JPS5829180B2 - レンゾクチユウゾウヨウカナガタノ セイゾウホウホウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は連続鋳造用金型の製造方法に関するもので、鋳
造技術及び電鋳技術の両技術を応用することにより、電
鋳技術によって製造されるこの種金型の製造日数の短縮
を計り、その生産性を向上せしめるとともに価格の低廉
化を目的とするものである。

即ち、この種金型は、耐摩耗性、熱伝達性並びにこの両
性能を最大限に発揮せんとして組み合される異種金属層
間の密着性の３点より電鋳技術によす製造される場合が
ほとんどである。

然るにとの電鋳技術による場合には、夫々の金属層に必
要な厚味の電鋳に多くの時間が要求される結果、生産性
に乏しｂ欠点を有して居る。

即ち、通常上記３点の性能を得る為に、内壁面にニッケ
ルメッキ層を、その外面に銅メッキ層を施した２層から
成る金型が電鋳により製造されるが、耐摩耗性及び熱伝
導性の２点より、ニッケルメッキ層は１．５ｍｍ、銅メ
ッキ層は６５間程度の厚味が付与され、従って、ニッケ
ルメッキに１．５日、銅メッキに６．５日の計８日間と
言う長時間の製造時間を費やして居るのが現状である。

因で木発明者はこの欠点に鑑み、鋳造技術と電鋳技術の
両者を応用することにより、この種金型に要求される上
記３点の性能を満足せしめつつ製造時間を短縮すること
に成功したのである。

即ち、内壁面にニッケル層を鋳込みとともにこの外面に
銅層を直接鋳込むことは両層間の密着性に欠ける結果、
これを鋳造技術のみにより製造することの欠点は明らか
であり、製造時間の短縮には役立つものの、この種金型
の製法に不向きなるは明白であるとともにと、れを電鋳
技術のみによる場合の欠点も上述の通りである。

そこで、鋳造及び電鋳両技術の特徴を生かしつつ、この
種金型に要求される上記３点の性能を充足せしめながら
製造し得る方法の開発をなし、具Ｉｔａには母型の外面
にニッケルメッキを施してニッケルメッキ層を施すとと
もに、これの外面に銅メッキを施して銅メッキ層を施し
、これを鋳型内に設置し、銅メッキ層の外面に溶融鋼を
鋳込み、冷却した後、前記母型を抜去することにより製
造することを特徴とする。

而して、か＼る方法により製造する場合、１．５間のニ
ッケルメッキ層を得るには、１．５日を必要とされるの
は同様であるが、鋳込み溶融鋼との堅固な密着性を得る
為の銅メッキ層はＬＯｍｍ〜５０μで充分であるから、
これに要する時間は１日〜０．５日で充分となり、且つ
鋳込み銅層の厚味は縦来と同様の厚味を以て実施する場
合、４．５〜５間でよく、従ってこれに必要な時間は０
．３日となり、合計２．８日間で完成することができる
こととなる。

即ち、ニッケルメッキ層と銅メツキ層間の密着性につい
ては問題のないところで、鋳込溶融銅との密着性を損う
ことなく、本願発明の所期目的達成に必要な方法はニッ
ケルメッキ層の外面に銅メッキ層を施す点に有り、これ
によって鋳造技術の特徴を生かすことができたのであり
、勢いその結果電鋳技術のみによる長時間の製造時間を
約３分の１に短縮することができたのである。

尚、鋳造後の事後処理については電鋳による製造の場合
にも同様に行なわれるもので、製造時間の比較上問題と
ならなめ。

以下本発明方法の具体的な一実施例を図面とともに説明
する。

図中１は母型で、この母型１の外型は連続鋳造用金型の
内型と同一型状に形成され、その表面は充分研摩して銀
鏡反応を施す。

即ち、連続鋳造用金型の内壁の表面状態はこの母型１の
表面仕上げ状態に左右されるものであるから、上記研摩
工程は不可決で恋人りに行なわれなければならない。

又銀鏡反応処理は最終工程に於て、母型１を抜去する作
業を容易ならしめるためのものである。

而して、第１図に示す如く、この母型１と電鍍槽２中の
電鍍浴３中に架設し、下記条件によって表面に１．５朋
の厚さのニッケルメッキを施して、ニッケルメッキ層４
を電着するとともに、同様にして、下記条件によってニ
ッケルメッキ層４の表面に５０〜１．０μの厚さの銅メ
ッキを施して、銅メッキ層５を電着する。

