JPS5832125B2 - 固形製剤の搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、医薬用の錠剤、カプセル、またはその他の
用途のペレット状製剤（以下これらを「固形製剤」と総
称する）を搬送ドラムを用いて搬送する装置に関するも
のであり、例えば固形製剤の外観検査装置における前段
のドラムから後段のドラムへ固形製剤を転送させるに際
し、固形製剤の姿勢制御を正しく行わせて安定した転送
が遂行できる装置を得ようとするものである。

頭記固形製剤の外観検査装置として、第１図のような装
置が既に提案されている。

図に釦いて１は固形製剤（以下「錠剤」を例にして述べ
る）の供給ホッパ、２は供給ドラム、３は第１のドラム
状搬送部としての第１ドラム、４は第２のドラム状搬送
部としての第２ドラム、５，６は第１＄−よび第２ドラ
ム３，４の外周に近接して配置された例えば工業用テレ
ビカメラを用いた観測装置、７は前記両観測結果を基に
して錠剤の良否判別を行う回路からなる判定装置、８は
第２ドラム４にかける搬送行程の終端位置に移送管９を
介して連通された良品回収タンク、１０は終端位置より
手前位置に接続された不良品回収タンク、１１が錠剤で
ある。

各ドラム２，３．４は図示の如く相接して左右に並置さ
れ、それぞれ矢印のごとく逆方向に位相を合わせて同期
回転駆動される。

また各ドラムの外周には周方向に沿って等間隔に配列す
るポケット状の穴ないし貫通孔としてなる錠剤収容穴が
設けられている。

しかも、各ドラム２，３゜４は、第２図から明らかであ
るように、回転駆動の際に各ドラムの固形製剤収容穴１
２，１４．１４の配列外周面がか互いに対向するように
配置されている。

すなわち、ドラム２にむける収容穴１２の配列外周面と
ドラム３にかける収容穴１４の配列外周面とが対向し、
かつ、このドラム３に釦ける収容穴１４の配列外周面と
ドラム４にかける収容穴１４の配列外周面とが対向する
ようになされている。

上記構成にかいて、ホッパ１より供給ドラム２の内方空
間へ導入された錠剤１１は前記の収容孔内へ１個づつ充
填供給され、ここから各ドラムの回転に伴って図示のよ
うに第１ドラム３、第２ドラム４へ順次管は渡し搬送さ
れる。

この搬送行程の途中でテレビカメラ５，６により錠剤は
片側半分づつの表面が観測され、判別の結果不良品と判
定された錠剤は不良品回収タンク１０へ選別排出され、
残りの良品は良品回収タンク８内へ搬出回収される。

な３錠剤の供給方式として、第１図に耘ける供給ドラム
２の外周上部域に錠剤供給室を対向配置し、それぞれ各
ドラムの回転方向を第１図と逆向きに定めて錠剤を供給
ドラム２の外側から行わせることもできる。

この場合には、テレビカメラ５９６の位置が上下逆にな
り、また良、不良品回収タンク８，１０の位置も逆位置
となる。

第１図に示した各ドラム２，３．４の構造を詳細に示せ
ば第２図の如くである。

供給ドラム２に関しては、外周に貫通孔としての錠剤収
容孔１２が等間隔にあけられ、更にドラム２の外周下方
域には錠剤１１の脱落を防ぐ外側ガイド１３がその先端
を第１ドラム３との相接箇所へ臨ませるようにして設置
されている。

第１−Ｊ？よび第２ドラム３゜４の外周には前記の収容
孔１２と同ピツチでポケット状の収容穴１４が設けられ
てかり、更に各ドラム３，４の内方には錠剤１１の搬送
域範囲に区画して固定壁１５により真空室１６が設けら
れている。

また各収容穴１４は底部が前記の真空室１６に真空吸引
孔１７を介して連通され、真空室１６の領域内で収容穴
１４に負圧が作用するよう構成されている。

この構成によりドラムの回転に伴って、供給ドラム２内
に貯蔵されてい錠剤１１は１個づつ収容孔１２へ充填さ
れ、ガイド１３上を滑り左から上方へ移送される。

錠剤１１はドラム２と３とが相接対向する領域す女わち
転送位置Ｐまで移送されると、ドラム２よりドラム３の
収容穴１４へ受は渡されて転送される。

この際に収容穴１４に負圧が作用しているので転送は半
ば強制的に行われる。

またドラム３から４への転送も上記とほぼ同様に行われ
る。

上記検査装置に釦けるドラム２，３，４の間にまたがっ
て錠剤１１を転送させ女から搬送を行わせる際には、特
に錠剤の転送姿勢の良否が検査選別能力に大きく影響す
る。

即ち転送姿勢が乱れて、固形錠剤が所定の姿勢から傾い
たり、あるいは倒立姿勢のまま転送されると、錠剤に死
角が生じ全表面が正しく観測できず、正確な情報の得ら
れぬ事態が生じる恐れがあるのみならず、真空吸着作用
が十分に働かずに脱落する恐れもある。

