JPS5836061Y2 - 双曲線航法受信機における誤測定検出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 双曲線電波航法は、周知のように、異なる地点に配置さ
れた送信局からの受信信号の到達時間差あるいは位相差
を、２対の送信局について測定して自船の位置を知る。

例えば、オメガ航法の場合、各送信局は同周波の超低周
波信号を時分割時に交互に送信し、航行体はこの時分割
信号を受信してその位相差測定から自船位置を知る。

そのため、オメガ受信機においては、一般に、送信局か
ら断続的に到来するオメガ信号に同期した連続波を各送
信局毎に別個に生成して、各同期波間の位相差測定を行
なうようになされている。

オメガ受信機は、各局オメガ信号に同期した同期波（連
続波）の位相差測定を行なうから、測定される位相差は
同期波の１周期変化する毎に同じ位相差が測定される。

この位相差の変化は、航行体が移動したときだけでなく
、オメガ信号と同期波との同期関係が変化した場合にも
生じる。

例えば、同期波とオメガ信号の位相関係が、雑音等によ
ってオメガ信号の１周期だけ変化した場合、オメガ受信
機は、航行体がオメガ信号の半波長相当距離、すなわち
ル−ン移動したような位相差表示を行なう。

このような誤測定は通常レーンスリップと言われる。

又、ロラン航法の場合は、各送信局から到達するロラン
パルスの到達時間差を測定する。

この時間差測定は、通常、各局ロランパルスを受信機内
で生成したペデスタル信号の各々に同期させ、そしてペ
デスタル信号間の時間差測定が行なわれる。

特にロランＣ受信機においては、ロランパルスの搬送波
の特定波にペデスタル信号を同期させるいわゆるサイク
ルマツチングが行なわれる。

サイクルマツチングは、通常、ロランＣ信号の３サイク
ル目位置に対して行なわれる。

しかし、ペデスタルの同期は、３サイクル目位置だけで
なく、２サイクル目あるいは４サイクル目に対しても可
能である。

従って、ロラン受信機は、ペデスタルの同期が、雑音等
によって２サイクル目あるいは４サイクル目位置に変化
した場合、ペデスタル間の時間差はロランＣ搬送波の１
周期だけ変化する。

従って、ロラン受信機は、航行体があたかもロランＣ搬
送波の１周期移動したような表示を行なう。

このような、ロラン受信機の誤測定は、サイクルスリッ
プと言われる。

この考案は、上記のようなレーンスリップ、あるいは、
サイクルスリップが生じたときは、これを報知して測定
位置の誤測定を防止しようとするものである。

以下この考案をオメガ受信機に実施した場合について説
明する。

図において、１は受信機で各送信局から到来するオメガ
信号を受信する。

２は比較回路で受信器１が受信した特定局のオメガ信号
と同期波生成回路３が生成した同期波との位相比較を行
なう。

同期波生成回路３は、例えばオメガ信号と同周期の連続
波を生成する。

比較回路２は、この同期波がオメガ信号に特定の位相関
係、例えば、同相に同期するように同期波の位相制御を
行なう。

同様にして、比較回路４は同期波生成回路５から送出さ
れる同期波を、受信器１が受信した他局のオメガ信号に
同期させる。

従って、同期波生成回路３及び５からは、受信器１が受
信した一対の送信局信号に同期した同期波が送出される
。

なお、実際には、上記と同様にして、他の一対の局信号
に同期した同期波が生成されるがこれについては省略す
る。

同期波生成回路３及び５から送出される同期波は位相差
測定器６へ送出される。

位相差測定器６は、上記同期波間の位相差を測定して、
測した位相差を、例えば、ディジタル数値で送出する。

測定された位相差は、航行体位置に相当し、航行体が移
動するにつれて位相差も変化する。

又、前記のように、レーンスリップが生じた場合にも位
相差は変化する。

位相差ｍ１Ｊｆｆｌ器６の測定値は記憶回路７及び減算
回路８へ送出される。

記憶回路７は測定された位相差を記憶するもので、記憶
数値はタイマー回路９によって一定時間毎に更新される
。

記憶数値を更新する時間間隔は、航行体移動速度に対応
する位相差変化量を考慮して適当時間に設定すればよい
。

記憶回路Ｉの記憶数値は減算回路８へ送出される。

減算回路８は、記憶数値と位相差測定器６の測定値との
差を演算する。

従って、減算回路８は、測定される位相差の一定時間毎
の変化量を演算する。

減算回路８の減算結果は比較回路１０へ送出され、設定
回路１１の設定数値との比較が行なわれる。

設定回路１１は、上記記憶数値が更新される一定時間に
、航行体が移動する速度のうち、航行体がこれ以上の速
度では移動し得ない最大速度を設定する。

そして、設定回路１１は、設定速度に対応する位相差変
化量を表わす数値を送出する。

比較回路１０は、減算回路８の減算数値、すなわち、位
相差測定器６の測定値の変化量が設定回路１１の設定数
値より大きいかどうかを比較する。

位相差測定器の測定位相差は、航行体の移動速度に対応
して変化するとき、設定回路１１から送出される数値よ
り小さい。

ところが前記のようにレーンスリップによって位相差が
変化するときは位相差は上記設定値を越えて変化する。

比較回路１０は、レーンスリップのように測定位相差が
設定値より大きく変化した場合出力を送出して警報回路
１２を作動させる。

以上のように、この考案によると、レーンスリップが生
じたときは、それを報知するようになされているから、
航行体位置の誤測定を防止することができる。

なお、上記は一対のオメガ信号の位相差測定におけるレ
ーンスリップの検出について説明したが、オメガ受信機
においては２対の位相差測定が行なわれるから、他の一
対のレーンスリップについても同様に検出することがで
きる。

又、上記実施例は、オメガ受信機の場合について説明し
たが、ロランＣ受信機のサイクルスリップの検出も同様
に検出することができる。

すなわち、ロランＣ受信機に実施する場合は、同期波生
成回路３及び５で生成したペデスタル信号を受信器１で
受信したロランＣ信号に同期させた後、位相差測定回路
７において時間差測定を行なえばよいＯ

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、図において、１は受信器、
２は比較回路、３は同期波生成回路、４は比較回路、５
は同期波生成回路、６は位相差測定回路、７は記憶回路
、８は減算回路、９はタイマー、１０は比較回路、１１
は設定回路、１２は警報回路を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 異なる送信局から到来する少なくとも一対の航法信号を
   受信して、該一対の受信信号の搬送波に特定の位相関係
   を崩して同期する同期波をそれぞれ生成して、該生成さ
   れた各同期波間に生じる時間差あるいは位相差に基ずい
   て航行体位置を測定する双曲線航法受信機において、上
   記時間差あるいは位相差の一定時間毎の変化量を演算す
   る回路と、該演算された変化量に相当する航行体移動量
   が上記一定時間内に移動し得る航行体の最大移動量を越
   えるとき警報を発する警報回路とを具備してなる双曲線
   航法受信機における誤測定検出装置。