図中６は陽極、１は直流電源である。

ニッケルメッキ浴組成 スルフアミノ酸ニッケル ホウ酸 ラウリル硫酸ソーダ ニッケルメッキ条件 陰極電流密度 ４Ａ／ｄｍ２浴
温 ６００ＣｐＨ４，０ 攪 拌 カソードロッカー空気攪拌併用ニッケ
ルメッキの他にニッケルーリン、ニッケ４５０ ？／Ｉ
；１ ３０ ？／１ ０．１ｆ／Ｖ ルー鉄、ニッケルークロム、ニッケルー鉄−クロムなど
の合金メッキが可能で耐摩耗性も良好であるが、例えば
ニッケルー鉄−クロム合金メッキを施した場合にはその
表面に強固な不動態被膜を作り、ニッケルー鉄−クロム
合金メッキ層と銅メッキ層の密着性を悪くするので、銅
メッキを施す前に、塩化ニッケル浴または塩化第一鉄浴
でフラッシング処理を行い、数μのニッケルまたは鉄メ
ツきを行って、銅メッキとの密着性の良好なものを得た
。

銅メツキ浴組成 硫酸銅 ２００グ／ｌ 硫 酸 ５０ ？／１２銅メ
ッキ条件 陰極電流密度 ５Ａ／ｄ？？Ｚ２浴
温 ２０〜２３°Ｃ攪
拌 カソードロッカ空気攪拌併用 ニッケルメッキ上の銅メッキ（ｄ−１，接硫酸銅メッキ
を行って良好なものを得た。

しかし上記塩化第一鉄でフラッシング処理したものは青
化銅浴、またはピロリン酸銅浴で銅メッキを薄く施し、
その後に硫酸銅メッキを施すとよい。

上記の如く、ニッケルメッキ層４及び銅メッキ層５を夫
々電着した母型１を第２図に示す如く、製造すべき連続
鋳造用金型に要求される外型寸法及び形状に形成された
鋳型８内に設置した後、溶融銅を注入することにより銅
メッキ層５の外面に鋳造銅層９を施すことができる。

従って、冷却後、鋳型８内より母型１を取り出すことに
より、第３図に示す状態下の連続鋳造用金型Ａを製造す
ることができ、これに所要の処理（外面の研削、研摩等
の機械加工を施す等）を施した後母型１を適当な手段に
て抜去することにより、連続鋳造用金型の製造を完了す
ることができる。

尚、母型１の抜去する手段として化学的に母型を溶解す
る場合、母材にアルミニウムパイプを使用し、前処理と
してジンケート浴で亜鉛置換を行い、その上にニッケル
またはニッケル合金メッキを施し、更に銅メッキを施し
てメッキを完了し、機械加工して外面寸法を調整した後
、苛性ソーダ溶液中で母型のアルミニウムを溶解し、更
に塩酸で亜鉛置換膜を溶解することにより実施すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は電着状態を示す説明図、 第２図は各型 着層の電着後の母型を鋳型内に設置した後、溶融銅を注
入し鋳造完了後の横断面図、第３図は母型抜去前の一部
破断斜視図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 母型にニッケルメッキを施してニッケルメッキ層を
   電着するとともにその外周に銅メッキを施して銅メッキ
   層を電着し、これを鋳型内に設置し、銅メッキ層の外面
   に溶融鋼を鋳込み、冷却した後、前記母型を抜去するこ
   とにより製造することを特徴とする連続鋳造用金型の製
   造方法。