JPS5831381B2 - 耐摩耗性Cu合金 - Google Patents

耐摩耗性Cu合金

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JPS5831381B2
JPS5831381B2 JP1547477A JP1547477A JPS5831381B2 JP S5831381 B2 JPS5831381 B2 JP S5831381B2 JP 1547477 A JP1547477 A JP 1547477A JP 1547477 A JP1547477 A JP 1547477A JP S5831381 B2 JPS5831381 B2 JP S5831381B2
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【発明の詳細な説明】 この発明は、微細な結晶組織と高強度を有する耐摩耗性
Cu合金に関するものである。
従来、高荷重の摺動条件下で使用される耐摩耗性Cu合
金としては、M青銅あるいは黄銅を基本合金とし、これ
に所要の合金成分を含有させたものが多く知られ、組織
的には、素地にβ相(β′相)を含有するβ型合金が最
も多用され、さらに耐摩耗性以外に靭性をも要求される
場合にはα+β(β′)相を有するα+β型合金が用い
られている。
しかしながら、合金素地中にγ相が粗大に析出(晶出)
すると靭性が低下するようになると共に、切削性も著し
く劣化するようになることから、β+γ型合金合金用に
はあまり供されていないのが現状である。
したがって、上記の従来実用耐摩耗性Cu合金において
は、上記のような素地組織に、Fe9MnSi 、 C
o−Al2.およびFe−Alなどの添加含有により金
属間化合物を晶出分散させて強化し、耐摩耗性の向上を
はかつているが、このような分散強化元素による耐摩耗
性向上効果は、金属間化合物のもつ物性と共に、その形
状、量、大きさ、および分布に密接に関係し、例えば金
属間化合物の晶出粒子の大きさが50μmを超えた場合
には合金の耐摩耗性が向上する反面、合金自体の切削性
が急激に劣化して、例えば自動車部品としてのシンクロ
ナイザ−リングのような精密な切削加工を必要とする場
合には不適当であって工業的価値は低下したものとなる
など必ずしも満足な特性は得られていない。
本発明者等は、上述のような観点に基き、従来耐摩耗性
Cu合金のもつ問題点を解決し、すぐれた耐摩耗性をも
つと共に、靭性および切削性も良好なCu合金を得べく
、特に上記のような素地組織織に金属間化合物を晶出分
散させて、これを強化するための添加含有元素の組合せ
に着目し研究を行なった結果、M青銅またはAlを含有
する黄銅に、FeおよびTiを併用添加含有させると、
これら添加含有元素の金属間・化合物が平均粒−径10
μm以下のきわめて細かい状態で均一に分散晶出して、
合金の耐摩耗性が、靭性および切削性が損なわれること
なく飛躍的に向上するようになるという知見を得たので
ある。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであって
、いずれも重量%で、Ar1 : 2.0〜13.8%
を含有する青銅、またはAffl:2.0〜13.8%
の範囲で含有すると共に、Zn:0.8〜43.0%を
含有し、かつZn+4!’J : 40.0〜56.0
%を満足する黄銅に、 Fe : 1.5〜7.5%、 Ti : 1.0%超〜5.0%、 を含有させることによって、すぐれた耐摩耗性、微細な
結晶組織、および高強度をもったCu合金を得ることに
特徴を有するものである。
つぎに、この発明のCu合金に関して、上記Cu−、I
’J2元系合金(青銅)、および上記Cu −ZnM3
元系合金(黄銅)に対するFeおよびTiの併用添加含
有が合金の耐摩耗性に及ぼす影響について詳述する。
いま、供試材としてAJJ 、 Znの含有量、および
これら元素の含有比率は異るが、素地組織をいずれもβ
相とした、 ■ Cu12%A1合金、 ■ Cu−10Zn −9,5%A7合金、■ Cu−
20%Zn−7i%M合金、 ■ Cu−30%Zn −4,5%M合金、と、同じく
