JPS5822156Y2 - 時計の時刻修正装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は特に水晶時計などに使用して好適な時計の時刻
修正装置に関するものである。

従来、水晶時計などの時刻修正装置においては、修正軸
を引いて修正軸と時分針軸とを歯車連結した後、これを
回転させて指針修正を行なっている。

このような装置では、歯車機構が必要となるため部品点
数が増えて機構が複雑になるとともにコストが高くなり
、筐た修正つ１みを引いて（または押して）から１わす
二段動作をするため操作がやり難いという欠点があった
。

また、修正時に秒針を零復帰するには、時分針修正と別
個の動作でこれを行なっているため操作が面倒であった
。

本考案は従来のこのような欠点を解消するためになされ
たもので、その目的とするところは、時分針修正と秒針
の零復帰をワンタッチの動作で行なうようにし操作性を
向上した時計の時刻修正装置を提供することにある。

この目的を遠戚するために、本考案は、時計駆動用のパ
ルスモータを早送りして時分針修正すると同時に零復帰
機構を動作して秒針を零復帰するようにしたものである
。

以下、本考案を図面に基づいて詳細に説明する。

第１図は本考案に係る時計の時刻修正装置の一実施例の
構成図である。

図において、水晶発振回路１からの基準信号は分周回路
２で分周され、Ａ端子からは一定周波数の時間信号が出
力され、この時間信号は常閉のスイッチＳＷ１を経てパ
ルスモータ３に供給される。

分周回路２０Ｂ端子からは分局途中の前記時間信号より
は十倍程度高い周波数を有する修正信号が出力される。

このＢ端子はスイッチＳＷ１と連動する常開のスイッチ
ＳＷ２を経てパルスモータ３に接続される０このパルス
モータ３は逆転機構を内蔵するいわゆる正逆転可能なパ
ルスモータであり、この逆転機構は逆転駆動装置４によ
って駆動される。

逆転駆動装置４が非動作のときはパルスモータ３は正転
し、動作したときは逆転する。

逆転機構としては補極の位置を変位させる構造のものと
か、歯車輪列を設は伝達比は変えずに歯車を一段附加し
て逆転出力を得るものとか各種の方式が考えられる。

また逆転駆動装置４としては電磁石などが使用される。

次にレバー５は被駆動片５ａｔ５ｂと駆動片５ｃをそれ
ぞれ有し、４本のガイド６によって図で横方向に移動可
能に支持される。

指針表示が遅れている場合にこれを進めて修正するとき
用いる進みの修正軸７は、図の紙面に対して垂直方向に
移動可能に支持される。

修正軸７は第２図に示すように傾斜部７ａを経て先端部
７ｂが細くなるように形成される。

なお修正軸７０頭には指で押すためのボタン７Ｃが設け
られている。

−修正軸７は常時は第２図の位置にあり、矢印のように
下方に押されると傾斜部７ａが被駆動片５ａを押すため
レバー５は矢印のように右方に移動する。

また、指針表示が進んでいる場合にこれを遅らせて修正
するとき用いる遅れの修正軸８も、修正軸７と全く同じ
構造を有し、修正軸８を下方に押すと被駆動片５ｂが押
されてレバー５は右方に移動する。

なお、修正軸８は、下方に押されたとき先端部の先がス
イッチを押すようになっている（このスイッチは図示し
ていない）０このスイッチがオンすると逆転駆動装置４
が動作し逆転機構が作用してパルスモータ３は逆転する
ようになる。

一方、レバー５の駆動片５ｃは、レバー５が図で右方に
移動したときスイッチＳＷ０ 、ＳＷ２を動作するよう
に配置されている。

すなわち、第３図に示すように、スイッチｓｗ１ 、ｓ
ｗ２を収納したマイクロスイッチ９を駆動する駆動レバ
ー９ａは駆動片５ｃの移動位置に配置されており、駆動
片５ｃが矢印の方向に移動すると駆動レバー９ａは押さ
れマイクロスイッチ９が動作する。

なお、９ｂは端子である。

常時はスイッチＳＷ１は閉、スイッチＳＷ２は開状態に
あるが、マイクロスイッチ９が動作するとスイッチＳＷ
１は開、スイッチＳＷ２は閉状態になる。

これらのスイッチ回路により修正駆動回路が構成され、
また、駆動片５ｃ、駆動レバー９ａ等によって修正駆動
回路と後記する零復帰機構とを連動する連動手段が構成
される。

次にレバー１０は支点１０ａに回動自在に支持され、ば
ね１１によって点線矢印の方向に附勢力が与えられて、
一端部１０ｂがレバー５の先端に当接している。

そしてレバー１０の他端部１０ｃの近くには秒針軸１２
に固定されたハートカム１３が配置されている。

レバー５が右方に移動するとレバー１０の一端部１０ｂ
が押され、この結果他端部１０ｃは矢印の方向に移動し
てハートカム１３を押し秒針軸１２を零復帰させる。

これらのレバー１０．ばね１１．ハートカム１３などに
より零復帰機構が構成される。

第４図は時計機構の部分の縦断面図である。

パルスモータ３はロータ磁石３ａ、ステータ磁極３ｂ、
カナ歯車３ｃからなり、このカナ歯車３ｃは秒針軸１２
にゆるくはめ込１れた秒針歯車１４にかみ合っている。

秒針歯車１４とハートカム１３との間にはスリップ機構
を構成するばね１５が設げられる○このばね１５は秒針
歯車１４とハートカム１３の間を所定の摩擦力で結合す
るものであり、両者に所定以上のトルク差が生じるとス
リップするようになっている。

