JPS5834458B2 - 4−アシロオキシβ−イオノンの新規な製造法 - Google Patents

4−アシロオキシβ−イオノンの新規な製造法

Info

Publication number
JPS5834458B2
JPS5834458B2 JP13244979A JP13244979A JPS5834458B2 JP S5834458 B2 JPS5834458 B2 JP S5834458B2 JP 13244979 A JP13244979 A JP 13244979A JP 13244979 A JP13244979 A JP 13244979A JP S5834458 B2 JPS5834458 B2 JP S5834458B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ionone
reaction
anhydride
acyloxy
yield
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP13244979A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5657734A (en
Inventor
広康 高原
明美 三内
幹夫 志賀
功 森下
勲 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Flavor Co Ltd
Original Assignee
Fuji Flavor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Flavor Co Ltd filed Critical Fuji Flavor Co Ltd
Priority to JP13244979A priority Critical patent/JPS5834458B2/ja
Publication of JPS5657734A publication Critical patent/JPS5657734A/ja
Publication of JPS5834458B2 publication Critical patent/JPS5834458B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は飲食品、し好品、たばこ等の香味改善および化
粧品の香気改善に有効な4−アシロオキシβ−イオノン
のすぐれた新規な製法を提供するものである。
従来、4−アシロオキシβ−イオノン(以下(1)で表
わす;他の化合物についても同様。
)は、下記反応式に示すように、4−ブロモβ−イオノ
ン(3)または4−ハイドロオキシβ−イオノン(4)
から常法により合成することができるものである。
上記化合物(3)および(4)の合成はジャーナル・オ
プ・ケミカル・ソサエティー、1951年、第1074
頁に記載されており、これによれば、β−イオノン(望
をN−プロモサクシンイミド(N、B、S)でブロム化
することにより4−ブロモβ−イオノン(3)を得、こ
の化合物(3)をさらに蟻酸ナトリウムでエステル化し
、炭酸ナトリウムで加水分解することにより4−ハイド
ロオキシβ−イオノン(4)を得ている。
化合物(2)→(4)の通算収率(対理論)は59%で
ある。
そして、4−ブロモβ−イオノン(3)に常法ニよりカ
ルボン酸ナトリウムRCOONaを作用させるか、また
は4−ハイドロオキシβ−イオノン(4)にカルボン酸
無水物(RCO)2oおよびカルボン酸ナトリウムRC
OONaを作用させることにより、それぞれ4−アシロ
オキシβ−イオノン(1)を合成することができる。
しかし、上記従来の合成径路によると、ブロム化の段階
で高価なN、B、Sを使用し、しかも急激な発熱反応で
あるため反応温度のコントロールが難しく、また化合物
(2)→(1)の通算収率(対理論)が50%以下であ
ることから、これは工業的規模での製造には不向きであ
る。
また、最近、アグリカルチュラル°バイオロジカル・ケ
ミストリー、第42巻、第1075頁に、β−イオノン
(2)の微生物転換にょる4−ハイドロオキシβ−イオ
ノン(4)の製法が記載されており、収率(対理論)は
45%としている。
この方法は一段階で化合物(4)を作るすぐれた方法で
あるが、30%の収率で副生ずる2−ハイドロオキシβ
イオノンの分離と4−ハイドロオキシβ−イオノン*ン
(4)のアシル化が必要であるという難点がある。
本発明は工業的に容易かつ安全にβ−イオノンから一段
階で4−アシロオキシβ−イオノン(1)を製造するす
ぐれた新規な方法を提供するものである。
すなわち、下記反応式に示すように、β−イオノン、カ
ルボン酸無水物および触媒としての酸の混合物を5〜6
時間、50〜70℃に加熱後、酸素を導入しながら15
〜20時間攪拌する。
ただし、無水酢酸を用いた場合は加熱の必要がなく、5
〜25℃で最初から酸素を導入しながら攪拌すればよい
反応混合物を炭酸ナトリウムおよび苛性ソーダで処理す
ることにより、安全にかつ収率よく4−アシロオキシβ
−イオノン(1)を製造することができる。
最終生成物のガスクロマトグラムにおけるピークの面積
比から計算した重量による収率は69〜92%である(
