JPS583752B2 - トソウホウホウ - Google Patents

トソウホウホウ

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JPS583752B2
JPS583752B2 JP10341574A JP10341574A JPS583752B2 JP S583752 B2 JPS583752 B2 JP S583752B2 JP 10341574 A JP10341574 A JP 10341574A JP 10341574 A JP10341574 A JP 10341574A JP S583752 B2 JPS583752 B2 JP S583752B2
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meth
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powder
acrylate
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成瀬尚彦
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Toagosei Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はラジカル重合性液状化合物を基体に下塗りし、
未硬化状態の塗面に合成樹脂粉末を上塗りし、一段で焼
付ける塗装方法に関するものである。
近年塗装の無公害化が要請され、これに適合するものと
して水系塗料、粉体塗料、液状無溶媒塗料等が各方面で
検討されている。
これらの塗料は大気汚染の原因となる有機溶剤を含んで
いないため公害問題が大きく改善されているが、塗膜物
性、塗装方法等に関しては必ずしも充分満足できる性能
が得られていない。
特に複雑な形状の基体に塗装する場合に、塗料のタレや
未塗装あるいは不完全塗装部分がない良好な塗膜を得る
ことが困難である。
まず水系塗料には水溶性塗料、電着塗料、エマルジョン
塗料があり、これら塗料は大気汚染が少なくかつ難燃性
であるが、塗膜性能が従来の溶剤型焼付塗料より劣り、
複雑な形状の基体への塗装時の塗料のたれ、膜厚の不均
一、水または溶剤の蒸発によるピンホールやワキ等の発
生を伴う傾向がある。
又加熱縮合型塗料のあるものでは、ホルマリンの如き有
害ガスを生じることもあり、廃ガス対策が必要となる。
つぎに、粉体塗料は静電塗装法または流動浸漬法で塗装
されるが、静電塗装法の場合には放電による引火の危険
性がある他、基体の鋭角な突起部分では、付着不良を起
こす。
また複雑な形状の基体への塗装が困難であるのと同様に
、容器内面の如きスプレー塗装のできない面へは塗装で
きない。
一方流動浸漬法の場合には比較的複雑な形状の基体にも
適用でき、鋭角な突起部分の付着性も比較的良好である
が、細い溝状の表面を持つ基体では溝状蔀の入口付近で
粉体が融着して内部まで塗装できないし、容器内面への
塗装では粉体の付着量にむらができるため均一な膜厚の
塗膜を得にくい欠点がある。
またつぎに、液状の無溶媒塗料としては不飽和結合を有
するプレポリマー或はオリゴマーを主成分とするラジカ
ル重合型塗料があり、塗膜物性と塗装作業性のバランス
をとるために、揮発性モノマーが配合されていることが
多い。
この種の塗料は、平板のような形状を持つ基体の塗装に
適しており、常温付近で電子線照射や紫外線照射等の手
段により塗膜の硬化を行う場合は有用な塗料であるが、
形状複雑な基体では均一な塗膜を得難く、照射の影とな
る部分の硬化が不充分となる。
一方硬化手段さして加熱硬化を採用する場合にあっては
、硬化反応が起こる前に塗料の著しい粘度低下が生じる
ため、塗料のたれ現象を伴い均一な塗膜が得られない。
又同時に、揮発性モノマーが配合されていると、その蒸
発による悪臭公害の発生に加えて、塗膜物性の低下など
も認められる。
本発明者らは塗装技術の分野における上記の諸問題を解
決するため種々検討した結果、高沸点のラジカル重合性
液状不飽和化合物からなる熱硬化性液状組成物を下塗り
に用い、それが未硬化の状態で塗面に合成樹脂粉末から
なる粉末状組成物を上塗りするという二段塗装を施した
後、加熱焼付けすることにより、塗料のたれが事実上な
く塗膜物性が良好で、悪臭の発生を懸念する必要もなく
、無溶媒液状塗料や粉体塗料のそれぞれを単独で用いる
従来の技術では塗装困難とされていた、複雑な形状を有
する基体を均一に塗装できることを見出した。
