JPS582624Y2 - インクロ−ラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、加熱によって溶解する固体インクを表面に有
するインクローラに関するもので、インクローラを回転
させ表面を部分加熱することによって部分的に溶解させ
記録紙上に付着させる方式の記録装置に適用するもので
ある。

第１図は従来のこの種の記録装置を説明する図である。

１はインクローラであって、その回転シャフト２には、
ゴム等の弾性体３が取付けである。

この弾性体３は、外周に配置した固体インク層４と記録
紙５とが、記録紙５の金山にわたって均一になるよう抑
圧によって変形可能で、機械的寸法及び組立寸法等の誤
差を吸収するものであり、記録紙５はインクローラ１と
発熱体６との間にはさ１れて押圧をかけられている。

発熱体６の実際の発熱は発熱点７で行われ、発熱点７は
記録紙５の巾方向全体にわたって配列されている。

８は発熱体６の取付台、′９は表面矯正器であって、固
体インク層４との摩擦で回転する矯正ローラ１０Ｆ′ｉ
固体インク層４の表面のインクが発熱点７の発熱によっ
て記録紙５に付着したために生じた凹部を平坦になるよ
うに矯正している。

この矯正のために矯正ローラ１０は加熱されていること
が必要であり、矯正ローラ１０の中空部１１に加熱体１
２が挿入されている。

矢印Ａは記録紙５の送り方向、矢印Ｂはインクローラ１
の回転方向、矢印Ｃは矯正ローラの回転方向である。

以上の構造を有する記録装置の記録方法は、発熱体６の
発熱点７を記録紙５の裏面から発熱させ、固体インク層
４の表面のインクを溶解させて記録紙５の表面に付着さ
せる方法であり、固体インク層４の表面に生じた凹部を
矯正ローラ１０が平坦にしている。

上記の説明の如く矯正ローラ１０が固体インク層４の表
面を溶解させて表面矯正を行っているため矯正ローラ１
０からの熱が徐々にインクローラ１全体に伝導すること
になるが、インクローラ１の中心部には多量のゴム等に
よる弾性体３を使用しているためインクローラ１の吸熱
と放熱の均衡が保たれるまでには非常に長時間を要し、
均一な記録特性を得るための立上り時間が長くなり、ｌ
た、電力消費が大きくなる等の欠点がある。

同時に、固体インク層４の矯正ローラ１０周辺は溶解し
て釦す発熱体６周辺では固体状であることが必要である
ため、インクローラ１の放熱を充分に行なわなければな
らず、インクローラ１の表面積を大きくするために大き
な直径にすることが必要となり、装置が大型化するとい
う欠点があった。

本考案は、インクローラの中心部に放熱用のローラ芯を
設けたことを特徴とし、インクローラの熱伝導を向上さ
せ放熱効率を良くすることを目的とする。

第２図は本考案によるインクローラを使用した記録装置
の断面図であり、本インクローラ１３の構造は、回転シ
ャフト１４にアルミニウムの様な熱の良導体材料からな
るローラ芯１５が同芯状に取付けられており、その外周
にはゴム等の弾性体１６が、更に該弾性体１６の外周に
は固体インク層１７が配置されている。

この弾性体１６は、固体インク層１７が記録紙５の金山
にわたって平行に均一圧力が加わるように抑圧によって
変形可能で、機械的寸法及び組立寸法等を吸収するもの
であり、記録紙５／／′ｉインクローラ１３と発熱体６
との間にはさ１れて押圧をかけられている。

上記ローラ芯１５は、大略輪状の中空部１８が形成され
ており、該中空部１８には放熱効率をよくするために表
面積を大きくする様にフィン状に凸部１９が形成されて
いる。

尚、中空部は上記実施例に限るものではなく、軸方向に
多数の小径孔を通貫させておいてもよい。

以上の構造によるインクローラ１３によると、インクロ
ーラ１３の中心部に熱の良導体材料からなる中空状のロ
ーラ芯１５を取付けたことにより、熱的な時定数が小さ
くなり矯正ローラ１０からの熱がインクローラ１３全体
に急速に伝導し、インクローラ１３は短時間で吸熱と放
熱の均衡を保つことができ、均一な記録特性を得るため
の立上り時間を短かくすることができると共に電力消費
を小さくすることができるものである。

更に、固体インク層１７の矯正ローラ１０周辺は溶解し
て於り、発熱体６周辺では固体状であることが必要であ
るが、ローラ芯１５で充分に放熱することができるため
に容易にその結果が得られ、捷た小型扇風機による通風
を中空部１８に行なうことによって容易に小型のインク
ローラを実現することができる。

以上述べた如く本考案によると、インクローラの中心部
に熱の良導体材料からなり、中空部を有するローラ芯を
配置したことにより電源投入後から記録可能までの時間
を短縮することができ、かつ低電力化が計れ、しかも小
型なインクローラとすることができるものである。

またローラ芯をアルミニウム材とするとダイカストによ
って精密なものが大量に生産でき、低画格である為にイ
ンクローラ全体のコストに対して影響は小さいものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の記録装置の説明的斜視図、第２図は本考
案の一実施例であるインクローラを使用した記録装置の
説明的断面図である。 １３・・・・・・インクローラ、１４・・・・・・回転
シャフト、１５・・・・・・ローラ芯、１６・・・・・
・弾性体、１７・・・・・・固体インク層、１８・・・
・・・中空部、１９・・・・・・凸部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １０回転シャフトと、該回転シャフトと同芯状になるよ
   うに中心部を結合しかつ回転シャフトと並行方向に貫通
   した中空部を有する熱の良導体材料から成るローラ芯と
   、該ローラ芯の外周に前記回転シャフトと同芯状に設け
   られたゴム等による弾性体と、該弾性体の外周に前記回
   転シャフトと同芯状に配置された熱によって溶解する固
   体インク層とから成ることを特徴とするインクローラ。 ２、実用新案登録請求の範囲第１項に於て中空部にフィ
   ン状の凸部を形成したことを特徴とするインクローラ。 ３、実用新案登録請求の範囲第１項に於て中空部に向け
   て扇風機を配置したことを特徴とするインクローラ。