JPS5823729Y2 - 自動車用合成樹脂製バンパ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用合成樹脂製バンパーに係り、特にバン
パー表面に長尺なモールを取付けるための構造に関する
ものである。

従来、自動車用バンパーは鋼板をほぼ断面Ｃ字型にプレ
ス成形後、表面にクロムメッキあるいは塗装などの処理
を施したものが採用されているが、近年に至り車体の軽
量化、燃料費の節減、法規匍丸嗜好の多様化などの種々
の要因により、自動車用バンパーを軟質又は硬質の合成
樹脂により成形したものが提案されている。

この合成樹脂製バンパーによると、軽量で衝撃を吸収し
、変形してももとの形に復元し易く、またインジェクシ
ョン成形法により量産化ならびに形状の多様化を図るこ
とが可能であるが、装飾性に乏しいという欠点を有する
。

したがって、近時インジェクション成形後ノバンパ一本
体の表面にステンレス鋼板、合成樹脂等の長尺なモール
を接着する方法が提案されているが、これによると自動
車が屋外の高温、低温、高湿度の厳しい状況下で使用さ
れることから、モールを接着する接着剤の接着力が低下
し、モールが剥離するという欠点を有する。

また、合成樹脂製モールの表面に、底広がりの溝を設け
この溝にモールを嵌合する方法も試みられているが、上
記のような溝を形成するには、バンパー成形用金型が複
雑となることから容易ではなく、実現性に乏しく、また
、この溝にモールをはめ込むために多大な工数を有する
欠点がある。

したがって、本考案の目的は上記欠点を除去するもので
あり、以下実施例を用いて詳細に説明する。

第１図、第２図は本考案による自動車用合成樹脂製バン
パーの一実施例を示す平面図およびＡＡ断面図、第３図
はモールを取着した状態のＢ−Ｂ断面図であり、各図に
おいて、１は断面がほぼＣ字状の自動車用バンパーであ
り、ＰＰ樹脂をインジェクション成形して形成され、そ
の両端２側は内側に湾曲し、コーナ一部３は丸みを有し
ている。

このバンパー１の表面には、コーナ一部３から平坦部４
にかけて一連のモール収納溝５が設けられており、この
溝５に第４図で示す断面略Ｔ字形のモール本体６が収納
される。

また、モール収納溝５の底壁７には、バンパー１の裏側
方向に延在し、かつ溝５よりも幅の狭いスリット８が形
成され、さらに収納溝５の両端側壁、すなわちモー戸本
体６の先端が対応する位置９には、モール本体６の断面
形状とほぼ同一形状の孔１０が設けられている。

この孔１０は、はぼバンパー１の表面に対し傾斜してい
る。

モール本体６は先端が尖鋭１１となる如く加工されるも
のでアルミニウム箔１２の全域を被う透明なＣＡＢやＰ
ＶＣもしくはアクリル樹脂より成り、その底部からは本
体６の延長方向に沿う脚部１３が突出するもので、この
モール本体６、脚部１３はたとえば押出し底形により連
続的に形成される。

この場合脚部１３の側部表面には凹凸１４が設けられ、
かつこの脚部１３の肉厚はスリット８の幅より多少太い
かまたはほぼ等しい値に設定される。

そして、該脚部１３は第５図に示すようにバンパー１の
長手方向に対し直角方向に形成されたバンパー内側のリ
プ１５に対応する部分に切欠部１６が設けられ、かつ先
端は尖鋭形状１７とされる。

このように、モール本体６と脚部１３とより成るモール
は、脚部１３をスリット８の中に押し込む。

したがって上記脚部１３の係合によりモール本体６は収
納溝５の中に収納固定される。

特に、脚部の側部表面に設けた凹凸により脚部１３とス
リット８との間で摩擦力が大きくなり脚部１３が容易に
引抜けなくなる。

また、脚部１３の先端を尖鋭形状とした場合、この脚部
をスリット８の中に挿入するのが容易となり取付は作業
が簡単となる。

また、モール本体６を多少湾曲させることにより、その
両端を溝５の底壁７に密着させることができ、また、脚
部１３の切欠部１６にリプ１５が係合するのでモール本
体６の長手方向への移動を阻止できる。

したがって、このようにして取付けられたモールはアル
ミニウム箔１２の金属色により適度の光沢を呈して観察
され、バンパーの商品価値を著しく高めることになる。

また、モール本体６に対し１個の脚部１３を設けて断面
が丁字形となるものとして説明したが、モールディング
本体の幅が広くなるときは２個の脚部を設けて断面がπ
字形となるようにしてもあるいはそれ以上の数の脚部を
設けてもよい。

また、脚部１３は第７図、第８図に示すように先端側が
拡開する形状とし、この拡開部分が、バンパー１の表面
側と裏面側とで径が異なる孔１９に貫入するようにして
固定するようにしてもよい。

また、スリット８の内壁にも脚部１３の凹凸に対応する
凹凸が存在した方が、脚部を確実に固定する上で好まし
い。

また、リプ１５はバンパー１の長手方向に延長する如く
設けてもよい。

以上説明したように本考案による自動車用合成樹脂製バ
ンパーによると、モール本体を収納スる凹部をバンパー
の表面側に設けるとともに、この凹部に収納されたモー
ル本体の底部より脚部を突出せしめ、該脚部を上記凹部
に設けた孔又は穴に貫入するようにしたので、モール本
体を容易にかつ確実にしかも少ない工数で固定できる。

また、本考案によればバンパー、モールは比較的単純な
構造であるので、これ等を形成するための金型は安価な
ものでよく、コスト低減を図ることができる○

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による自動車用合成樹脂製バンパーの一
実施例を示す平面図、第２図はその人Ａ断面図、第３図
はそのＢ−Ｂ断面図、第４図はモールの一例を示す斜視
図、第５図はその側面図、第６図はモールの装着状態を
示す図、第７図及び第８図は本考案による自動車用合成
樹脂製バンパーの他の実施例を示す図である。 １・・・バンパー、５・・・収納溝、６・・・モール本
体、７・・・底壁、８・・・スリット、１３・・・脚部
、１４・・・凹凸、１６・・・切欠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長尺なモール本体を収納する凹部を合成樹脂製バンパー
   の表面に設けるとともに、との凹部の底部にスリットを
   形成し、このスリットにモール本体の底部より突出する
   脚部を貫入するようにした自動車用合成樹脂製バンパー
   において、脚部の端部に切欠部を設け、合成樹脂製バン
   パーの内側に設けられかつ脚部と直交する方向のリプの
   一部をこの切欠部に嵌入するようにしたことを特徴とす
   る自動車用合成樹脂製バンパー。