JPS5824346Y2 - マイクロスイツチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はマイクロスイッチに関し、特に接点の閉成時
にチャタリングの発生が少なく、またバウンスイングが
発生するまでの時間が可及的に長くなるようにしたマイ
クロスイッチを提供しようとするものである。

例えば電子ガスライタでは第１図に示すように平素より
電池１からコンデンサ２に電荷を充電しておき、着火作
用と同期してスイッチ３を切換え高圧発生用トランス４
の一次コイル５にコンテ゛ンサ２の電荷を放電させ、二
次コイル６に高電圧を発生させ端子７−７間でこの高電
圧を放電させその火花放電によってガスに点火するもの
である。

ここでスイッチ３としては小型のマイクロスイッチが用
いられるマイクロスイッチは周知のように可動接点を常
閉側から常開側に切換るときスナップ動作によって常開
側の固定接点に衝合させるものである。

この衝合時に可動接点は衝突エネルギによって振動し、
いわゆるチャタリング或はバウンスイングが発生する。

特にこの種高圧発生装置では一次コイル５の巻回が極め
て少なく瞬時にコンデンサ２の充電電荷を放出させ比較
的大電流を流すようにしているため、スイッチ３の接触
抵抗がチャタリング及びバウンスイングによって変化す
るとその影響を大きく受は着火できない不良品が作られ
るおそれがある。

即ち端子７−７間の間隔を大きく採りこの間において放
電させた場合は、端子７−７間の電圧は第２図Ａに示す
ような減衰振動波形となる。

これに対し端子７−７間の間隔を小さくし、この間で放
電させると端子７−７間を流れる放電電流は第２図Ｂに
示すような波形となる。

これは負荷インピーダンスの低下により二次コイル６の
固有振動周波数が低下したためにである。

ガスライタの着火装置では着火操作と周期して端子７−
７間に火花放電を発生させなければならない。

このときガスの放出時点から放電時間が成る時間持続し
なければ安定に着火されない。

従来のマイクロスイッチではスイッチの可動接点が反転
してから比較的短時間の内にチャタリング及びバウンス
イングが発生するものが多く、このために端子７−７間
を流れる放電電流は第２図Ｃに示すように途中で跡切れ
放電時間が極めて短かくなる。

第２図Ｃにおいて始めに発生する鋭どい切込８−８はス
イッチ３のチャタリングによるもので、幅の広い切込９
はスイッチ３のバウンスイングによる影響を示す。

電子ガスライタを安定に着火させるためには少なくとも
１００μ秒間程度は火花放電を持続させる必要がある。

然し乍ら従来のマイクロスイッチの多くは２０μ秒程度
で放電が跡切れてしまうものが多く、このため着火装置
に組込んだ場合着火ができない不良品が数多く発生する
欠点がある。

従来のマイクロスイッチがこのようにチャタリング及び
バウンスイングが比較的短時間に発生する理由は次のよ
うに考えることができる。

即ち従来のマイクロスイッチは第３図に示すように球状
の可動接点１０が常開側の固定接点１１の平面にほぼ垂
直に衝合するような構造となっている。

球状の可動接点１０が固定接点１１の平面にほぼ垂直に
衝合すると可動接点１０は固定接点１１からの反発力に
よって跡躍運動しようとし、チャタリング現象を呈する
。

跳躍運動しようとしたとき接触圧が変動し、これがコン
デンサ２からの放電電流が変動させる。

一方円定接点１１から受けた反発力によって可動接点１
０を支持する可動接片１２が振動し、この振動によって
可動接点１０と固定接点１１との間の接触圧が大きく変
動する。

この現象がバウンスイングであり、バウンスイングによ
ってコンデンサ２の放電電流は大きく跡切れ放電が途絶
する。

尚第３図において１５はマイクロスイッチのケースを示
し、１６は操作子、１７は常閉側の固定接点を示す。

この考案の目的は可動接点が反転してからチャタリング
及びバウンスイングが発生するまでの時間を比較的長く
することができ、よって例えば電池ガスライタ等の着火
装置に使用した場合、安定に着火が達せられるマイクロ
スイッチを提供するにある。

この考案では少なくとも可動接点又は固定接点の何れか
一方は９０’に近い角を持ち、この角を固定接点又は可
動接点の平面に衝合させると共に可動接点はその重心を
通る可動接片と直交する向の中心線から外れた位置で固
定接点と衝合させ、これによりその反発方向を可動接点
の可動方向より外れた方向の成分に分散させて可動接片
が振動するのを可及的に抑制し、チャタリングの発生を
防止すると共にバウンスイングが発生するまでの時間を
長くしたものである。

第４図はこの考案の一実施例を示す。

この考案においては一端が支点とされ他端が自由端とさ
れた可動接片１２の遊端に可動接点１０を取付けると共
に、この可動接点１０をその重心を通る可動接片１２と
直交する方向の中心線から可動接片１２の延長方向にず
れた位置で固定接点１１に衝合させるように構成するも
のである。

