JPS583824Y2 - デイ−ゼル機関用ブロツクの吊上用具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、比較的大型のディーゼル機関をブロックの
状態で吊り上げるための吊上用具に関する。

一般に、比較的大型のディーゼル機関を吊り上げんとす
る場合、クレーンの能力その他の理由により、機関全体
を一体物として吊り上げる場合と、複数個のブロックと
して吊り上げる場合とがある。

第１図釦よび第２図はふつうの大型ディーゼル機関の構
成を概略的に示すもので、１は合板ブロック、２は架構
ブロック、３はシリンダブロック、４はシリンダカバー
であり、５はタイロッドである。

ｂ板ブロック′１、架構ブロック２およびシリンダブロ
ック３は、タイロッド５によって強固に一体的に締めつ
けられる。

ごくふつうの吊上方法としては、タイロッド５を抜き取
り、合板ブロック１、架構ブロック２およびシリンダブ
ロック３をそれぞれ別個にクレーンを用いて吊り上げる
方法が取られるが、ディーゼル機関の大きさ、シリンダ
の数あるいはクレーンの能力などにより、さらにそれぞ
れのブロックを複数個に分割して吊り上げる場合もある
。

たとえば第２図に示す７シリンタテイ一ゼル機関におい
て、合板ブロック１を４シリンダ分と３シリンダ分とに
図中の破線位置で分割し、４シリンダ分の合板ブロック
１ａと３シリンダ分の合板ブロック１ｂとをそれぞれ別
個に吊り上げるなどの方法がとられる。

しかし、このように細分して吊り上げるときに使用する
クレーンの能力によってはなお余裕がある場合が生じ、
このようなときには当然にこれらのブロックを該クレー
ン能力の範囲内で適当にまとめて吊り上げることによっ
て吊上作業の能率を高める必要がある。

また、ディーゼル機関の設計構造の面から、あるいはク
レーン能力の関係でたとえば合板ブロック１と架構ブロ
ック２とを、できれば一体の関係で吊り上げたい場合が
ある。

この考案はこのような場合に適用して最大の効果を発揮
しうる吊上用具を提供することを目的としてなされたも
のである。

この考案にか＼る吊上用具の構成について実施例を示す
図面に基き具体的に説明する。

第３図ないし第５図において、８は吊上ボルトで、その
一端に吊上金具６をそなえる。

吊上ボルト８の他端には抜止手段としてのナツト７をね
じ込むように螺切加工が施されている。

９は梁で、対向配置された吊上金具６をたがいに連結し
、ブロックが吊り上げられたとき吊上金具６に生じる横
方向の押圧力を防ぐためのものである。

吊上金具６は、吊上ボルト８との連結手段の〒態様とし
てねじによる構成が示され、中央にねし孔を穿設し、吊
上ボルト８の一端のねじ部８ａを該ねじ孔にねじ込むこ
とによって連結される。

また吊上金具６は梁９を取りつける便宜上、角柱状に形
成され、その上部は二叉状に形成されてこの部分にワイ
ヤ懸吊用のボルト１１を挿通するための孔１０が穿設さ
れている。

１２はボルト１１の抜止用のビンである。上記の構成よ
りなる吊上用具を用いて、たとえば４シリンダ分の合板
ブロック１ａと４シリンダ分の架構ブロック２ａとを一
体的に吊り上げる要領を説明すると、第３図および第４
図において、４本の吊上ボルト８のそれぞれのねじ部８
ａに対して吊上金具６をねじ込み、これらをタイロッド
用孔のうちの適当な四個所を選んで上部から装入する。

つぎに４個の吊上金具６を４本の梁９によって矩形状に
互いに連結し、その後各吊上ボルト８の他端（図では下
端）のねじ部にナラ）７をねじ込み、吊上金具６との協
同によって合板ブロック１ａと架構ブロック２ａとを上
下の両面から強固に締め付ける。

つぎに吊上用ワイヤの先端の４個のメガネ部をボルト１
１によってそれぞれ挿通するようにボルト１１を孔１０
に貫通せしめることにより、該ワイヤを用いて当該ブロ
ックを一体的に吊り上げることができる。

この考案にか＼る吊上用具の最も重要な特長の一つは、
大型ディーゼル機関に欠かせない構成部品であるタイロ
ッドのための孔を利用するということにあり、そのため
任意のシリンダ数による分割、すなわち任意の縦割り分
割に対して応用が可能であることはもとより、合板ブロ
ック１、架構ブロック２ならびにシリンダブロック３の
各々による組合せ、すなわち各符号によって簡略表示す
れば（１＋２）、（２＋３）、（１＋２＋３）の横割り
分割に対しても、上記の縦割り分割と組合せて自由に最
適ブロックの選定が可能である。

したがって工場内外のクレーン能力ないしは海上クレー
ン能力の範囲内における最高能率の移送が実現される。

また、ディーゼル機関の設計構造の面から、上記横割り
分割の方式に対して制約を受ける場合、たとえば架構ブ
ロックと合板ブロックとの一体的吊上を必要とする場合
などにも、きわめて容易に該要求に応じることができる
とともに、本発明はタイロッド孔を利用して吊り上げる
ので、ブロックを単体で吊り上げることによって発生す
る変形および歪ろ最小限に防止することができるなど、
従来のこの種の吊上用具によっては期待できないすぐれ
た効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図はディーゼル機関の概略側面図、第２図は同じく
概略正面図、第３図は本案用具の使用要領を示す側面図
、第４図はその正面図、第５図は本案用具の解説的斜視
図である。 １ 、１ ａ 、 １ ｂ＝台板ブロック、２，２ａ。 ２ｂ・・・・・・架構ブロック、３・・・・・・シリン
ダブロック、４・・・・・・シリンダカバー、５・・・
・・・タイロッド、６・・・・・・吊上金具、７・・・
・・・ナツト、８・・・・・・吊上ボルト、８ａ・・・
・・・ねじ部、９・・・・・・梁、１０・・・・・・孔
、１１・・・・・・ボルト、１２・・・・・・ビン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ディーゼル機関のタイロッド用孔への装入が可能であっ
   てその一端に吊上金具６をそなえ他端に上記吊上金具６
   と協同してブロックを上下の両面から締めつけるための
   抜止手段をそなえる複数個の吊上ボルト８と、対向配置
   された吊上金具６をたがいに連結するための梁９とをそ
   なえることを特徴とするディーゼル機関用ブロックの吊
   上用具。