本発明方法の詳細は後述するが、本発明によれば下塗り
に使用される液状組成物は本質的に無溶媒型であるので
大気汚染上の問題がなく、また上塗り時の粉末状組成物
の塗布に際して静電塗装法を適用する必要がないため、
引火の危険性も伴わない。
さらに本発明によれば、平面や凹凸面の塗装はもちろん
のこと、従来の塗装法では塗装できないかまたは塗装が
非常に困難であった、口径の小さな長尺管内面や複雑な
形状を持つタンクその他の容器類の内面などをも、塗料
のたれがなくかつ均一な膜厚で塗装することが可能であ
る。
さらにまた、粉体塗料では塗面にいわゆるユズハダが出
るのに対して、本発明方法によると合成樹脂粉末が下塗
りされている熱硬化性液状組成物に一部溶解するため、
平滑で美麗な塗装面を得ることが可能である。
本発明で下塗りに使用される熱硬化性液状組成物は、分
子中に少なくとも2個のラジカル重合可能なエチレン性
不飽和基を有し常圧における沸点が200℃以上のラジ
カル重合性液状化合物(以下難揮発性液状不飽和化合物
という)と、その重合硬化触媒とからなる。
本発明における熱硬化性液状組成物の機能は、塗装され
るべき基体表面への上塗り用合成樹脂粉末組成物の付着
保持と、以後行われる加熱焼付け工程で重合硬化して、
合成樹脂粉末による形成皮膜と合体して塗膜の一部を形
成することにある。
難揮発性液状不飽和化合物としては沸点(於常圧。
以下同じ。)ができるだけ高い化合物が好ましい。
200℃以上の沸点を有するラジカル重合性の化合物で
あれば、加熱時に重量減少が認められるとしてもそれは
僅かであって実用上は問題とならず、焼付だ際に良好な
塗膜を得ることができる。
これに反して、沸点が200℃より低い化合物を用いた
場合は焼付時に蒸発し、悪臭を発生したり、また上塗り
塗膜と基体との間に気泡が残り、塗膜が浮き上がるとと
もに密着不良の原因となる。
特に望ましい難揮発性液状不飽和化合物は、焼付け温度
以上の沸点を持つものであるが、これは必要不可決の要
因でない。
仮に沸点が焼付け温度より低くても、基体が焼付け温度
に達するまでには実操業上数分かかるため、難揮発性液
状不飽和化合物は基体の昇温時間中にゲル化し始め、実
質上沸騰しなくなるに至る。
一方、分子中に1個のラジカル重合可能なエチレン性不
飽和基を持つラジカル重合性液状化合物は多数あるが、
工業的使用に適したものは沸点が低く、またこのモノビ
ニル化合物は焼付けた場合の重合によって線状ポリマー
を与えるのみであるため、塗膜物性が良好にならない。
さらに線状ポリマーは焼付け温度において溶融し、塗膜
のたれの原因となることがある。
下塗り組成物に期待される機能のうち、合成樹脂粉末か
らなる粉末状組成物の付着保持機能だけを取り上げると
、不揮発性ないし難揮発性の液状物質であれば足りるこ
とになるが、ラジカル重合性を有しない物質たとえば可
塑剤などを使用すると、それは焼付後も液状で上塗り塗
膜と基体との間に存在するため、塗膜の密着性不良の原
因となるとともに、一部は塗膜中に吸収され上塗り塗膜
を軟化する。
またラッカータイプの塗料、エマルジョン型塗料、水溶
性塗料等を下塗りとして使用した場合は、比較例に一例
を示すごとく、上塗り塗膜が浮き上がったり密着性不良
となる。
つぎに本発明で下塗りに使用される熱硬化性液状組成物
の構成々分として用いられる難揮発性液状不飽和化合物
の例を示す。
それらの沸点はいずれも200℃以上である。
実際問題としてこれらの化合物は、常圧において沸点に
達するまでにゲル化が開始するため、常圧での沸点は存
在しないといえる。
また以下に例示する難揮発性液状不飽和化合物の中のあ
るものは、単一化合物でなくて種々の化合物からなる反
応生成物であるが、この種の技術分野における報文や特
許明細書などにおいては、原料の種類および仕込みモル
比などから生成物の平均的な化学式を想定し、これをも
って混合物である反応生成物を表現上単一化合物として
示すことが一般に行われており(たとえば特開昭48−
66679号公報)、本明細書における難揮発性液状不
飽和化合物もこれらの通例にならって表示されている。
なお以下においては、アクリレートとメタクリレートを
(メタ)アクリレートと、アクリル酸とメタクリル酸を
(メタ)アクリル酸と総称する。
(1)多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート:多
価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル化反応生
