JPS5834761B2 - ひずみ測定装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ホイートストンブリッジ回路を使用したひず
み測定装置のホイートストンブリッジ回路の内外部に発
生する熱起電力やひずみ測定装置のブリッジ電源のドリ
フト電圧の影響を除去するとともに、ひずみ量のレンジ
切換えを容易にしたひずみ測定装置に関するものである
。

従来、ホイートストンブリッジ回路（以下単にブリッジ
回路と称す）を用いたひずみ測定装置において求めるひ
ずみ量に比例した不平衡電圧以外に、そのブリッジ回路
の内外部の接続部分において、熱起電力が発生すると測
定系に加算されることになり、正確を測定値を得ること
ができなかった。

この対策として、たとえばブリッジ回路を励振するブリ
ッジ電源の極性を切り換え、各々測定した測定値を減算
し、恥に除算することにより熱起電力を除去するひずみ
測定装置や、はじめブリッジ回路の励振電圧を印加して
おいて測定し、次に励振電圧を遮断した状態で再度測定
し、前記測定値から減算することにより、各々熱起電力
を除去するひずみ測定装置が知られている。

第１図はひずみゲ′−ジを用いたブリッジ回路図であっ
て、ひずみゲージの抵抗Ｒとして励振電圧（基準電圧）
Ｅを印加すると、ひずみ量εに比例したひずみゲージの
抵抗Ｒの変化が生じて、不平衡電圧ｅが得られ、（１）
式の様になる。

ただし、Ｋ５：ひずみゲージのゲージ率 実際には測定系にいろんな誤差の要因が発生し加算され
るので、（１）式の様にならない。

その具体的な例を以下に示す。

第２図は従来からあるブリッジ回路の励振電圧の極性を
切り換えるひずみ測定装置のブロック図であって、ブリ
ッジ回路を励振するためのブリッジ電源１があり、その
内部は基準電圧Ｅと、バッファアンプ２と、バッファア
ンプ２や回路上で発生する不用な電圧（すなわち等価的
にはドリフト電圧）ＪＥとから構成され、これを極性切
換スイッチ３を介し、ブリッジ回路４に供給している。

ブリッジ回路４からの出力は、ブリッジ回路４の内外部
の接続部分等から発生する熱起電力ｅ１が加算され電圧
計５に入力し、その測定値を一時メモリ６に記憶してお
き、別に記憶した測定値と演算器７で演算して表示器８
にひずみ量を表示できる様になっており、その制御を制
御回路９が行っている。

はじめに極性切換スイッチ３をａ側に切り換えてブリッ
ジ回路４を励振すると、その出力は、ひ＊＊ずみ量に比
例した不平衡電圧ｅ１が得られ、（２）式％式％ 次に極性切換スイッチをｂ側に切り換えてブリッジ回路
を励振すると、その出力はひずみ量に比例した不平衡電
圧ｅ２が得られ、（３）式の様になる。

上記（２） 、 （３）式で示した値を電圧計で測定し
、各各側定値としてメモリに記憶しておき、演算器で測
定値ｅ１からｅ２を減算し、１／２ニ除算した値ｅ′は
（４）式の様になる。

第３図は従来からあるブリッジ回路の励振電圧を遮断す
るひずみ測定装置のブロック図であって、第２図の極性
切換スイッチをｂ側に切り換えたとき、ブリッジ回路を
励振するのを遮断する様にした遮断スイッチ３′が異な
るほかは、すべて第２図と同様である。

遮断スイッチ３′をａ側に切り換えて、ブリッジ回路を
励振すると、その出力はひずみ量に比例した不平衡電圧
ｅ３が得られ、（５）式の様になる。

次に遮断スイッチ３′をｂ側に切り換えて、すなわちブ
リッジ回路は励振せず、電圧計に入力される値をｅ４と
すると、（６）式の様になる。

上記（５） 、 （６）式で示した値を電圧計で測定し
、各各側定値としてメモリに記憶しておき、演算器で測
定値ｅ３からｅ４を減算した値ｅ“は、（７）式の様に
なる。

ブリッジ回路の励振電圧の極性を切り換えるひずみ測定
装置やブリッジ回路の励振電圧を遮断するひずみ測定装
置においては、各々次の様な欠点があった。

１） （５） 、 （７）式に示す様に熱起電力ｅ１は
除去できても、ドリフト電圧ＪＥを除去することができ
ない。

１１）極性切換スイッチまたは遮断スイッチは、ドリフ
ト電圧が少なく、内部抵抗が小さく、かつ電流容量の大
きい素子が必要となり、回路も複雑で高価となる。

１１１）過大ひずみに対しひずみ量のレンジ切換えが必
要となり、電圧計の前に抵抗減衰器を設けるか、もしく
はブリッジ電源の基準電圧を下げる回路が別途必要とな
る。

本発明は、これらの欠点を解決するため、ブリッジ回路
の励振電圧を可変させて各々測定し、その値から演算す
ることにより、ブリッジ回路の内外部に発生する熱起電
力やドリフト電圧を除去し、かつひずみ量のレンジ切り
換えを容易にしたものである。

以下図面により本発明の詳細な説明する。第４図は本発
明の一実施例のブ吊ツク図であって、ブリッジ回路を励
振するためのブリッジ電源１′があり、その内部は、基
準電圧Ｅａ、Ｅｂ、Ｅ。

（基準電圧Ｅｂ、Ｅｏは、基準電圧Ｅａを各々抵抗等で
分割してもよい）と、電圧切換スイッチ３“と、バッフ
ァアンプ２と、バッファアンプ２や回路上で発生する不
用な電圧すなわち等何曲にはドリフト電圧ＡＥとから構
成されており、これをブリッジ回路に供給されているほ
かは、第２図と同様である。