加えて各ドラムの外周にガイドなどの構成部品が接近配
置されている場合には、錠剤がドラムと構成部品との間
に噛み込み破損される恐れもある。

このためにドラム間の転送に際しては、常に安定した所
定の姿勢で転送される必要がある。

この転送は第２図にかける供給ドラム２と第１ドラム３
との間、訃よび第１ドラム３と第２ドラム４の間で行わ
れるものであり、ここでドラム２−−ドラム３の関係に
対しては供給ドラム２を前段ドラム、第１ドラム３を後
段ドラムとし、またドラム３− ドラム４の関係に対
しては第１ドラム３を前段ドラム、第２ドラム４を後段
ドラムと規定する。

本発明は上記の点にかんがみ、固形錠剤を前段ドラムか
ら後段ドラムへまたがって転送させる際に、固形製剤の
転送姿勢を正しく制御して円滑ｉ転送が行えるようにし
た搬送装置を得ることを目的としたものであり、この目
的達成のために本発明では、前述した外側ガイドを巧み
に利用し、この外側ガイドの先端には、前段ドラムの固
形製剤収容穴の配列外周面に面する部分に、前段ドラム
と後段ドラムとの相接対向する領域に向かって幅が徐々
に拡大する。

姿勢制御用の切込部を設けたことを特徴とするものであ
り、そのためには先ず次の点に基礎を置く。

即ち錠剤のドラム間転送について発明者が種々実験、考
案を行ったところによれば、前段ドラムから後段ドラム
への転送過程で、前段の収容穴から後段の収容穴内へ着
地するまでの転送距離が犬である程、後段ドラムの収容
穴へ収まる錠剤の着地姿勢の乱れが大きく、転送距離が
短かい程姿勢が安定する。

このことは転送距離が大なる根管は渡しされる移動過程
での錠剤姿勢の乱れる確率が大であるし、これに加えて
後段ドラムの収容穴には負圧が作用しているためにいっ
たん着地すると錠剤はその着地姿勢のまま直ちに吸着保
持され、収容穴の形状が錠剤の形状に適合するよう定め
られていても乱れた着地姿勢が矯正されないためと考え
られる。

更に実験観察により、次のような過程を経て錠剤が転送
される場合には、安定した姿勢で転送されることが判明
した。

即ち錠剤が前段ドラムの収容穴から徐々に後段ドラムの
収容穴に近づき、しかも錠剤が搬送方向に向って前のめ
り方向に傾きながら後段ドラムの収容穴内へ入り込む場
合である。

このことは後段ドラムの収容穴もドラム回転に伴って搬
送方向へ進むため、前段ドラムの収容穴から前のめり姿
勢で離脱される錠剤の先端部が先ず後段ドラムの収容穴
へ着地することによって正しい着地姿勢の位置決めが行
われ、続いて収容穴の進行釦よび負圧による吸着作用が
協同作用して錠剤の後端部も正しく収容穴内へ収まるた
めと考えられる。

本発明は上記を基礎として、前段ドラムに付設された外
側ガイドを巧みに利用して姿勢制御を行わせるようにし
たもので、以下本発明の構成、並びに動作を図示の実施
例に基づいて詳細に説明する。

な転回示実施例は第２図における供給１ドラム２を前段
ドラム、第１ドラム３を後段ドラムとした場合について
示したものであるが、別彦実施例として先述のごとく錠
剤を供給ドラム２の外周域より供給し、かつ各ドラム２
，３．４の回転方向を第２図と逆向きにして構成したも
のに督いて、第１ドラム３と第２ドラム４との間の転送
位置にて第１ドラム側へ図示されてない外側ガイドを設
置した場合も、図示実施例と同様に構成して錠剤の転送
姿勢制御を行わせることができる。

ところで、本発明により、外側ガイド１３の先端部には
、前段ドラム２の固形錠剤収容穴１２の配列外周面に面
する部分に、前段ドラム２と後段ドラム３との相接対向
する領域（すなわち転送位置Ｐ）に向かって幅が徐々に
拡大する切込部１８が設けられている。

この切込部１８は第４図ａのととき■字形の切込溝１８
、あるいは第４図すのごとき凹溝１８″として形成する
ほか、その溝の形状もＵ字形にするなど種々の形状、構
造で実施することができる。

しかして切込部１８の先端幅ｄは錠剤の直径りよりも多
少小さく設定されている。

また図示例では第２図にかける真空吸引孔１７に相当す
るものが、符号１９で示すように周方向に沿って各収容
穴１４の底面中央を横切るように開口する長溝として設
けられている。

