JPS5822302B2 - 工具貯蔵マガジンの工具収納筒傾倒装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動工具交換装置における工具貯蔵マガジンの
工具収納筒の傾倒装置に関するものである。

工具貯蔵マガジンには、基台回転軸に割出し出来るよう
軸承した円板の外周に多数の工具収納筒を基台回転軸と
平行した状態から直交する状態に揺動（傾倒）するよう
、円板の回転軸と直交する支軸を介してこれに取付けら
れている。

そして工具交換位置にある工具収納筒を傾倒装置ｌこよ
って回転軸に平行した状態からこれに直交する（工作機
主軸に平行）方向に揺動され、この後工具交換アームに
よって主軸上の工具と交換される。

従来、この種の工具収納筒の傾倒手段としては、各工具
収納筒に油圧シリンダを設けたものや固定及び可動する
傾倒カムをもつものなどが知られているが、いずれの手
段も一長一短があり、満足すべき機能が発揮されなかっ
た。

そこで、実公昭５１−３３００９は、一部切欠を有する
環状溝に各工具収納筒の軸受を係合させて保持し、工具
貯蔵マガジンの工具交換位置に１つの油圧シリンダを備
え、環状溝の切欠で保持を解除された工具収納筒は油圧
シリンダを昇降ロッドの係合片に係合され、工具収納節
の傾倒と復帰を司どることで工具収納筒の傾倒装置を簡
単に構成したものがある。

この装置の欠点は、工具貯蔵マガジンが割出回動中にお
いて、各工具収納筒が切欠した工具交換位置の環状溝を
通過するとき支持を解除され、昇降ロッドの保合片によ
って一時的にかろうじて支持される。

従って、工具交換位置を通過する工具収納節は円滑な移
動ができないばかりか、昇降ロッドの係合片に係合溝が
衝動的に係合されて、両者の損耗を早める。

本発明は上記従来の欠点を一掃する新規な工具傾倒装置
を提供するもので、工具貯蔵マガジンの各工具収納筒を
自己のクランプ部材で保持して、工具貯蔵マガジンの割
出回動時に工具収納筒が他部材との接離動作を行なうこ
となく自由にマガジン外周を旋回し、工具交換位置に設
けたアクチェータ・シリンダのロフドに工具収納筒の傾
倒と復帰とを司どる新規な起倒部材を設け、この起倒部
材が工具収納筒の傾倒時のみ工具収納筒尾端の押動ピン
に係合し、工具収納筒の傾倒と復帰とを迅速かつ確実に
行うものである。

以下本発明を図面に示す実施例で説明する。

第１図において、１はマシニングセンタの主軸頭（図示
なし）における左側壁等に付設した機筺で、この下端面
には工具交換アーム２が回動軸３に可逆旋回及び軸方向
摺動可能に取付けられている。

４は工具貯蔵マガジンＭの回転円板で、工作機主軸（図
示なし、又は回動軸３）と直角な水平姿勢の割出回転軸
（図示なし）に回転可能に軸承されている。

そして上記回転円板４の外周には、多数の工具収納筒５
・・・・・・（図示では工具交換位置にある収納筒のみ
示す）が割出回転軸と水平状態から外径方向に拡がった
直交状態に約９０ 揺動しうるよう支軸６によって支承
されている。

即ち、第１．２図に見るよう回転円板４の外周における
機筺１側に二股片４ａ、４ａが凸設され、これに工具収
納筒５の上面後端に付設した曲片５ａを嵌入して支軸６
で支承されている。

そして工具収納筒５が円板外周において水平姿勢を保持
しうるよう、この収納筒５の上面に植立させた係合突子
５ｂを円板４の外周に穿った保合孔４ｂに突入させ、ば
ねＴの弾発力で孔内４ｂに突出する係合子８が係合突子
の先端部５ｃを押圧保持するクランプ部材にの構成をな
している。

勿論、ばねγの弾発力は、回転円板４の回動による遠心
力では係合突子５ｂを外すことのないばね力に設定され
ている。

そして強力な左傾外力が工具収納筒に働くとこの収納筒
５が円板の外径方向へ第１図の二点鎖線の如く回動傾倒
し、工具収納筒５の後端にボルト９で固着させた支持杆
１０が回転円板４の背面に凹設した規制面４ｃにストッ
プされて、これ以上の回動を制限し、収納筒５を垂下し
た直立姿勢（回転軸と直交する）に位置決めする構成と
なっている。

ＴＨ，は先端に工具Ｔ１をもつ工具ホルダで、工具収納
筒５のテーパー穴５ｄに挿入したプルスタット１１をば
ね１２によって押圧する保合子１３に保持されている。

１５は工具収納筒５を揺動させるアクチェータの油圧シ
リンダで、工具交換位置において直立垂下する工具収納
筒５′を邪魔しないようこの奥方で且つ機筺１の左側面
下にブラケット１４で付着され、ピストンロフド１６の
先端を回転軸と直交する方向の上向きにしている。

