JPS5833683B2 - コンデンサ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自己回復作用を確実に行うよう考慮した乾式プ
ラスチックフィルムコンデンサの構造に関する。

乾式プラスチックフィルムコンデンサは第１図の如く、
誘電体を形成するポリプロピレンやポリエチレンテレフ
タレートのプラスチック製のフィルム１，２の各々の一
面に異る方向に片寄せて金属蒸着膜３，４を形成し、こ
れらを重ねて巻回し、巻回し端面に金属蒸着によりメタ
リコン電極５゜６を形成しリード線７，８を接続して成
る。

このようなコンデンサはその簡易等価回路は第２図の如
く、−巻き当りに重合する部分の間の単位コンデンサＣ
をメタリコン電極５と６の間に金属蒸着膜３，４を介し
て巻回数だけ並列に接続した形をとる。

このようなコンデンサを長時間使用し、或いは熱や電圧
的な過大な条件下で使用する等するとフィルム１，２が
劣化し、その耐電圧が低下し、誘電体損失が増加し、そ
のフィルム１，２の劣化点付近に対応する単位コンデン
サＣが低い抵抗に変化したと等価の形となって大電流が
流れ、その結果、その部分に大電流が流れ過大な発熱が
生じ、その部分の蒸着金属３，４が飛散して劣化部分に
対応する単位コンデンサＣがメタリコン電極５゜６から
離れ全体としてはきわめてわずかの静電容量の減少を伴
いながら大電流通電の状態から正常状態に復帰する。

こうして乾式プラスチ７ツクフイルムコンデンサは伺ら
かの原因でフィルム劣化による異常が発生しても自己の
力で正常の状態に復帰し、きわめて高い信頼性を得るが
、本発明は誘電体の金属蒸着膜の形状を工夫してこのよ
うな自己回復作用を迅速確実に行い、より高い信頼性を
得るコンデンサの構造を提供する。

第３図は本発明による実施例を示す誘電体フィルムの構
造で、フィルム１或いは２の面に両側辺から離して断続
的に金属蒸着面９を形威し、更に同じ面の一端辺付近に
連続してメタリコン溶射用の金属蒸着帯１０を設け、各
金属蒸着面９を金属蒸着細隙１１により金属蒸着帯１０
と接続したことを特徴とする。

このような誘電体フィルムの金属蒸着パターンは第４図
の如く、金属蒸着に際してフィルム１，２に非金属化部
分をつくるためのマスク１２を覆せることによりきわめ
て簡単に形成される。

このような金属蒸着パターンを形成されたフィルム１，
２は第１図のものと同様に２枚重ねて巻回され、然る後
両端面にメタリコン電極５，６を形成してコンデンサと
して完成される。

このようなコンデンサはその使用時にフィルム絶縁破壊
の異常が発生し大電流が流れるがこの大電流は、メタリ
コン溶射側に形成された金属細隙部１１で最もその電流
密度が高く、この部分で最も早く異常発熱が生じこの金
属細隙部１１が溶断じ当該金属蒸着面９と金属蒸着帯１
０との間が分離され、当該金属蒸着面９の形成する単位
コンデンサ装置が回路から除去され、それ以上に破壊が
拡がるのを防止し、正常の動作を得て発火発煙に至る過
程を連続する。

こうして、フィルムに絶縁破壊が生じ異常に大電流が流
れる状態になると当該蒸着金属面に対応する部分の金属
細隙部分を感度よく遮断して当該単位コンデンサ部分を
除去する自己回復作用を有効に生ぜしめ、効率よい保護
を得ることができた。

本発明によるコンデンサ装置は上記せる如く、プラスチ
ックフィルムの一面に長子両側辺部分を余して断続的に
金属蒸着面を形成し、同一面の一側辺部分に連続してメ
タリコン溶射用の金属蒸着帯を形成し、各金属蒸着面を
金属蒸着細隙により金属蒸着帯と接続し、これらプラス
チックフィルムを２枚重ねで巻回し、両端面にメタリコ
ンを溶射形成したことを特徴とするもので、きわめて簡
単な構造でもっていわゆる自己回復機能を促進し、有効
に発火発煙を防止することが出来た。

【図面の簡単な説明】

第１図は乾式プラスチックフィルムコンデンサの従来例
構造図、第２図はその簡易等価回路、第３図は本発明に
使用する誘電体フィルムの構造を示す斜視図、第４図は
その製造時パターン例である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プラスチックフィルムの一面に長子両側辺部分を余
   して断続的に金属蒸着面を形成し、同一面の一側辺部分
   に連続してメタリコン溶射用の金属蒸着帯を形威し、各
   金属蒸着面を金属蒸着細隙により金属蒸着帯と接続し、
   これらプラスチックフィルムを２枚重ねで巻回し、両端
   面にメタリコンを溶射形成したことを特徴とするコンデ
   ンサ装置。