JPS5822409B2 - 物品の充填方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はポリプロピレンの如き軟化温度と溶融温度との
温度差の小さい熱可塑性合成樹脂フィルムを用いて作ら
れたフィルム又はシートによる押し出し包装（プレス・
スルー・パック）の製造法に関するものである。

合成樹脂、殊にポリ塩化ビニル製フィルムに規則的な凹
所を設け、この凹所内に小物品、例えば医薬品の錠剤、
カプセル等を充填後、アルミニウム箔で密封した包装体
はプレス・スルー・パック（Ｐｒｅｓｓ Ｔｈｒｏｕｇ
ｈ Ｐａｃｋ又は略してＦＴＰ）と呼ばれ、ここ１０数
年来広く用いられている。

しかしながら、ここに用いられるＰＶＣは比較的に透湿
性が高いので従来のガラス瓶包装に比し耐湿性が遥かに
劣り、この見地及び用済み後の空包装の焼却に際し公害
問題を発生する恐れが少いという点から透湿性の低いポ
リプロピレン（ＰＰ）が注目されるようになった。

ＰＰフィルムは透湿１ 度がＰＶＣフィルムの７／３〜／４以下であって、かつ
腰が強いので加工性も良好であり、またそのガス透過性
や熱接着性はポリ塩化ビニリデンなどの薄膜（厚さ３μ
程度）のコーティングにより著しく改善されることがで
きる。

しかしながら、ＰＰは本質的に軟化温度と溶融温度とが
接近しているため温度コントロールが難しく、特にブレ
ーキローラ（送りローラ）とシールローラ（引張リロー
ラ）との間でズレが生じ易い欠点があった。

周知の如く、ＦＴＰ包装では先づプラスチックフィルム
又はシートに多数の規則的な凹部（窪み、ポケット）を
形成した下、この凹部を有するシートを水平に引っ張り
乍ら該ボケツ１へ内に物品を充填し、次いでアルミ箔を
開口面に被せて熱シールを行うものである。

従って、引っ張りローラ上の凹部の位相が送られて来る
物品入りシートのそれと一致していなければ、シートの
凹部のひいては内部に収納された物品の変形や損傷を起
こす。

このため、実用上許容されうるズレは精々±０．１ ｍ
、を出ないが、高速度で送られて来るシートの窪みと引
っ張りローラ側の窪みとを正確に一致させるのはＰＰフ
ィルムのような溶融温度と軟化温度との差が小い樹脂の
場合、前段の送りローラーに到達するまでの過程でフィ
ルムが多少の伸びを生じている関係で、後段の送りロー
ラーとの間で弛みを生じるため高価な制御装置を用いて
も非常に困難であった。

そしてもし弛みが生じている状態でシールを行えば、引
っ張りローラー（シールローラ）のリセスと賦形フィル
ムのポケットとの間でズレを生じ、製品に極めて好まし
くない影響を与える。

このため、ＰＰフィルムを用いたＰＴＰ化は、塩ビフィ
ルムを用いた従来のＦＴＰに比べて優れた特性を認めて
おりながらこれまで成功していなかった。

しかるに本発明者は研究の結果、引っ張りローラの周速
を送りローラの周速に比し僅かに増加させることによっ
て、実質上ズレを解消するのに成功し、ＰＰフィルムに
よるＦＴＰを実現することへの腰壁を啓くことができた
。

周速の増加分は送りローラの周速を基準に数％以内でよ
い。

この増加のためには引っ張りローラの直径を送りローラ
に比し僅かに犬とするのが最も簡単であるが、もつと良
いのは無段変速機を介して該ローラ自体の回転速度を可
変的に増加させることである。

増加されるべき周速はシート状の凹部の形状及び数、使
用されたフィルム又はシートの材質、成形温度、送り速
度その他のファクターの関数であるので、好ましくはそ
の他の条件を一定にした上で実験的に最適の周速を決め
るのが好ましい。

しかし、新壁により使用シートに予め一定間隔の目印を
つけておき、この目印間の距離が成形前と成形後とで変
化する程度を自動的に検出してこれを引っ張りローラの
回転速度にフィードバックするようにすれば、その他の
条件の変化を顧慮する必要なしに理想的な制御状態を得
ることができる。

以下、発明の代表的な実施例につき記述する。

図面において、リール１に巻かれたＰＰフィルム２は繰
り出しローラ３、テンションローラ４及びガイドローラ
５を経て予熱プレー） ６ 、６’の間を通って成形ダ
イス７．７′の上下動によりポケット部Ｐを加工され、
次いで送りローラ８、第１アクツチメントローラ９、第
１ダンサ−ローラ１０及びブレーキローラ１１を経てシ
ール受はローラ１６に達する。