素地組織をα+β相とした、 ■ Cu−10%M0%M 合金Cu−30%Zn−3%A1合金、 (以上重量%)の計6種のCu合金を用意し、これらの
基本成分組成をもったCu合金に対してFe単独添加含
有、およびFeとTi併用添加含有させた場合の合金の
耐摩耗性に及ぼす影響を検討したが、この結果が第1図
〜第3図にそれぞれ示されている。
第1図は、上記■〜■Cu合金のそれぞれに対してFe
含有量を変化させて含有させた場合の合金の比摩耗量と
Fe含有量との関係を示したものである。
第1図において、Fe含有量:0は上記の基本成分組成
のCu合金Cト■を示し、これにFeを単独添加含有さ
せても合金の耐摩耗性はあまり向上しないことが明らか
である。
また素地組織がα+β型の合金より同β型の合金の方が
耐摩耗性にすぐれており、さらに同一素地組織を有する
合金同志では、Fe含有量が同一ならば、ZnやAlの
含有量やその含有比率が異なっていても耐摩耗性にはあ
まり顕著な差異がないことが示されている。
また、第2図には、 ■′ :上記■合金+5%Fe。
■′ :上記■合金+5%Fe。
■l :上記■合金+4%Fe。
■′ °上記■合金+3%Fe。
■′ :上記■合金+5%Fe。
■′ :上記■合金+3%Fe。
の■′〜■′合金のそれぞれに対してTi含有量を変化
させて含有させた場合の合金の比摩耗量とTi含有量と
の関係が示されている。
第2図に示されるように、Ti含有量が1%以下では、
いずれの合金においても耐摩耗性向上効果は顕著でなく
、1%を超えたTi含有量において急激に摩耗量が低下
し、著しい耐摩耗性の向上が現われている。
特に2%以上のTi含有量になると比摩耗量は約lXl
0 6m4/kyに低下し、きわめてすぐれた耐摩耗性
を示すようになることが明らかである。
さらに、第3図は、上記■合金および■〜■合金に対し
てFe−Ti合金(Ti含含有量適41%を添加してF
e+Tiの含有量を変化させた場合の合金の比摩耗量と
Fe+Ti含有量との関係を示したもので、Fe+Ti
含有量が2.5%(Fe :1.5%、Ti : 1.
0%)以下では、耐摩耗性はほとんど改善されていない
が、その含有量が2.5%を越えると急激に摩耗量が減
少するようになり、特に6%(Fe:3.6%、Ti
: 2.4%)以上の含有量では、β型の■合金および
■合金の場合は比摩耗量が1×10−6−7kg以下と
なり、またα+β型の■合金および■合金の場合には比
摩量が1、3 X 10 m47kg以下となって耐
摩耗性が著しく改善されるようになることが示されてい
る。
なお、第1図〜第3図における比摩耗量は、上述の成分
組成をもった合金のそれぞれを高周波炉で大気溶解した
後、金型鋳造により巾100mmX厚さ30mmの寸法
をもったスラブインゴット(重量4 kg)に成形し、
ついでこれに面削および熱間圧延を施した後、最終的に
650℃に2時間保持の焼鈍を行なって水焼入れし、こ
れより摩耗試験片を切出して研磨(+、400)し、こ
の結果得られた摩耗試験片に対して、 摩耗試験機・・・・・・大越式 相手材・・・・・・JIS−8CM−の滲炭焼人材(硬
さHRC:62)、 摩擦距離・・・・・・100 m。
最終荷重・・・・・・3 kg 摩擦速度・川・・0.34 m / secの条件で摩
耗試験を行った場合のものである。
また、この発明の合金においては、上述のようにFeお
よびTiが互いに金属間化合物を形成して合金素地中に
分散晶出した組織になっており、前記金属間化合物の形
状は球状から6角柱状へと組成により変化するが、その
晶出粒子の平均サイズは10μ静以下と非常に細かく、
これらの微細な金属間化合物が素地中に均一に分散して
いるために素地の結晶も著しく微細化され、しかも熱安
定性のあるものになるのである。
すなわち、この発明の合金にかかる、例えばCu−31
% Zn5.7%M−2,7%Fe−1,9%Tiの組
成をもった合金は熱間圧延後、平均結晶粒径:約20μ
mをもち、さらに続いて870℃に1時間保持しても間
約30μmのきわめて細かい結晶粒径を保持しているの
である。
これに対してFeおよびTiを含有しない、例えばCu
−31%Zn−5゜7%M合金においては、熱間圧延後
の平均結晶粒径は100μ扉を越え、さらに続いて87
0°Cに1時間加熱すると、数mmの結晶粒径にまで結