成物で、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコ一ルジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジ(メタ)アクリレート、■,3ーブタン
ジオールジ(メタ)アクリレート、ト,リメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、グリセントリ(メタ
)アクリレート、ペンクエリスリトールトリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレートなどがある。
(2)多塩基酸と多価アルコールのポリエステルポリオ
ールのポリ(メタ)アクリレート; 多塩基酸と多価アルコールと(メタ)アクリル酸の共エ
ステル化反応生成物で、合成方法および合成原料などに
関する詳細は、特公昭48−36956号公報、特開昭
48−66679号公報、特開昭48−96515号公
報その他に示されている。
これに属する化合物としては、例えばフタル酸とエチレ
ングリコールのポリエステルポリオールのジ(メタ)ア
クリレート、フタル酸とジエチレングリコールのポリエ
ステルポリオールのジ(メタ)アクリレート、テトラヒ
ドロフタル酸とジエチレングリコールのポリエステルポ
リオールのジ(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタ
ル酸とジエチレングリコールのポリエステルポリオール
のジ(メタ)アクリレート、コハク酸とジエチレングリ
コールのポリエステルポリオールのジ(メタ)アクリレ
ート、マレイン酸とジエチレングリコールのポリエステ
ルポリオールのジ(メタ)アクリレート、フタル酸とト
リメチロールプロパンとのポリエステルポリオールのポ
リ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル酸とトリ
メチロールプロパンとのポリエステルポリオールのポリ
(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸とトリメ
チロールプロパンとのポリエステルポリオールのポリ(
メタ)アクリレート、フタル酸とグリセリンとのポリエ
ステルポリオールのポリ(メタ)アクリレート、テトラ
ヒドロフタル酸とグリセリンとのポリエステルポリオー
ルのポリ(メタ)アクリレート、フタル酸とペンタエリ
スリトールとのポリエステルポリオールのポリ(メタ)
アクリレート、テトラヒドロフタル酸とペンタエリスリ
トールとのポリエステリポリオールのポリ(メタ)アク
リレートなどがある。
(3)エポキシプレポリマーの(メタ)アクリル酸付加
物: エポキシプレポリマーのエポキシ基と(メタ)アクリル
酸のカルボキシル基とを付加反応させて得られる反応生
成物で、合成原料であるエポキシプレポリマーとしては
多数のものを使用でき、例えば「工業材料、18・5、
P11(1970)」に記載されているもののいずれを
も使用できる。
これに属する化合物には、例えばビスフェノールAジグ
リシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、脂環族
エポキシプレポリマーの(メタ)アクリル酸付加物、エ
ポキシ化ポリプタジエンの(メタ)アクリル酸付加物、
グリセリンジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸
付加物などがある。
(4)多価イソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリ
レートとの付加物; 多価イソシアネートのインシアネート基と(メタ)アク
リレートの水酸基とを付加反応させて得られる反応生成
物で、合成原料である多価インシアネートとしては、例
えば「化学工業社刊:反応別実用触媒、P933(昭和
45年)」に記載されているものなどを全て使用でき、
また水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート等が使用できる。
これに属する化合物には、例えばリジンジイソシアネー
トとヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの付加物
、トリレンジイソシアネートとヒドロキシエチル(メタ
)アクリレートとの付加物、キシリレンジイソシアネー
トとヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの付加物
