JPS5829061Y2 - 活魚移送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は活魚移送、特に餌桶などに移送ホースによって
比較的早い流速で移送されてきた活鰯などの活魚と海水
（以下無水と云う）を、その流速を減速することにより
活魚を弱わらせることなく円滑に餌桶などに流入させる
ための装置に関するものである。

一般に魚槽より活魚を他の魚槽なとへフイシュポンプを
使用して移送する場合、活魚は水流に逆って遊泳する性
質を有してむり、その遊泳力は大体魚体の大きさに比例
し大型の魚はど遊泳速度も早いとされている。

そして魚の遊泳速度の限界水流迄はその水流にあわせて
遊泳し自己の位置を確保しようとするが、遊泳力以上の
流速になれば、あきらめて遊泳をやめ、流れの１＼に委
ねている。

この様な状態は魚移送ホースに透明なビニール製ホース
を使用してフイシュポンプの回転数を次第に増加してい
くことにより仔細に観察することができる。

かＳる状態を具体的に鰹一本釣漁業のなぶらに散布する
活鰯を魚槽から舷側の餌桶に移送する場合について考察
するとこの場合に使用する移送ホ−スはフイシュポンプ
の吐出量に応じて一定の口径のもので少くとも活鰯の遊
泳力よりも早い速度の流速で移送しなければならないが
活鰯は前述の観察の如く遊泳をあきらめて流されるため
移送ホースを直接餌桶へ開口させると餌桶の容積が釣作
業の関係から余り大きなものを設置できない関係上餌桶
内に渦巻流が生じたり急激な水流速度の変化が起゛つて
これらを受ける活魚は弱ったり時間が経過して死ぬもの
も生じ、従ってフイシュポンプ使用による活鰯の移送は
ほとんど実用化されていない現状である。

又か＼る現象は上述の場合のみならず、移送ホースを使
用して早い速度で活魚を移送する他の種種の場合にも起
ることであり同様問題となることは争えない。

本考案者は上述の如き現状に鑑み、その改善を図るべく
種々検討を行いその結果特に餌桶に移送ホースによって
比較的早い流速で移送されてきた黒水の流速を餌桶に流
入させるに先立ち、短い距離を通過する間に速かにかつ
円滑に減速して餌桶に流入させるようにすることにより
活鰯を弱わらせることなく移送飼育することができるこ
とを知得するに至り、本考案に到達した。

即ち、本考案は魚槽から黒水を吸入し移送ホースを通じ
て受魚槽へ活魚を移送せしめる装置に訃いて受魚槽に近
接して、少くとも一部に減速部を有する給送ダクトを前
記移送ホースと装設しかつ、給送ダクトの水面レベルと
受魚槽の水面レベルとをはＸ同一とし両者を互に連通せ
しめた構成を特徴とするものである。

こ＼に減速部は通常の構造とじて受魚槽に流入する前に
ホース口径を大きく即ち断面積を大きくすることが採用
され流速の減速化が図られるが、その流速が落ちた位置
で活鰯の遊泳力が勝り、その部分から進行しなくなり又
時には逆遊泳して餌桶より遠ざかることも起る。

しかじかＸる場合においても実際上活魚は暫時滞留する
だけで餌桶方向への流れに従って餌桶に移行するので実
質的に例等の支障を来たさない。

以下更に添付図面に示す実施例にもとづいて本考案装置
を詳述する。

第１図は本考案装置の概要を示すものであり、図におい
て１（ｄ魚槽、２はフイシュポンプ、３は移送ホース、
４及び５はそれぞれ移送ホース３の途中に介設された給
気コックと逆止弁、６は餌桶などの受魚槽で、魚槽１に
滞留する活鰯などの活魚を水と共にフイシュポンプ２を
使用して移送ホース３を通じて上方に配置された受魚槽
６へ移送している。

７は受魚槽に隣接して配置されだ給送ダクトで前記移送
ホース３の吐出端に連続して設けられ、漸次口径を大き
く即ち断面積を大とするように拡開された減速部８と拡
開された口径をその口径とする鉛直上り方向の鉛直部８
′とからなって耘り、鉛直部８′の内側壁は前記受魚槽
６の槽壁と一体となり、上方は大気に向けて開口して供
給ロアａとなっている。

又給送ダクト７の外方壁は図に耘いて受魚槽６の外方壁
と共に上部に釦いて開口６ａを形成し活魚取出口を作っ
ている。

勿論上記の槽壁の一体化並びに両外壁による上部開口６
ａの形成は受魚槽６と給送ダクト７が密着して隣接され
てい、る場合であり、最も一般的な構成であるが必ずし
もこれに拘泥されるものではなく受魚槽６の槽壁と給送
ダクト７の内壁とは離隔された構成であっても差支えな
い。