パルスモータ３のカナ歯車３ｃが回転するときは、これ
とかみ合う秒針歯車１４０回転ばばね１５を介してノ・
−トカム１３に伝達され秒針軸１２は１分１回転の速度
で回転する。

ここで零復帰のためにハートカム１３を押して秒針軸１
２を回転させると、秒針歯車１４はカナ歯車３ｃとかみ
合って負荷が重いのでハートカム１３と秒針歯車１４は
ばね１５を介してスリップし、秒針軸１２のみが回転す
る。

一方、秒針歯車１４が正常回転をしているときは、この
回転は秒針カナ１６，３番歯車１７，３番カナ１８を経
て分針軸１９に固定された分針歯車２０に伝達される。

さらに分針軸１９０回転は分針カナ２１２日の裏歯車２
２９日の裏カナ２３を経て時針軸２４に固定された時針
歯車２５に伝達される。

なお、２６は秒針、２７は分針、２８は時針である。

このような構成において、時計の表示が遅れている場合
、進みの修正軸７を押すとレバー５が第１図に示すよう
に矢印のように右方向に移動し、駆動片５ｃによってス
イッチＳＷ０が開きスイッチＳＷ２が閉じる。

ここで今次分周回路２のＡ端子からの時間信号によって
正常速度で回転していたパルスモータ３は、Ｂ端子から
周波数の高い修正信号を供給され高速で回転する。

前記のように修正軸７を押したとき、同時にレバー５の
移動によってレバー１０が回動し、その他端部１０ｃに
ハートカム１３が押されて秒針軸１２は零復帰回転する
。

一方、パルスモータ３が高速回転すると時分針の早送り
がなされ短時間で時分針は正確な時刻の表示位置に到達
する。

この時点で押している修正軸７をはなすと、各部品は第
１図の状態に戻り、時刻修正がなされて時分針は正確な
表示をなし同時に秒針は零復帰する。

同時に正常な運針動作がひきつづいて行なわれる。

次に時計の表示が進んでいる場合、遅れの修正軸８を押
すとレバー５が前記と同様に移動しスイッチＳＷ０が開
きスイッチＳＷ２が閉じるが、このとき同時に修正軸８
の押し動作によって逆転駆動装置４が動作しパルスモー
タ３は逆転状態になるので高速逆転して時分針の早送り
がなされ、短時間で時分針は正確な時刻の表示位置に到
達する。

なお、秒針の零復帰は前記と全く同様になされる。

時分針が正確な時刻を表示した時点で修正軸８をはなす
と、各部品は第１図の状態に戻ジ修正が完了する。

パルスモータ３を高速回転させて早送ジ修正する場合、
もし秒針軸１２をその１１回転させると、秒針軸１２は
時分針軸に比してはるかに速く回転するため軸のホゾや
軸受部が摩耗してし１い、また文字板上を秒針が高速で
１わるため目ざわりになるが、本考案によれば、修正時
に秒針を零復帰してし甘いこの位置で停止させておくの
で前記のような不都合は全く起こらない。

このように本考案に係る時計の時刻修正装置によると、
ワンタッチ操作で時分針の修正と同時に秒針の零復帰が
でき、操作性を著しく向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る時計の時刻修正装置の一実施例の
構成図、第２図は修正軸とレバーの動作関係を示す説明
図、第３図は駆動片とスイッチの動作関係を示す説明図
、第４図は時計機構の縦断面図である。 １・・・・・・水晶発振回路、２・・・・・・分周回路
、３・・・・・・パルスモータ、４・・・・・・逆転駆
動装置、５，１０・・・・・・レバー、５ ａ 、５
ｂ・・・・・・被駆動片、５ｃ・・・・・・駆動片、６
・・・・・・ガイド、７，８・・・・・・修正軸、１２
・・・・・・秒針軸、１３・・・・・・ハートカム、１
４・・・・・・秒針歯車、１５・・・・・・ばね、１９
・・・・・・分針軸、２４・・・・・・時針軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一定周波数の時間信号によって一定速度で回転するパル
   スモータと、このパルスモータによって回転される秒針
   歯車にスリップ機構を介して同心状にかつ回転可能に支
   持された秒針軸と、この秒針軸を零復帰させる零復帰機
   構と、前記秒針歯車と減速歯車を介して回転連結する時
   、分針軸と、前記時間信号より高い周波数を有する修正
   信号を前記パルスモータに供給する修正駆動回路と、前
   記零復帰機構の動作に連動して前記修正駆動回路を動作
   させる連動手段とからなり、修正時に前記零復帰機構を
   動作させ前記秒針軸を前記秒針歯車に対してスリップさ
   せて零復帰させると同時に、前記修正駆動回路に駆動さ
   れたパルスモータの定常時より早い回転を前記秒針歯車
   、減速歯車を経て前記時２分針軸に伝達して時９分針軸
   を早送りするようにした時計の時刻修正装置。