などがある。
(5)アリルアルコールと多塩基酸とのエステル;これ
に属する化合物としては、例えばジアリルフタレート、
ジアリルイソフタレート、ジアリルマレエート、ジアリ
ルイソシアヌレートその他がある。
以上に例示した難揮発性液状不飽和化合物は、単独での
みならず2種以上混合して使用することもてきる。
上記の例示化合物の中でも、粘度が低く塗装作業性が良
いこと、高沸点であるので焼付時の重量減少がほとんど
ないこと及び得られた塗膜の物性が良いことから、ポリ
エステルポリオールのポリ(メタ)アクリレートまたは
ポリエステルポリオールのポリ(メタ)アクリレートと
多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートとの混合物
が特に好適に使用される。
熱硬化性液状組成物に対しては、分子中に少なくとも2
個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する固体状の化
合物を、難揮発性液状不飽和化合物に溶解して配合併用
することも可能である。
使用できるこの種の化合物としては、例えば(A)側鎖
に2重結合を持つビニル系ポリマー;(B)メラミンあ
るいはメチロール化メラミンとヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートとの縮合生成物: (C)ポリアミド系プレポリマーと(メタ)アクリル酸
との縮合生成物; (D)油変性アルキツド樹脂; (E)油変性アミノアルキッド樹脂; (F)ジアリルフタレートプレポリマー;などがあげら
れる。
更に塗膜物性の改良あるいは用途などに応じて、前記難
揮発性液状不飽和化合物に一般的には最大90重量%、
好ましくは70重量%、更に好ましくは50重量%まで
の範囲で、1種または2種以上の各種物質を均一に溶解
して配合しあるいは不均一混合物として配合することが
できる。
配合できる物質としてはポリスチレン、ポリ(メタ)ア
クリレート、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、セルロ
ースなどの合成および天然のポリマー、コポリマー、ゴ
ム類;ジオクチルフタレート、大豆油などの可塑剤、油
類:増粘剤:ガラス、酸化チタン、シリカ、バライト、
炭酸カルシウムなどの顔料や無機充填剤その他がある。
また(メタ)アクリル酸あるいはそのアルキルエステル
、スチレン、アクリロニトリルなどのごとき、分子中に
1個のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する
モノビニル系七ノマーも、本発明の特長を維持できる範
囲内で配合することができる。
難揮発性液状不飽和化合物の重合硬化触媒として熱硬化
性液状組成物に配合されるべき触媒には有機過酸化物ま
たはアゾ化合物が好適に用いられる。
例えば有機過酸化物にはメチルエチルケトンパーオキサ
イド、ペンゾイルパーオキサイド、タメンハイドロパー
オキサイド、t−プチルパーオキシベンゾエート等のご
とき日本油脂株式会社「有機過酸化物」カタログ第4版
に記載されている有機過酸化物があり、それらは全て使
用可能である。
またアゾ化合物の代表例はアゾピスイソブチロニトリル
である。
これらの重合硬化触媒は単独であるいは2種以上の混合
物として使用される。
重合硬化触媒の使用量は下塗り塗料中の難揮発性液状不
飽和化合物100重量部に対して好ましくは0.1〜1
0重量部、更に好ましくは0.1〜5重量部の範囲が適
当である。
つぎに、本発明において上塗りに用いられる合成樹脂粉
末からなる粉末状組成物につき説明すると、いわゆる粉
体塗料と称され知られているものが適しており、それは
熱硬化型合成樹脂粉末組成物と熱可塑型合成樹脂粉末組
成物とに大別される。
熱硬化型合成樹脂粉末組成物の例としては;■ ビスフ
ェノールAグリシジルエーテル型や脂環式エポキシ樹脂
と硬化剤とよりなるエポキシ樹脂粉末組成物、 ■ 官能基を持つアクリル系重合体例えば(メタ)アク
リル酸エステル、(メタ)アクリル酸のグリシジルエス
テル及びその他の共重合性モノマーよりなるアクリル系
重合体と、脂肪族飽和二塩基酸よりなるアクリル樹脂粉
末組成物、■ 末端にカルボキシル基を含有するポリエ
ステル系縮合体と、グリシジルエーテル基を有するイン
シアヌレートよりなるポリエステル樹脂粉末組成物、 ■,末端にヒドロキシル基を含有するポリエステル系縮
合体と、ε−カプロラクタムやフェノールなどでブロツ
