JPS5830127Y2 - バキュ−ム進角装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はバキューム進角装置に関するもので、１つの
ダイヤフラムと２つのスプリングとにより２段進角特性
を得、しかもその特性の腰折れ点、更には全進角度の調
整を簡単な手段により可能にしたものである。

以下、第１図に示す実施例について詳述する。

図に於て、１はカム２が遊嵌された回転軸３を回転自在
に支承する配電器のハウジング、４はこのハウジング１
に回動可能に支持され、カム２により開閉される点火用
断続器５が取付けられている合板、６はハウジング１の
側部にねじ止めされた取付板７を介して装着されたバキ
ューム進角装置で、下記に示す部品にて構成されている
。

即ち、８は取付板７に固着された第１ケース、９はこの
第１ケース８に第２ケース１０により挟着されこの第２
ケース１０とにより負圧室Ａを形成するダイヤフラム、
１１は第２ケース１０に固着され、機関の吸気負圧を導
入するためのニップル、１２゜１３はダイヤフラム９０
両側にリベット等により挾持された第１．第２のホルダ
で、第１ホルダ１２には台板４に嵌着されたピン１４に
遊嵌するリンク１５が固着され、一方策２ホルダ１３は
突出部１３ａを有する。

１６は第２ケース１０の底部に定着された筒体で、開口
部に鍔部１６ａを有する。

１７はこの筒体１６内に移動可能に遊嵌された第３ホル
ダで、その中央部にねじが形成されている穴を有する。

１８は筒体１６の受は部と第２ホルダ１３との間に張架
された第１スプリング、１９は第２ケース１０と第３ホ
ルダ１７との間に張架された第２スプリング、２０は第
２ケース１０の底部に固着された固定部材でその内周部
にはねじが形成されている。

２１はこの固定部材２０のねじに螺合するねじが外部に
形成された第１調整部材である筒状の第１調整ボルトで
、先端に小径の突出部２１ａを有する。

２２は第３ホルダ１７のねじ穴に螺合するねじが外周部
に形成された第２調整部材である第２調整ボルト、２３
は第１調整ボルト２１と固定部材２０との間に介在する
密封用のワッシャである。

この実施例の動作を第２図に示す点火時期進角特性図を
用いて詳述するに、先ず、機関の吸気負圧がニップル１
１を介して負圧室Ａに導入されその値が第２図のＰｌに
達すると、ダイヤフラム９は第１スプリング１８に抗し
て左方向に移動し始める。

すると台板４はリンク１５を介して矢印Ｘ方向に回動さ
れ、点火用断続器５のカムヒールとカム２との相対位置
は進められる。

そして、得られる進角特性は第２図のイに示す通りであ
り、とのイ特性の傾き、即ち吸気負圧の上昇に対する点
火進角度θの増加割合は第１スプリング１８のばね定数
により決定される。

而して、吸気負圧が更に上昇して第２のＰ２に達し、そ
の点火進角度が０１になるとダイヤフラム９の移動に伴
って移動している第２ホルダ１３の突出部１３ａが第２
調整ボルト２２に当接するためその対向距離Ｌ１は零に
なる。

この状態から更に吸気負圧が上昇すると第２ホルダ１３
の突出部１３ａが第２調整ボルト２２に当接した状態で
、更にダイヤフラム９は第１゜第２スプリング１８．１
９に抗して左方向に移動し、これと同時に第３ホルダ１
７は第２調整ボルト２２を介して押されて同方向に移動
するため初めて第２スプリング１９が圧縮される。

そして、得られる進角特性は第２図の口に示す通りであ
る。

この０特性の傾きは第１．第２スプリング１８゜１９の
ばね定数により決定される。

而して、更に吸気負圧が上昇して、第３図のＰ３に達す
ると第２調整ボルト２２０反ホルダ１３側が第１調整ボ
ルト２１の突出部２１ａに当接してその移動は規制され
、対向距離Ｌ２も零となる。

その結果、ダイヤフラム９の左方向への移動は規制され
るため、リンク１５の移動も規制され、台板４はその回
動位置に保持される。

従って、全進角度は第２図へに示す通りθ２で抑えられ
る。

一方、吸気負圧が減少するとダイヤフラム９は右方向に
移動し、リンク１５を介して台板４は矢印Ｙ方向に戻さ
れる。

ここで、上述したバキューム進角装置はこれを構成する
各部品の製作上の寸法誤差、及び組立上の寸法誤差等に
より第２図に示すような適切な進角特性を得ることは難
しい。

