JPS582768B2 - センバンノオウフクダイベツドイドウソウチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は加工対象物の加工径に応じて往復台ベッドを
横送り方向に移動しうる旋盤の往復台ベッド移動装置に
関する。

そしてその目的は加工対象物の加工径範囲を大巾に、し
かも簡易に精度よく広げうるようにすることにある。

従来加工径に極端な段差のある加工物、例えば大径のワ
イヤ溝等と小径の軸受ジャーナル部とをもったクレーン
のドラムのようなものを加工する場合に使用する普通旋
盤では、往復台ベットが心押台ベッドと結合して基礎上
に固定され、加工径が横送り台の移動量により決定され
るため、加工径を大きくとるための工夫がベッド形状、
横送り台形状についてなされてきた。

しかじ心押台ベッド上の振りに充分な余裕があっても、
往復台と壬渉してしまうため一定以上に大きい加工径に
対しては、その加工径に応じた振りの別な旋盤が必要に
なる欠点があった。

さらに一定以下に小さい加工径に対しては、横送り台の
前進のみでは足りないため、長いバイトホルダーを利用
する必要があり、その使用によりいわゆるびびりが誘起
され、また重切削することが不可能になる欠点があった
。

そこでかかる能率上好ましくない欠点を除去すべく、加
工径に極端な段差のある加工物に専用の旋盤として往復
台ベッドを心押台ベッドと共通した定盤上にクランプし
て据付ける方式のものが最近採用されてきた。

しかし往復台ベッドの移動にクレーン等の他の運搬設備
が必要であり、また移動後のクランプには定盤に加工し
たＴ溝内にＴボルト等を係止して人力によりクランプ操
作することが必要であり、さらに移動後の位置決め芯出
しに時間がかかりすぎ、しかもこれらの作業は、作業者
一名ではきわめて困難で頻繁な位置替えを要する加工に
は適さず、その上定盤も大形で重量の大きいものになり
、Ｔ溝加工等の製作加工費を含めて設備費が嵩む欠点が
あった。

この発明は前記従来の問題点を解決するためになされた
ものである。

以下この発明を図示する実施例により説明すれば、図中
１は主軸台、２は心押台３を支持する心押台ベッド、４
は往復台ベッド５を支持する４Ａ，４Ｂ ，４Ｃよりな
る補助ベッドで、これらは各々分離して基礎６の上に据
え付けられている。

４Ａ，４Ｂ，４Ｃは補助ベッド４を構成する往復台ベツ
ド支持用レールで往復台７の送り方向に直角な横送り方
向（図示Ｙ方向）に沿い、一定間隔にて並設されている
。

８はそのうち断面Ｕ状をなす補助ベッド４Ａの端部内に
設置された軸受で、両軸受を介し支持して補助ベッド４
Ａの内部には送りネジ９が枢架されている。

１０，１１はこの送りネジ９を往復台ベッド５の下部に
螺挿するために該往復台ベッドに補助ベッド４Ａ内に突
出させて設けられた軸受およびその内部に組込まれた雌
ネジである。

１２はこのように構成された往復台ベッド移動用ネジ機
構に駆動力を導入するサイクロ減速機付きの電動機で、
その出力軸に送りネジ端部をギヤカップリング１３を介
し接続して基礎６の上に据え付けられている。

この場合、補助ベッド４Ａは往復台ベッド移動用として
ベッド全長が長いものでは３本、短いものでは２本、し
かも各電動機１２にそれらの同期運転時、負荷をできる
だけ均等にかけうるようにベッド全長からバランスのと
れた位置に配置されている。

さらに後述する移動ガイド機構とともに往復台ベッド５
が移動時蛇行するのを防止するために、各電動機１２に
は同期ずれ検出装置が設けられている。

また１４はやはり断面Ｕ状をなす補助ベッド４Ｂの両内
側に設けられたガイドブツシュ１５は往復台ベッド５か
ら垂設され、かつ左右両ガイドブツシュ間に挿入されて
これらに摺接させられている複数本のガイドポストで、
その摺接構造により往復台ベッド５の移動をガイドさせ
るようにされている。

また１６は各補助ベッドに対応して往復台ベッド下面に
横送り方向に沿い該方向に直角な縦送り方向（図示Ｘ方
向）に対設されたガイド片で補助ベッドフランジの両側
部に係合してこれにより往復台ベッド５の移動がさらに
ガイドされるようになっている。

１７は往復台ベッド５の内部下側に設けられた竪型の油
圧シリンダーで、この油圧シリンダーの内部には皿バネ
を組込んでおり、そのピストンロンドをベッドおよびガ
イド片１６に挿通させたその導出端部には押え片１８が
設けられている。

１９はこの押え片１８を油圧シリンダー１７の油圧供給
停止時補助ベッドフランジ下而に押圧するために設けら
れた皿バネである。

このように油圧シリンダー１７に油圧供給することによ
り、解除手段とする往復代ベッド固定装置が構成され、
これは補助ベッド４Ａ，４Ｂ，４Ｃのすべてに装備され
ている。

