JPS5827209Y2 - 給水加熱器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は火力或いは原子力等の発電プラントに使用され
る給水加熱器に係り、特に本体胴を伝熱管や支え板等か
ら成る管束に挿入するときの案内装置を有する給水加熱
器に関するものである。

従来の一般的な給水加熱器を第１図により述べる。

水室１１は仕切板１２により入口１３を有する給水入口
室１４と、出口１５を有する給水出口室１６に２分され
ておシ、その右方には管板１Ｔが構成されており、管板
１Ｔには本体胴１８が水密的に取付けである。

本体胴１８の上方には熱源となる蒸気の入口１９と、下
方には蒸気が熱交換をして凝縮復水したドレンの出口２
０が設けである。

管板１７には図には一本のみ示したがＵ字状をなした多
数の伝熱管２１が、給水入口室１４と給水出口室１６に
連通して設けられている。

この伝熱管２１は蒸気噴流に接したときの、振動を防止
するため支え板２２に挿入されており、支え板２２は管
板１Ｔに固着した多数の支柱２３に支持されている。

従って加熱されるべき給水は入口１３から給水入口室１
４に流入し、次いで伝熱管２１内部を流れここで蒸気と
熱交換をして、所定温度に加熱されて給水出口室１６に
流入し、出口１５から外部へ出て行く。

一方加熱蒸気は蒸気人口１９から本体胴１８内部に流入
し、伝熱管２１や支え板２２等から成る管束の外周から
本体胴１８の中心に向って、伝熱管２１の間を支え板２
２によりジグザグ状に流れ、伝熱管２１と熱交換をして
潜熱を失い複水してドレンとなって、本体胴１８の下方
に落下しドレン出口２０より外部へ排出される。

かかる給水加熱器の組立は一般に、管板１Ｔに設けた伝
熱管２１と、管板１Ｔに固着した支柱２３に支持される
支え板２２から成る管束を組立てた後に、本体胴１８を
これに挿入して行っていた。

ところで、上記した伝熱管２１と支柱２３は、左方の管
板１１に取付けであるので、こちら側が固定端となり他
側の右方は自由端となる片持はりの形状となり、伝熱管
２１等の管束の右方は落ち込んで撓むことになる。

従って管束に本体胴１８を挿入するときに、これを案内
するために右方とそれに隣接した支え板２２に橋状の滑
り板２４を溶接によう固着していた。

そしてこの滑９板２４は溶接をするので本体胴１８と同
材質であり、摩擦係数は高いので滑りは悪く本体胴１８
の挿入を困難にすると共に、本体胴１８を傷つける危険
があった。

／／ また従来案内装置として本体胴内に、軸方向に２本のレ
ールを収納固着し、とのし／−ル上に管束を支える滑す
板をスライド可能にしたものがあるが、この場合にはド
レンの流路面積が狭められ、ドレンの水位があがること
につながる。

すなわち、レールの取付位置はドレンレベルを満足する
位置１で本体胴の中心よう離れた位置にせざるを得なく
、このため、レール上面よう下方の無効空間が広がるこ
とになる。

この下方の無効空間の増加は上部でも無効空間が増加す
ることにつながる。

このようなことから熱交換器をコンパクトする上での障
害となる欠点がある。

本考案はかかる欠点を除去するためなされたもので、そ
の目的は、滑す板として本体胴の材質より軟かくて滑す
易いと共に面積の小さい材料を使用することによって、
無効空間を生ずるレールを用いることなく滑す板と本体
胴との摩擦を減少して滑す易くして組立を容易にし、か
つ本体胴を損傷することのない給水加熱器を提供するこ
とにある。

以下本考案の詳細を第２図ないし第４図について説明す
る。

第２図は第１図の右方部分に相当する拡大図で、管板１
７から最も離れたものとそれに隣接した支持板２２の下
面には、従来例の滑り板２４と同じ形状の橋状をなした
支持板３１が溶接等により固着されている。

そして支持板３１の下面左右には本体胴１８の材質よシ
柔かくかつ滑り易い、例えば鋳鉄等の小片の滑り板３２
が取付けである。

滑り板３２の材料である鋳鉄はもろく溶接割れを生じ易
いので、本考案にかいては第２図および第３図に示すよ
うに、滑り板３２を支持板３１に取付けている。

支持板３１の下面には第４図に示すように、一方向の断
面がコ字状をなした溶接性の良い取付体３３が溶接等に
よシ固着されておジ、コ字状断面の直角方向の側面には
第３図に示すように側板３４により被れている。

そしてコ字状の溝内部と、これに挿入される突起３２Ａ
とによりダブテール結合を成す滑シ板３２が設けられて
おり、取付体３３に螺着した螺子体例えばポル）３５を
締付けることによって滑り板３２を固定している。

なお上記の説明では滑り板３２として鋳鉄を使用したが
、これに限定するものではなくリューブライト等の比較
的軟質でかつ低摩擦の多くの材料が使用可能である。

本考案による給水加熱器は上述したように構成したので
、溶接性が悪いので加工の点に問題はあるが、小片でか
つ本体胴１８より軟材かつ低摩擦の鋳鉄を滑ジ板３２と
して使用し、この滑り板３２を支持板３１と取付体３３
を介して支え板２２に取付けたので加工性の悪い点は解
決された。

そして管板１７に取付けた伝熱管２１等の管束の端部は
自重によシ下方に撓むが、端部には滑シ板３２が設けで
あるので、管束に本体胴１８を挿入するときは、低摩擦
の滑シ板３２に案内されることにより損傷を受けること
なく円滑に挿入でれる。

従って組立工数は減少し、かつ信頼性の高い給水加熱器
の提供が可能となりその実用的効果は大きいものである
。

筐た、従来のように取付位置が制限されるレールを用い
ていないので、無効空間が少すく、コンパクト化を図る
上でも有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の縦断面図、第２図ないし第４図は本考
案の一実施例を示し、第２図は第１図の右方部分に相当
する拡大断面図、第３図は第２図の３−３線断面図、第
４図は第３図の４−４線断面図である。 １１・・・・・・水室、１４・・・・・・給水入口室、
１６・・・・・・給水出口室、１７・・・・・・管板、
１８・・・・・・本体胴、２１・・・・・・伝熱管、２
２・・・・・・支え板、３１・・・・・・支持板、３２
・・・・・・突起３２Ａを有する滑シ板、３３・・・、
・、取付体、３５・・・・・・ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 給水入口室と給水出口室を有し、かつ端部に管板を有し
   た氷室と、この氷室に前記管板を介して連通ずる多数の
   Ｕ字状の伝熱管と、前記管板に取付は前記伝熱管を被い
   蒸気の出入口を有する本体胴と、前記伝熱管が前記本体
   胴内の蒸気に接したときの振動を防止するための少くと
   も２枚の支え板と、前記本体胴内に前記管板から遠い、
   前記支え板の下面に溶接等により固着した支持板と、こ
   の支持板下面に溶接等により固着し、前記伝熱管の配列
   方向と同一方向に溝部を有した断面コ字状の取付体と、
   この取付体の溝部と、これに挿入でれる両端部の突起と
   によりダブテール結合をなし、前記本体胴より軟かくて
   滑シ易い材料からなり、前記本体胴内面と摺接可能な滑
   り体と、この滑り体を前記取付体に固定するための螺子
   体とを具備した給水加熱器。