JPS5825582B2 - テ−パノナイフカイヨウキノ セイケイホウホウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は合成樹脂の射出成形技術に関し、特にテーパの
ない深い角型容器の成形方法に関する。

一般に、射出成形によって容器を成形する場合、成形品
に抜きこう配即ちテーパがないと、樹脂の残存圧力、金
型表面の微小な表面粗さによる抵抗、樹脂の熱収縮並び
に金型自体の弾性変形等の原因によって型抜きがほとん
ど不可能である。

勿論、浅い容器にあっては、押出ピンによって無理に凸
型から取外すことが行なわれているけれども、このよう
な無理な成形方法によると、成形品に傷がついたり、成
形品の変形や破壊のために、成品歩留りが悪かった。

このような実状のために、従来では第１図に示すように
、金型を完全に開いた後、凸型１に保持された成形容器
ａの内部に通路２から圧力空気を供給し、成形容器ａを
凸型１から分離することによりテーパのない容器の成形
を可能にすることが提案されている。

しかしながら、このような成形法は円筒形の容器の場合
には実施できるけれども、第１図示のような角形容器の
場合には、凸型１の稜部すに成形容器ａが強く抱きつき
、成形容器ａが取出せず、成形容器の各辺部が膨出変形
して圧力空気が漏れて分離効果自体がなくなる等の問題
があった。

このため、従来ではテーパのない深い容器を成形するに
は、希望の形状のキャビティ内に樹脂をブローする所謂
中空成形法が用いられている。

しかしながら中空成形法は偏肉が起こり易く、樹脂の冷
却が外壁のみから行なわれるので、射出成形に比較する
と、約４倍の冷却時間を必要としている。

ところで、近年の電気自動車に用いられる蓄電池槽は生
体的な安全性、軽量であること、耐薬品性、耐衝撃性並
びに廉価であることなどの見地からポリプロピレン等に
より作られている。

そしてこの蓄電池槽は、射出成形によるとテーパをもっ
た容器となるために、密装が困難で、中空成形法による
場合には、偏肉に対する安全度の点から肉厚を必要以上
に厚くしなければならない。

このために、テーパのない深い蓄電池槽は材料費、成形
時間の問題から割高かなものになっている。

以上のような従来の実状から、本発明は射出成形法によ
って偏肉なくテーパのない深い角型容器を得ることを提
案するもので、本発明によれば、材料費が安く、成形時
間が短かいので、成品価格を低減できる。

以下、第２図〜第５図に示す実施例により本発明の詳細
な説明する。

第２図及び第３図において、本発明に用いられる金型は
、中央部にテーパのない角棒状の凸型コアー１０ａを一
体に突起させた凸型１０と、前記凸型コアー１０ａの外
周面との間に容器Ａをモールドするキャビティを形成す
る固定板１１ａ及び分割型Ｎｂ、１１ｃとからなる凹型
１１を備えている。

また、前記固定板１１ａと前記分割型１１ｂ、１１ｃの
間には、凸型１０と凹型１１の型開き方向に対し、例え
ば４５０に傾げられた傾斜ピン１２が延長され、この傾
斜ピン１２のストン″１２ａと分割型１１ｂ、１１ｃの
すきまＬｌは次のようにして定められる。

即ち、図示の実施例における容器Ａは、外のり寸法２０
０ｍｍＸ２００ｍｍ、深さ４００ｍｍ、肉厚３ｍｍのポ
リプロピレン製の蓄電池槽であるが、本発明によれば、
この場合の分割型１１ｂ、１１ｃの左右への移動量Ｌ２
（第４図示）は約１ｍｒｎ程度でよい。

したがって、傾斜ピン１２０角度が４５°である場合、
分割型１１ｂ。

１１ｃの約１ｍｍの移動のためには、すきまＬｌは約Ｌ
４ｍｒｎあればよいことになる。

そして前記分割型１１ｂｔ１１ｃの円・夫な型開きのた
めには、前記固定板１１ａに埋込んだ圧縮ばね１３によ
り押された押ｆ１４を分割型１１ ｂ ｔ １１ ｃの
表面に当てがっておき、凸型１０の後退時に分割型１１
ｂ。

１１Ｃが自動的に開くようにすることもできる。

本発明によれば、前記凸型コアー１０ａの基部にアンダ
ーカット面１５が形成され、このアンダーカット面１５
によって前記分割型１１ｂ、１１ｃの移動量Ｌ２ に略
相当する量だけ突起した環状のアンダーカット部Ｂが容
器Ａに形成される。

前記凸型１０には空気圧シリンダ装置として示す作動器
１６が固定され、この作動器１６のピストン１７には外
端を前記凸型コアー１０ａ中に位置させた押出ピン１８
が固定されている。

