JPS5833216Y2 - 多気筒直列形内燃機関の吸・排気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、多気筒直列形内燃機関の吸・排気装置、特
に吸・排気管路内での圧力変動に基づく動的効果を利用
して吸・排気効率を高め得るようにした吸・排気装置に
ついての改良に係り、上記の動的効果を損ねることなく
吸・排気音の抑制を図り、併せて装置全体のコンパクト
化を実現せんとするものである。

ところで内燃機関の出力性能を向上させる一手段として
、吸・排気効率を高めるには、吸・排気管路内で内圧力
変動に基づいた動的効果、即ち脈動効果及び慣性効果を
利用できることがよく知られているが、それらの効果を
充分に利用できるものとするためには、吸・排気管路に
つき、算出できる所定の管路長を要し、且つ捷た多気筒
内燃機関にあっては、各気筒毎の吸・排気管路を互に独
立させておく方が望！しいとされている。

一方、内燃機関の吸・排気系から生じるを避は得ない吸
・排気音の周囲への伝播を抑制するためには、吸・排気
管路の開口端へ消音器を接続するの力樋例であるが、前
記したような動的効果を利用する吸・排気系に用いられ
るべき消音器にあっては、これが上記の動的効果を損ね
るものでないこと、即ち吸・排気抵抗を増加させること
なしに、吸・排気音を減衰させ得るようなものであるこ
とを要し、従って通常の場合には、有効長の長い筒状を
呈するものとなる。

かかる筒状の消音器は、前記した多気筒内燃機関の動的
効果を利用する吸・排気系へ採用したとき、各気筒毎の
吸・排気筒を個別にその消音器へ接続しなければならな
いこともあって、該消音器を含めた吸・排気装置の全体
を徒に長大化させることになり、直列形内燃機関である
場合には、その傾向る更に甚だしくする。

本考案は、上記したような多気筒直列形内燃機関にみら
れる従来の問題点に対処して、吸・排気系の動的効果を
損ねることなく吸・排気音の抑制を図り、併せて吸・排
気装置全体のコンパクト化を実現するため、有効長の長
い筒状の消音器を使用して、これへ各気筒毎の吸・排気
管を個別に接続させ、且つ動的効果をｙｆ囲するに必要
な吸・排気管路長の一部分ないし大部分を、消音器の有
効長で代替させようとするものである。

以下これを図面に示す実施例について詳述する。

図に於て１は多気部属列形内燃機関の一例として示した
３気筒直列形内燃機関の機関本体で、各気筒毎のシリン
ダヘッド２ａ〜２ｃを有し、３ａ〜３ｃはそれらの各ヘ
ッド毎に形成されているべき吸・排気口（図示なし）へ
接続された吸・排気管である。

４は上記した吸・排気管３ａ〜３ｃと共に吸・排気装置
を構成する消音器である。

この消音器４は、吸・排気抵抗を増加させることが殆ど
ないようにするため、外周面のケースイと内周面の多孔
板口との間へ吸音材へを包み込んだ構造の筒状とされて
、一端には外部への開口端５を、他端には反射板６を有
し、且つまた吸・排気音を減衰させるに充分なる長さの
有効長がもたせられているものとする。

かかる消音器４に対し、前記した複数本の吸・排気管３
ａ〜３ｃは開口端５からできるだけ離して、反射板６に
近い方から順次に且つ個別に接続されている。

捷たこの消音器４における有効長の一部分ないし大部分
は、動的効果を利用するに必要な吸・排気管路長の一部
分ないし大部分に代替させられているものとし、従って
、図例での吸・排気管路長は、各気筒毎に、シリンダヘ
ッド２ａ〜２ｃ内の図示しない吸・排気口から吸・排気
管３ａ〜３ｃを経て消音器４の開口端へ達するまでの長
さと、されている。