晶粒成長をきたすようになるのである。
また、この発明の合金における上述のようなFeおよび
Tiの併用添加含有による素地結晶粒9微細化効果は、
合金を強靭化するばかりでなく、耐摩耗性合金が往々に
して遭遇する切削性不良をも著しく改善するのである。
すなわち、一般に、合金素地中にγ相が析出すると、合
金は急激に脆化し、切削性に関しても良好な仕上り面が
得られぬばかりでなく、切削端が欠けて製品とはなり難
いものとなることから、γ相が析出する組成範囲のもの
は実用的でなく、ごく特殊な場合を除いては使用されて
いないが、一方従来耐摩耗性Cu合金がγ相の析出する
組成に近い組成をもつことも事実であって、このような
組成の合金の加熱冷却時や、目的とする組成と多少異っ
た組成をもつ場合などにはγ相が析出する場合があり、
この場合には後の切削加工工程で切削不良となることが
しばしば生じるのである。
このγ相析出による脆化および切削性の低下は、析出γ
相の大きさと密接に関係し、これが大きいはど脆化およ
び切削性の劣化が著しくなるのであって、しかもこのγ
相は高温で安定なβ相より冷却過程で分解析出するため
に、この析出γ相の大きさは素地(β相)の結晶粒度に
一義的に依存することから、β相の結晶粒度を越えるこ
とはないが、はぼ同程度の結晶粒度まで成長するのであ
る。
例えば上記のFeおよびTiを含有しないCu−31%
Zn −5,7%M合金においては、熱間圧延放し材で
、γ相の平均粒径:約200μ肌、引張強さ:55.O
kg/−1伸び:1.2%を示し、著しく脆化したもの
になっており、切削に際しても切削材自身が貝殻状に欠
ける切削不良が発生した。
これに対して、この発明の合金組成をもつ上記のCu
−31%Zn5.7%M−27%Fe −1,9%T1
合金においては、熱間圧放し材で、γ相の平均粒径:約
2011 m N引張強さ: 81.2 kg/rna
、伸び:5.1%をもち、かなりの強靭性を有すると共
に、切削に際しても上記のような切削不良の発生は全く
見られない。
このように、この発明の合金においては、FeおよびT
iの併用添加含有によって、合金の耐摩耗性が向上した
ものになっているばかりでなく、著しい組織の微細化お
よび強靭化がはかられたものになっており、このことは
従来γ相析出による脆化および切削性不良などの問題で
使用が避けられていた組成の合金に対して、Feおよび
Tiを併用添加含有させれば、析出γ相が微細になり、
耐摩耗性の向上および強靭化がはかれることを意味する
のである。
ついで、この発明の合金において、成分組成範囲を上記
のように数値限定した理由について説明する。
(a) AA XZn + 4Aff1Mの含有量が
2%未満、およびZnを含有する場合には、Zn:0.
8%未満にしてZn+4Afflの含有量が40%未満
では、素地に占めるβ相の量が減少し、α相の量が増大
するようになつて、合金の耐摩耗性および熱間加工性が
低下するようになることから、それぞれ前記下限値以上
の含有が必要である。
しかじAlの含有量が13.8%を越え、またZnを含
有する場合には、そのZn含有量が43.0%を越え、
さらに、Zn+ 4 klの含有量が56%を越えても
γ相析出による耐摩耗性向上効果の寄与が小さくなると
共に、熱間加工性および靭性も低下するようになること
から前記上限値を越えて含有させてはならない。
なお、MとZnは本質的にこの発明の合金の素地組織を
決定する成分てあって、その含有量および含有比率によ
ってその組織はα+β型、β型、およびβ+γ型に変化
し、これらの組織は、熱処理条件、冷却速度などの熱履
歴の相違により多少変動するにしても、おおよそ、次の
条件: α+β型:38%<Zn%+4A1%〈47%、β型:
47%<Zn%+4A1%〈50%、β+γ型:50%
<Zn%+4 A1%、によって決まるものである。
これらの素地組織は、それぞれに特性を有し、α+β型
は靭性にすぐれ、β+γ型は耐摩耗性に関して最もすぐ
れ、さらにβ型は前記両組織の中間的特性をもつが、特
に熱間加工性にすぐれている。
一方、同一素地組織をもつが、ZnとAlの含有量およ
び含有比率が異なる2種の合金、すなわち高Zn−低A
AのCn合金と、高AA−低ZnのCu合金とを比較し
