。
−1,1−2リン酸、1−ヒドロキシプロパン−1,1
−2リン酸、プロパン−1,1−2リン酸、およびこれ
らのナトリウム、カリウム、アンモニウム、リチウム、
の各項がある。
上記ホスホン酸は、鉄の強力なキレート化合物で鉄を安
定化して鉄錆の発生を防止できるものと推定され、その
効果は、10〜10.000ppmの範囲で実用的に発
揮される。
定化して鉄錆の発生を防止できるものと推定され、その
効果は、10〜10.000ppmの範囲で実用的に発
揮される。
しかし、ホスホン酸は上記のキレート化作用によって、
投入初期に鉄を溶解する欠点を有するが、この欠点は、
この発明において第2成分である銅イオンの共存によっ
て、有効に防止できる。
投入初期に鉄を溶解する欠点を有するが、この欠点は、
この発明において第2成分である銅イオンの共存によっ
て、有効に防止できる。
すなわち、銅イオンを0.5〜75ppm共存させると
、りん酸単独添加による鋼のキレート溶解を効果的に抑
制し、その点で防食作用を改善することができるのみな
らず、銅イオンは微生物の殺菌もしくは生長抑制作用を
有するので、微生物による鉄腐食に対しても、防食効果
を発揮できる。
、りん酸単独添加による鋼のキレート溶解を効果的に抑
制し、その点で防食作用を改善することができるのみな
らず、銅イオンは微生物の殺菌もしくは生長抑制作用を
有するので、微生物による鉄腐食に対しても、防食効果
を発揮できる。
このような効果をもたらす銅イオンの供給源としては、
たとえば硫酸銅、醋酸銅、硝酸銅など可溶性の銅塩が使
用される。
たとえば硫酸銅、醋酸銅、硝酸銅など可溶性の銅塩が使
用される。
ただし、銅イオンの水中濃度が0.5 p pm /l
ef、満たないときには、前記の防食効果を得ることは
できないし、また75ppmを越える添加は、銅イオン
単独添加時と同様銅が鋼材表面に析出し、形成される電
気化学的セルが銅の激しい腐食を引き起すので、不適当
である。
ef、満たないときには、前記の防食効果を得ることは
できないし、また75ppmを越える添加は、銅イオン
単独添加時と同様銅が鋼材表面に析出し、形成される電
気化学的セルが銅の激しい腐食を引き起すので、不適当
である。
この発明では上述した二物質のほかに、水のpH条件も
必須要件に含まれ、pH4以上に調整しなければならな
いが、これはpHが4を下回る酸性では、鉄が水素を発
生して、水に激しく溶解してしまうからである。
必須要件に含まれ、pH4以上に調整しなければならな
いが、これはpHが4を下回る酸性では、鉄が水素を発
生して、水に激しく溶解してしまうからである。
つぎに実施例を挙げて、この発明をさらに具体的に説明
する。
する。
実施例 1
脱脂処理した磨き鋼板(SS41)の鋼片(100X3
0X0.5朋)を、1−ヒドロキシエタン−1゜1−2
リン酸ナトリウムを11000pp含み、硫酸銅によっ
て各種銅濃度に調整され、かつ酸素の飽和した水溶液(
pH7,5〜8.5.50’C)の中に2日間浸漬して
、発錆状況を調べた。
0X0.5朋)を、1−ヒドロキシエタン−1゜1−2
リン酸ナトリウムを11000pp含み、硫酸銅によっ
て各種銅濃度に調整され、かつ酸素の飽和した水溶液(
pH7,5〜8.5.50’C)の中に2日間浸漬して
、発錆状況を調べた。
その結果を、鋼片の溶解量から求めた腐食量とともに、
表1に示す。
表1に示す。
表1の結果によれば、1−ヒドロキシエタン−i、i−
2リン酸ナトリウムの11000ppに加えて、純水中
に銅イオンが0.5 p pm以上共存すると、鉄の溶
解が激減し、とくに銅イオンが55−25pp共存する
と、実質的に鉄の溶解が無視できることが分る。
2リン酸ナトリウムの11000ppに加えて、純水中
に銅イオンが0.5 p pm以上共存すると、鉄の溶
解が激減し、とくに銅イオンが55−25pp共存する
と、実質的に鉄の溶解が無視できることが分る。
ただし、銅イオンが1100ppという過剰濃度では、
銅が鋼片表面に析出して赤錆が発生し、液も赤濁した。
銅が鋼片表面に析出して赤錆が発生し、液も赤濁した。
なお比較のため、純水中に鋼片を浸漬したところ、1時
間のうちは赤色の鉄錆の発生が認められ、2日後は液は
赤水となった。
間のうちは赤色の鉄錆の発生が認められ、2日後は液は
赤水となった。
鋼の腐食量は0.59 kg/cr# −Feてあった
。
。
実施例 2