以下に述べる未反応の原料、反応副生物についての%も
すべて同様の計算方法による)。
すなわち、本発明の反応では少量の4−ケトβ−イオノ
ン(5)が副生ずる。
本発明法におげろカッケン酸無水物としては、無水酢酸
、無水プロピオン酸、無水n−酪酸、無水イソ酪酸、無
水クロトン酸、無水n−吉草酸、無水イソ吉草酸、無水
安息香酸等のカルボン酸の無水物が使用される。
触媒としては、濃硫酸、濃塩酸等の鉱酸、トリノルオー
ル酢酸、トリクロール酢酸等のカルボン酸、パラトルエ
ンスルフォン酸なとのスルフォン酸または塩化アルミニ
ウムなどのルイス酸が使用される。
反応溶剤は使用しなくてもよいが、もし必要ならばベン
ゼン、トルエン等が望ましい。
カルボン酸無水物の使用量は主原料のβ−イオノンの2
〜3倍モル、触媒はβ−イオノンの重量の1/100〜
1/10が適当である。
本発明法の反応機構について想定すると、以下**のと
おりである。
まず、反応の一次中間体はβ−イオノンのエノールエス
テル(6)であることが確認された。
すなわち、β−イオノン(2)、カルボン酸無水物およ
び酸触媒の混合物をチッ素気流下で50〜70℃に加熱
すると、下記反応式に示すように、5〜6時間でβ−イ
オノンのエノールアセテート6)が生成する(収率89
〜95%)。
ただし、無水酢酸でエノールエステル化する場合、加熱
の必要はない。
得られるエノールエステル(6)は四種の異性体の混合
物で、その比率は反応温度により、また経時的に変化す
る。
第1図は無水酢酸を用いた場合の反応物のガスクロマト
グラムで、図中の2はβ−イオノン、a、b 、e 、
aはβ−イオノンのエノールアセテートの各異性体のピ
ークをそれぞれ示す。
つぎに、上記のエステル化反応混合物を10〜20℃に
冷却後、酸素を導入すると、10〜20時間でエノール
エステル(6)は4−アシロオキシβ−イオノン(1)
および少量の4−ケトβ−イオノン(5)にほぼ完全に
転換されることが判明した(前記反応式)。
このエステル化反応混合物は5〜11%の未反応のβ−
イオノン(2)を含むが、これは上記の酸化反応の段階
でもβ−イオノン(2)のエステル化が起こるので、最
終生成物中に含まれる未反応のβ−イオノン(2)はせ
いぜい4%程度である。
とくに無水酢酸でエステル化する場合、未反応のβ−イ
オノン(2)は全く回収されなかった。
上記した酸化反応においては二次反応中間体としてエノ
ールエステルエポオキサイド(7)の生成が推定され、
そのエポオキシ環が過剰のカルボン酸無水物による求電
子開裂をうけて4−アシロオキシβ−イオノン(1)が
生成すると考えられるが、この中間体(7)はその構造
からみて非常に不安定で開裂しやすく、単離することは
できなかった。
また単離精製した前記エノールエステル(6)をベンゼ
ン中でパラトルエンスルフォン酸などの触媒の存在下で
酸素酸化すると、4−ケトβ−イオノン(5)、4−ハ
イドロオキシβ−イオノン(4)とともに4−アシロオ
キシβ−イオノン(1)が30%の収率で生木本成する
ことから、分子内または分子間転位反応の可能性も考え
られる。
また、この反応ではエノールエステル(6)の末端二重
結合のα位の水素引き抜き反応によって生成する3−置
換β−イオノン誘導体は確認されなかった 本発明法によって得られる各種の4−アシロオキシβ−
イオノン(1)のスペクトルデータを第1表に示す。
同表にあるように、M+イオンピークは4−クロトノイ
ルオキシβ−イオノン以外の化合物では確認できなかっ
た。
実施例 1 4−アセトオキシβ−イオノンの製造:β−イオノン1
92f(1mol)、無水酢酸3062(3mol)お
よヒバラドルエンスルフォン酸19.25’の混合溶液
を21容の三げいフラスコに入れ、1分間60m1流量
の酸素を通じながら、水浴上(15〜20℃)23時間
攪拌する。
反応混合物を氷水ll中に徐々に注ぎ、エーテル300
m1を加えて30分攪拌する。
エーテル層を分離し、新しい水500′rILlととも
にll容のビーカーに入れて攪拌しながら、炭酸ナトリ
ウムを発泡が止むまで加える。
再び分離したエーテル層を5%の苛性ソーダ水溶液20
0m/、5%の硫酸第一鉄水溶液200rrLlおよび
水で順次洗い、硫酸ナトリウムで乾燥する。
溶剤を留去すると、246zの粗4−アセトオキシβ−
イオノンが得られるが、このもののG、C純度は92%
で副生成物として4−ケトβ−イオノンが5.5%含ま
れる。
上記粗生成物をシリカゲルカラムクロマトで処理し、ベ
ンゼン−酢酸エチル(10/1)で溶出するフラクショ
ンを再度シリカゲルカラムクロマト処理すると、201
2のアセトオキシβ−イオノン(G、C純度99%以上
)が得られる。
淡黄色の粘重な液体。収率92%。
原料β−イオノンは全く回収されなかった。
元素分析C15H22o3 として計算値:C172−
00%: H,8,80%実測値:C171,23%、
H9,17%実施例 2 4−プロピオニルオキシβ−イオノンの製造:β〜イオ
ノン192f (1mol )、無水プロピオ7酸39
0 ? (3mol )およヒバラドルエンスルフォン
酸19.2Pの混合溶液を21容の三げいフラスコに入
れ、水浴上で50〜60℃に加温しながら5時間攪拌す
