JPH0722408Y2 - 間仕切装置におけるハンギング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、複数の衝立パネルを連結してなる間仕切装置
における棚板等を支持するハンギング装置に関する。

〔従来の技術〕

従来の棚板支持用の回転可能なアームを有するハンギン
グ装置は、実公昭50-31217号公報にて開示される如く、
平面コ状支持体を上下摺動自在に支柱に遊嵌するととも
に、支柱の側方に突出した該支持体の両側板間にアーム
の基端を挿入して、該アームの上下中心線から上方位置
で軸により回動可能に枢着し、そしてアームの基端面と
支柱の壁面間に弾性板を挿入介在して、該弾性板を圧迫
するようにアームを下方へ回動して固定してなるものが
提供されるが、支持体を支持外周に遊嵌する構造である
ので、全側面が露出した支柱のみしか適用することがで
きず、そのため衝立パネルを複数連結したその連結部に
採用することが全くできなかった。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案が前述の状況に鑑み、解決しようとするところ
は、複数の衝立パネルを連結する連繋具を利用し、該連
繋具に棚板を支持するハンギング部材を無段階に高さ調
節可能に装着できるようにすることにあり、しかも棚板
支持状態で強固に固定できる間仕切装置における棚板支
持装置を提供する点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前述の課題解決のために、複数の衝立パネル
を上下略全長にわたり連繋具にて連結してなる間仕切装
置において、両側端に衝立パネルの支杆に連結する連結
部を有し、両連結部間の上下略全長に端縁に突縁を設け
た分岐を一体形成してなる連繋具と、一側に前記連繋具
の突縁に高さ調節可能に密嵌する嵌合溝を形成するとと
もに、他側半部及び下半部の幅方向中央部に両側方及び
下方へ開放し且つ前記嵌合溝に連通した空間部を形成す
るとともに、該空間部内の他側上部に棚板等を支持する
アームの基部を水平な支軸にて上下回動可能に枢着し、
更に該アームの基端下部に該アームが略水平状態におい
て前記嵌合溝内に突出する当止部を形成してなるハンギ
ング部材と、よりなることを特徴とする間仕切装置にお
ける棚板支持装置を構成した。

〔作用〕

以上の如き内容からなる本考案の間仕切装置におけるハ
ンギング装置は、隣接する衝立パネルの支杆を連繋具を
用いて連結した場合、該連繋具の両側連結部間に一体形
成した分岐は隣接する衝立パネル間から前面側へ突出す
ることになり、しかも該分岐は衝立パネルの上下略全長
にわたり使用でき、該分岐の端縁に形成した突縁にハン
ギング部材の嵌合溝を高さ調節可能に密嵌するととも
に、アームを略水平状態となした際に、該アームの基端
の当止部が嵌合溝内に嵌合した前記突縁を押圧して任意
の高さ位置に保持するのである。

〔実施例〕

次に添付図面に示した実施例に基づき更に本考案の詳細
を説明する。

第１図は本考案の代表的実施例を示し、図中Ａは間仕切
装置、Ｂはハンギング装置をそれぞれ示し、間仕切装置
Ａは複数の衝立パネル1,…を連繋具２にて連結構成し、
また、ハンギング装置Ｂは前記連繋具２に一体形成した
分岐３と該分岐３に装着するハンギング部材４とで構成
される。

前記衝立パネル１は両側の支杆５と該支杆5,5の上下端
部に図示しない横杆を連結して枠体を構成し、該枠体内
に板体若しくはパンチング穴を形成した板体又はガラス
板からなるパネル板６を装着したものである。そして、
前記支杆５は、中空杆体形状に合成樹脂又ははアルミニ
ウムで押出し成形され、内側の全長に前記パネル板６の
側縁を収容保持する凹溝７を形成するとともに、外側の
全長には前記連繋具２の一側を嵌着する連結溝８を形成
したものである。

