JPS5829964Y2 - 傾斜角調整装置つきパイプ棚 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、パイプ棚の傾斜角度調整装置に関する。

従来、斯種パイプ棚の傾斜角度調整装置は種々の構造の
ものがあり、例えば壁面取付固定枠にパイプ取付枠を傾
動自在に枢支し、分離した一対の支持アームの基端を夫
々固定枠及び取付枠に止着し先端を係脱自在となし、該
支持アームに複数の貫通孔を並列して両支持アームの孔
を合致せしめてボルト等にて止着することによりパイプ
取付枠の仰角を可変するもの、或いは壁面取付枠とパイ
プ取付枠との連設部にギヤ等の可変手段を設けたもの等
がある。

しかしながら、前者の孔の選択により傾斜角を調整する
構造の場合、並列する孔間隙が大なる為微調節し得す、
仮りに孔を小さく穿設した場合には強度が低下する許っ
てなく不使用の捨孔が外観し得、不体裁である等の不利
が有り、また後者の連設部に可変手段を設ける構造の場
合、傾斜角度に狂いが生じ易く垂直荷重に弱い等の不利
不便があった。

このため最近、当業界に於いて傾斜角の正確な微調節が
可能でしかも垂直荷重に強いパイプ棚の出現が要望され
ていたが現在そのようなものは存在しない。

本考案は簡単な構成により上記要望を満足し使用上の便
利さを図った新規な傾斜角調整装置付パイプ棚を提供す
るものである。

以下、図面に示す実施例に基づき本考案を具体的に説明
する。

図面は本考案に係るパイプ棚の壁面に取付けた状態を示
すもので、パイプ棚は公知の如くＬ型金具１と支持アー
ム２とからなり、Ｌ型金具１は、ボルト等にて壁面に固
定する取付固定枠１１と、並列したパイプを固定して棚
板１３を形成するパイプ取付枠１２とからなり、固定枠
１１と取付枠１２との間に枢軸１４を介して棚板１３即
ち取付枠１２を傾動自在となすと共に、支持アーム２は
基端を固定枠１１に止着した固定枠側アーム２１と基端
を取付枠１２に止着した取付枠側アーム２２とを係脱自
在となしたものである。

本考案の特徴をなす傾斜角調整手段は前記、一対の支持
アーム２１．２２とアームの屈折角を可変する偏心軸３
と該軸に螺合する保合ボルト４とからなるもので、固定
枠側アーム２１の先端には長手方向に凹部２４を具える
Ｕ字状の挾み片２３を形戊し、挾み片２３の対向する両
壁面には凹部２４と連通ずる矩形孔２５を形成し、取付
枠側アーム２２の先端には丸孔２６を形成して挾み片２
３の凹部２４に嵌入したとき矩形孔２５と丸孔２６が連
通すべくなしている。

前記偏心軸３は矩形孔２５より大なる円形基板３１の裏
面に矩形孔に適合する方形板３２、方形板３２にメス螺
子を螺設した筒軸３３を偏心位置に突設したもので、偏
心位置は種々考えられるが実施例では縦横長さを１３，
６ｍｍとした方形板３２の上辺から４．６ｍｍ、下辺か
ら１：Ｏｍｍ、左辺から２．２ｍｍ、右辺から３．４ｍ
ｍ中心方向にずらせた位置に直径１１ｍｍの筒軸３３を
突設し、この筒軸３３の中心が円形基板３１の中心に合
致すべく方形板を円形基板に一体に形成したものである
。

前記矩形孔２５は縦長さを方形板３２と略等しい長さ、
横長さを縦長さより偏心位置の最長距離である３、５ｍ
ｍ長くした１７．２ｍｍとなして、方形板３２を９０°
、１８０°、２７０°夫々回動させて矩形孔２５に嵌合
したとき筒軸３３と丸孔２６との中心位置のずれを吸収
すべくなしたものである。

尚、実施例では方形板３２となしたが６角形となしても
可く、この場合６段階に傾斜角の調節を行ない得る。

また筒軸３３を方形板３２の各辺から１゜２ｍｍ単位で
変位させたがこれに限らず変位単位を大きくすれば支持
アーム２２の屈折角を大きくし得ること勿論である。

しかして壁面に取付けたパイプ棚の傾斜角度を調節する
には予め固定枠側アーム２１と取付枠側アーム２２とを
係合させて矩形孔２５と丸孔２６とを連通し、固定枠側
アーム２１の一方から偏心軸３を挿通し、他方から保合
ボルト４を螺合して止着するのである。