る。
つぎに、水浴の温度をi。〜20℃に下げて、これに6
0m1/分流量の酸素を通じながら18時間攪拌する。
反応物の後処理は前例と同じであるが、過剰の無水プロ
ピオン酸は炭酸ソーダでは分解しにくいので、最後に減
圧蒸留で除くか、または反応混合物のエーテル溶液を5
〜10%の苛性ソーダ水溶液で数時間振盪することによ
り除いた。
最終的に2552の粗4− ごプロピオニルオキシβ−
イオノンが得られ、このもののG、C純度は88%で副
生成物として4ケトβ−イオノンが8.6%含まれる。
これをシリカゲルクロマトで精製処理することにより、
G、C純度99%以上の4−プロピオニルオキシβ−イ
4オノンが2042得られた。
淡黄色の粘重な液体。収率88%。
原料β−イオノンの回収率0.3%。元素分析C16H
24o3として 計算値:C,72,72%;H19,09%実測値:C
171,66%:H19,84%実施例 3 4−n−ブチリルオキシβ−イオノンの製造:β−イオ
ノン192P(1mol)、無水n−酪酸474f(3
mol)およびパラトルエンスルフォン酸19.2Pの
混合物を実施例2と同様の操作方法で酸化し、後処理を
行なった。
最終的に2632の粗4−n−ブチリルオキシβ−イオ
ノンが得られ、このもののG、C純度は85%で副生成
物として、4−ケトβ−イオノンが10.7%含まれる
これをシリカゲルクロマトで精製処理すると、G、C純
度99%以上の4−n−ブチリルオキシβ−イオノンが
1981得られた。
淡黄色の粘重な液体。収率85%。
原料β−イオノンの回収率1.4%。元素分析C1□H
2603として 計算値二〇、73.38%:H19,35%実測値;C
172,87%;H19,82%実施例 4 4−クロトノイルオキシβ−イオノンの製造:β−イオ
ノン192S’(1mol )、無水クロトン酸468
5’(3mol )およヒバラドルエンスルフォン酸1
9.2?の混合物を実施例2と同様の操作方法で酸化し
、後処理を行なった。
最終的に2551の粗4−クロトノイルオキシβ−イオ
ノンが得られ、このもののG、C純度は69%で副生成
物として4−ケトβ−イオノンが22.4%含まれる。
これをシリカゲルクロマトで精製処理すると、G、C純
度99%以上の4−クロトノイルβ−イオノンが155
i得られた。
淡黄褐の粘重な液体。
収率69%。原料β−イオノンの回収率3.4%。
元素分析C17H2403として計算値:C173,9
1%;H2S、69%実測値:C,73,04%;H,
9,11%実施例 5 4−n−バレリルオキシβ−イオノンの製造:β−イオ
ノン192f (1mol )、無水n−吉草酸558
? (3mol )およヒバラドルエンスルフォン酸
19.2fの混合物を実施例2と同様の操作方法で酸化
し、後処理を行なった。
最終的に269 ?ノ粗4−n−バレリルオキシβ−イ
オノンが得られ、このもののG、C純度は70%で副生
成物として4−ケトβ−イオノンが21.0%含まれる
これをシリカゲルクロマトで精製処理すルト、G、C純
度99%以上の4−n−バレリルオキシβ−イオノンが
1631得られた。
淡黄色の粘重な液体。
収率70%。原料β−イオノンの回収率3.3%。
元素分析c18H28o3として計算値:C173,9
7%;H,9,59%実測値:C173,21%:Hl
lo、33%
【図面の簡単な説明】
第1図はβ−イオノン、無水酢酸および酸触媒の混合物
をチッ素気流下で加熱した場合の生成反応物のガスクロ
マトグラフィーによる分析結果である。 ただし、操作条件はPEG−20M、30m(キャピラ
リーカラム)、インジェクション温度230℃、カラム
温度170→190℃(3℃/分)とした。 図中の・2はβ−イオノン、a。b、c、dはβ−イオ
ノンのエノールアセテートの各異性体のピークをそれぞ
れ示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 β−イオノンを過剰のカルボン酸無水物中でかつ鉱
    酸、カルボン酸、スルフォン酸およびルイス酸から選に
    ☆0酸の存在下で酸素酸化することを特徴とする4−ア
    シロオキシβ−イオノンの新規な製造法。
JP13244979A 1979-10-16 1979-10-16 4−アシロオキシβ−イオノンの新規な製造法 Expired JPS5834458B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13244979A JPS5834458B2 (ja) 1979-10-16 1979-10-16 4−アシロオキシβ−イオノンの新規な製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13244979A JPS5834458B2 (ja) 1979-10-16 1979-10-16 4−アシロオキシβ−イオノンの新規な製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5657734A JPS5657734A (en) 1981-05-20
JPS5834458B2 true JPS5834458B2 (ja) 1983-07-27

Family