た場黴耐摩耗性に関しては前記両合金に大差はないが、
前記の高Zn低AlのCu合金においては、常温伸びが
大きく、熱間加工性にすぐれ、しかも熱間加工を比較的
低温(600〜7500G)で行なうことができること
からその取扱いが容易であり、この結果製造コストが廉
価となるばかりでなく、合金価格自体も安価であるなど
の利点がある。
また前記の高Al−低ZnのCu合金においては、合金
価格は高Zn−低A7のCu合金に比して高いが、比重
がこれより小さいという大きな特性を有し、例えば後記
する第1表の高Zn−低AlのCu合金である本発明合
金6は、比重7.71をもつのに対して、前記の高M−
低ZnのCu合金である本発明合金3の比重は7.26
となってている。
さらに組織が同一ならば、高M含有の合金の方が一般的
に耐食性はすぐれたものになっている。
(b) Fe 、 Ti Fe成分は、鋳造組織を微細化する目的で、通常Cu
1’−1系、Cu −Zn系、およびCuZn k
lJ系合金に添加含有されているが、これら合金にFe
を単独添加含有しても鋳造組織の微細化効果は十分でな
く、しかもその晶出粒子の太きさや形状にバラツキがあ
ると共に、分散粒子も不均一になり易いという問題点が
ある。
これに対して、FeとTiとを併用添加含有させると、
合金組織が効果的に微細化され、晶出粒子も細かく均一
に分散されるようになるために、合金が強靭化され、β
+γ型合金合金けるγ相析出脆化が抑制されるのであっ
て、この結果γ相の析出による耐摩耗性向上効果を積極
的に利用し得るばかりでなく、FeとTiとの金属間化
合物自体が飛躍的に耐摩耗性を向上させることは、前述
のとおりである。
しかしながら、所望の耐摩耗性向上効果を確保するため
には、Fe:1.5%以上およびTi:1.0%超の併
用添加含有が必要で、特にFeとTiの含有比率(Fe
%/Ti%)を1〜2とするのが好ましい。
しかし、Feニア、5%、Ti:5%をそれぞれ越えて
含有させてもより一段の耐摩耗性向上効果が期待できな
いばかりでなく、逆に塑性加工性が劣化するようになる
ことから前記上限値を越えて含有させてはならない。
つぎに、この発明の合金を実施例により比較例と対比し
ながら説明する。
第1表に示される成分組成をもった本発明合金1〜9お
よび市販の耐摩耗性合金(以下比較合金という)1〜4
を650’Cで2時間保持して空冷し、その引張強さお
よび測定すると共に、その素地組織を観察した。
この結果が第1表に合せて示されている。
第1表に示される本発明合金1〜9および比較合金1〜
4に関して、摩擦速度を変化させる以外は上述の第1図
〜第3図に関して行った摩耗試験と同一の条件で摩耗試
験を行った結果が第4図に示されている。
なお、第4図において、本発明合金に関し、同一組織を
有するものは、そのZnとAlの含有量および比率が異
なっても互にその比摩耗量にほとんど優位差が現われな
いことから、素地組織別に、測定された比摩耗量値が分
布した範囲(領域)で示した。
、第4図に示されるように、本発明合金の耐摩耗性を素
地組織別に見た場合、摩擦速度が高速側ではほぼ一定の
低い比摩耗量を示し、互に差がないが、低速側に移行す
るにしたがってβ+γ型(本発明合金8,9)、β型(
本発明合金3〜7)、α+β型(本発明合金1,2)の
順に比摩耗量が増大することが明らかである。
しかしα+β型の本発明合金1,2の低速側での比摩耗
量が他のものに比して大きいとは云っても比較合金1,
2よりははるかに小さなものになっている。
なお比較合金1の高速側での耐摩耗性はすぐれたものに
なっており、本発明合金とほぼ同等の耐摩耗性を示して
いる。
また比較合金4は比較的すぐれた耐摩耗性を示している
が、これはこの合金がβ+γ型の素地組織をもつと共に
、β+γ相の素地に、FeあるいはFeとAlの金属間
化合物が晶出分散した組織を有することに帰因するもの
である。
さらにβ型の素地組織をもつ比較合金3においても比較
合金4と同様にFeあるいはFeとMの金属間化合物が
晶出分散した組織をもつが、この比較合金3と比較合金
4の耐摩耗性における差は、素地組織中の過共析γ相の
有無によるものであり、γ相の存在する比較合金4の方
がよりすぐれた耐摩耗性を示すものである。
