JPS5836377Y2 - 衣服用プレツサ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ズボンやスカートなどの衣服をプレスする
衣服用プレツサーに関する。

従来、この種のプレツサーとしては、ヒンジを介して開
閉自在に連結された上下２枚の扁平プレート間に衣服を
挾んで締付け、一方のプレートに内装したヒーターによ
ってその衣服の全体を加熱しながらプレスするものが知
られている。

各扁平プレートの内面にはスポンジの如き弾性材からな
るクッション部材が付設されており、これによって厚さ
の異なる衣服の各部をできるだけ均一に押圧するように
工夫されている。

ところが、これでは衣服の分厚い部分と薄い部分とでは
押圧力が大きく相違し、薄い部分では折り目が明瞭に着
かず、しかもとれない。

そのため、ズボンを例に採ると、裾の折返し部やポケッ
トなど分厚い部分を除外してプレスし、それらの部分は
後にアイロン掛けなどを施こすようにするほかなく、そ
れが使用上の大きな欠点となっている。

また、扁平プレートは通常、木材合板から成形されてい
るため、精密な平面が得られず、しかも両扁平プレート
を締付けたとき、これらプレートはその締付は力によっ
てヒンジと締付は具との間で撓曲変形するため両プレー
ト間に隙間が生じ、そのため衣服全体に均一な押圧力を
加えることができないため、補助手段として一方の扁平
プレートにヒーターを内装する必要があり、それだけ大
幅なコスト高を招いていた。

この考案は、かかる従来の欠点を一掃すべく提案された
ものであり、衣服の厚さの相違する各部分ともに均等な
圧力を付与し得るようにし、これによって各部の厚さが
相違する衣服を完壁にプレスできるものを提供すること
を目的とし、その特徴とするところは、上下の扁平プレ
ートの間に、空気などの流体が密封された柔軟材からな
る密閉袋を介在させたことにある。

以下、その具体例を図面にしたがって説明する。

第１図ないし第４図はこの考案に係る衣服用プレツサー
を例示しており、図中１は上側扁平プレート、２は下側
扁平プレートである。

これら扁平プレート１，２はそれぞれ木材合板からなり
、同一形状の矩形平板に形成されており、後側辺どうし
が２対の蝶番（連結手段）３によって開閉自在に連結さ
れている。

上側扁平プレート１の前端左右には、一対の締付は具（
締付は手段）４が揺動可能に枢着されており、この締付
は具４は上下の扁平プレート１，２を閉合したときに下
側扁平プレート２の外面の前端左右に掛合される。

上側扁平プレート１の内面には、該扁平プレート１とほ
ぼ同大の密閉袋５が不離一体に付設されている。

この密閉袋５は気密性を有する布地または合成樹脂シー
トなどの柔軟材からなる扁平な直方体状に形成され、内
部には適当気圧に設定された空気が密封されている。

６はその空気を注入する密栓付き注入口であって、これ
は密閉袋５の左側部に付設されている。

以上のようにした本案衣服用プレツサーの使用に際七て
は、まず開いた状態の下側扁平プレート２の内面上に衣
服ａを折り目を揃えて載置したのち、上側扁平プレート
１を重ね合わせて左右の締付は具４を下側扁平プレート
２の外面に掛合し、そのまま閉合状態を維持しておきさ
えすれば、所望の折り目が得られ、衣服ａのしわを完全
に押ばすことができるに至ったものである。

すなわち、上側扁平プレート１を閉合したとき、衣服ａ
は下側扁平プレート２の密閉袋５の扁平底面５ａとに強
く挟圧される。

このとき、密閉袋５の扁平底面５ａは第４図に示すよう
に、衣服ａの厚さの異なる各部分に沿って変形接当し、
衣服ａの各部分に対して同一の押圧力を付与する。

つまり、上下の扁平プレート１，２から密閉袋５に加え
られた締付は圧は密閉袋内の空気を圧縮し、その空気圧
を高める。

その圧縮空気圧は密閉袋５の表面各部に均等圧を付与す
る。

したがって、密閉袋５の扁平底面５ｂに沿接した衣服ａ
の各部分は同一の押圧力でプレスされるのである。

とくに上下の扁平プレート１，２は木材合板からなって
硬直性を有するため、この上側扁平プレート１は密閉袋
５これ全体を一様な強い力で押圧することができるとと
もに、密閉袋５の扁平プレート１，２に対面する外方向
への膨出変形が抑止され、従って締付圧は損失すること
なく衣服全体にプレス圧として有効に加えられ、衣服ａ
のプレス効果を高めることになる。

なお、上記実施例では密閉袋５を上側扁平プレート１に
付設したが、このほか、密閉袋５を下側扁平プレート２
に付設したもの、密閉袋５を一対用意し、上下両扁平プ
レート１，２ともに付設したもの、あるいは密閉袋５を
使用時にのみ衣服ａと上下いずれかの扁平プレートとの
間に介在させるものであってもよい。

また、密閉袋５に密封された空気に替えて、不燃性の気
体や水などの液体にしてもよいことは云うまでもない。

以上説明したように、この考案によれば、上下２枚の硬
直性を有する扁平プレート１，２の間に流体が密封され
た柔軟材からなる扁平な密閉袋５を介在させ、衣服ａの
少なくとも一側面を該密閉袋５に接当する状態でプレス
するようにした。

したがって、上下の扁平プレート１，２から付与された
プレス圧は密閉袋内の流体によっていずれの方向へも均
等に配分され、さらに密閉袋５が衣服ａの厚さの異なる
各部分に沿接するから、衣服ａは各部分全体にわたって
均等な押圧力でプレスされ、たとえばズボンの裾折返し
部やスカートのひだ部などのように段差のある部分のし
わ伸ばしも完全にでき、折り目もむらなく美しく仕上げ
ることができるうえ、衣服ａに加わるプレス圧に全ぐむ
らが生じないので衣服ａを加熱するヒーターなどの補助
装備も省略できることになり、簡単な構成で安価に製造
できるなど実用上の効果大なるものがある。

とくに、この考案においては密閉袋５を圧締する上下平
行な扁平プレート１，２を硬直性を有するものとして該
扁平プレート１，２間で密閉袋５を圧締したとき、密閉
袋５が扁平プレート１，２に対面する外方向へ膨出変形
するのを抑止するものとしであるので、扁平プレート１
，２に加えられる締付圧の損失はほとんどなくその大部
分を衣服ａに有効に伝達せしめて衣服ａのプレツサー効
果を大にならしめる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る衣服用プレツサーの斜視図、第
２図はその平面図、第３図はその側面図、第４図は第２
図におけるＡ−Ａ線断面図である。 １・・・・・・上側扁平プレート、２・・・・・・下側
扁平プレート、３・・・・・・連結手段（蝶番）、４・
・・・・・締付は手段（締付は具）、５・・・・・・密
閉袋、ａ・・・・・・衣服。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）上下２枚の硬直性を有する扁平プレート１，２と
   、両扁平プレート１，２の一側辺どうしを開閉自在に連
   結する手段３と、両扁平プレート１，２の間に衣服ａを
   挾んでこれを挟圧維持する締付は手段４とを備え、両扁
   平プレート１，２の間に、流体が密封された柔軟材から
   なる扁平な密閉袋５を介在させた衣服用プレツサー。
2. （２）扁平プレート１，２が木材合板で構成されている
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の衣服用プレツサー
   。