２０は回動不能のピストン瞑ノド１６の先端に付設した
工具収納筒５の起倒部材で、細部は下達の如く構成され
ている。

即ち、ピストンロフド１６の先端（上端）には倒Ｚ字状
の取付具１７が左右方向に向けて固着され、この二股上
伸部１γａには介動杆１８の中腹をピン１９によって枢
支しかつ取付具１１の上面に介動杆１８の左半部を載置
させてこの時計方向の右転だけを許容する。

そして取付具１１の左端部１７ｂと介動杆１８の左端間
に張架させた強力なばね２１（ばね７の弾発力よりも強
力な収縮力に設定）１こよって介動杆１８の右転を拘束
して水平姿勢に保持している。

１８ａは介動杆の中腹左側に設けた二股上伸部で、この
上端には左右方向に向けた復帰杆２２がその中腹をピン
２３によって枢支し、介動杆１８の中腹右側に凸設した
ストップ１８ｂによって復帰杆２２の右転を水平位置で
止め、この位置から反時計方向の右転を許容する。

そして介動杆１８の右端と復帰杆２２の右端間には、弱
い収縮力のばね２４が張架され、復帰杆２２に右転力が
作用しないとき、この復帰杆をばね２４で右転を止めか
つストップ１８ｂによって水平姿勢に保持されている。

上記起倒部材２０における介動杆１８と復帰杆２２の左
端１８ｃ、２２ａは上下関係で平行し、ピストン１６が
第１図に示す下死点ａで支持杆１０に植着した押動ピン
２５の直下に上側の左端２２ａが適度の間隔を保って相
対している。

そしてピストンロフド１６の上昇途上で、第３図に見る
よう押動ピン２５は弱いばね２４に抗して回動される復
帰杆２２を乗り越えて下方の介動杆１８上に載り、ピス
トンロフド１６の上死点すで第４図の如く規制面４ｃに
支持杆１０がストップされて工具収納筒５を直立垂下さ
せ、つづいてピストンロフド１６が上死点から降下をは
じめると第５図の如く復帰杆２２の左端下面が支軸６の
右側上方に位置する押動ピン２５を捕えて工具収納筒５
を時計方向へ回動し、ピストンロフド１６の下死点寸前
で第６図の如く係合突子５ｂがクランプ部材Ｋに保持さ
れ、ピン１９を回動芯にして強いばね２１に抗して介動
杆１８が右転してこれに載る復帰杆２２の左端２２ａを
押動ピン２５の下側へ乗り越えさせて解除（解放）する
関係寸法に設定された構成となっている。

本発明の工具貯蔵マガジンＭにおける工具収納筒５の傾
倒装置は上述の如くなり、次のように作用する。

先ず、回転円板４が回転して交換すべき工具Ｔ１を工具
交換位置に割出回動時は、各工具収納筒５は起倒部材２
０と離れて円滑な割出運動をして停止する。

このとき工具ホルダＴＨ１は、第１図に示す如く回転円
板４の外周に設けたクランプ部材Ｋに係合突子５ｂを保
持されて割出回転軸（図示なし）と平行する水平姿勢と
なっている。

また油圧シリンダ１５のピストンロッド１６も下死点ａ
にあって、この先端に付設する起倒部材２０の復帰杆２
２左端２２ａが押動ピン２５の直下にある。

次に油圧シリンダを作動してピストンロッド１６が下死
点から上昇をはじめると、第３図鎖線の如く弱いばね２
４に張架されている復帰杆２２は押動ピン２５に上昇を
阻まれ弱いばねに抗して右転することで該ピン２５を乗
り越え、下側の介動杆１８の左端？８Ｇに押動ピンを載
せる。

更にピストンロッド１６が上昇を続けると、工具収納節
５は押動ピン２５を介して介動杆１８から強力な右転力
を受けて係合突子５ｂをクランプ部材Ｋから外す。

これで工具収納筒５は自重による右転力とピストンロッ
ド１６の押上げ力とで反時計方向へ回動し、第４図の如
くピストンロッド１６が上死点すに達するとき支持杆１
０が回転円板４の規制面４Ｃに当接して工具収納筒５を
５′の如く直立垂下の姿勢に位置決めする。

次に待機位置にある工具交換アーム２が旋回して左側の
工具把持部２ａが工具ホルダ５′の工具Ｔ１を掴み、図
示しないが右側の工具把持部が工作機主軸に挿着する工
具を掴へこの後、工具交換アーム２の進退運動上１８０
０の旋回運動により主軸と工具収納筒５′との工具が交
換される。

然る後に、第４図の如く上死点すに静止していたピスト
ンロッド１６が第５図の如く降下運動をはじめると、ス
トップ１８ｂによって右転を止められている復帰杆２２
の左端２２ａ下面が支軸６よりも右側−上方にある押動
ピン２５を押し下げ、工具収納筒５を矢線方向に右転す
る。