しかじ給送ダク）７の水面レベルと受魚槽６の水面レベ
ルとははソ同一レベルであることが好ましい条件であり
、従って給送ダクト７と受魚槽６の両水面レベルは互に
連通していることが肝要である。

な訃水面レベルは給送ダクト１と受魚槽６を仕切ってい
る内壁又は槽壁の上端より余り離れてむらず、出来るだ
け水面レベル近傍で両者の連通部が形成されることが好
渣しく第３図の如く余り離れ過ぎ、連通部分が大きくな
り過ぎると受魚槽６内に大きな旋回流が起り易く、活魚
が弱り更に上部の開口６ａからたも網ですくい取る場合
も活魚が旋回流と共に移動して作業がやりにくＳなる。

従って好ましい連通部の大きさ即ち仕切りとなる槽壁と
水面レベルとの距離は活魚が水と共に円滑に移動するに
足る距離であれば充分である。

受魚槽６は上方に前記上部開口６ａを有する外、その底
部に多孔板９を介して排水ダクト１０が連接されて釦り
、排水ダクト１０は受魚槽６の槽壁に沿って並設された
状態で上昇し上部に吸気口１３を有した排水室に導通し
排水口１２に開口し適宜排水ホースに連らなっている。

な釦、排水ダクト１０の排水室への開口部には上下可能
なレベル調整板１４を設けて排水量の調節を図るように
している。

−力受魚槽６の上方部には海水供給口１１が設けられて
強制循環ポンプ１５により受魚槽６内へ新鮮な海水を供
給するようになっているが、この海水供給口１１は更に
設定弁１６を介して前記移送ホース３と連通管１７で連
通されており、前記逆止弁５が閉じられた場合、換言す
ればフイシュポンプ２による受魚槽６への移送が停止し
た場合に魚槽１へ無水を返送するのに便ならしめている
。

次に上記の如き構成からなる移送装置を使用し、例えば
餌となる活鰯等の活魚が貯留されている魚槽１内から活
魚を上方に配置された餌桶等の受魚槽６に送る場合につ
いて説明すると、先づ活魚は従来一般に使用されるフイ
シュポンプ２及び透明合成樹脂製等の移送ホース３によ
り順次上方の受魚槽６に送られるがこの時移送ホース３
に連続した給送ダクト７を通過することにより、流速が
落され、その減速した状態で受魚槽６に無水を流入させ
る。

即ち給送ダクト７はその口径が次等に大きく拡開してい
るので速やかに減速させることができ、しかも鉛直部８
′を通って減速の加速度がはビ一定に保たれた状態で供
給ロアａの方へ流れ、その側面で受魚槽６の水面レベル
と同一レベルをなして連通し同窒化している水面レベル
直下の連通部分を経て受魚槽６に入る。

従って移送ホース３内で早い流速で移送されてきたとし
ても受魚槽６の海水との間では減速されて接触が行われ
ることになり、流速が受魚槽６内の海水に急激な運動を
与えたり渦巻流を生ぜしめることがなく、恰も給送ダク
ト７上端の供給ロアａから溢れ出るようにして流入する
。

なお、流入時、供給ロアａの部分に釦いて水面レベルが
隆起する現象が見られるが、これは無水が、給水ダクト
７内を上昇するに当り、鉛直下向きに重力がかＳりなが
ら上昇するが、１だ多少、上向きに慣性力が残るためで
あり、かくして移送ホース３からの流速は受魚槽６内に
流入するに適当な速度に減速されることとなる。

無水を受魚槽６上部から順次供給し、その供給が終了す
れば強制循環ポンプ１５により新鮮な海水を受魚槽６上
部の海水供給口１１より常に注水しているので活鰯の糞
、餌の喰残し等の有機物は受魚槽６底部に沈降し多孔板
９を通過して排水ダクト１０内を上昇し排水口１２より
排水される。

なお常に受魚槽６内は新鮮な海水が注水され上方より下
方に向けて通水循環が行われ、活魚の健康な生存状態を
確保することができる。

又、若し万一、一部の活魚が死んで腐敗した場合には多
孔板９部分に残るにしても、該多孔板９の付近では常に
受魚槽６内部より排水ダクト１０方向に向かって一定の
流速があるため腐敗による有害な有機物、ガス等は排水
ダクト１０方向へ流れ、受魚槽６の上方へ浮遊すること
がない。

従って受魚槽６の他の活魚の健康な生存状態に影響を及
ぼすことはない。

特に魚槽１の構成を前記受魚槽６の構成の如く新鮮な海
水を上部から注水して下部から排水を取出す構成とすれ
ば魚槽１内に貯留されている活鰯等も常に健康な状態を
保持することができ、フイシュポンプ２による移送にも
充分耐えられるものとなり好適である。