クされたブロック型インシアネートよりなるポリウレタ
ン樹脂粉末組成物などがある。
これらはいずれも180℃の温度で5〜・40分焼付け
ると硬化が充分進み、表面性良好でかつ強じんな塗膜を
生成するが、150〜250℃の任意の温度で使用する
こともできる。
一方、熱可塑型合成樹脂粉末組成物としては:■ 塩化
ビニル樹脂粉末組成物、 ■ ポリエチレン樹脂粉末組成物、 ■ ポリプロピレン樹脂粉末組成物、 ■ エチレン/酢ビ樹脂粉末組成物、 ■ ナイロン樹脂粉末組成物 などがある。
これらはいずれも充分溶融して平滑な塗膜を生成する様
な温度で焼付けられ、一般には150〜250℃の任意
の焼付け温度で使用することができる。
さて、本発明における熱硬化性液状組成物は、一般に利
用されている塗装方法でもって基体に塗布することがで
きる。
例えばスプレー塗装、ハケ塗り塗装、ロールコーター塗
装、フローコーター塗装、浸漬塗装などが利用できる。
つぎに上塗り用の合成樹脂粉末からなる粉末状組成物は
、先に塗布した熱硬化性液状組成物が未硬化の状態にお
いて塗布される。
こゝで下塗りされた液状組成物はその使用目的から明ら
かなように粉末状組成物の塗布時に液状であれば良く、
従って本発明でいう未硬化状態とはまったく硬化されて
いない状態のみならず、液状を保つ範囲において部分的
に硬化されている場合をも包含する。
上塗り用の合成樹脂粉末からなる粉末状組成物の塗装方
法としてはスプレー塗装、流動層を形成させ浸漬する塗
装法がある他、タンクや長尺管の内面の塗装には過剰の
粉末状組成物をタンク内又は長尺管内に入れ、タンク又
は長尺管を回転することにより内面に粉末状組成物を付
着せしめ、付着しなかった余分の粉末を排出する塗装方
法も利用できる。
加熱焼付けの方法としては熱風加熱、赤外線加熱、遠赤
外線加熱など各種加熱方法を採用できる。
加熱温度は少なくとも難揮発性液状不飽和化合物が重合
を開始する温度および合成樹脂粉末が焼付けられる温度
以上である必要があり、一般には150℃以上250℃
以下で加熱され得るが、更に好ましくは150℃以上2
00℃以下の範囲が適当である。
下塗り用の熱硬化性液状組成物に対する上塗り用の粉末
状組成物の仕着塗布量の比率は、重量比で通常1:2〜
4となる。
塗布量は要求される塗膜の膜厚に応じて異なるが、下塗
り用液状組成物の塗布量(厚さ)で一般に5〜50μで
あり、さらに望ましくは10〜30μとすることが塗膜
の物性上適している。
なお、本発明で使用される下塗り用液状組成物と上塗り
用粉末状組成物とを、本発明のごとく二段塗装手段によ
らないで、事前に混合して被覆用組成物を調整し、これ
を一段塗装して加熱焼付けする塗装方法も検討の対象と
したが、このような方法では塗料のたれの問題は解決で
きるとしても、被覆用組成物の粘度が著しく高くなるた
め、取り扱いおよび塗装時の作業性が極端に低下し、実
用的な塗装方法にはまったく不適当であった。
以下に実施例及び比較例を示すが、それに先立って、各
例で使用した難揮発性液状不飽和化合物の合成例を参考
例として記す。
参考例 1 特開昭48−66679号公報記載の参考例1の例A1
に従って、無水テトラヒド口フクル酸1モル、トリメチ
ロールプロパン2モル及びアクリル酸4モルを共エステ
ル化して、ポリエステルポリオールのポリアクリレート
を得た。
参考例 2 特開昭48−66679号公報記載の参考例1の例A4
2に従って、無水フタル酸1モル、ジエチレングリコー
ル2モル及びアクリル酸2モルを共エステル化して、ポ
リエステルジオールのジアクリレートを得た。
参考例 3 特開昭48−66679号公報記載の参考例1の例A2
3におけるアクリル酸をメタクリル酸に変え、その他は
同様にして、無水テトラヒドロフタル酸1モル、ジエチ
レングリコール2モル及びメタクリル酸2モルを共エス
テル化して、ポリエステルポリオールのジメタクリレー
トを得た。
参考例 4 エピコート828(シェル化学社)381に塩化コリン
1.Og及びハイドロキノン0.5gを加え、アクリル
酸144gを80〜90℃で滴下ロ一トより60分で滴
下し、その後80〜90℃で6時間反応させて、エポキ
シプレポリマーのアクリル酸付加物を得た。
実施例 1 脱脂した冷間圧延鋼板に、下記組成の熱硬化性液状組成
物Aを膜厚20μになるようにスプレー塗装し、これを
硬化させることなく直ちに流動状態にあるエポキシ系粉
体塗料中に浸漬して粉体塗料を付着させた。
このものの塗布量(厚さ)は50μであった。
続いて180℃の熱風オープン中で、上記の塗板を垂直
