JPS5828743B2 - 高電圧用サイリスタバルブ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高電圧用サイリスタバルブに係り、特にその絶
縁構造材の低減を図り得る構造に関する。

サイリスタバルブは、通常の場合、第１図に示す回路構
成からなる高電圧ユニットを複数個直列接続することに
より構成される。

高電圧ユニットにおいて、サイリスタ素子１佃当りに印
加される電圧をＥとすると第１図のＡ端子とに端子との
間にはｎ−Ｅの電圧が印加される。

この高電圧ユニットを直列接続してサイリスタバルブを
構成するにあたり、各ユニットを多段に積み重ね最下段
と最上段の間の絶縁を有効にとることが行われる。

第２図はこの例を示したもので、使用ユニット数が多（
なると、バルブ高さが犬となり、重心が高いため地震に
対する充分な機械的強度の確保が困難になる。

これに対処するため、高電圧ユニットを左右２列に配置
、もしくは前後左右４列に配置し、この上に多段に積み
重ねることにより全体の高さを低く抑え、もって構造的
安定度を増すことが考えられている。

この１列配置、左右２列配置、および前後左右４列配置
の場合の平面配置図を第３図乃至第４図に示す。

配置法が、１列配置、２列配置、４列配置となるにした
がって、各高電圧ユニット間の絶縁の必要からこれらユ
ニットを支える支柱の数が２．４．１６本と増加する。

ここで、支柱はサイリスタバルブの構造材であると同時
に、高電圧ユニット間に加わる交流、直流に対し安定な
絶縁特性を有する絶縁材料であることが要求され、高価
なＦＲＰまたは碍子が使用される。

このサイリスタバルブに横荷重が働いた場合の曲げモー
メントをＭ、高電圧ユニットの支柱４本の断面係数をＺ
、曲げ応力をσとすると、となることはよく知られてい
る。

いま簡単化のため、左右２列配置を例にとり、左右のユ
ニット間に電気的絶縁が必要なため左右ユニット間の機
械的結合が行われていない、もしくは絶縁材料で結合さ
れており、１つのユニットを支える４本の支柱はユニッ
トのフレームにより剛結合されている場合を考える。

絶縁材料として使用するＦＲＰは、その縦弾性係数がユ
ニットのフレームに使用されている金属材料（例：５Ｓ
４１）に比して約％と小さく、バルブ全体の構造から許
容される左右ユニット結合用絶縁材料の文法を考慮に入
れると、左右ユニット間を剛結合させる部材とはなり得
ない。

このため、バルブに横荷重が働いたときに、左右２列配
置したときの支柱にかかる曲げ応力σ１は となり、左右ユニット間が剛結合された場合に低下を期
待し得る応力 の約４倍となる。

このように床面積が増えたことにより、サイリスタバル
ブの構造物としての断面係数を増し、もって支柱に加わ
る応力を低下させ得るにも拘らず、相隣る高電圧ユニッ
ト間の絶縁を行う必要から、これらユニット間を剛結合
させ得なかったため支柱に加わる応力を低下させること
ができない欠点がある。

したがって本発明の目的は、相隣合う高電圧ユニットを
剛結合し、もって支柱に加わる応力を低下させ、より良
好な機械的強度をもつサイリスタバルブを提供するもの
である。

本発明はこの目的達成のため、高電圧ユニットフレーム
を弾性係数の大きい金属材料で構成し、相隣り合う２つ
のフレームを同電位とすることにより両者を弾性係数の
大きい金属材料で剛結合し、もって構造物としての断面
係数を増大させることにより支柱に加わる応力を低減す
るような構造のサイリスタバルブを構成したものである
。

以下第６図乃至第９図を参照して本発明の詳細な説明す
る。

第６図は本発明に係るサイリスタバルブのフレーム電位
のとり方を示したもので、相隣合う高電圧ユニットのフ
レーム電位を、一方はに側端子電位に、他方はＡ側端子
電位に入る。

この２種の高電圧ユニットを第６図に示す配置とした場
合、両者のフレーム電位は同一となる。

したがって、両フレーム間の電気的絶縁は不要であり、
両者を導電体である金属で接合しても何ら不都合を生じ
ない。

即ち、両フレームを剛性の高い金属材料（例ＳＳ４１
）で接続することにより両者を剛結合とすることができ
、もって先に述べた理由により支柱応力を下げることが
できる。

第７図は本考案の一実施例を示したものである。

これは、左右高電位ユニットフレームを同一電位とする
ことにより両者を剛結合とすることができる。

ここで、従来は左右の高電圧ユニットを電気的に絶縁す
る必要があったため、支柱本数が、左右２列配置の場合
８本必要であるが本発明では左右ユニットのフレームは
同電位であり、両者を電気的に絶縁する必要がないため
、両フレームの中間に支点としての支柱があれば充分で
ある。

第８図はこの支柱本数を削減した状態を示していて、支
柱本数は６本で足りる。

第９図は本発明の他の実施例を示したもので、高電圧ユ
ニットを前後左右４列配置としている。

この場合も、左右２列配置を前後に配置し、両者を絶縁
材で結合することにより、所期の目的を達成することが
できる。

そして、この場合の支柱本数は、従来の１６本に対し１
２本と低減されている。

本発明は上述のように、相隣り合う高電圧ユニットフレ
ームを剛結合としてサイリスタバルブの構造物としての
断面定数を大きくとり得るため、支柱応力を低減して良
好な機械的強度を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はサイリスタバルブの高電圧ユニットの電気回路
図、第２図は従来のサイリスタバルブの構成を示す側面
図、第３図乃至第５図は従来のサイリスタバルブにおけ
る高電圧ユニットの平面配置図、第６図は本発明に基く
高電圧ユニットフレームの電位のとり方を説明する回路
図、第７図乃至第９図は本発明の各実施例の説明図であ
る。 １・・・・・・高電圧ユニット、２・・・・・・絶縁板
、４・・・・・・フレーム結合部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数の高電圧用ユニットを互いに近接配置し、各ユ
   ニットを直列接続してなるサイリスタバルブにおいて、
   前記ユニットの各々のフレームを弾性係数の大きい金属
   材料で構成し、相隣り合う２つのフレームを同電位とす
   ることにより、両フレームを弾性係数の大きい金属材料
   で剛結合したことを特徴とする高電圧用サイリスタバル
   ブ。