このことは本発明合金についても云えることで、β型の
ものよりγ相の存在するβ+γ型のものの方がすぐれた
耐摩耗性を示している。
また、いずれもβ+γ型の素地組織をもつ本発明合金8
と比較合金4とを比較した場合、後者の比較合金4では
FeあるいはFeとMの金属間化合物が分散晶出した組
織となっているのに対して、前者の本発明合金8では、
組成的にTiが含有されているためにFeとTiの金属
間化合物が分散晶出した組織になっており、したがって
これら両者の晶出分散金属間化合物の相違によって耐摩
耗性に差が生じるのであって、前者の本発明合金8の方
がすぐれた耐摩耗性を示すことが明らかである。
しかも第1表に示されるように、引張試験結果では比較
合金4の脆化が著しく、このことは当然この合金の製造
および使用に制約を受けることになるのに対して、本発
明合金8はかなりの強靭性をもつことが示されており、
この強靭化は本発明合金9の場合と同様にFeとTiの
併用添加含有効果によるものであることが明らかである
さらに、第5図には、β+γ型の本発明合金8.。
9および比較的すぐれた耐摩耗性を有する比較合金4に
関して、これに施される熱処理によって耐摩耗性(比摩
耗量)がどのように変化するかを調べた結果が示されて
いる。
なお、摩耗試験は、摩擦速度を1.Q@/secにする
以外は上述の第1図〜第3図に示される結果を得るのに
採用された条件と同一の条件で行なうと共に、熱間圧延
放し状態(第5図では[有]で示す)、650°Cに2
時間加熱後水焼入れした状態(同じく■で示す)、およ
び870℃に1時間加熱後水焼入れした状態(同■で示
す)のものについて行った。
第5図に示されるように、本発明合金8〜9はいずれの
熱処理状態においても安定した、すぐれた耐摩耗性を示
すのに対して、比較合金4は、熱間圧延放し状態ではす
ぐれた耐摩耗性を示すが、熱的に不安定であるために、
上記■および■状態では耐摩耗性がきわめて劣化したも
のになっており、しかも熱間圧延時の割れ、剪断不良、
切削加工不良などの問題も発生し、脆化現象の著しいも
のであった。
このように本発明合金においては、合金素地中に晶出分
散したFeとTiの金属間化合物(γ相)によって前記
の比較合金4にみられるような問題点の発生が皆無とな
るのであって、この結果その使用範囲が拡大したものと
なるばかりでなく、低速摩擦域での耐摩耗性もすぐれた
ものとなるのである。
上述のように、この発明の合金は、すぐれた耐摩耗性お
よび強靭性、高い強度、微細な結晶組織をもち、さらに
加熱による耐摩耗性の劣化、結晶粒の成長、および脆化
などが起らない特性を有しているので、広い範囲に亘っ
ての使用が可能であるなど工業上有用な合金である。
【図面の簡単な説明】
第1図は種々の組成のCu合金に関してFe含有量と比
摩耗量の関係を示した曲線図、第2図はFeを含有した
種々の組成のCu合金に関してTi含有量と比摩耗量と
の関係を示した曲線図、第3図は種々の組成のCu合金
に関してFe+Ti含有量と比摩耗量との関係を示した
曲線図、第4図は本発明合金と比較合金の摩耗試験にお
ける摩擦速度と比摩耗量との関係を示した曲線図、第5
図は本発明合金と比較合金に関して熱処理状態と比摩耗
量との関係を示したグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 I Fe: 1.5〜7.5% Ti:1.O%超〜5.0% All: 2.0〜13.8% Cuおたび不可避不純物:残り、 からなる組成(以上重量%)を有することを特徴とする
    すぐれた耐摩耗性を有するCu合金。 2 Fe : 1.5〜7.5%、 Ti:1.O%超〜5.0% Al:2.0〜13.8%、 Zn : 0.8〜43.0%、 (ただしZn+4AA’: 40.0〜56.0%)、
    Cuおよび不可避不純物:残り、 からなる組成(以上重量%)を有することを特徴とする
    すぐれた耐摩耗性を有するCu合金。
JP1547477A 1977-02-17 1977-02-17 耐摩耗性Cu合金 Expired JPS5831381B2 (ja)

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