にたてて20分間加熱し焼付けた。
熱硬化性液状組成物Aの組成: 参考例1のポリエステルポリオール のポリアクリレート 50重量部ジエチレ
ングリコールジメタクリレ ート 50重量部ペンゾ
イルパーオキシド 1重量部得られた塗装板
は膜厚70μで塗料のたれがなく、良好な表面状態を示
した。
塗膜の物性の一部を示す。
実施例 2〜6 実施例1と同様に、脱脂した冷間圧延鋼板に対し、熱硬
化性液状組成物として実施例1と同じ液状組成物Aまた
は下記組成の液状組成Bを塗布した後、下表に示す各種
の粉体塗料を付着せしめ加熱硬化した。
各組成物の塗布量(厚さ)も実施例1と同じにした。
熱硬化性液状組成物Bの組成: 参考例2のポリエステルポリオール のジアクリレート 100重量部ペンゾ
イルパーオキシド 1重量部結果を下表に示
す。
実施例 7 口径50朋φの出入口を持つ直径2001Elの鋼板製
球型タンクに、実施例1と同じ熱硬化性液状組成物(5
)を約1l注ぎこみ、タンクを回転させて、タンク内面
を一様に濡らしてから、余分の液状組成物を排出した。
ついでエポキシ系粉体塗料を約1l注ぎこみタンクを回
転させて粉体塗料がタンク内面に一様に付着するようタ
ンクを回転させてから未付着の粉体塗料を排出した。
続いてタンクを180℃の熱風オーブン中で静置状態に
おいて20分間加熱し焼付けた。
焼付け終了後タンクを切って内部をしらべたところ、塗
料のたれはなく良好な塗膜面が得られた塗膜の厚みを測
定したところ、全ての部分の膜厚が60μから80μの
間にはいり、ほぼ均一な塗膜が得られた。
実施例8比較例1 実施例1と同様にして、熱硬化性液状組成物A)及びエ
ポキシ系粉体塗料を塗布し、180℃の熱風オーブン中
で所定時間塗板を垂直に立てその後水平に置いて合計2
0分間焼付けし塗料のたれの程度を測定した(実施例8
)。
垂直に立てて焼付けた時間と膜厚との関係を図1に示す
塗料は実質的にたれなかった。
また資料として熱硬化性液状組成物(A)のみを用いた
以外は全く同様にして、塗料のだれの程度を測定した(
比較例1)。
垂直に立てて焼付けた時間と、垂直に立てたときの塗板
の上端から1cm下の部分における膜厚との関係を示す
と第1図のとおりであり、本発明方法(実施例8)によ
ると塗料のたれが事実上認められないのに対して、それ
以外の方法(比較例1)では最初の2分間で塗料がほと
んどたれてしまっている。
実施例 9〜10 実施例1と同様に、脱脂した冷間圧延鋼板に対し、熱硬
化性液状組成物として下記の組成物(C)または(D)
を塗布した後粉末状組成物を付着せしめて加熱焼付けた
熱硬化性液状組成物(C)の組成: 参考例3のポリエステルポリオール のジメタクリレート 100重量部ペンゾイ
ルパーオキシド 1重量部熱硬化性液状組成
物(D)の組成: 参考例4のエポキシプレポリマーの アクリル酸付加物 50重量部ジエチレ
ングルコールジメタクリレ ート 50重量部ペンゾ
イルパーオキシド 1重量部比較例 2 熱硬化性液状組成物(A)をアクリル系ラッカー塗料に
変えたほかは実施例1と同様に塗装した。
得られた塗板は塗装面に気泡が多く入っており、塗膜の
密着性は不良であった。
比較例 3 実施例7と同様な球型タンクを150℃に温めた後、出
入口からエポキシ系粉体塗料を約1l注ぎこみ、タンク
を回転させた。
過剰の粉体塗料までもタンク内で溶融し、互に付着しあ
ってとりだすことはまったくできなかった。
そこでそのまま180℃で20分間焼付けた後タンクを
切って内部をしらべたところ、膜厚に大きなむらが生じ
ており、しかも一部塗料の付着してない部分があった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法およびその他の方法による各塗装板
の、加熱焼付け時間と塗料のたれの関係を示すグラフで
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 分子中に少なくとも2個のラジカル重合可能なエチ
    レン性不飽和基を有し常圧における沸点が200℃以上
    のラジカル重合性液状化合物とその重合硬化触媒からな
    る熱硬化性液状組成物を基体に塗布し、ついで未硬化状
    態にある塗面に合成樹脂粉末からなる粉末状組成物を付
    着させることにより塗布し、しかる後加熱して液状組成
    物の硬化と粉末状組成物の焼付けを行うことを特徴とす
    る塗装方法。
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