これと共に可動接点１０と固定接点１１の何れか一方は
９０’に近い角を持ち、この角が他方の接点の平面部に
衝合するように構成する。

この例では可動接点１０と固定接点１１の双方を平面接
触面１０ａ、ｌｌａを持つ導電ブロックにて構成した場
合を示す。

つまりこれら可動接点１０と固定接点１１を構成する導
電ブロックは共に例えば偏平な円板状とされ固定接点１
１を支持する固定接片１４が折曲られて可動接点１０と
固定接点１１の平面接触面１０ａと、１１ａめ間に角度
θを持つようにし、この角度θに・よって可動接点１０
の平面接触面１０ ａに固定接点１１の角を衝合させる
。

図の状態は弓形バネ１３によって可動接片１２の延長方
向に偏倚力を与え、この偏倚力によって可動接片１２を
スナップ動作させ、このスナップ動作によって可動接点
１０が固定接点１１に衝合した状態を示す。

このように構成すれば可動接点１０の平面接触面１０ａ
が弓形バネ１３のスナップ動作により固定接点１１０角
に衝合すると可動接点１．０と固定接点１１はほぼ点接
触の状態になる。

・またこのとき可動接点１０は衝合点と重心Ｇを通る方
向の反発力Ｐ２を受ける。

この反発力Ｐ２は可動接点１０の重心Ｇを通る可動接片
１２と直交する方向の成分Ｐ１・と可動接片１２の延長
方向の成分Ｐ３とに分けることができる。

よって可動接点１０の可動方向の成分Ｐ１を小さくする
ことができ、よってチャタリングが発生する率を小さく
できる。

然も可動接片１２に対し、その延長方向の力成分Ｐ３を
与えるようにしたから可動接片１２が振動するのを抑制
することができ、バウンスイングの抑制が達せられる。

よってこの考案によるマイクロスイッチによれば第２図
りに示すように可動接点１０が固定接点１１に衝合した
時点からバウンスイングが発生するまでの時間Ｔを長く
することができる。

実際には１００μ秒程度とすることができる。

然もバウンスイングが発生するまでの間にチャタリング
が発生する率も少なくなり電池ガスライタを安定に着火
できる。

然もこの考案では可動接点１０と固定接点１１の何れか
一方は９０°近い角部で他方の平面部と接触するから筒
金時に可動接片１２が多少振動し、この振動により可動
接点１０が固定接点１１に対して多少ローリング及びピ
ッチングしても接角面が小さいことから、接触抵抗が大
きく変化することがない。

この点からもチャタリングとバウンスイングを抑制する
効果が得られる。

第５図はこの考案の他の実施例を示す。

この例では可動接点１０の角と固定接点１１の平面接触
面１１ ａに衝合させるようにした場合を示す。

この場合も可動接点１０の反発力は可動接点１０の可動
方向と可動接片１２の延長方向とに分散されチャタリン
グの発生が抑えられる。

またバウンスイングが発生するまでの時間を長くするこ
とができる。

第６図はこの考案の更に他の実施例を示す。

この例では固定接片１４自体を固定接点とし、固定接片
１４の一端を折曲げ、その折曲げられた傾斜面に可動接
点１０の角を衝合させるようにした場合を示す。

以上説明した如くこの考案によれば可動接点１０のチャ
タリングが抑制され、またバウンスイングが発生するま
での時間を長くすることができ、例えば電子ガスライタ
の着火用スイッチとして用いて好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は電子ガスライタの着火装置を説明するための接
続図、第２図はその動作の説明に供する波形図、第３図
は従来のマイクロスイッチの要部を示す側面図、第４図
はこの考案の一実施例を示す側面図、第５図及び第６図
はこの考案の他の実施例を示す側面図である。 １０：可動接点、１１：固定接点、１２：可動接片、１
４：固定接片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 Ａ、一端が共部端子に支持され、平面接触面をもつ可動
   接点が自由端部に設けられた可動接片と、Ｂ、その可動
   接片と一端が結合され、他端が固定部と係合されて可動
   接片をその自由端に向って偏倚するバネと、 Ｃ８可動接点と対向し、常時はこれと離れて設けられる
   平面接触面をもつ固定接点と、 Ｄ、上記可動接片の支持点と、可動接片及びバネの結合
   点との間において可動接片を上記固定接点側に変位させ
   ることができる操作子と、 Ｅ、その操作子による変位により可動接点をスナップ的
   に上記固定接点に衝合させるマイクロスイッチにおいて
   、 Ｆ、上記可動接点が上記固定接点に衝合した状態におい
   て、可動接点及び固定接点の両接触面は互に傾斜して可
   動接点及び固定接点の一方の角が、他方の接触面に点接
   触し、かつ可動接点の重心を通り、その接触面と直交す
   る中心線から可動接片の延長方向において、上記点接触
   点が外れた位置となるように可動接点及び固定接点の相
   対的姿勢が選定されて成るマイクロスニッチ。