なお図示しないが、往復台ベッド５の移動量検出装置と
して、補助ベット４に往復台移動方向に所定ピッチで磁
性のある目盛を設けたいわゆるマグネットスケールを取
付け、また往復台ベッド５にスケールに近接した検出ヘ
ッドを取付けて、主操作台には検出ヘッドに接続したカ
ウンターを設けたものなどが設けられている。

また２１は刃物台、２２はこの刃物台を支持し、かつ往
復台７に支持された横送り台で、それぞれ第４図におい
てｌ１，（ｌ２＋ｌ３）の距離だけ同一方向に前後動し
うるようになっている。

図中ｌ４は往復台ベッド５の前後動しうる距離を示して
いる。

この旋盤を使用するに際しては、まず加工対象物の最小
、最大加工径および振り回し径に応じて往復台ベッド５
の最適位置からの移動量を設定する。

次いで主操作盤において、「ベッドアンクランプ」の押
釦を押して油圧シリンダー１７に圧油を供給し、皿バネ
１９の力に抗してピストンロンドを突出させ、往復台ベ
ッド５と補助ベッド４間のクランプを解除する。

このクランプ解除状態にて、「ベッドシフト」の押釦を
押して、電動機１２を駆動し、送りネジ９を回しこれと
螺合している雌ネジ１１を介し、これを下部に内蔵した
往復台ベッド５を前後方向（Ｙ方向）に移動させる。

この移動は補助ベッド４Ｂにおけるガイドピン１５のガ
イドと各補助ベッドにおけるガイド片１６のガイドに加
え、各電動機１２の駆動を同期させているため蛇行する
ことなく行なわれる。

次いでカウンターにより前記移動量だけ往復台ベッド５
が移動したことを確認して「停止」の押釦を押し、電動
機１２を停止する。

このときベッド移動が止まるから次に「ベッドクランプ
」の押釦を押して、油圧シリンダー１７に給入されてい
た油圧を零とし、皿バネ１９の力を働かせて押え片１８
にて補助ベッドフランジを往復台ベッド５との間にクラ
ンプする。

もつとも往復台ベッド５の移動および停止は、調節部か
らの偏差量に対応した操作信号を電動機１２に送って所
定の移動量を得るフィードバック制御により行なうこと
もできる。

しかしてこの旋盤では、第４図に示すように往復台ベッ
ド５の移動が最大ｌ４の距離だけ可能となるから、刃物
台２１の全ストロークＬは、刃物台自体の移動距臨ｌ１
、横送り台２２の移動距離（ｌ２＋ｌ３）および往復台
ベッド５の移動距離ｌ４を加算したものとなる。

この発明は以上の構成よりなり、往復台ベッドが補助ベ
ッド上に設置されており、しかも送りネジ機構を介し移
動し、また補助ベッドによる支持ガイド機構を介し横送
り方向に確動しうる構成であるので、従来のベッド固定
式のものに比してきわめて広範囲の加工径に適応でき、
しかも精度も高めうる。

またその移動装置は自動制御系に組込める構成であるた
め、従来の共通定盤方式のものに比して簡易に、しかも
安全に作業ができ、作業能率の大巾な向上が充分に期待
できる。

さらに主軸台と往復台ベッドと心押台ベッドは各々分離
して基礎上に据え付ける構成を採りうるため、その構成
では将来超犬物部品の加工が必要となった場合に、主軸
台下部と補助ベッド下部に調整ライナーを入れて簡単に
適応することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の実施例を示したもので、第１図は平面
図、第２図は正面図、第３図は拡大右側面図、第４図は
往復台ベッド移動用送りネジ機構を示す要部詳細図、第
５図は第４図のＡ〜線断面図、第６図は往復台ベッド移
動のガイド機構を示す詳細断面図である。 １……主軸台、２……心押台ベッド、３……心押台、４
……補助ベッド、４Ａ，４Ｂ，４Ｃ……補助ベッド、５
……往復台ベッド、６……基礎、７……往復台、８……
軸受、９……送りネジ、１０……軸受、１１……雌ネジ
、１２……電動機、１３……ギヤカップリング、１４…
…ガイドプッシュ、１５……ガイドポスト、１６……ガ
イド片、１７……油圧シリンダー、１８……押え片、１
９……皿バネ、２０……筒体、２１……刃物台、２２…
…横送り台。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 主軸台に対向する心押台を搭載した心押台ベッドと
   、該心押台ベッドと分離され別置される往復台ベッドと
   を有する旋盤において、心押台ベッドに直交配置され所
   定の間隔をおいて並設された複数本の補助ベッドを設け
   、該補助ベッド上に往復台ベッドを送りネジで心押台ベ
   ッド側に向って横送り・退避自在に設置し、往復台ベッ
   ドには補助ベッドに摺接するガイドポスト及びガイド片
   とクランプ装置とを備えたことを特徴とする旋盤の往復
   台ベッド移動装置。