JPS5837122B2 - 遠心力コンクリ−ト管の製造方法

Info

【発明の詳細な説明】本発明は遠心カコンクリート管の製造方法に関するもの
である。

従来、遠心カコンクリート管は、横置きして低速に回転
する型枠内にコンクリートを投入し、コンクリート層を
均一な厚さにしたのち、高速回転によってコンクリート
を締固め成形していた。

このとき、コンクリートは遠心力の作用によって材料の
分離が生じ、第１図のように粒子の重い骨材は管壁外層
１に移動して管壁内層には粒子の軽イセメントなどの微
粒子によるペースト層２が形成される。

分離したペースト層２は締固めに要する時間が長く、該
層２は乾燥による収縮量力状きいことからひびわれが発
生し易く、管体強度の低下要因となるなどの欠点がある
。

また、とくにソケットの立上り部において上記ひびゎれ
が発生したり、気泡が生じたりすると、パッキングの効
果に支障を来たし甚だ好ましくない。

本発明は上記欠点を解消するべくなされたもので、横置
きして低速に回転する型枠内に、所定厚のセメントモル
タル層を形威し、該モルタル層が固まらないうちに粗骨
材を投入して、コンクリート管壁を形成するようにした
遠心カコンクリート管の製造方法を提供することを目的
とする。

以下図面を参照しながら本発明を説明する。

第２図は本発明にかかる製造方法による遠心カコンクリ
ート管の一部断面図で、３は粗骨材、４は粗骨材の空隙
に充填されたモルタルである。

図示のように粗骨材３がコンクリート管壁内に一様に分
布し、好ましいコンクリート層が形成されている。

本発明の製造方法はまず、横置きして低速（５Ｇ〜１０
Ｇ）に回転する型枠内に、所定量のセメントモルタルを
投入してモルタル層を形威し、次いで、低速または中速
（１５Ｇ〜２０Ｇ）に保ちながら所定量の粗骨材を投入
し、投入が終了したのちに高速（３０Ｇ〜５０Ｑ）にて
一定時間保持する。

本発明の方法において、セメントモルタル量は、粗骨材
（通常直径１０〜２５ｍｍ）の空隙率を必要かつ十分に
満たす量であって、かつコンクリート管壁内面の仕上げ
が平滑にできる量である。

即ちモルタル量が多すぎるとペーストが生成して好まし
くなく、少なすぎると粗骨材が管壁内面に露出してしま
うおそれがあるからである。

このようにして管周内面から管外壁に至るまで一様な粗
骨材の分布を有するコンクリート管壁を構戒することが
できる。

実施例供試管寸法内径３５０ｍｍ、厚さ５０ｍｍ、長さ３００
ｍｍのものについて、第１表の時間配分で遠心力或形を
行なった。

使用したモルタルは下記のごとくであり、粗骨材（直径
１０〜２５ｍｍ）１９３０ｋｇ／ｄを投入した
。

モルタルの組成結果として、管内周面から管外壁に至るまで、一様な粗
骨材の分布を有するコンクリート管壁が構或された。

また上記第１表に示したように、本発明にかかる遠心カ
コンクリート管の製造方法ではペースト層が分離しない
ので従来方法による所要時間（１２分）に比して締め固
めに要する時間が短かい。

なお、上記マイテイー１５０１マイテイーＦＤは減水剤
として用いており、さらに、添加材として無機質系の微
粉末またはカルシウムスルフオアルミネート系の膨張材
を用いることもできる。

本発明をソケット管に適用した場合、投入された粗骨材
によってセメントモルタルが押し出されるので気泡が抜
け、ソケット部内面が極めて平滑となり、従来あった不
都合は生じない。

本発明にかかる遠心カコンクリート管の製造方法は分離
ペースト層を生じることがなく、管体の或形時間を短縮
し、ひびわれ発生による管体強度の低下要因をなくシ、
特にソケット付遠心カコンクリート管におけるソケット
部内面が平滑に戒形できるなど甚だ好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の製造方法による遠心カコンクリート管の
一部断面図、第２図は本発明にかかる製造方法による遠
心カコンクリート管の一部断面図である。

【特許請求の範囲】