JPS5826014Y2 - 連続式混練装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は合成樹脂やゴム類に多量の液状添加物を混合、
分散させるに適した連続式混線装置に関するものである
。

従来、一端にホッパー（材料供給口）を有し他端に材料
排出口を有するチャンバー内に、スクリュー形状のフィ
ード部と混練翼をもつ混練部とを備えたロータを設けて
なる連続式混線装置は知られているが、従来の装置では
一般に、合成樹脂やゴム類（以下ポリマーと呼ぶ）に多
量の可塑剤、軟化剤などの液状添加物を混合、分散させ
る場合ポリマーと液状添加物をホッパーから同時に投入
していたため、次のようなトラブルが発生し易かった。

すなわち、液状添加物を混合すると被混線材料とチャン
バーとの摩擦係数が低下してスリットし易くなるため、
フィード部における材料の確実な輸送が難しくて安定し
た供給ができず、移動の間にポリマーと液状添加物との
混合比率が変動し易く、また、混線部においてはスリッ
プにより剪断仕事が加わりにくくなって均一な混合、分
散が難しく、充分混練されないまま材料が排出される等
のトラブルがある。

特に低粘度の液状添加物を５０％以上混合する際にトラ
ブルが生じ易かった。

なお、ポリマーをホッパーから供給し、液状添加物は適
宜位置でチャンバーを通して供給する手段も試みられて
いるが、この場合もチャンバー内面で材料がスリップし
てしまい安定した混線はできなかった。

本考案はこれらの事情に鑑み、ポリマー及び液状添加物
の安定した供給、並びに均一な混合、分散を達成するこ
とのできる連続式混線装置を提供せんとするものである
。

本考案連続式混練装置の特徴とするところは、チャンバ
ー内に設けたロータにスクリュー形状のフィード部と混
線部とを備え、該混線部にフィード部に続いて被混線材
料を推進する方向に捩れた部分と被混線材料を戻す方向
に捩れた部分とを有する混練翼を備えた連続式混線装置
において、前記ロータの中心部に外部の液状添加物供給
源にロータリージヨイントを介して接続せる液状添加物
通路を設け、前記混練翼の回転方向に対する背面側に、
前記通路に連通ずる液状添加物供出用ノズルを開設した
ことにあり、以下、本考案を図示せる実施例によって説
明する。

図において、１はミキシングチャンバー、２，２は該チ
ャンバー内に並列に配置された二本のロータである。

上記チャンバー１は、両ロータ２，２を囲撓する実質的
に円筒状の並列な二つの室を連通一体化してなり、該チ
ャンバー１の一端側にはポリマー（合成樹脂もしくはゴ
ム類）を供給するためのホッパー３を設け、他端側には
混練された材料の排出口４を設けている。

この排出口４は通常、−側壁を開閉方向に傾動可能にす
る等によって開口量調節可能にした吐出オリフィスにて
構成している。

また、チャンバー１０周壁には、必要に応じて被混線材
料を加熱もしくは冷却するための蒸気や冷却水等の導通
孔５・・・・・・を設けである。

前記両ロータ２，２は、適宜の駆動装置（図示省略）に
て、第２図に矢印で示すように互いに異方向に回転せし
められるようにしてあり、この各ロータ２には、材料供
給側から順に、スクリュー形状のフィード部６と、混線
部７と、ディスチャージ部８とを設けている。

上記混線部７では、ロータ２を剪断、攪拌作用に適当な
非円形断面形状として外方に突出する混練翼９を形成し
、例えば断面で三方に混練翼９が突出した形状等にロー
タ２を形成している。

そして、該混練部７の始端側から中間部までは混練翼９
が被混線材料を推進する方向に適当なリード角をもって
捩れ、ここから混練部７終端までは逆に混練翼９が被混
線材料を戻す方向に適当なリード角をもって捩れた状態
に混練翼９を形成している。

この混練翼９が送り方向に捩れた部分を送り翼部７ａ、
戻し方向に捩れた部を戻し翼部７ｂと呼ぶ。

このロータ２の中心部には、軸方向に沿って液状添加物
通路１０を設けである。

該通路１０は、ロータ２の末端部において、ロータリー
ジヨイント１１を介し、液状添加物貯溜タンク１２及び
定量ポンプ１３を備えた液状添加物供給源に接続しであ
る。

この通路１０に連通させて液状添加物供出用ノズル１４
を、混線部７におけるロータ２表面に開口させた状態に
設けである。

該ノズル１４は各ロータ２，２ごとに単数もしくは複数
個設け、それぞれ、前記混練翼９の回転方向に対する背
面側に開口させている。

つまり、第２図の断面図において、混練翼９頂部より回
転方向前方の、回転に伴って被混線材料を圧縮する部分
を前面側９ａとし、混練翼９頂部より回転方向後方の回
転に伴って材料を膨張させる部分を背面側９ｂとして、
この背面側９ｂにノズル１４を開口させている。

また、長手方向におけるノズル１４の位置は、混練翼９
のいずれの部分でもよいが、フィード部６に近すぎると
フィード部６に液状添加物が逆流してスリップを起こし
易くなり、またポリマーの可塑化が開始される前に液状
添加物を混合すると材料に剪断力が加わりにくく生産量
を上げにくくなる。

