JPS5835640Y2 - 鋼材加熱炉のスキツドボタン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、鋼材の加熱炉に設けられたスキッドにおけ
るスキッドボタンに関するもので、鋼材を加熱炉に装入
し加熱するに際し、被加熱鋼材に、スキッドとの接触に
よるスキッドマークが発生しないスキッドボタンを得る
ことを目的とする。

従来、ウオーキングビーム加熱炉等の如き連続式鋼材加
熱炉においては、炉中に装入された被加熱鋼材を保持す
るために、スキッドが設けられている。

このスキッドには、一般に金属パイプが用いられ、炉中
の高温に耐えるために、パイプ中を水冷しており、スキ
ッドパイプと称されている。

そして、このスキッドパイプ上には、直接被加熱鋼材に
接し、これを保持するためのスキッドボタンが設けられ
ている。

第１図および第２図は、従来のスキッドボタンの一例で
、各国のイは正面図、各図の口はイ図のＡＡ線断面図で
ある。

第１図の従来例では、水冷のスキッドパイプ１の上面に
、耐熱合金のスキッドボタン２が直接溶接により固着さ
れている。

また、第２図の従来例では、水冷スキッドパイプ１の上
面に、金属のスキッドボタンサドル３が溶接等により固
着され、前記スキッドボタンサドル３に、耐熱合金のス
キッドボタン４が嵌着されている。

上記した構造の従来一般に用いられているスキッドボタ
ンは、いずれもすべて金属材料で構成されているため、
前記水冷スキッドパイプ１中を通る冷却水により、スキ
ッドパイプと共に冷却される。

したがって、被加熱鋼材は、前記スキッドボタンと接す
る部分が冷却される結果、その接触部分にいわゆるスキ
ッドマークが発生する欠点があった。

上記問題を解決するため、最近スキッドボタンと水冷ス
キッドパイプとの間に耐火物を入れることにより、スキ
ッドボタンに、スキッドパイプの冷却が伝わらない様に
したものが開発されている。

この構造によれば、スキッドボタンは水冷されないため
、スキッドマークが発生することはないが、スキッドボ
タンは高温となるため、その耐用性が悪くなるという欠
点が生じ、一般に用いられるにはいたっていない。

この考案は、上述した従来のスキッドボタンのもつ欠点
を除去し、スキツドマータを発生せしめることなく、シ
かも耐用度の高いスキッドボタンを提供するもので、耐
高温高強度のセラミック製スキッドボタンを使用し、ス
キッドパイプに取付けた受は金物と前記スキッドボタン
の間に断熱効果のある耐火煉瓦を重ね合わせた点に特徴
を有するものである。

次に、この考案を実施例により図面と共に説明する。

第３図には、この考案のスキッドボタンが正面図により
、第４図には第３図Ａ−Ａ線断面により示されている。

図面において、５は耐高温、高強度の性質を有するセラ
ミック製スキッドボタン本体、６は断熱性能を有する耐
火煉瓦、７は前記スキッドボタン本体５および耐火煉瓦
６を、スキッドレール１に取付ける受は金物で、受は金
物７は、スキッドパイプ１の周方向に沿う両端部に、突
起９，９′を有しており、その底面をスキッドパイプ１
の上面に当接させて、前記スキッドパイプ１に溶接等に
より固着されている。

受は金物７の上面には、耐火煉瓦６を介して、セラミッ
ク製のスキッドボタン本体５が、突起９，９′により挟
持された状態で装着されている。

前記スキッドボタン本体５と耐火煉瓦６、および耐火煉
瓦６と受は金物７との間に、それぞれセラミックファイ
バーペーパー８を挾むと、スキッドボタン本体５にかか
る荷重を均一に耐火煉瓦６に作用させることができ、ス
キッドボタン本体５の損傷を防止する上において効果的
である。

第５図および第６図は、この考案のスキッドボタンの他
の実施例で、第５図は正面図、第６図は第５図ＢＢ線断
面図である。

この実施例においては、スキッドパイプ１に取付けられ
る受は金物７′が上面を開放とした箱状に形成され、そ
の前後壁面１０．１０’により受は金物７′内に嵌装さ
れたスキッドボタン本体５および耐火煉瓦６が、パイプ
１の管軸方向に移動することを防止している。

前記スキッドボタン本体５の材質としては、耐高温、高
強度のセラミック、例えば、ＳｉＣまたはＳｉ３Ｎ４を
９０％以上含有するか、あるいはＳｉ３Ｎ４とＡｌ２Ｏ
３からなり、Ｓｉ３Ｎ４を２５％以上含有し、１０００
℃で５ｋｇ／ｍｍ２以上の曲げ強度を有するセラミック
を使用する。

また、断熱性を有する耐火煉瓦６としては、熱伝導率２
ＫＣａ１／ｍ−ｈ・℃以下（室温）で室温圧縮強度２ｋ
ｇ／ｍｍ２以上を持つものであればよく、一般の耐火煉
瓦を使用することが出来る。

以上詳述したように、この考案のセラミックボタンによ
れば、スキツドマータの発生はなく、従来のごとく、加
熱炉出口において、スキッドマーク除去のために加熱を
するという余分のエネルギーの必要がなくなり、省エネ
ルギーの効果が大であるばかりでなく、スキッドボタン
の耐熱性が良好なためその寿命も長く、構造上から、ス
キッドボタンの脱落も少なく、取替も容易であるという
優れた効果を示すものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来のスキッドボタンを示す説明
図、第３図はこの考案のスキッドボタンの一例を示す正
面図、第４図は第３図Ａ−Ａ線断面図、第５図はこの考
案のスキッドボタンの他の実施例を示す正面図、第６図
は第５図Ｂ−Ｂ線断面図である。 図面において、１・・・・・・スキッドパイプ、３・・
・・・・従来の受は金物、２，４・・・・・・従来のス
キッドボタン、５・・・・・・この考案のスキッドボタ
ン本体、６・・・・・・耐火煉瓦、７．７′・・・・・
・受は金物、８・・・・・・セラミックファイバーペー
パー、９．９’・・・・・・受は金物の凸起部、１０．
１０’・・・・・・壁面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鋼材加熱炉のスキッドパイプ上に固着された受は金物と
   、前記受は金物上に、耐火物を介して装着されたセラミ
   ック製のスキッドボタン本体とからなることを特徴とす
   る鋼材加熱炉のスキッドボタン。