そこで、本考案実施例は装置の組立後筒１．第２ケース
８．１０の外部より、第１に進角特性の立上り点、第２
にその腰折れ点、第３にその全進角度を所望の値に調整
可能とするものである。

即ち、第１の進角特性の立上り点の調整は吸気負圧Ｐ１
と実測の吸気負圧との差に見合った長さだけ第２ケース
１００筒部を第１ケース８側に押圧して点線にて示す通
り塑性変形させて第１スプリング１８の自由長を短縮す
る。

次に第２の腰折れ点の調整は第２調整ボルト２２を回転
させて、第２ホルダ１３の突出部１３ａとの対向距離を
正規のＬｌに調整する。

第３の全進角度の調整は第１調整ボルト２１を回転させ
てその突出部２１ａと第２調整ボルト２２０反ホルダ１
３側との対向距離を正規Ｌ２に調整すればＬｏとＬ２と
の和によって全進角度は決定される。

そして、この調整順序は第１゜第２．第３の順で行なう
のである。

この実施例は各対向距離Ｌ１．Ｌ２の調整を第１゜第２
の調整ボルト２１．２２により行っているので、微調整
ができ、且つ調整手段が一箇所に集中できるため調整作
業が比較的簡単に短時間に行なえる特徴がある。

尚、各距離Ｌ１．Ｌ２の調整は第１．第２調整ボルト２
１．２２により行っているが、圧入等による調整手段等
如何なるものでもよい。

また、第１スプリング１８の自由長を調整するために第
２ケース１０側の受は部を第２ケース１０に対し左右方
向に移動可能に取り付けてもよく、そうすれば、自由長
の微調整が容易に行なえ最適な進角特性が得られる。

更にこの自由長の調整手段を第１．第２調整ボルト２１
の外周部に取付ければ２つの調整手段が集中して構成で
きその調整作業が更に簡単且つ短時間に行なえる特徴が
生れる。

以上のようにこの考案は点火進角特性の全進角度を決定
する第１調整部材をケースの反ダイヤフラム側に移動可
能に取付け、またその特性の腰折れ点を決定する第２調
整部材を筒体内のホルダに移動可能に取付けているので
、各調整が装置の組立て後、ケース外部より容易に行な
え、そのための手段も構造簡単で安価に得られる実用的
な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示引析面図、第２図は第
１図装置により得られる２段の点火時期進角特性図であ
る。 図に於て、１はハウジング、２はカム、４は合板、５は
点火用断続器、６はバキューム進角装置、８は第１ケー
ス、９はダイヤフラム、１０は第２ケース、１２．１３
は第１．第２ホルダ、１３ａ。 ２１ａは突出部、１５はリンク、１６は筒体、１６ａは
鍔部、１７は第３ホルダ、１８は第１スプリング、１９
は第２スプリング、２０は固定部材、２１は第１調整ボ
ルト、２２は第２調整ボルト、２３はワッシャである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機関点火時期を決定する部材が取付けられている合板に
   リンクを介して連結されたダイヤフラム、このダイヤフ
   ラムとによって負圧室を形成するケース、このケースと
   上記ダイヤフラムとの間に張架された第１スプリング、
   上記ダイヤフラムの上記負圧室側の中央に固定されたホ
   ルダ、上記ケースの反ダイヤフラム側に定着され開口部
   に鍔部を有する筒体、この筒体内に遊嵌され上記ダイヤ
   プラムの移動方向に移動可能な別のホルダ、このホルダ
   と上記ケースとＡ’ｌに張架された第２スプリング、上
   記別のホルダに上記移動方向に移動可能に取付けられ上
   記ホルダと所定距離をおいて対向し、上記ホルダとの対
   向距離を調整する調整部材、及び上記ケースの反ダイヤ
   フラム側に上記移動方向に移動可能に取付けられ、上記
   調整部材の反ホルダ側に所定距離をおいて上記調整部材
   と対向し、上記調整部材との対向距離を調整する別の調
   整部材を備えたバキューム進角装置。