前記連繋具２は、合成樹脂で押出し成形し、前記支杆５
の上下高さと略一致した長さを有し、両側端に前記支杆
５の連結溝８に嵌入する断面略円形の連結部9,9を有
し、該連結部9,9間を複数の縦条溝10,…を両面に対向形
成した薄板状の幕板11で連結し、更に両連結部9,9間の
上下略全長に前記分岐３を一体形成し、該分岐３の端縁
には断面略円形の突縁12を形成してなるものである。実
用上、前記分岐３と突縁12は幅方向中心を境にして一方
の幕板11と連結部９と同一形状となしている。ここで、
該連繋具２の分岐３を含めた断面形状は、Ｔ字形が基本
形であるが、それを変形したＹ字形、十文字形、更に間
仕切装置Ａの端部に位置するものにあってはＬ字形のも
のも採用し得る。また、本実施例では前記幕板11は、連
結部９及び突縁12の径より小径の円柱を連続させた形状
となして、縦条溝10の部分で屈曲し易くしかも全体的に
一様な曲率で湾曲するようになしているが、湾曲させる
必要がない場合には、硬質合成樹脂又はアルミニウムで
形成することも可能である。

そして、前記連繋具２の連結部９を衝立パネル１の支杆
５の連結溝８に上下方向からスライド係合させて連結す
るものである。

本考案のハンギング装置Ｂは、前記連繋具２の分岐３と
該分岐３に無段階の高さ調節可能に装着するハンギング
部材４で構成する。

該ハンギング部材４は、第１図乃至第４図に示す如くブ
ロック状の本体13の一側に前記分岐３の突縁12に密嵌す
る側方へ開口した縦方向の嵌合溝14を形成し、他側半部
及び下半部の幅方向両側部15,15を残して中央部に両側
方及び下方へ開放し且つ前記嵌合溝14に連通した空間部
16を形成するとともに、該空間部16内に遊挿した棚板支
持用のアーム17の基端部上部を前記両側部15,15の他側
上部に水平な支軸18にて上下回動可能に枢着し、更に該
アーム17の基端下部に設けた当止部19を、該アーム17が
略水平状態において前記嵌合溝14と空間部16の連通部20
から該嵌合溝14内に突出するようになしたものである。
更に詳しくは、前記嵌合溝14は、前記分岐３の突縁12に
密嵌し、その状態を維持するために、開口縁21,21を嵌
合溝14内部より狭く設定するとともに、前記縦条溝10内
に位置するように寸法設定し、更に嵌合溝14の径は前記
突縁12と一致させるか又は僅かに小さく設定している。
但し、前記突縁12と嵌合溝14の密嵌状態は、固定的なも
のではなく強制的に上下スライド移動させ得る程度のも
のとする。また、前記アーム17の当止部19の下端は、支
持強度を高めるために前記本体13の下面より下方に突出
するようになしている。

そして、前記連繋具２の分岐３に取付けるには、該分岐
３の突縁12に上下方向からハンギング部材４の嵌合溝14
を密嵌状態で嵌合し、アーム17を上方へ持ち上げた状態
で所望高さ位置にスライド移動させるとともに、所定高
さ位置で前記アーム17を回動させて略水平状態とするこ
とにより、該アーム17の当止部19が連通部20を通して前
記突縁12に圧接して固定されるのである。

また、前記ハンギング部材４の本体13は前述の如く一体
形成する以外に、第５図に示す如く前記嵌合溝14の中心
線を含む縦割り二分割し、一方を分割体4a、他方を分割
体4bとして両者をネジ22で連結し、外形状を第１図に示
した一体物と同様となすのである。即ち、一方の分割体
4aの嵌合溝14寄り位置にネジ22を螺合する螺孔23を形成
し、他方の分割体4bにはネジ22を挿通するざぐり孔24を
形成したもので、更にネジ22にて連結した際に該ネジ22
を中心に回転しないように、分割体4a及び4bの接合面25
の一方に突起26、他方に凹部27の対を単又は複数形成
し、そして両分割体4a,4bの側部15の適所には前記支軸1
8を挿通する軸孔28を形成している。尚、前記アーム17
の基部には前記支軸18を遊挿する貫通孔29を形成してい
る。

このようにハンギング部材４を二分割したものにあって
は、前記連繋具２の分岐３の突縁12の所望高さ位置を、
分割体4a及び4bの嵌合溝14で挟み込み、ネジ22を締付す
ることにより強固に固定し、また高さ調節する場合には
該ネジ22を弛めるのとともに、アーム17を上方に持ち上
げた状態で上下スライドさせれば容易に行えるのであ
る。