いま、第６図の如く矩形孔２５に対し筒軸３３が矩形孔
２５の左辺に最も近接する状態で方形板３２を嵌合する
とき、方形板３２は矩形孔の略中夫に位置しその状態で
係合ボルト４を螺合して両アーム２１．２２を止着する
とき棚板１３は、はぼ水平に固定される。

次に棚板の傾斜角を可変するには、偏心軸３を一旦支持
アーム２１．２２から離脱させ、方形板３２を９０°回
動させた第７図の状態で矩形孔２５に嵌合する。

このとき筒軸３３の中心はｌ、２ｍｍ位置ずれする。

この筒軸３３と丸孔２６の中心を合致させる為、方形板
３２を矩形孔２５の上辺に当接するまで移動させて合致
させ、係合ボルト４を筒軸３３に螺着すれば取付枠側ア
ーム２２即ち棚板は筒軸３３の位置ずれ分だけ屈折し棚
板１３の前記は水平状態から約１°上昇傾斜する。

同様に、方形板３２を更に９０’回動させた第８図の状
態で矩形孔２５に嵌合するとき、筒軸３３の中心は３．
６ｍｍ位置ずれし、その分、取付枠側アーム２２は屈折
して棚板１３前端は水平状態から約３°上昇傾斜し、更
に同様に方形板３２を９０°回動させる（第９図）と筒
軸３３の中心は２．４ｍｍ位置ずれし棚板１３前端は水
平状態から約２°上昇傾斜するのである。

本考案は以上の如く、壁面固定枠１１と固定枠に傾動自
在に軸支したパイプ取付枠１２と両枠に基端を止着し且
つ一方の先端に矩形孔２５、他方の先端に丸孔２６を形
成した一対の支持アーム２１．２２と前記支持アーム２
１．２２を係合するとき連通する矩形孔２５及び丸孔２
６に挿通する偏心軸３と該軸に螺合する保合ボルト４と
からなり、前記偏心軸３は円形基板３１の面内に方形板
３２、方形板３２の各辺から夫々異距離に筒軸３３を突
設し方形板３２の各辺を選択して矩形孔２５に嵌合させ
て筒軸の中心を位置ずれさせることにより取付枠側アー
ム２２の屈折角を調節するようにしたから、棚板の傾斜
角度を正確に微調節し得、しかも折りたたみ収納し得る
から搬入出時、便宜である。

従って従来の如く、支持アームに多数の小孔を穿設しな
いから傾斜角度の微調節を行ない得る許ってなく外観体
裁も可＜、シかも方形板が矩形孔に嵌合するから垂直荷
重に対し強力で且つ正確に微調節し得る等、構成簡易に
して実用上の顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るパイプ棚の斜視図、第２図は側面
図、第３図は要部の平面図、第４図は偏心軸の断面図、
第５図は偏心軸及び保合ボルトの側面図、第６図、第７
図、第８図、第９図は矩形孔に偏心軸の方形板を嵌合し
た各状態を示す説明図である。 １１・・・・・・壁面固定枠、１２・・・・・・パイプ
取付枠、２１゜２２・・・・・・一対の支持アーム、２
５・・・・・・矩形孔、２６・・・・・・丸孔、３・・
・・・・偏心軸、３１・・・・・・円形基板、３２・・
・・・・方形板、３３・・・・・・筒軸、４・・・・・
・係合ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁面固定枠１１と固定枠に傾動自在に軸支した棚構成用
   パイプ取付枠１２と両枠に基端を止着し、且つ一方の先
   端に矩形孔２５、他方の先端に丸孔２６を形成した一対
   の支持アーム２１．２２と支持アーム２１．２２を係合
   するとき連通する前記矩形孔２５及び丸孔２６を挿通す
   る偏心軸３と該軸３に螺合する保合ボルト４とからなり
   、前記偏心軸３は円形基板３１の面内に方形板３２、方
   形板３２の各辺から夫々異距離に筒軸３３を突設し、方
   形板３２の各辺を選択して矩形孔２５に嵌合させ筒軸３
   ３の中心位置を変位させることにより、支持アーム２２
   の屈折角を調節するようにしたことを特徴とする傾斜角
   調整装置つきパイプ棚。