そして前記押出ピン１８には通路１９が開けられ、前記
押出ピン１８の作動時に圧縮空気の一部が通路１９を通
って容器Ａの内部に供給されるようにしである。

本発明によれば、前記圧縮空気の代りに油圧を使用する
こともでき、後述する容器Ａの取外時に爆発的な流体圧
の解放をさけるために、流路系に減圧弁を組込むことも
できる。

しかしながら、前述した寸法の容器を製作する場合、圧
縮空気はゲージ圧で０．５ｋｇ／ｃｒＡでよいために、
減圧弁はかならずしも必要としない。

以上のような金型な用いてキャビティ内に樹脂を射出し
た状態が第２図及び第３図に示された状態である。

この状態では射出樹脂は凸型コアー１０ａの表面及び凹
型１１の表面によって両面から冷却されることになる。

したがって、樹脂の冷却時間は中空成形法に比較して約
％程度でよいことになる。

次に、第４図示のように凸型１０をわずかに後退させる
と、固定板１１ａに対して分割型１１ｂ、１１ｃがわず
かに開き、容器Ａが凸型コアー１０ａに保持された状態
となる。

この後、圧縮空気を供給して押出ピン１８を作動させつ
つ、容器Ａ中に圧縮空気を吹込み、凸型１０を凹型１１
から後退させればよい。

この場合、押出ピン１８の押圧力及び圧縮空気の内部圧
力によって容器Ａが膨張し、アンダーカット部Ｂがアン
ダーカット面１５から外れ、容器Ａがキャビティの外周
面を形成していた固定板１１ａ及び分割型１１ｂ、１１
ｃの表面に密着する。

しかしながら、本発明によれば、環状のアンダーカット
部Ｂの存在によって、従来のように容器Ａ中の圧縮空気
が外部に漏れることはなく、容器Ａを安定した膨張状態
に保つこができる。

また、この実施例においては分割型１１ｂと１１ｃの間
に２龍程度のすきまが開（が、容器Ａの肉厚が３ｍｒｒ
ｔ程度あれば、容器Ａが内部圧力によって局部的な塑性
変形を起こすことはない。

以上のような工程により容器Ａが凸型コアー１０ａから
完全に外れると、容器Ａ中の内部圧力が自動的に解放さ
れ、容器Ａは収縮して原形に戻るから、押出ピン１８を
後退させることによって金型から容器Ａが取出される。

勿論、前記実施例にあっては、容器Ａの膨張率はイ。

。であり、膨張時間が短かいので、内部圧力の解放後、
ポリプロピレンの大きな弾性回復量によって容器Ａは直
ちに原形に戻ったのはいうまでもない。

なお、前記実施例においてはポリプロピレン製の蓄電池
槽を例示したけれども、本発明は、ポリエチンン等のよ
うな弾性があり、剛性の高い材料の他の容器にも適用で
きるのは指摘するまでもない。

以上の説明から明らかなように、本発明によれば、両面
冷却を行なうので、製作能率のよく、歩留りのよいテー
パのない深い角型容器を得ることができる。

また本発明の成形方法によれば、外周面に模様のある容
器の製作も可能で、肉厚の均一なテーパのない深い容器
が得られるので、材料の無駄なく廉価な容器が得られ、
特に蓄電池槽等にあっては軽量な高密度実装が可能にな
る等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の成形方法の説明図、第２図は本発明に用
いる金型の水平断面図、第３図は同金型の第２図の■−
■線に沿う断面図、第４図は凹型を開いた状態の第３図
と同様の図、第５図は型開き工程の説明図である。 Ａ・・・・・・容器、Ｂ・・・・・・アンダーカット部
、１０・・・・・・凸型、１０ａ・・・・・・凸型コア
ー、１１・・・・・・凹型、１１ａ・・・・・・固定板
、１１ｂ、１１ｃ・・・・・・分割型、１８・・・・・
・押出ピン、１９・・・・・・通路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 成形される角型容器の側方に開くことができる複数
   の凹型をもった射出成形用金型において、成形される容
   器の開口部に設けられた枠状のアンダーカットを形成し
   、樹脂の冷却後に前記凹型をほぼアンダーカットの突出
   量だけわずかに開く工程と、成形容器を押出ピンにより
   押出しながら前記容器の内部へ圧力流体を供給して容器
   を膨張させて前記凹型の表面に容器を保持させると共に
   容器開口部の各辺部の膨出を阻止する工程と、前記容器
   が凸型から外れた後に前記容器の内部圧を除いて前記凹
   型から容器を取出す工程とを備えるテーパのない深い角
   型容器の成形方法。