ID=15081612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13244979A Expired JPS5834458B2 (ja) 1979-10-16 1979-10-16 4−アシロオキシβ−イオノンの新規な製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5834458B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3563737D1 (en) * 1984-09-21 1988-08-18 Givaudan & Cie Sa Compositions of flavouring agents having a content of ionylesters, the ionylesters, their preparation and use
US5001155A (en) * 1987-09-03 1991-03-19 University Of Kentucky Research Foundation β-ionone derivative as antifungal agent
US4963583A (en) * 1987-10-05 1990-10-16 Ciba-Geigy Corporation Beta-ionone derivatives as antifungal agents

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5657734A (en) 1981-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3923897A (en) Production of hoplike beverage bittering materials
Nickon et al. Synthesis and structure proof of C-2 and C-4 monofunctionalized brexanes and brendanes
JPS5834458B2 (ja) 4−アシロオキシβ−イオノンの新規な製造法
EP0771778B1 (en) Process for producing all trans-form polyprenols
JP4418048B2 (ja) 13−シス−レチノイン酸の製造方法
Kutney et al. The chemistry of thujone: I. Synthesis of insect juvenile hormone analogs via wittig coupling
US4623747A (en) Terpene diesters and process for preparing the same
JPH0578541B2 (ja)
JPS6042775B2 (ja) 1,7−オクタジエン−3−オン及びその製造方法
US4511734A (en) Process for the production of 3,3-dimethylglutaric
US3102134A (en) Preparation of menthenyl esters and ethers
US4085274A (en) Process for preparing 4-oxopentadecanedioic acid
JPH09278692A (ja) α−テルピネオールの製造法
JPS629097B2 (ja)
JPS62209045A (ja) アミノオキシテルペンアルコ−ル類及びその製造方法
Yamamitsu et al. Synthesis of 4-and 5-regioselectively deuteriated geranyl diphosphates
JPH01143857A (ja) ピリジン‐2,3‐ジカルボン酸誘導体の製造方法
JPS5919933B2 (ja) β−イオノンエノ−ルエステルの酸素酸化反応による4置換β−イオノン誘導体の新規な製造法
Zheng Syntheses of salvilenone and related compounds: II. A novel rearrangement of a tetrahydrophenalenone to a naphthopyranone
JPS5857433B2 (ja) ビシクロ ( 10,4,0 ) −16− オキサ −15− オキソ −1, ( 12 ) − ペンタデセンノセイゾウホウ
JPS6187639A (ja) ステロイド合成中間体の製造法
MXPA96005266A (en) Process to produce polydrenols completamentede form tr
JPH054963A (ja) シクロヘキセニルアルケニルカルボン酸
Su et al. A New Synthesis of 5-Substituted 3-Methyl-2-phenylthio-2-penten-5-olides.
JPS58167537A (ja) 2,6,6−トリメチル−4−オキソ−2−シクロヘキセニリデンアセトアルデヒドの製造法