JPS5833331Y2 - ゴムパツキン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はゴムパツキンに係り、特に横断面内に空洞部を
有するゴムパツキンに関する。

一般に強制空冷形電気機器１は、第１図に示されるよう
に、送風機２によって内蔵されている被冷却体３を冷却
するようになっている。

図中の矢印は冷却風の経路を示しており、冷却風はエア
フィルタ４を通過した後、送風機により加工され、被冷
却体３を冷却し、外部に排出される。

送風機２は、回転体を有しているため運転中振動し、こ
れが電気機器１を加振したり、共振したりする場合には
、この電気機器１が取付けられている車体（車両用の場
合）を振動させることもある。

そこで送風機２は防振ゴム５を介し電気機器の箱枠に取
付けられている。

また電気機器１０箱枠は製缶品が多く一般には寸法精度
が悪いために、送風機２と風洞６の間にはゴムパツキン
７が設けられ、このゴムパツキン７０弾性により、寸法
誤差と振動の吸収を行いかつ気密を保持している。

第２図はこのゴムパツキン７の取付使用状態の詳細を示
し、第３図ならびに第４図はこのゴムパツキンを示す平
面図である。

第２図で風洞６に設けたパツキン支え８の全周には第３
図または第４図のようなゴムパツキン７が巾方向に彎曲
された状態で接着され、このゴムパツキン７が適当なた
わみ量を得る位置に送風機２を取付けて気密を保持して
いる。

ここで従来のゴムパツキン７を示せば第５図もしくは第
６図のようになっている。

第５図のゴムパツキン７は小さな圧力で大きな変位を得
るため内部をＳＢＲゴム９（スチレン・ブタジェンゴム
）とし、外部を耐候性のよいクロロプレンゴム被膜１０
でおおっている。

また第６図のゴムパツキン７は全体が耐候性の優れたク
ロロプレンゴム１１の一体構造で内部は空洞になってい
る。

第５図のように内部にＳＢＲゴム９を使用したり第６図
のように内部を空洞にするのは、ゴムパツキン７の弾性
を大きくして箱枠の製法誤差や振動を容易に吸収しかつ
たわみ量を充分にとって確実な気密状態を保持するため
である。

しかしながら、第５図のゴムパツキン７は弾性は太きい
が表面のクロロプレンゴム被膜１０が薄いことから機械
的強度が小さく、傷をうけて破損し易く寿命が短いとい
う欠点を有している。

また第６図のゴムパツキン７は耐候性が良く強度は大き
いが、第３図及び第４図のように彎曲させて使用すると
第７図のようにつぶれ、更に使用状態まで圧縮すると第
８図のように座屈して例えば送風機２の抑圧面との間に
隙間を作って気密を保持できなくなるという欠点を有し
ている。

本考案は上記従来の欠点を解消すべくなされたものであ
って、小さな曲げ半径で巾方向に彎曲使用されても座屈
を生じない気密保持性のすぐれたゴムパツキンを提供す
ることを目的とする。

本考案は断面形状に空洞部を有し、かつ巾方向に彎曲し
て設置されるゴムパツキンにおいて、前記空洞部を閉鎖
断面の空洞部に形成すると共に、この空洞部内に互いに
巾方向に対向する突起部を設けて上記目的を達成しよう
とするものである。

以下本考案によるゴムパツキンの一実施例を第９図及至
第１１図に沿って説明する。

第９図において、ゴムパツキン７の内部には夫夫閉鎖断
面を有する空洞部Ａ及びＢがパツキンの圧縮方向に重な
って形成されている。

そして空洞部Ｂ内のパツキンの圧縮方向の中間部には、
夫々パツキンの巾方向に突出する突起部Ｃ１，Ｃ２が、
わずかな隙間りを介して対向するように形成されている
。

このため空洞部Ｂ内には隙間りによって連通する空室Ｂ
１．Ｂ２が出来る。

このように構成されたゴムパツキン７を、第３図、第４
図のように巾方向に彎曲して使用した場合、空洞部Ｂ内
で対向する彎曲内径側の突起部Ｃ２と彎曲外径側の突起
部Ｃ１が第１０図のように密着して互いに突張り合い、
これにより第７図のようなバッキング７の屈曲を防止す
ることができる。

またパツキンを実使用状態まで圧縮させた場合は第７図
のような屈曲はないので、第１１図のように前記突起部
Ｃ１，Ｃ２が開いた状態に圧縮され座屈することなく小
さな圧力で大きなたわみを確保することができる。

またこのゴムパツキン７において最初から第１０図のよ
うに突起部Ｃ１とＣ２とを接触させた構造で製作しても
ほぼ同じ効果を得ることができる。

上記実施例によれば、ゴムパツキン７は小さな曲げ半径
で使用しても突起部Ｃ１，Ｃ２の接触により座屈を生ず
ることがなく、また弾性ならびに機械的強度が大きく寿
命を長くすることができる。

次に第１２図及び第１３図は本考案の他の実施例を示す
説明図であり、いずれもゴムパツキン７の無負荷状態に
おける基本横断面を示している。

第１２図は一つの閉鎖断面の空洞部Ｂを設け、この内部
に前記実施例と同様な突起部Ｃ１とＣ２゜Ｃ３とＣ４，
Ｃ５とＣ６を複数個対向させて突設し、これにより四つ
の空室８１〜Ｂ４を作ったゴムパツキン７の構造である
。

また第１３図は独立した複数の空洞部Ａ１．Ａ２及びＢ
ａ 、Ｂｂど該空洞部Ｂａ、Ｂｂ内に設けた複数の突起
部Ｃ１とＣ２，Ｃ３とＣ４とを組合せたゴムパツキン７
の構造としたものである。

前記突起部により空洞部Ｂａ 、Ｂｂ には夫々空室Ｂ
１．Ｂ２及びＢ３．Ｂ４ができる。

以上説明したように本考案は空洞部を閉鎖断面の空洞部
に形成すると共に、この内部に互いに巾方向に対向する
突起部を設けたので、彎曲使用しても座屈することはな
く、このため気密保持性のすぐれたゴムパツキンを提供
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は強制空冷形電気機器を示す平面図、第２図はゴ
ムパツキン取付部の詳細断面図、第３図及び第４図はゴ
ムパツキンを示す平面図、第５図及び第６図は従来のゴ
ムパツキンを示す断面図、第７図は第６図のパツキンを
彎曲させて使用した場合の断面図、第８図は第６図のパ
ツキンの実使用状態を示す断面図、第９図は本考案に係
るゴムパツキンの一実施例を示す断面図、第１０図は第
９図のパツキンを彎曲させて使用した場合の断面図、第
１１図は第９図のパツキンの実使用状態を示す断面図、
第１２図及び第１３図は本考案の他の実施例を示す断面
図である。 ７・・・・・・ゴムパツキン、Ａ ｔ Ａｔ ｔ Ａ２
ｔ Ｂ ａ ｔＢｂ・・・・・・空洞部、Ｃ１，Ｃ２
，Ｃ３，Ｃ，、Ｃ，。 Ｃ６・・・・・・突起部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面形状に空洞部を有し、かつ巾方向に彎曲して設置さ
   れるゴムパツキンにおいて、前記空洞部を閉鎖断面の空
   洞部に形成すると共に、この空洞部内に互いに巾方向に
   対向する突起部を設けたことを特徴とするゴムパツキン
   。