はじめに電圧切換スイッチ３“をｂ側（基準電圧Ｅｂ）
に切り換えてブリッジ回路を励振すると、その出力はひ
ずみ量に比例した不平衡電圧ｅ５が得られ、（８）式の
様になる。

次に電圧切換スイッチ３“をＣ側（基準電圧Ｅｏ）に切
り換えると、同様に不平衡電圧ｅ６が得られ、（９）式
の様になる。

上記（８） 、 （９）式で示した値を電圧計で測定し
、各各側定値としてメモリに記憶しておき、演算器で測
定値ｅ５からｅ６を減算した値ｅ″′は、００）式の様
になる。

００）式で基準電圧Ｅｂ、ＥｏをＥｂ−Ｅｏ＝Ｅとなる
値に設定するか、または演算器で係数Ｎを設定し、（Ｅ
ｂ−Ｅｏ）Ｎ−Ｅとする演算をさせることにより、容易
に（１）式と同様になり、ひずみ量に比例した不平衡電
圧のみが得られる。

また基準電圧を、たとえばＥｂ−Ｅｏ−Ｅ、Ｅａ−Ｅｂ
＝１０Ｅ（具体的にはＥａ＝２．２２Ｖ。

Ｅ ｂ＝ ０．２２ Ｖ 、 Ｅ ｏ＝ ０．０２ Ｖ
）に設定し、まず電圧切換スイッチ３“をｂ側（基準
電圧Ｅｂ）に切り換えてブリッジ回路を励振すると、そ
の出力ｅ７ は０］）式の様になる。

切り換えてブリッジ回路を励振すると、その出力は前述
の（８）式の様になり、不平衡電圧ｅ５が小さい場合、
電圧切換スイッチｒをａ側（基準電圧Ｅａ）に０１）式
から（８）式を減算した値ｅ““は（１２）式の様にな
る。

結局０２）式は、ひずみ測定に不用なホイーＩ・ストン
ブリッジ回路の内外部に発生する熱起電力やブリッジ電
源のドリフト電圧を除去し、求めようとするひずみ量の
１０倍の出力を得ることができる。

次に不平衡電圧ｅ５が一定電圧以上の場合は、前述の（
９） 、 （１０）式で求めようとするひずみ量を得る
ことができ、さらに不平衡電圧ｅ、が飽和する様な過大
電圧であれば、（９） 、 （１０）式もしくは、（１
υ、０２）式に示した電圧を測定するまでもなく、測定
不能の判定をくだすことができる。

以上説明した様に、本発明のひずみ測定装置は次の利点
がある。

１ｉ０）式からもわかる様に、熱起電力のみならず、ブ
リッジ電源の電圧計のドリフト電圧も除去することがで
き、ひずみに比例した不平衡電圧のみが得られる。

１１）ブリッジ電源の基準電圧を可変とするだけで熱起
電力やドリフト電圧の影響を除き、容易にひずみ量のレ
ンジ切り換えができるの、測定時間を短縮できる。

）ブリッジ電源の出力を切り換えないので、切換素子が
安価になる。

■）切換素子が単純である。

■）ひずみ量のレンジ切り換えや不平衡電圧が過大であ
るときの測定不能の判定が容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はひずみゲージを用いたブリッジ回路図、第２図
は従来からあるブリッジ回路の励振電圧の極性を切り換
えるひずみ測定装置のブロック図、第３図は従来からあ
るブリッジ回路の励振電圧を遮断するひずみ測定装置の
ブロック図、第４図は本発明によるひずみ測定装置の一
実施例を示すブロック図である。 １．１′・・・・・・ブリッジ電源、２・・・・・・バ
ッファアンプ、３・・・・・・極性切換スイッチ、３′
・・・・・・遮断スイッチ、３”・・・・・・電圧切換
スイッチ、４・・・・・・ブリッジ回路、５・・・・・
・電圧計、６・・・・・・メモリ、７・・・・・・演算
器、８・・・・・・表示器、９・・・・・・制御回路、
Ｅ・・・・・・基準電圧（励振電圧）、Ｅａ、Ｅｂ、Ｅ
ｏ・・・・・・基準電圧、ＪＥ・・・・・・ドリフト電
圧、 ・・・・・・熱起電力、ＫＳＩ ・・・・・・ひずみゲージのゲージ率、ε・・・・・・
ひずみ量。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ホイートストンブリッジ回路を用いたひずみ測定に
   おいて、ホイートストンブリッジ回路を励振し、かつ電
   圧を可変とするブリッジ電源と、ホイートストンブリッ
   ジ回路からの出力電圧を測定する電圧計と、その測定値
   を記憶するメモリと、このメモリに記憶した測定値を演
   算する演算器と、前記電圧を可変とするための切り換え
   に応じて前記メモリと前記演算器を制御する制御回路と
   から構成される装置において、前記ブリッジ電源の電圧
   を変えるごとに、前記電圧計で測定した測定値を一時、
   前記メモリに記憶させ、前記制御回路によりメモリに記
   憶した測定値の差を前記演算器で演算させて、ひずみ測
   定に不用なホイートストンブリッジ回路の内外部に発生
   する熱起電力およびブリッジ電源のドリフト電圧を除去
   してひずみを測定することを特徴とするひずみ測定装置
   。 ２、特許請求の範囲第１項記載のひずみ測定装置におい
   て、ブリッヂ電源の電圧を可変とすることを、ひずみ量
   のレンジ切換えをかねて行うことにより、測定時間を短
   縮してひずみを測定することを特徴とするひずみ測定装
   置。