JPS5826845B2 - コルゲ−ト円錐ホ−ン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はマイクロ波の電磁ホーンの一つであるコルゲ
ート円錐ホーンの改良に関するものである。

円錐ホーンの放射指向特性の改善を図る方法としては、
円錐ホーンを二つ以上のモード波で励振する複モードホ
ーン、コルゲート円形導波管のハイブリッド波を用いる
コルゲートホーンなどがある。

このうちコルゲートホーンは他のホーンに比べて良好な
放射指向特性を広い周波数範囲にわたって得られる利点
がある。

第１図は従来のコルゲートホーンの形状を示すもので、
図中１はアイリス、２はアイリス１相互間に形成される
コルゲート溝、３はコルゲートホーンを励振するための
円形導波管である。

まず、コルゲートホーンの特性をこの発明に必要な範囲
内で述べる。

コルゲートホーンにおいては、コルゲート溝２の深さｌ
が λ：自由空間波長 ｎ＝ｏ 、 １ 、２ 、・・・・・・ の場合にはコルゲート溝２の入口よりコルデー溝２の底
をみたときのアドミタンスＹｓが誘導性サセプタンスと
なり、ホーン内の伝搬波は遅波の特性を呈す。

このため、ホーン内を伝搬する波の電力はコルゲートホ
ーンの内壁部近傍に強く集中するように伝送され、コル
ゲートホーンの放射指向特性は通常の円錐ホーンの場合
より劣化する。

一方、コルゲート溝２の深さが の場合にはＹｓは容量性サセプタンスを呈し、この場合
には、ホーン内の伝搬波は速波の特性を呈する。

このため、コルゲートホーン内を伝搬する電力は管軸部
に集中して伝送されるようになり、コルゲートホーンの
放射指向特性は通常の円錐ホーンの場合に比べて、低サ
イドロープでかつ回転対称な優れた特性を呈する。

このため、コルゲートホーンはＹｓが誘導性すセプタン
スを呈さない周波数範囲において用いられている。

また第２図は、第１図に示すコルゲートホーンの広帯域
化を目的として改良された従来のリング装荷コルゲート
ホーンである。

なお図中４は環状導体（以下リングという。

）である。

このリング４はコルゲート溝２人力部に装荷されている
ため、Ｙｓの容量性サセプタンスを増加する作用をもち
、これによりリング装荷コルゲートホーンのＹｓが容量
性サセプタンスとなる周波数範囲の拡大が図られている
。

しかし、第１図および第２図に示した従来のコルゲート
ホーンや、リング装荷コルゲートホーンを多周波数帯に
おいて共用しようとすると、Ｙｓが容量性となる周波数
帯では放射指向特性が通常の円錐ホーンに比べて改良さ
れるが、Ｙｓが誘導性サセプタンスを呈する周波数帯で
は、逆に通常の円錐ホーンより放射指向特性が劣化する
という欠点がある。

いま説明をより具体的にするため、ｆｌとｆ２の二つの
周波数範囲を考えｆｌ＞、ｆ２とすると、ｆ２における
自由空間波長λ２が第２式の関係にあり、ｆｌにおける
自由空間波長λ１が第１式の関係にあると上述のような
欠点が従来のコルゲートホーンにおいては生じる。

このため多周波数帯を共用することができなくなる。

この発明はこれらの欠点を除去するためコルゲート溝２
の入口部に半径方向に二つ以上のリングを装荷したもの
で、以下図面を用いて詳細に説明する。

第３図はこの発明の一実施例を示す。

図中５は環状導体よりなる第２のリングである。

従来のリング装荷コルゲートホーンとの構造上の相違は
第２リング５が新たに設けられている点にある。

以下この第２リング５の作用について述べる。

いま、前述のように二つの周波数範囲ｆ１．ｆ”ｚを考
えて ｆｌ＞ｆ２（３） とする。

また、各周波数範囲における自由空間波長を、ｆｌ、ｆ
２に対応してλ１．λ２とするとλ１〈λ２（４） まず、コルゲート溝２のピッチＰをλ１／４よりやや太
き目に選ぶと λ２／４〉Ｐ （５）となる
。

したがってコルゲ−トホーンのアイリスに平行な電界は
ほとんど励振されず、このときのコルゲート溝２内の等
価回路は第４図ａのようになる。

図中、Ｃ１はコルゲート溝２人口部のリング４により生
じた容量性サセプタンス、Ｃ２は第２リング５により生
じた容量性サセプタンス、またＹ。

はコルゲート溝２のリングが装荷されていない部分の特
性アドミタンスである。

したがって周波数範囲ｆ２においてはコルゲート溝２の
深さｌおよび、リング４、第２リング５により生じる容
量性サセプタンスＣ１，Ｃ２を調整するとＹｓを容量性
サセプタンスにすることができる。

つぎにｆｌにおけるリング４および第２リング５の効果
を説明する。

この高い周波数範囲ｆ１ においてはλ１／４に比べて
、リング４と第２リング５との間に生じる溝の深さを無
視できないためアイリス１に平行な成分を有する電界を
無視できなくなる。

このときのコルゲート溝２内の等価回路は第４図すのよ
うになる。

図中、Ｙｃはリング４および第２リング５が装荷された
コルゲート溝２部の特性アドミタンス、Ｙｏ′ はリ
ング４と第２のリング５間に構成される溝の特性アドミ
タンスである。

第４図す中の端子Ａおよび端子Ｂ間の等価回路は明らか
に帯域阻止済波器の等価回路である。

しかもｆｌ においてはＰ〉λ、／４ である。

このことは、高い周波数ｆ１においては、リング４およ
び第２リング５が阻止済波器を形成し等何曲に各コルゲ
ート溝２が、その入口で短絡されていることになる。

なお、以上は、リング２および第２リング５のみの場合
について説明したが、この発明はこれに限らず、さらに
多くのリング、すなわち、第３゜第４・・・のリングを
用いてもよい。

また、以上は、すべて、円錐形状のコルゲートホーンに
ついて説明したが、角錐形状のコルゲートホーンの場合
に適用できることは上述の説明から明らかである。

以上のように、この発明に係る多周波数帯共用コルゲー
トホーンにおいては、複数個のリングを設けることによ
って、低い周波数帯の波に対してはＹｓを容量性サセプ
タンスとし、通常の円錐ホーンより優れた放射指向特性
を得ることができ、高い周波数帯の波に対しては、リン
グにより阻止ろ波器を形成し、コルゲート溝の入口を等
何曲に短絡し、通常の円錐ホーンと同様の放射指向特性
を得ることができる利点があり、従来のコルゲートホー
ンのように高い周波数帯の放射指向特性が劣化すること
がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のコルゲートホーンの断面図、第２図は従
来のリング装荷コルゲートホーンの断面図、第３図はこ
の発明の一実施例を示す断面図、第４図はコルゲート溝
の等価回路図である。 図中、１はアイリス、２はコルゲート溝、３は円形導波
管、４はリング、５は第２のリングである。 なお図中、同一あるいは相当部分には同一符号を付して
示しである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ コルゲート円錐ホーンにおいて、各コルケート溝内
   のコルゲート溝入口部に二つ以上の環状導体を設け、低
   周波数においては上記環状導体が各コルゲート溝に対し
   て容量性サセプタンスとして作用し、高周波数において
   は上記環状導体がコルゲート溝入口部に等何曲な短絡面
   を形成するような帯域阻止゛ろ波器として作用するよう
   になしたことを特徴とするコルゲート円錐ホーン。