それ故に。冬眠・排気管３ａ〜３ｃの長さは、消音器４
の有効長で代替される分だけ短くなっている。

但し。この場合における消音器４の有効長で代替される
長さは、図より明らかな如く、各気筒毎に相違し、この
ため、その代替外を含めた吸・排気管路長の大きさも、
各気筒毎に相違する。

そこで、この点に対処するため、最も中央にある気筒（
図例では２気筒目）の吸・排気管路、長が所要や吸・排
気管路長と一致するようにして、該気筒についての消音
器４による代替長さを設定すれば、各気筒毎の吸・排気
管路長の平均値が所要の吸・排気管路長に等しくなる。

なト、上記した消音器４は、製作を容易にし且つ後にお
ける吸音材への浄化再使用や交換を可能にするため、分
解組立てが容易であるような構造とされている。

即ち第２図の具体例では、内周面の多孔板口及び吸音材
へがケースイに対し挿入按摩り自在とされて、挿入後に
ネジ二で固定するようになっており、且つ筐た挿入按摩
り時の吸・排気管３ａ〜３ｃとの引っ掛りを避けるため
、吸音材への部分に、全長にわたる溝ホが設けられてい
る。

上記の如く構成された本考案は、多気部属列形内燃機関
における吸気側及び排気側のいずれにも同様に実施でき
る。

従って各気筒毎に生じる吸気音もしくは排気音は、消音
器４における吸音材への吸収効果や、反射板６での反射
にもとづく干渉効果などによって減衰させられる。

然してこの消音器は、吸・排気抵抗を増加させることの
殆ど無いような筒状とされ、且つ吸・排気音を充分に減
衰させ得るだけの長い有効長がもたせられている。

それ故に、上記した吸気音もしくは排気音は、充分に減
垂させられて、外部への伝播を抑制されることになり、
然も各気筒毎の吸気もしくは排気は、吸気圧力もしくは
排気圧力の変動に基づく脈動効果及び慣性効果を充分に
利用して、効率よく行なわれることになる。

また本考案では、消音器４の有効長が長くされているに
も拘らず、これが、動的効果を利用するに必要な所定の
吸・排気管路長の一部分もしくは大部分を代替している
ので、その分だけ吸・排気管３ａ〜３ｃの長さを短縮で
き、従って消音器を含めた吸・排気装置全体の長大化を
避けることができる。

よって、このような本考案によれば、吸・排気圧力の変
動に基づいた動的効果を損ねることなしに、吸・排気音
を抑制し得て、多気部属列形内燃機関の静かな運転を可
能ならしめ得ると共に、動的効果を利用すべくした吸・
排気装置全体のコンパクト化を容易に実現し得、然も消
音器の分解組立てが容易であるため製作し易くて、後に
おける吸音材の浄化更使用や交換も簡単に行なえる等の
有益な効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部欠載平面図、第２図
は更にその具体例を分解して示す一部欠載平面図、第３
図は第２図のＡ−Ａ線よりみた断面図である。 １・・・・・・機関本体、３ａ〜３ｃ・・・・・・吸・
排気管、４・・・・・・消音器、イ・・・・・・ケース
、口・・・・・・多孔板、ハ・・・・・・吸音材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸・排気抵抗を殆ど増加させることなく吸・排気音を充
   分に減衰させ得るような有効長が長い筒状の消音器へ、
   各気筒毎の吸・排気管が個別に接続されて、吸・排気管
   内での圧力変動に基づく動的効果を利用するに必要な吸
   ・排気管路長の一部分ないし大部分が、上記消音器の有
   効長で代替されており、且つその消音器は、外周面のケ
   ースと内周面の多孔板との間へ吸音材を包み込んだ構造
   とされて、上記した冬眠・排気管の接続がそれらのケー
   ス及び吸音材を通り多孔板の内部へ達するように行なわ
   れ、更にその多孔板が吸音材と共にケースから按摩り自
   在であるよう該ケースにネジ止めされ、吸音材には挿入
   抜取り時における上記吸・排気管の引っ掛りを避ける溝
   が設けられていることを特徴とする多気筒直列形内燃機
   関の吸・排気装置。