又ソイシュポンプ２運転時は活魚と共に水が受魚槽６に
流れているが供給を終るか、他の事由によりソイシュポ
ンプ２挨停止した場合には、逆止弁５が閉じられ一方設
定弁１６が開放されて移送ホース３中の活魚に連通管１
１を通じて新鮮な海水が供給され、更に釣り作業が終了
し全く移送の必要がなくなれば給気コック４を開いて空
気を注入し、作動停止状態にあるが開通しているフィッ
シュポンプ２内の通路を経て元の魚槽１へ無水を返す。

その時、活魚が移送ホース３内に残らないように海水供
給口１１より連通管１７を経て、必要に応じ移送ホース
３内へも給水する。

上記説明は図示の場合について述べたがその目的を逸脱
せず、作用効果に変動を生じない限りに釦いて適宜設計
上の改変を加え得ることは勿論可能である。

以上の如き本考案移送装置によれば流速の早い移送ホー
スから直接受魚槽に移送されることなく、減速部を有す
る給送ダクトを介して移送されるので受魚槽内に渦巻流
とか急激な水流速度の変化がおこることがなく従って移
送する活鰯等の活魚を弱めることがなく、シかも減速部
を含む給送ダクトと受魚槽とは同一レベルで連通してい
るので魚体を損傷することなく円滑に受魚槽内に流入さ
せることができ、比較的早い流速で無水を移送する場合
の装置として極めて好適である。

更に本考案装置は海水供給口を設けたり、受魚槽底部に
多孔板を配置して排水させるようにすることができ、受
魚槽内の有機物、ガス等を排除して槽内に釦ける活魚の
健康な生存状態を確保することができる利点もあり、そ
の構成が単に断面積の漸次犬なる給送ダクトを装設する
だけで簡単であり、従来の装置に容易に付設することが
出来ること＼相俟って実用性並びに経済的にも頗る効果
的である。

な訃、本考案装置は鰹一本釣り漁業のなぶらに散布する
活鰯を魚槽から舷側の餌桶に移送する場合を始め、各活
魚移送に使用して有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案活魚移送装置の概要を示す略示図で要部
を断面にて示す。 第２図、第３図はいづれも要部における作用説明図であ
る。 １・・・・・・魚槽、３・・・・・・移送ホース、４・
・・・・・給気コック、５・・・・・・逆止弁、６・・
・・・・受魚槽、Ｔ・・・・・・給送ダクト、８・・・
・・・減速部、９・・・・・・多孔板、１０・・・・・
・排水ダクト、１１・・・・・・海水供給口、１５・・
・・・・強制循環ポン７″、１７・・・・・・圧力水供
給回路（連通管）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．魚槽１から無水を吸入し移送ホース３を通じて受魚
   槽６へ活魚を移送せしめる装置にむいて、受魚槽６に近
   接して少くとも一部に減速部８を有する給送ダクト７を
   前記移送ホース３と連続的一体に装設すると共に、該ダ
   クト７の水面レベルと受魚槽６の水面レベルとをはＸ同
   一とし、かつ該レベル近傍にトいて両者を互に連通せし
   めてなることを特徴とする活魚移送装置。 ２、給送ダクト７が受魚槽６に隣接して配置され、その
   外壁が受魚槽６の外壁と共に上部に３いて活魚取出用開
   口６ａを形成している実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の活魚移送装置。 ３、受魚槽６が底部に多孔板９を介して排水ダクト１０
   を備えた槽である実用新案登録請求の範囲第１項または
   第２項記載の活魚移送装置。 ４、減速部８が無水流通方向へ向い、漸次拡開するダク
   トであり、上部に鉛直ダクトを連続して有して受魚槽６
   と隣接配置：〜でいる実用新案登録請求の範囲第１項、
   第２項または第３項記載の活魚移送装置。 ５、移送ホース３が途中にスイング式逆止弁５を有して
   いる実用新案登録請求の範囲第１項乃至第４項のいずれ
   か１つの項記載の活魚移送装置。 ６、受魚槽６は上部に海水供給口１１を備えている実用
   新案登録請求の範囲第１項乃至第５項のいずれか１つの
   項記載の活魚移送装置。 ７、移送ホース３が逆止弁５の魚槽側に設けられた給気
   コック４・と前記受魚槽上部の海水供給口１１との間に
   むける強制循環ポンプ１５による圧力水供給回路１７を
   備えている実用新案登録請求の範囲第１項乃至第６項の
   いずれか１つの項記載の活魚移送装置。