そしてピストンピント１６が中間付近を通過して下死点
ａに近づくと、係合突子５ｂが回転円板４のクランプ部
材にζこ突入して工具収納筒５を第１図（第６図）の如
く水平姿勢に保持し、更にピストンロッド１６が下死点
ａに向って降下をつづけると、第６図の如く強力な収縮
力に設定されたばね２１を伸長させ、ピン１９を可動芯
１にして介動杆１８を右転させる。

この結果碇動杆１８上に載る復帰杆２２もピン１９を回
動芯にして右転され、押動ピン２５と係合するその左端
２２ａが次第に該ピンから遠ざかり、ピストンロッド１
６の下死点寸前で左端２２ａが押動ピン２５の係合から
外れてこの下側へ乗り越えて解放される。

かくして、ばね２１の収縮力により再び介動杆１８は第
１図の如く水平姿勢に戻され、これに載る復帰杆２２も
水平姿勢となり、ピストンロッドも下死点に静止し、工
具収納筒の傾倒装置の動作が完了する。

この後の、工具マガジンの割出回動時も各工具収納筒５
は起倒部材との接離動作をすることなくマガジンと共に
この外周を自由に旋回する。

尚、本発明は上記一実施例に限定されることなく細部の
設計変更が可能である。

例えばクランプ部材にの係合子８も２つ備えた一対式と
したり、工具収納筒５の直立垂下姿勢のストップを支持
杆１０とは別に設けた位置決め部材で行うようにしても
よい。

更に取付具１１に対する介動杆１８の下面を浮かせた枢
支関係とし、取付具の中腹付近の上面に突出螺合させた
ストップ螺子によって介動杆１８の水平姿勢、即ち復帰
杆２２の水平姿勢及び押動ピン２５を乗り越える復帰杆
のタイミング調整が出来るようにしてもよい。

また第４図で直立垂下している収納筒５が降下する介動
杆から解放されたとき、若干右傾するような板ばねを支
持杆１０等に備えるのが収納筒の水平姿勢への復帰作用
上好ましい。

本発明の工具収納筒傾倒装置ｌこよるときは、工具収納
筒の後端側となる工具交換位置に１つの油圧シリンダを
回転軸と直交する方向に向けて配置し、このピストンロ
ッドに固着した取付具に右転を許容される介動杆を枢支
して強力なばねで右転を拘束する一方、右転を許容され
る復帰杆を介動杆上に枢支して弱いばねで右転を止めた
起倒部材となし、この起倒部材を工具収納筒の後端に付
設した押動ピンに対して、ピストンピントが下死点から
の上昇時に復帰杆左端は弱いばねに抗して押動ピンに押
転されてこの上方へ乗り越え、下方の介動杆左端が押動
ピンを押上げて工具収納節を直立垂下させ、ピストンピ
ントの上死点からの降下時に直立垂下している工具収納
筒の押動ピンを復帰杆左端で押下げ、工具収納筒を水平
姿勢にクランプ部材に保持された下死点付近で強いばね
に抗して右傾される介動杆によって上記復帰杆左端が押
動ピンから外れて下方へ解放される関係に設定したから
１、工具貯蔵マガジンの各工具収納筒を自己のクランプ
部材で保持して、工具貯蔵マガジンの割出回動時に工具
収納筒が他部材との接離動作を行なうことなく自由にマ
ガジン外周を旋回し、工具交換位置に設けたアクチェー
タ・シリンダのロッドに工具収納筒の傾倒と復帰とを司
どる新規な起倒部材を設け、この起倒部材が工具収納筒
の傾倒時のみ工具収納筒尾端の押動ピンに係合し、工具
収納筒の傾倒と復帰とを迅速かつ確実に行うことができ
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の正面図、第２図は本発明装置の平
断面図、第３〜６図は本発明装置の各作用状態を示す正
面図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 割出回転軸の回転円板外周に枢支された多数の工具
   収納筒をこの回転軸と平行な水平姿勢にクランプ部材で
   保持し、工具交換位置に割出された工具収納筒を回転軸
   と直交する回転円板の外径方向へ倒す工具貯蔵マガジン
   において、工具収納ｍの後端側となる工具交換位置にア
   クチェータの１つの油圧シリンダを回転軸と直交する方
   向に向けて配置し、このピストンロッドに固着した取付
   具に右転を許容される介動杆を枢支して強力なばねで右
   転を拘束する一方、右転を許容される復帰杆を介動杆上
   に枢支して弱いばねで右転を止めた起倒部材となし、こ
   の起倒部材を工具収納筒の後端に付設した押動ピンに対
   して、ピストンロッドが下死点からの上昇時に復帰杆左
   端は弱いばねに抗して押動ピンに押転されてこの上方へ
   乗り越え、下方の介動杆左端が押動ピンを押上げて工具
   収納筒を直立垂下させ、ピストンピントの上死点からの
   降■時に直立垂下している工具収納筒の押動ピンを復帰
   杆左端で押下げ、工具収納筒を水平姿勢にクランプ部材
   に保持された下死点付近で強いばねに抗して右転される
   介動杆によって上記復帰杆左端が押動ピンから外れて下
   方へ解除される関係に設定して成る工具貯蔵マガジンの
   工具収納筒傾倒装置。