JPS5837190Y2 - 電気−機械音響変換器用エッジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電気−機械音響変換器用エツジに関し、さら
に詳しくは、スピーカに適した共振周波数モードを複数
にした電気−機械音響変換器用エツジに関する。

電気−機械音響変換器として代表的なスピーカに用いら
れるエツジは、振動板の外周縁をスピーカフレームに取
付けるためのもので、かつ、振動板のピストン運動を制
約しないようにして取付けるものでなくてはならない。

さらには、できるだけ、コーン内を伝わる音波がエツジ
で反射することのないものである必要がある。

このような要望点を満足させるエツジとしてワイヤによ
るサスペションを構成するワイヤエツジがあって、この
ワイヤエツジはよくドーム型振動板のサスペションに用
いられるもので、接線方向に沿って位置するベリリウム
銅のワイヤでドーム型振動板の周囲を支えたものがある
。

このワイヤサスペションを変形したエツジにインナーリ
ングとアウターリングを備えていて、両リング間が複数
本の支持アームで連結され、全体が薄板の打抜き、ある
いは、エツチング加工で成形されたものがある。

このエツジは、振動板のピストン運動を支持アームに与
えられた材質的、形状的弾性で許容しておりとくに、イ
ンナーリングとの連結部分は幅狭の寸法になっていて、
支持アームのもつ剛性が振動板のピストン運動の妨げに
なるのを極力防いでいる。

ところが、このエツジはインナーリングとアウターリン
グを連結する支持アームがどれも同一形状、同一弾性で
あって、そのために、共振周波数が単一モード、その周
波数においては大きなピークを生じる。

この状態を周波数特性線（第１図）で観察すると、２０
００Ｈｚ付近でピーク、ディップ（１部）が生じ、さら
には、二次高調波の発生も認められ、２０００ Ｈｚ付
近では極端な二次高調波のピークが発生し、ほかに、三
次、三次の高調波の発生が認められる。

そこで、この考案は振動板を支持するエツジの共振モー
ドを複数にすることにより、ピーク、テ゛イツプを分散
させ全体としてフラットな周波数特性が得られるように
しようとするもので、そのために、インナーリングとア
ウターリングの連結部材である支持アームを弾性上数種
にし、周方向数種、少なくとも２種の支持アームで均一
な支持力で支持するように構成したことを特徴とするも
のである。

次に、この考案の詳細を添付した第２図以下の図面に沿
って説明する。

先ず、第２図はエツジの平面図で、符号１は振動側に固
定されるインナーリングで幅寸法は可能な限り細くして
あり、このインナーリング１と同心にアウターリング２
があって、インナーリング１とアウターリング２とは、
支持アーム３，４により互に連結されている。

これら支持アーム３，４は、ともにアウターリング２の
内側から、はぼインナーリング１の接線方向的な方向（
正確には、インナーリング１と接しないので接線方向で
はない）に沿って延設され、アウターリング２側の基部
３ａ、４ａは幅も広く、漸次細くなっており、先端部３
ｂ、４ｂはほぼＳ型に曲げられて前記インナーリング１
と一体になっている。

とくに、支持アーム３，４は互に長さが異なり支持アー
ム３は支持アーム４に比較して、その長さが短かく、言
換えると、支持アーム３，４をカンチレバーとすれば、
長さが長い分だけ弾力性に富み柔軟であり、短い分だけ
剛性が高いということができる。

したがって、剛い支持アーム３と柔い支持アーム４が、
それぞれ、インナー、アウターの両リングの周方向に沿
って交互に等配されている。

この考案のエツジによれば、エツジの共振モードが、支
持アーム３と、支持アーム４に相当する２モードとなり
、局部的なピーク、テ゛イツプを生じることがない。

この状態を第３図に示す周波数特性図で観ると第１図の
ようなピーク、テ゛イツプは発生しておらず、二次、三
次、五次の各高調波の発生も小さいことが明らかで゛あ
る。

なお、以上の実施例では、支持アームの弾性率、言換え
ると、剛柔２種のものを９０°間隔に配置したものを挙
げたが、支持アームの剛さを３種にして剛、中、柔の支
持アームをそれぞれ１２０°間隔に配列したものであっ
てもよい。

これによればエツジの共振モードが３種になるので、前
記実施例よりさらにフラットな周波数特性が得られる。

以上の説明から明らかなように、この考案の電気−機械
音響変換器用のエツジはインナーリングと、アウターリ
ングとを連結する支持アームの剛さを、少なくとも２種
、あるいは、それ以上にしたから共振モードが複数とな
り、局部的な周波数でピーク、ディップを生じることが
なく、フラットな周波数特性が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスピーカ用エツジの周波数特性を示す図
、第２図はこの考案による電気−機械音響変換器用エツ
ジの平面図、第３図は同スピーカに用いた場合の周波数
特性を示す図である。 １・・・・・・インナーリング、２・・・・・・アウタ
ーリング、３゜４・・・・・・支持アーム、３ ａ 、
４ ａ・・・・・・基部、３ ｂ 、４ ｂ・・・・・
・先端部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インナーリングとアウターリングとを備えるスピーカ用
   エツジにおいて、インナーリングとアウターリングを連
   結する複数本の支持アームが周方向に配置されていて、
   支持アームは少なくても２種類の剛さのものからなり、
   互に異った剛さの支持アームが隣合い、かつ、規則的に
   配列され、周方向にバランスされていることを特徴とす
   る電気機械音響変換器用エツジ。