JPS5835986Y2 - 冷蔵オ−プンシヨ−ケ−ス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は冷蔵オープンショーケースの冷却系の効率向
上に関するもので、さらに詳しくは空気流の循環経路内
に複数の冷却器を直列に配設し、上流側冷却器に於て、
該循環経路内の空気を除湿冷却し、水分を水滴として除
去し、該空気の絶対湿度を低下させ、次に下流側冷却器
に於て更に低温度まで冷却する冷蔵オープンショーケー
ス冷却系の改良に関する。

言うまでもなく通常の冷蔵オープンショーケース冷却系
の作動状態における該冷却系内の冷却器の表面温度は０
℃以下となるため、空気中の水分が霜となってフィン表
面に多量に付着する。

霜が付着するとフィン間の空気の自由通過領域が狭めら
れるため風量が減少し、冷却能力が低下する。

又着霜によってフィンと空気間の熱抵抗が増大し、冷却
能力が尚低下する。

着霜は時間と共に積層するため冷却系を一定時間運転し
た後、除霜を行なわなければならない。

しかしながら除霜を行なうと冷蔵物の温度が上昇するば
かりではなく、除霜のためにエネルギーを多量に消費す
るという欠点がある。

又着霜によって冷却器部の熱流束が前述のように変化す
るため、十分な加熱度を与えられていない冷媒、甚だし
い場合は液状の冷媒が、間欠的に若しくは連続的に圧縮
機吸入ラインに流入し、冷蔵オープンショーケース冷却
系に悪影響を与え、高効率運転を妨げ、最悪の場合には
該冷却系の圧縮機の破損事故を招来することがある。

このため従来この様な圧縮機の事故防止、又は冷却系の
安定運転を行なうために冷却系の制御を行なう必要があ
った。

制御の代表的な方法としては冷却器出口の加熱度をある
範囲内で一定とするものがある。

この方法では主に温度式の自動膨張弁を使用する。

これは冷却器出口付近の冷媒の温度圧力を検出し、膨張
弁の開度を調節する装置である。

しかしこの方法を採用する場合種々の欠点がある。

（１）自動膨張弁が高価であること。

（２）冷却器出口の冷媒の加熱度を過大に設定する必要
があるため冷却器が大型化する。

（３）液溜が必要となり、冷媒の充填量が増大する。

この考案は以上の様な欠点に艦みなされたもので、下流
側冷却器においては該冷却器の人口空気温度が低く、又
冷却器温度も低いため該冷却器は常に着霜状態で運転さ
れ、このため前述のように時間の経過と共に該冷却器部
での熱流束は減少するが、上流側冷却器においては常に
空気中の水分を水滴として除去するため着霜することは
なく水滴は常に落下して、前記冷却器の熱流束は一定で
ある点に着目したものである。

以下この考案の詳細を図によって説明する。

１は上流側冷却器と連通ずる圧縮器、２は凝縮器、３は
毛細管、４は凝縮器用送風器、５は上流側冷却器である
。

６は下流側冷却器と連通ずる圧縮器、７は凝縮器、８は
液溜、９は膨張弁、１０は凝縮器用送風器、１１は下流
側冷却器である。

１２は上流側冷却器５と下流側冷却器を含金する冷風通
過ダクトである。

前述したように冷却器５は常に略零度に保たれ、空気中
の水分は常に水滴として除去され、着霜することはなく
水滴は常に落下して、着霜時の様に、風量が減少したり
又熱抵抗が増大することなく、冷却器５と空気の熱流束
は常に一定である。

言いかえれば、冷却器５における冷媒の圧力の変動はほ
とんどないと見做して良い。

そうなると若し膨張弁を使用したとしても、該弁の開度
を制御する必要はなくなる。

このような場合には膨張弁を使用しないでもそれと同一
の圧力差の下で所要の冷媒を通すような抵抗管で良いこ
とは自明の理であり、３の如き毛細管で良いことは明白
で゛ある。

毛細管の利点は種々考えられるが、主たるものを列挙す
る。

（１）安価であること。

（２）液溜が不要で冷媒の充填量が少なくて済むこと。

（３）圧縮機停止時、高圧側と低圧側のバランスが素速
く行なわれ、起動時の圧縮機電動機の負荷が低減できる
こと。

（起動トルクの少さな電動機で良い。

）等々多くの利点が考えられ、より安価なショーケース
を提供することができるのである。

又前述したように上流側冷却器５では常に空気中の水分
を水滴として付着させ、自由落下させているが、この水
滴が毛細管に付着させるように、つまり、水滴の落下位
置に毛細管を配設すれば冷却システムをより高効率化で
きる。

第２図、第３図によって動作を説明する。

３は毛細管で５の上流側冷却器を含む冷媒サイクルの膨
張機構で、１１は下流側冷却器である。

前述した様に上流側冷却器５には流入空気中の水分が常
に水滴として付着し、常時重力で下方に落下している毛
細管３は常に前記低温の落下水滴があたるように上流側
冷却器５の下部に配設されている。

そのため毛細管３は水滴によって冷却されるから、該毛
細管５内で膨張する冷媒は通常の等エンタルピ膨張では
なくエンタルプを減少させながら膨張するため、冷却器
の放冷能力が大きくなる。

又毛細管３内冷媒は冷却されることによって、フラッシ
ュガス化が抑制され、そのため毛細管３での冷媒の流速
が減少しく質量流量は同一でも）、該毛細管３部を通過
する冷媒の圧力損失が少なくなくなるため、蒸発圧力の
異常低下等の現象がなくなり、安定運転が計れるもので
ある。

以上述べてきたように、この考案は、本体ケース内に形
成された空気流の循環風路内に、異なる蒸発温度で冷媒
が蒸発される２つの独立した冷却器を直列に配設し、こ
の２つの冷却器は、それぞれ圧筋器、凝縮器、膨張手段
等からなる冷凍ユニットを持ち、蒸発温度の高い側の冷
却器を、設定温度を略零度にして、蒸発温度が低い側の
冷却器よりも、上記循環風路内の上流側に配設したので
、蒸発温度が高い側の膨張手段として毛細管を使用する
ことにより、安価な冷蔵オープンショーケースを提供で
きる。

この考案では、上記毛細管を蒸発温度が高い側の冷却器
に付着したドレンが滴下する位置に配設したことにより
、蒸発温度が高い側の冷却器を含む冷凍ユニットの高効
率化と安定運転とができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す冷媒系統図、第２図
、第３図はこの一実施例の要部構造を示す正面図と側面
図である。 なお、図中 １，６は圧縮器、２，７は凝縮器、３は毛
細管、４，１０は送風器、５は上流側冷却器、８は液溜
、９は膨張弁、１１は下流側冷却器、１２は風路である
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体ケース内に形成された空気流の循環風路内に、異な
   る蒸発温度で冷媒が蒸発される２つの独立した冷却器を
   直列に配設し、この２つの冷却器は、それぞれ圧縮器、
   凝縮器、膨張手段等からなる独立した冷凍ユニットを持
   ち、蒸発温度の高い側の冷却器は、設定温度を略零度に
   して、蒸発温度が低い側の冷却器よりも、上記循環風路
   内の上流側に配設し、蒸発温度が高い側の冷却器を含む
   冷凍ユニットの凝縮器、冷却器と連通ずる膨張手段であ
   る毛細管を、蒸発温度が高い側の冷却器に付着したドレ
   ンが滴下する位置に配設したことを特徴とする冷蔵オー
   プンショーケース。