実施例1と同様にして、純水に1−ヒドロキシプロパン
−1,1−2リン酸カリウム500ppmと銅イオン(
酢酸銅として)20ppmを添加した水溶液(pH8,
6,50°C)中に、鋼片を浸漬して腐食試験を行なっ
たところ、1週間後も錆の発生は全く認められなかった
。
−1,1−2リン酸カリウム500ppmと銅イオン(
酢酸銅として)20ppmを添加した水溶液(pH8,
6,50°C)中に、鋼片を浸漬して腐食試験を行なっ
たところ、1週間後も錆の発生は全く認められなかった
。
また鉄の溶解量も0.003■/crit−Feと微量
であつた。
であつた。
以上を要するに、この発明は水中の鋼材の防食方法にお
いて、適度のpH条件下で水中に特定のホスホン酸と銅
イオンとを適量溶存させることを特徴とするもので、従
来の薬剤注入法と異って低毒性の薬剤ですぐれた防食目
的を達成でき、しかも銅イオンの共存によって鋼のキレ
ート溶解や微生物の生長も抑制されるので、用水循環系
等の防食分野に重要な貢献をするものである。
いて、適度のpH条件下で水中に特定のホスホン酸と銅
イオンとを適量溶存させることを特徴とするもので、従
来の薬剤注入法と異って低毒性の薬剤ですぐれた防食目
的を達成でき、しかも銅イオンの共存によって鋼のキレ
ート溶解や微生物の生長も抑制されるので、用水循環系
等の防食分野に重要な貢献をするものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 水中の鋼材表面の発錆を防止する方法において、水
中に下記の一般式を有するホスホン酸10〜11000
0ppと、銅イオン0.5〜75ppm とを共存せし
め、且つ水のpHを4以上に保持することを特徴とする
水中の鋼材表面の防食方法。 ただし、上式においてXは水素または炭素数1〜5のア
ルキル基、Yは水酸基、水素または炭素数1〜5のアル
キル基、Z1〜Z4は水素、アルカリ金属またはアンモ
ニア基を示す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13267776A JPS5839233B2 (ja) | 1976-11-04 | 1976-11-04 | 水中の鋼材表面の防食方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13267776A JPS5839233B2 (ja) | 1976-11-04 | 1976-11-04 | 水中の鋼材表面の防食方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5357148A JPS5357148A (en) | 1978-05-24 |
JPS5839233B2 true JPS5839233B2 (ja) | 1983-08-29 |
Family
ID=15086914
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13267776A Expired JPS5839233B2 (ja) | 1976-11-04 | 1976-11-04 | 水中の鋼材表面の防食方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5839233B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3496286B2 (ja) * | 1994-09-05 | 2004-02-09 | 日本精工株式会社 | タペットローラ軸受 |
JP2017044281A (ja) | 2015-08-27 | 2017-03-02 | Ntn株式会社 | 保持器及び円すいころ軸受 |
US11781589B2 (en) | 2019-03-12 | 2023-10-10 | Ntn Corporation | Tapered roller bearing |
-
1976
- 1976-11-04 JP JP13267776A patent/JPS5839233B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5357148A (en) | 1978-05-24 |
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