な釦２０は真空室１６の負圧形成手段としての真空ポン
プである。

次に上記の構成による転送動作を第５図ａｔｂについて
説明する。

矢印Ａは錠剤１１の搬送方向を示し、今、前段ドラム２
の収容孔１２内に収まって搬送される錠剤１１が外側ガ
イド１３にガイドされつつ上昇移送されて後段ドラム３
との間にまたがる転送位置Ｐの近くまで到達すると、錠
剤１１は第５図すの軌跡Ｉ〜■をたどって後段ドラム３
の収容穴１４へ吸着転送されることになる。

この過程では、先ず錠剤１１が■から■へ差し掛かると
、ガイド１３の切込部１８へ錠剤が入り込み、更に■字
形切込部１８の溝幅拡大とともに徐徐に後段ドラム３へ
近づく。

やがて錠剤１１が■まで達すれば、錠剤の重心は中心に
あるため、ガイド１３における切込部１８の両側先端縁
を支点として矢印Ｂのごとく搬送方向Ａに向けて前のめ
り姿勢に傾く。

この結果先ず錠剤１１の先端部が収容穴１４内の底部に
着地し、直ちに負圧作用を受けて吸着される。

引き続いて各ドラムの回転につれて錠剤１１の後端部も
外側ガイド１３より外れ、収容穴１４内へ受は渡し転送
される。

しかもこの過程で、錠剤の先端が最初に収容穴１４内へ
着地吸着された時点では、錠剤の後部域は未だガイド１
３の切込部１８にて左右に２点支持されて姿勢が正しく
規制され、搬送方向Ａと直角な方向には傾き得ない。

更にその後、錠剤は後段ドラム３側の負圧による吸引力
を受けながら後端部がガイド１３より離脱するので転送
姿勢は正しく保持されながら、所定の姿勢で収容穴１４
に収まる。

また図示実施例のごとく収容穴１４の底面中央に開口す
る真空吸引孔を周方向に沿った長溝１９に形成しておく
ことにより、錠剤１１に働く真空吸着力は搬送方向に沿
って線状に均一作用することになるため、前記転送過程
に３ける姿勢制御が安定して行われ易い。

以上の動作は固形製剤が錠剤である場合に限らず、カプ
セルに対しても同等な効果を奏することができる。

以上述べたように本発明によれば、ドラム間にまたがる
転送に際して固形製剤の姿勢制御を正しく行わせ、適正
な姿勢で円滑な転送が遂行し得る機能的に優れた固形製
材の搬送装置を提供することができる。

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【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施対象例として挙げた固形製剤の外
観検査装置の機器配置図、第２図は第１図にかける固形
製剤搬送装置の詳細構造を示す要部断面図、第３図女い
し第５図は本発明実施例を示すもので、第３図は要部の
断面図、第４図ａ。 ｂはそれぞれ異ｉる実施態様を示す外側ガイドの先端部
の斜視図、第５図ａは第３図における前段ドラムを省い
た平面図１、第５図すは転送動作を説明するための同断
面図である。 各図にかいて共通の符号は同一部分を示し、そのうち主
要な部分と符号との対応は下記の通りである。 ２・・・・・・前段ドラへ３・・・・・・後段ドラム、
１１・・・・・・固形製剤、１２・・・・・・前段ドラ
ムの収容穴、１３・・・・・・外側ガイド、１４・・・
・・・後段ドラムの収容穴、１６・・・・・・後段ドラ
ムの真空室、１８，１８’、１８“・・・・・・切込部
、１９・・・・・・真空吸引孔、Ａ・・・・・・固形製
剤の搬送方向、Ｂ・・・・・・固形製剤の前のめり転送
移動方向、Ｐ・・・・・・転送位置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ それぞれ周方向に沿って外周面に所定間隔に配列し
   た固形製剤収容穴を有し、かつ相互に外周面が相接対向
   するよう左右に並置して互いに逆向きに回転駆動される
   前段ドラムおよび後段ドラムと、先端を前記前段ドラム
   と後段ドラムとの相接対向する領域へ臨ませて、前記前
   段ドラムの外周下面に沿って設置され、前記前段ドラム
   の固形製剤収容穴から固形製剤が脱落するのを防ぐ外側
   ガイドとを備え、前記前段ドラムと後段ドラムとを、回
   転駆動の際にそれぞれのドラムの固形製剤収容穴の配列
   外周面が釦互いに対向するように配置し、前記前段ドラ
   ムと後段ドラムとの相接対向する領域へ回転駆動によっ
   てもたらされた前記後段ドラムの固形製剤収容穴に負圧
   を作用させて固形製剤を吸着保持させるようにしつつ前
   段ドラムより後段ドラムへ向けて固形製剤を上昇移送行
   程で転送する固形製剤の搬送装置において、前記外側ガ
   イドの先端部には、前記前段ドラムの固形製剤収容穴の
   配列外周面に面する部分に、前記前段ドラムと後段ドラ
   ムとの相接対向する領域に向かって幅が徐々に拡大する
   切込部を設けたことを特徴とする固形製剤の搬送装置。