JPS5825266Y2 - 穀物乾燥機における試料取出口への試料案内装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、穀物乾燥機における試料取出口への試料案内
装置に関する。

従来の穀物乾燥機における試料取出口としては、実願昭
５３−１８３７９号公報のものがある。

このものは、貯留槽の側壁に試料取出口を設け、該試料
取出口より貯留部内を流下する穀物の一部を採取して水
分測定用試料とするものであり、第１図、第２図は、こ
の従来の穀物乾燥機における穀物の採取状態を示す説明
図である。

まず穀物落下口８，９から落下した穀物はいわゆる穀物
特有の安息角で以て落下部を中心とした山５，６に堆積
する。

その場合貯留部の側壁７に向う傾斜面が形成されるので
、落下した穀物中に含まれる未熟米、シイナあるいは軽
いごみ等は比重が小さいので山の傾斜面を滑り落ち、前
記側壁７に向って流下集中する。

従って、側壁７の試料取出口４′に水分測定器を取付け
た場合、その試料取出部４でシイナ、ごみ等の混入率の
高い穀物を水分測定用の試料として採取する可能性がき
わめて高いことになる。

出願人の測定した結果によると、上部移送機２の穀物落
下口８の下方で試料を採取したとき整粒が９７．７％（
シイナの混入率２．３％）であるのに対し、試料取出口
４′の上方の側壁７（上部移送機２の始端側）では整粒
９０．７％（シイナの混入率９．３％）となっている。

この結果、従来は水分測定器の試料採取部４が試料形出
口４′から採取した試料に基づいて穀物の水分測定を行
うと測定誤差が生じることとなった。

上述の如き欠点を除去するために、例えば穀物落下口８
の位置を、試料取出口４′の直上方帯りに偏倚して側壁
面７の近傍にて穀物の落下による山を堆積させ、前述の
ように側壁７に向う傾斜面を形成させないようにするこ
とが考えられる。

ところが、穀物落下口８，９は、貯留槽内に穀物を均分
落下させるために上部移送機２に適当配置されるもので
あり、上述のように一方にのみ偏倚させるのは均分落下
性能を損う結果となり好ましくない。

そこで、本考案の目的は、シイナ、ごみ類の混入率の少
ない水分測定用の試料採取を可能とする穀物乾燥機にお
ける試料取出口への試料案内装置を提供することにあり
、特に穀物落下口の下方に下り傾斜する穀物誘導板を設
け、該誘導板の下端流出口を試料取出口の上方に配置し
穀物落下口から落下する穀物の一部を該誘導板により常
に試料取出口の上方に流下させるようにして上述の不具
合を除去したものである。

以下、本考案の一実施例を第３図、第４図に基づいて説
明する。

１は穀物を貯留する貯留部とこれの下部に接続される通
風乾燥部とを有する穀物乾燥機、２は上記穀物乾燥機の
頂部に配設した上部移送機、４は貯留部の側壁７の外側
に装着した水分測定器の試料取出部、４′は側壁７に穿
設した試料取出口、５゜６はそれぞれ落下蓄積する穀物
の安息角を呈する穀物の山、７は貯留部の側壁、８，９
は上記上部移送機２の樋に移送方向に間隔をおいて形成
した穀物落下口である。

また、上部移送機２には、両端を上部に折曲した樋状の
穀物誘導板３を穀物落下口８下部に下り傾斜させて設け
、該穀物誘導板の下端流出口を試料取出口４′上方に配
置して設ける。

次にこの作用について説明すると、穀物落下口８から流
下する穀物の一部は穀物誘導板３上を滑り落ち、側壁７
に装設した試料取出口４′の上方にて側壁７の内面近傍
に落下し、やがて試料取出口４′の上方を落下の中心と
して穀物が有する安息角でもって堆積し小さな山６′を
形成せしめる。

一方、穀物落下口８から落下する多量の穀物は山６を形
成し、シイナ、ごみ類はその傾斜面を滑り落ち、側壁７
に向って流下する。

しがし側壁７には、小さな山６′が形成されており、上
記用６がら側壁７に向って流下したシイナ、ごみ等は山
６′の裾でその流下を阻止される。

また山６′に落下する穀物中に混入するシイナ、ごみ類
も山６′の傾斜面を滑り落ち試料取出口４′の上方の側
壁７がら遠ざがる。

したがって山６′の下方に位置する試料取出口４′の付
近には、シイナ、ごみ類の混入率が少い穀物が流下する
ことになる。

試料取出口４′に流下する穀物を測定した結果は前述の
とおり、整粒が９８．７％であり、シイナ及びごみ等の
混入率は僅が１３％であった。

ちなみに、シイナ等は最終的には別途設けた排塵機等に
より除去されるものである。

なお、上部移送機２としてスクリューコンベヤを使うと
きは先端はど整粒歩合が低く、床面でスクリューにより
押される側は整粒歩合が高く、整粒が斜めに自由落下す
る場合、シイナ類は手前に落下するから、第３図に示す
穀物落下口８下方に穀物誘導板３を設けるとき、上部移
送機２がスクリューである場合はスクリューの回転方向
に少しずれて設ける方がより有効である。

上記実施例より明らかなように、この考案によれば、穀
物落下口８の下部に下り傾斜する穀物誘導板３を設け、
該穀物誘導板３の下端流出口を試料取出口４′の上方に
配置させることにより、穀物落下口８から落下する穀物
の一部を試料取出口４′の上方の側壁７近傍に誘導落下
させ小さい山６′を形成する。

そして、穀物落下口８の下方の山６の傾斜面を滑り落ち
、側壁７に向って流下するシイナ、ごみ類は、小さい山
６′の裾でその流下を阻止されると同時に、山６′に落
下する穀物中に混入するシイナ、ごみ類も山６′の傾斜
面を滑り落ち、試料取出口４′上方の側壁７から遠さ゛
かる。

これにより、試料取出口４′にはシイナ、ごみ類の混入
率の少ない穀物を流下させることができ、試料取出口４
′から採取した試料に基づいて水分測定を行う場合には
、測定誤差が少なくなるという効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来の穀物乾燥機における穀物の採取
状態を示す説明図、第３図はこの考案の一実施例を示し
、穀物乾燥機の要部のうち一部を切欠して内部構造を示
す説明用斜視図、第４図は第３図の説明用側断面図であ
る。 図中、１は穀物乾燥機、２は上部移送機、３は穀物誘導
板、４は試料取出部、４′は試料取出口、５，６．６’
は穀物の山、７は貯留部の側壁、８，９はそれぞれ穀物
落下口である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被搬送穀物をホッパから昇降機により上部に搬送し、上
   部移送機で貯留部に均一に分布し、貯留部から通風乾燥
   部を経て下部集穀部に流下し、下部移送機と昇降機とに
   より再び前記経路を循環させ、かつ前記貯留部の側壁に
   試料取出口を設けてなる穀物乾燥部において、前記上部
   移送機の穀物落下口下方に下り傾斜する穀物誘導板を設
   け、該誘導板の下端流出口を前記試料取出口の上方に配
   置してなる穀物乾燥機における試料取出口への試料案内
   装置。