ブレーキローラ１１（以上のＭＱ”Ａにおける「送りロ
ーラ」に相当する）及び続くシール受はローラ１６（以
上の説明における「引っ張りローラ」に相当）の外周面
には夫々ダイス７゜７′により予めフィルム２上に成形
されたポケット（凹部又は窪み、Ｐ）に対応する凹部１
２，１２・・・が刻まれており、フィルム２は両ローラ
の中間の位置で上部のシュート１５から被充填物品１４
．１４・・・の供給を受けた供給筒１３の回転により前
記Ｐ内へ被充填物品の供給を受ける。

この際ローラ１６の半径はローラ１１に比し僅かに大き
いので両者の回転速度は同一であるが前者の周速は後者
に比し僅かに大きく、これによりこの間引つ張りが起こ
り、このためシートに成形されたポケットＰとローラ１
６に刻まれたポケットとが完全に一致する効果が得られ
る。

リール１８に巻かれたアルミニウム箔１９はガイドロー
ラ２０を経てローラ１６の面に達し、シールローラ１７
により押圧されつつ加熱されてフィルム２の開口部を密
閉して連続した包装帯を作り、この包装帯は第２ダンサ
−ローラ２１、第２アタツチメントローラ２２、ガイド
ローラ２３及びタイミング脳−ラ２４を経て打ち抜きパ
ンチ２５ 、２５’により一個−個の包装体の形にトリ
ミングされ、製品として取り出される。

製品が打ち抜かれた後のスクラップはガイドローラ２６
を経てスクラップリール２７に巻き取られる。

以上の各動作は公知のメカニズムによりタイミングロー
ラ２４の動作を基準にローラ８，１１，１６，２４及び
２７の間歇的駆動回転により行われる。

以上本発明の一具体例につき説明したが、これは単に例
示であって、発明精神の限定を意味するものではない。

重要な点は送りローラと引っ張りローラの周速を変化さ
せることによって両ローラ間においてフィルムに延伸を
行わせることである。

例示した両ローラの直径に微差を与える手段は最も簡単
な方法であるが、この他引っ張りローラの回転速度を送
りローラのそれに比し相対的に増大させる手段を用いて
もよいことは勿論である。

さらに送りローラと引っ張りローラ間の適当な場所を別
個の複数のローラで挾み、このローラに送りローラより
僅かに早い駆動回転を与えることによって延伸作用を行
わせてもよい。

この場合引っ張りローラへの駆動は省略できるが、いづ
れにしろその周速は送りローラのそれに比し早くなる。

なお、上記具体例では引っ張りローラの作用は該ローラ
面に刻まれた凹部１２とフィルムに作られたポケットと
の係合により達成された。

しかし所望によりフィルムの長手方向に沿って単条以上
のパーフォレイジョンを設け、このパーフォレイジョン
とスプロケットを噛み合わせて駆動ないし延伸を行わせ
るようにしてもよい。

この方法はフィルムにパーフォレイジョン用の巾２７１
１ｍ程度のマージンを要求する不利はあるが、ローラ又
はローラとポケットによる滑りを最少にできるという利
点を有する。

本発明に使用されるＰＰフィルム（又はシート）は厚さ
０．３〜０．５ ｍｍ程度の無延伸のものが普通である
。

ＰＰフィルムのヤング率はＰＶＣフィルムのそれに比し
稍低いので、厚みを後者に比し稍々増加させるのが好ま
しい。

しかし剛性のより高いフィルム、例えばナイロン、ポリ
カーボネートなどのフィルムを用いれは厚みをより薄く
することが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の具体例を示す模型的側面図である。 図中の符号の意味は以下の通りである。１：フィルムリ
ール、２：ＰＰフィルム、３：繰り出しローラ、４：テ
ンションローラ、５ニガ゛イドローラ、６ 、６’ ：
予熱プレート、７ 、７’ ：成形ダイス、８：送りロ
ーラ、９：第１アクツチメン１ヘローラ、１０：第１ダ
ンサ−ローラ、１１ニブレーキローラ（送りローラ）、
１２：凹部、１３：供給筒、１４：被充填物品、１５：
シュート、１６：シール受はローラ（引っ張りローラ）
、１７：シールローラ、１８ニアルミ箔リール、１９ニ
アルミ箔、２０ニガイドローラ、２１：第２ダンザーロ
ーラ、２２：第２アタツチメントローラ、２３ニガイド
ローラ、２４：タイミングローラ、２５ 、２５’ ：
打ち抜きパンチ、２６：ガイドローラ、２７：スクラッ
プリール、Ｐ：ポケット。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ポリプロピレン又はその均等物の如き軟化温度と溶
   融温度との温度差の小さい熱可塑性合成樹脂フィルムに
   規則的に設けられた凹部内に被充填物を充填するに当り
   、引っ張りローラの周速を送りローラーの周速に比し僅
   かに太きくしながら物品の充填を行うことを特徴とする
   物品の充填方法。