JPS5826531B2 - 熱電対保護装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱電対保護装置に関し、さらに詳しく言えば、
高温高圧の条件下で使用する熱電対の保護管の強度を向
上させるとともに保護管の破損を検出する装置に関する
ものである。

製鉄所における高炉または加熱炉等の内部は、高温高圧
ガスで充満され、しかもこのガスが不規則に渦巻く雰囲
気を呈している。

このような過酷な条件下での熱電対による測温は、非常
に困難であるとされている。

耐熱・耐圧性の保護管が開発されてはいるが、炉内の乱
流によって短時日の間に変形し、やがては導線が断線す
るという故障が頻発した。

しかも、これら熱電対はいつ故障するやも知れず、安全
かつ合理的な炉況管理を目差す計装に支障をきたしてい
た。

したがって、本発明の目的は、高温高圧等の過酷な条件
下にも十分耐えかつ故障を事前に検知できるような熱電
対保護装置を得ることにある。

本発明の装置の特徴は、熱電対の測温部の保護管を二重
構造とし、端子盤被覆ヘッドを耐圧構造とし、外側保護
管と内側保護管との間に画定される空間と前記ヘッドと
を連通し、このヘッドに所定の圧力の不活性ガスを供給
し、この不活性ガスの供給によって二重構造の保護管を
強化するとともに、保護管が破損したときにヘッド内の
圧力低下または供給流量の低下を検出して、熱電対の故
障を事前に探知することにある。

次に、図面を参照して、本発明にもとづく装置の具体的
実施例について説明する。

単独の図面は、本発明にもとづく熱電対保護装置の縦断
面概略構成図である。

図において、従来の熱電対と共通する要素は、端子盤１
、熱電対２、被覆ヘッド３、保護管４、補償導線５、フ
ランジ６からできている。

起電力線２の冷接点側に通常の端子盤１が接続され、こ
の端子盤１は被覆ヘッド３によって被覆保護される。

端子盤１は通常の補償導線５をかいしてヘッド３の外部
にある計器に接続される。

熱電対２の温接点側は保護管４によって被覆保護される
。

熱電対は、測温部を加熱炉等の内部に入れられてフラン
ジ６をかいして炉壁７に固定される。

本発明の装置の特徴部分は、まず被覆ヘッド３にある。

被覆ヘッド３はケース本体３１とキャップ３２とからな
り、これらは従来のものよりも耐圧性をもたせるために
強靭性金属材料からつくられる。

ケース本体３１とキャップ３２とは慣用のねじで連結し
、着脱自在になっている。

これら連結部分は、後述する理由で、バッキング等によ
って気密に保持される。

ケース本体３１の側面には熱電対補償導線用９出し口（
図示せず）、不活性ガス供給口３１１、圧力計連結口３
１２が設けられ、また、ケース本体３１の底部には後述
する測温部のボス１０と連結するためのねじ穴３１３が
設けられている。

窒素、アルゴン等の不活性ガス（あるいは必要に応じて
、空気でもよい。

）が慣用の流量計１０１、逆止弁１０２、手動弁１０３
をかいしてケース本体３１の不活性ガス供給口３１１か
らケース本体３１内に供給される。

この不活性ガスの圧力は通常測温すべき加熱炉炉内の圧
力よりも高く設定する（例えば、炉内圧力を４ｋｇ／ｃ
ｒｔｉとしたとき、不活性ガスの圧力を６ ｋｇ／ｃｒ
ｔｆとする。

）。流量計１０１の警報接点Ａを慣用の警報器１０４に
接続する。

ケース本体３１の圧力計連結口３１２には慣用の圧力計
１０５が連結される。

圧力計１０５の警報接点Ａを警報器１０４に接続する。

本発明の装置の第２の特徴部分は、測温部の保護管を二
重構造にした点にある。

測温部には従来から保護管４が設けられているが、さら
にその外側に第１の保護管８および第２の保護管９を設
け、これを測温部のボス１０にねじ結合または溶接結合
する。

ボス１０の上端は前述したように、ケース本体３１のね
じ穴３１３にねじ結合している。

ホ゛ス１０の外周には７ランジ６が設けられている。

ボス１０の軸方向にそって中央部に比較的大径の穴１１
が設けられ、また、穴１１０周縁にそって複数箇所に比
較的小径の穴１２が設けられている。

穴１１は保護管４の内部に連通し、この空間に熱電対２
が入れられる。

穴１２は第１および第２の保護管８および９０間に画定
される空間８９に連通している。

したがって、ケース本体３１に供給された不活性ガスは
保護管４の内側の空間４１および保護管８，９の空間８
９にも供給されることになる。

熱電対の正常な使用状態においては、被覆ヘッド３の内
部空間ならびに空間１１および８９にそれぞれ等圧の不
活性ガスが充満される。

測温部の保護管内に充満している不活性ガスの圧力は、
炉内雰囲気ガスの圧力よりもいくぶん高くなっているの
で、炉内雰囲気ガスの圧力または乱流による保護管のつ
ぶれまたは変形は防止される。

使用中万一、保護管がつぶれたり、変形したりして、保
護管の一部に亀裂または破損した場合には、保護管内側
から炉内へ不活性ガスが流出し、供給不活性ガスの流量
が一時的に増加し、被覆ヘッド３内の圧力が低下する。

この変化量が一定値に達したとき、流量計１０１および
圧力計１０５の警報接点が閉じ、警報器１０４が作動し
、熱電対の故障または異常を報じる。

この場合、熱電対自体はまだ故障してはおらず、その保
護管に損傷が生じただけの段階であるから、この段階で
迅速に措置を講ずれば、大事に至らなくてすむ。

保護管に損傷が生じた場合でも、不活性ガスが外部に流
出しているので、炉内の排ガスが流入してくることはな
い。

したがって、事後の熱電対の故障修理も比較的容易であ
る。

不活性ガスの圧入により、炉壁への熱電対取付部からの
排ガスの漏洩を防止できるばかりではなく、保護管の機
械的強度も増し、耐振・耐圧の要請にも十分応えること
ができる。

【図面の簡単な説明】

単独の図面は本発明にもとづく熱電対保護装置の縦断面
概略構成図である。 １・・・・・・端子盤、２・・・・・・熱電対、３・・
・・・・端子盤被覆ヘッド、４・・・・・・保護管、５
・・・・・・補償導線、６・・・・・・フランジ、７・
・・・・・炉壁、８・・・・・・第１の保護管、９・・
・・・・第２の保護管、１０・・・・・・ボス、１１・
・・・・・空間、１２・・・・・・穴、３１・・・・・
・ケース本体、３２・・・・・・キャップ、８９・・・
・・・空間、１０１・・・・・・流量計、１０４・・・
・・・警報器、１０５・・・・・・圧力計、Ａ・・・・
・・警報接点。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 測温部および端子装部からなる熱電対において、端
   子装部を被覆保護する端子盤被覆ヘッドを耐圧気密構造
   に構成し、測温部を保護する保護管の外側をさらに二重
   構造の保護管によって被覆保護し、前記ヘッドおよび保
   護管の内部に所定の圧力の不活性ガスを供給し、不活性
   ガス供給系に流量計を設け、前記ヘッドに圧力計を取り
   付け、該流量計および圧力計の警報接点を警報器に接続
   し、供給不活性ガスの流量および圧力の変動が所定値に
   達したとき、警報器が作動するように構成したことを特
   徴とした熱電対保護装置。