第６図は、複数の衝立パネル1,…を連繋具2,…で連結し
た間仕切装置Ａに、本考案のハンギング装置Ｂを用いて
棚板30を取付けた使用例を示している。即ち、ある一つ
の衝立パネル１の両側連結部に有する連繋具2,2のそれ
ぞれの分岐３の突縁12に前記ハンギング部材４を装着
し、略水平状態となしたアーム17の上面に棚板30を載置
してネジ止め等の適宜固定手段で取付けている。尚、前
記棚板30を傾斜させて取付ける場合もあるので、ハンギ
ング部材４を分岐３に装着した状態で上方又は下方へア
ーム17が傾斜するようにその角度を適宜設定する。

〔考案の効果〕

以上にしてなる本考案の間仕切装置におけるハンギング
装置によれば、複数の衝立パネルを上下略全長にわたり
連繋具にて連結してなる間仕切装置において、両側端に
衝立パネルの支杆に連結する連結部を有し、両連結部間
の上下略全長に端縁に突縁を設けた分岐を一体形成して
なる連繋具と、一側に前記連繋具の突縁に高さ調節可能
に密嵌する嵌合溝を形成するとともに、他側半部及び下
半部の幅方向中央部に両側方及び下方へ開放し且つ前記
嵌合溝に連通した空間部を形成するとともに、該空間部
内の他側上部に棚板等を支持するアームの基部を水平な
支軸にて上下回動可能に枢着し、更に該アームの基端下
部に該アームが略水平状態において前記嵌合溝内に突出
する当止部を形成してなるハンギング部材とよりなるの
で、隣接する衝立パネルの支杆間を連結する連繋具に一
体形成した分岐の突縁に、ハンギング部材の嵌合溝を高
さ調節可能に密嵌するとともに、アームを略水平状態と
なすだけで、該アームの基端の当止部が嵌合溝内に嵌合
した前記突縁に圧接して任意の高さ位置に保持すること
ができ、そして該アームに棚板を取付け、更に該棚板上
に物品を載置した場合には、前記アームに下方回転の回
転モーメントが作用し、前記当止部が突縁を圧接する押
圧力が増し、より取付強度を増大させることができるの
である。一方、高さ変更する場合には、アームを持ち上
げた状態でハンギング部材を上下方向にスライドさせる
ことにより容易に行える。

また、分岐は衝立パネルの上下略全長にわたるので、ハ
ンギング部材の高さ調節が広範囲に行えるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のハンギング装置の一部省略斜視図、第
２図は第１図の一方の衝立パネルを除いた状態の省略側
面図、第３図は第２図のＸ−Ｘ線断面図、第４図は第２
図のＹ−Ｙ線断面図、第５図はハンギング部材の他の実
施例を示す部分分解斜視図、第６図は本考案のハンギン
グ装置を用いて間仕切装置に棚板を装着した使用状態を
示す簡略部分平面図である。 A:間仕切装置、B:ハンギング装置、1:衝立パネル、2:連
繋具、3:分岐、4:ハンギング部材、4a,4b:分割体、5:支
杆、6:パネル板、7:凹溝、8:連結溝、9:連結部、10:縦
条溝、11:幕板、12:突縁、13:本体、14:嵌合溝、15:側
部、16:空間部、17:アーム、18:支軸、19:当止部、20:
連通部、21:開口縁、22:ネジ、23:螺孔、24:ざぐり孔、
25:接合面、26:突起、27:凹部、28:軸孔、29:貫通孔、3
0:棚板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の衝立パネルを上下略全長にわたり連
   繋具にて連結してなる間仕切装置において、 両側端に衝立パネルの支杆に連結する連結部を有し、両
   連結部間の上下略全長に端縁に突縁を設けた分岐を一体
   形成してなる連繋具と、 一側に前記連繋具の突縁に高さ調節可能に密嵌する嵌合
   溝を形成するとともに、他側半部及び下半部の幅方向中
   央部に両側方及び下方へ開放し且つ前記嵌合溝に連通し
   た空間部を形成するとともに、該空間部内の他側上部に
   棚板等を支持するアームの基部を水平な支軸にて上下回
   動可能に枢着し、更に該アームの基端下部に該アームが
   略水平状態において前記嵌合溝内に突出する当止部を形
   成してなるハンギング部材と、 よりなることを特徴とする間仕切装置におけるハンギン
   グ装置。