このため、望ましくはポリマーの可塑化が開始された位
置よりも後方（排出側）、すなわち送り翼部７ａと戻し
翼部７ｂの合流点附近ないしはそれより後方に設ける。

ただし、ノズル１４の位置を排出口４に近づけ過ぎると
、ポリマーへの液状添加物の混合、分散が不充分なまま
排出されてしまうので゛、排出口４からはロータ２の直
径分程度以上手前（供給側）に設けることが望ましい。

この装置の動作及び作用を次に説明する。

ポリマーに液状添加物を混合、分散させるにあたり、前
記ホッパー３からはポリマーのみ連続定量的に供給する
ことにより、該ポリマーはフィード部６によって混線部
７へ送られる。

このフィード部６では未だ液状添加物が供給されていな
いため、スリップを生ずることなく安定したポリマーの
輸送が行われる。

混線部７に入ったポリマーは、ロータ２の回転に伴って
混練翼９とチャンバ−１内面との間で剪断仕事を受け、
可塑化溶融が進められる。

一方、この段階で、液状添加物が前記通路１０及びノズ
ル１４を通ってロータ２表面から定量的に供給され、ポ
リマーと混合する。

この場合に、ロータ２表面から液状添加物を供給するこ
とにより均一な混合、分散が可能となる。

つまり回転するロータ２の混練翼９附近とチャンバ−１
内面附近との間の材料の速度差によって剪断応力が生ず
るわけであるが、もしチャンバー側から液状添加物を供
給するとチャンバー内面でスリップが生じて剪断仕事が
加わりにくくなるのに対し、ロータ２側から材料を供給
すると、ロータ２附近では材料が混練翼９に押されて移
動するため、剪断仕事が阻害されることなく、充分に液
状添加物の混合分散が行われる。

また、特に本考案では液状添加物排出用ノズル１４を混
練翼９背面側に開口させているため、混練翼９前面側で
被混線材料を圧縮しつつ押動する作用を確実に保つと共
に、ノズル開口部附近では材料の圧力が低くなるのでノ
ズル１４の閉塞が防止され、かつ、添加物注入のための
圧力も低くなる。

液状添加物の供給圧力は、材料、生産量などによって変
化するが、通常１５ ｋｇ／Ｃｍ２以下であり、回転中
のロータ２内の通路１０への液状添加物の供給は前記ロ
ータリージヨイント１１及び定量ポンプ１３を用いて行
われる。

そして、このように混線部７においてポリマーの可塑化
及び液状添加物の混練、分散が行われた後、ディスチャ
ージ部８を通り、排出口４から連続的に排出されること
となる。

なお、二軸連続式混練機においては、両ロータが部分的
に噛合ったタイプがロータへの材料のはりつきを防止で
きる点で望ましいが、本考案によれば、非噛合型の混線
機であってもポリマーに多量の液状物を混合することが
できる。

また、ポリマーとしては固形ポリマーのほかに溶融ポリ
マーも利用し得、液状添加物についてもアスファルトの
ように常温で固形の材料を溶融して使うと、本考案装置
を適用することができる。

斜上の如く、本考案の連続式混線装置は、ロータの中心
部に外部の液状添加物供給源にロータリージヨイントを
介して接続せる液状添加物通路を設け、該通路に連通ず
るノズルをロータにおける混練翼の回転方向に対する背
面側に開口させているため、チャンバーのホッパーから
はポリマーのみ供給されてフィード部でのスリップが防
止され、材料の安定した供給を行うことができ、また、
混線部で材料に有効に剪断仕事が加えられ、液状添加物
の均一な混合、分散を行うことができる。

また、特に液状添加物供出用ノズルを混練翼の回転方向
に対する背面側に開口させているため、剪断仕事を低下
させることなく、液状添加物の混合、分散性を良くし得
る上に、ノズルのつまりを防止し得、かつ、液状添加物
の注入に必要な圧力を低くすることができ、ロータリー
ジヨイントを介して簡単な供給装置にて確実に液状添加
物を定量供給することができる等、実用性に富んだ数多
くの効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案連続式混線装置の実施例を示すもので、第１
図は装置の縦断正面図、第２図は第１図のＩＩ−ＩＩ線
に沿った拡大断面図である。 １・・・・・・チャンバー、２・・・・・・ロータ、６
・・・・・・フィード部、７・・・・・・混練部、９・
・・・・・混練翼、１０・・・・・・液状添加物通路、
１１・・・・・・ロータリージヨイント、１４・・・・
・・液状添加物供出用ノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チャンバー内に設けたロータにスクリュー形状のフィー
   ド部と混線部とを備え、該混線部にフィード部に続いて
   被混線材料を推進する方向に捩れた部分と被混線材料を
   戻す方向に捩れた部分とを有する混練翼を備えた連続式
   混線装置において、前記ロータの中心部に、外部の液状
   添加物供給源にロータリージヨイントを介して接続せる
   液状添加物通路を設け、前記混練翼の回転方向に対する
   背面側に、前記通路に連通ずる液状添加物供出用ノズル
   を開設したことを特徴とする連続式混線装置。